庭造りの日々

庭造りは入居当初…いや、土地選びの頃からの、大きなテーマでした。

だって、そのために庭の大きな(けど安い)土地を、一生懸命探したんだもん。


庭造りは妻の領分(土木も、植栽も)なので僕はコメントすることは余り無いのですが、入居3年目までの概要だけを記しておきます。


入居直後

入居直後、庭は「荒野」でした。

土地購入時には一面に雑草がはびこり…ということは、それなりに肥沃な土地で、土も軟らかかったのですが、地盤改良、コンクリート搬入、工事車両の出入り、人間の出入り…と、踏み固められ、あらされて、非常に硬く、雑草ひとつ無い庭になっていました。

表面は乾燥し、風が吹けば土ぼこりが舞い上がります。周囲の家にも申し訳ないので、何よりもまず植栽を、と思ったのですが…


まず、引っ越してきた父が「端のほうに、持ってきた木を植えさせてくれ」と、勝手に木を植え始めます。

とにかく、掘りあげたままにはしておけないので、適当でも植える、という状況で、植栽計画などはありません。

さらに、ガチガチに固まっている土を、年老いた父の力で掘っただけなので、植え方も浅いです。しかし、こちらも引越し直後の整理や、まだ乳児だった子供の世話などが忙しく、植栽まで手伝う余裕がありません。


その後すぐ、前のページにも書いたように、父は兄の建てた家へ引っ越しました。この際もいくつかの木を再び掘り起こして持っていったのですが、「持って行ききれない」ということで、半数くらいが放置されます。

ところどころ、歯抜けに植栽計画も無く木が植わり、庭の中央部は荒野のまま…そんな状態で庭造りがやっとスタートしました。

裏庭

入居直後、妻としても僕の父に遠慮して、表庭は父に任せようとしていました。しかし、裏庭には自分の好きなものを植えるつもりでいました。

そのための準備を進めていたため、庭造りは裏庭からスタート。裏庭と言っても、都会の安い建売住宅の庭に比べれば、ずっと広いスペースです。

隣が水田で、庭土の湿度が高いことに気づいたため、まずは土をかさ上げ。いわゆる「花壇」状態にします。(レイズドベッド、というんだそうで)

土留めには、土地の購入時に土地の周りに立てられていた「木杭」を切って使います。…というか、SWHの工事の人に「一緒に捨てておいてください」とお願いしておいたのに、木杭が残されたままだったので、その処理を兼ねています。

沢山の杭を短く切って一直線に埋めるのは大変な仕事ですが…僕はノータッチ。全部妻が一人でやりました。…すげーな。


土留めが出来て、少し土を入れたところで表庭に作業が移ります。

庭を耕す

表面が固まって荒野になっている庭を、スコップ一本でひたすら掘り返し、耕します。

これは大変な作業なので、僕も手伝いました。「手伝った」という程度だけど。主に、僕は仕事をしながら子供の世話をしていました。(この頃はまだ1歳過ぎで、ほとんど寝ていたけど)

掘り返すと、出るわ出るわ…瓦礫の山が出てきます。何でこんなに瓦礫が? 引っ越して数ヶ月、仲良くなり始めていた隣家の人が、この土地の秘密を教えてくれました。

10年以上前に、この土地の購入者が産廃の廃棄業者で、瓦礫を捨てていったのだとか。元々ここは斜面になっていて、全体としては北側にある畑(1.5m程度の段差がある)と同じ高さの部分が多かったのだとか。

現在は、高低差の「高いほう」である、水田と同じレベルになっています。つまり、1mほど土地が「埋め立て」られている状態。どうも、高低差のある土地であることを知った上で購入した業者が、その高低差を埋めるまで産廃を投棄して、土をかぶせて「土地」として売った、ということらしいです。


どうも、産廃を捨てたといっても、瓦礫などは投棄場所に制限があるものでもなく、自分の土地なので「不法投棄」ではないし、「周囲の土地より高くなるほど」積み上げたわけでもないので、合法な範囲らしい。

まぁ、安い土地だったので多少のことは驚かないんですけど、これには参った。だって、30cm も掘れば瓦礫にぶつかるのですから。庭造りどころではありません。


まずは、スコップひとほり、深さ30cmくらいまでにある瓦礫は、全部取り除きます。取り除いたものは、全部袋に詰めて、駐車場の片隅へ。

土壌改良剤として、大量の堆肥を投入します。多分、1トンくらい入れたはず。ホームセンターで買ったら結構な額になるはずですが、鎌倉市では堆肥は無料でもらえます。

瓦礫を大量に取り除いていますが、堆肥の投入と、耕すことでかさが増えた分の土は、裏庭の花壇へ。


ある程度土地が耕せたら、道を作ります。今後の植栽を考えながら、どこに道を通すか考えて…。庭が広いので、道はメイン1本のほかに、庭のメンテナンス用に細いサブを作ることにしました。

これには、枕木とレンガを使うことにしました。コンクリートを使えば簡単でしょうが、失敗したときにやり直しにくいですし…。ホームセンターで大量の枕木とレンガを買ってきます。枕木は大小取り混ぜて100本ほど。レンガは300個ほど購入しました。


このレンガ、1個48円で売っていた安物を使ったら、冬の間に寒さで割れました (^^; その後、レンガは排除することにするのですが、これはまた別の話。


この作業を行っている中、営業の H さんが、その後の様子はどうかと尋ねてきました。

庭から瓦礫が出てくる、という惨状(?)を見た H さんが、「少し不動産業者に掛け合ってみます」と言ってくれます。

掛け合うと言っても、不動産業者もこんな土地とは知らずに売っているわけだし、瑕疵担保責任も無いのでは…?

数日後、連絡が来ます。土地の売主に責任は無いのですが、少しながらのお詫びとして、10万円くれるそうです。瓦礫を捨てる費用の足しになれば…という程度ですが、ありがたく貰っておきます。


結局、瓦礫は軽トラック5台分出てきました。1台2万円で10万円。これは「途中で一度捨てた」だけで、その後さらに、それ以上の量が掘り出されています。(2008年時点で未処理)

植栽

庭が何とか形になったのは、入居して最初の冬。整えるのに半年かかったことになります。その後の植栽は、完全に妻任せ。


シンボルツリーとして、入居時にポポー を購入しました。

「カスタードアップル」とも呼ばれる果物で、その名の通りカスタードクリームのような味がするのだそうです。しかし傷みやすいので流通はせず、その反面、木は病害虫や寒さにも強く手間要らずな上、樹形は美しく、花も咲かせるため、庭木によいのだとか…。という説明を受けてシンボルツリーとして購入したのですが、まだ実をつけていないので、味に関しての詳細レポートは出来ません (^^;


冬の間に、チューリップの球根100球セットを購入、植えました。でも、100球って多いかと思ったけど、かなり少ないのね…

「日本では球根は育たない」と言われるのですが、実験的に球根を栽培し、翌年植えたらちゃんと咲きました。


アーティチョークを植えています。かなり大きくなる「草」ですが、葉っぱが綺麗なので、妻はいけばなにも使っています。

花は食べられるのですが…「たけのこ」というのがぴったり来る表現。周辺は剥いて剥いて…中央の、ほんの少しだけを食べます。味もたけのこに非常に近い。

おいしいのだけど、食べるのは結構面倒くさいです。


せっかく鎌倉なのだから、とアジサイもいくつか植えています。これは、庭の湿度が高いから、という理由でもあります。

柏葉アジサイは、近所の造園屋さんが綺麗に咲かせていたので「一本売って!」と妻が掛け合ったら、笑ってただでくれたもの。妻が欲しいと思って探していた品種だったのだそうです。今では立派に根付いています。


夏になるとひまわりを植えるのですが…これが、凶悪!(笑)

背が低く、花も小さなものを大量につけるものを植えたら、2年目の夏(庭が出来てから最初の夏)は通路が歩けなくなるほど、はびこった…

3年目は反省して、通路から少し離して植えたのですが、ひまわりの繁殖力の前に、「少し離す」くらいのことは効果がありませんでした。


これを書いているのは3年目の冬で、この件の反省から「通路を広げないと駄目だ」と考えています。2年間で最初に作った通路の「使いにくい」ところもわかっているので、拡幅だけでなく、一部変更も考えています。

パーゴラを作り、藤を植えました。「藤は前から育ててみたかった」という妻が、品種を選び抜いて「口紅藤」にしました。

普通は淡い紫色…いわゆる「藤色」の花が咲きますが、口紅色は白い花の輪郭だけ、薄い紅色になります。写真で見る限り非常に上品な色だったので、これを選んだのですが…

植えて2年、咲いてみると案外白い色でした。今後大量に咲くようになったら印象が変わるのかもしれませんが、「ちょっと白すぎたかな?」という感じでもあります。


モンキーバナナを買いました。2年目は鉢植えで育てたら大きくならず。3年目の今年は地植えにしたら、11月になって蕾をつけました…が、そのまま12月に突入。現在、葉の一部が霜でやられていますが、蕾は徐々にほころんでいます。咲くかどうかは不明。


鳥たちが、かってに種を植えます。我が家では雑草ならぬ「雑木」(ざつぼく。「ぞうき」ではない)と呼んでいますが、庭のあちこちに生えています。

百日紅(サルスベリ)は3本くらいあり、綺麗な花を見せてくれます。芙蓉(ふよう)も綺麗な花を見せてくれますが、毛虫が多いのが少し困り物。

桑は、小さくてもちゃんと実をつけてくれたので、子供と一緒に収穫して楽しみました。


綺麗なものであれば、雑草もそのままです。上の子にウケていたのが「桃色昼咲き月見草」。花がかわいいから摘んで遊んでいたのもありますが…

妻が「お月様の色で夜咲くから、月見草。でも、これは色が桃色で、昼に咲くのに、名前が月見草」と教えたところ、言葉遊び的な面白さで、すぐに名前を覚えてしまったのでした。

ヘビイチゴも大量に生えています。こちらは、下の子のお気に入りで、実を大量に摘んで握り締めていました。


紫蘇も半分雑草。植えてないのに大量にあるので、夏の終わりごろに収穫してジュースにします。パセリも半ば雑草。植えたのは事実ですが、予想以上に、はびこりました。こちらは大量に刻んでチャーハンに入れるとうまいです。


裏庭の「花壇」予定の場所は、現在畑になっています。ジャガイモ、サトイモ、サツマイモ、ヤーコン、小松菜、かぼちゃ、トマト、蚕豆、枝豆、さやえんどう、スイスチャード…などなど、3年の間にいろいろ収穫できました。夏は食費が助かっています。

第2期工事…

少し上(植栽の、ひまわりのところ)に書きましたが、現在通路などの見直し計画中。今は通路などの都合で庭に手入れしにくい箇所があり、見苦しい庭になっている部分もあるのですが、もう少し整う予定…

入居時、妻は「3年で見られる庭にする」と言っていたのですが、僕は「10年計画で気長にやろうよ」と言っていました。

今となっては、本当にいい庭が出来るまでは、20年かかりそうだなぁ…とも思っています。

だって、完全に自分たちで作った庭だから、使いにくいところがあれば「また手を入れよう」と思ってしまうんですよね…

(ページ作成 2008-12-04)

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