間取りと土地(3)
土地の現場視察を終え、モデルハウスに移動します。
「今日、明日は相手の不動産屋も休みのはずですから、まだ買い手がついていないならFAXで買い付け注文を入れてしまいましょう」と不動産屋のMさん。
Mさんがなにやら忙しく電話をしている間に、両親をつれてモデルハウスを案内。僕はもう何度も来ていますが、両親は1箇所のモデルハウスしか見ていないので。
一巡りして戻ってくると、Mさんのほうもちょうど準備が整ったようです。
「調べましたところ、まだ買い手は付いていないようです。今日中に買い付け注文を入れてしまいましょう」
ということで、購入を前提とした最終打ち合わせ。
不動産屋も大手のネットワークがあり、そこでさまざまな手順・書類が定められているようです。なにぶん大金が動き、詐欺まがいの事件なども起こりやすいだけに慎重なのでしょう。
僕の場合、Mさんに会う前に勝手に自分で土地を見に行ったわけですが、本来はまず、不動産屋に土地の検索を依頼しないといけないそうです。
…というわけで、検索依頼書を書きます。名前などの概要だけ書いたらあとはMさんの領分なのですが、探してもらう土地の範囲に詳細な住所書き込んでいます (^^; いかにも「手続き上の形だけ」と言う感じの書類。
「では、検索依頼書を頂きまして、検索した結果ご希望通りの土地が見つかりました」と、これも手続き上のMさんの言葉。
続いて、土地購入の手順などの説明があります。すでに聞いていることですが、ローンが降りない場合は契約は白紙撤回となること、支払いは契約調印から1ヵ月後であることなど。買う前に、不動産屋に説明義務があるようです。
そしてやっと、買い付け依頼書を書きます。ここで、Mさんから強気な発言。
「買い付け依頼価格を、先方の売値より100万円低くしましょう」
この土地、すでに信じられないくらいの安値です。今の値段でもとにかく買えればありがたいと思っているのに、さらに値下げしようとは…
ただし、とMさんは続けます。実際には100万円は下がらずに、端数をオマケしてもらえる程度でしょうと。それでも十分です。
書類が書き終わって、再びMさんから説明があります。
土地の値段交渉期間は1週間設けられているのですが、普通は3〜4回の交渉、時間にして2〜3日で完了するそうです。その間はこまめに連絡を入れてくれるそうですが、契約調印は4日後の日曜日とします。
「では、私はちょっとFAXを借りて、先方に書類を送ってきます」と、Mさん退席。
はぁ…やっちまったよ。もう後戻りは出来ない。でも、いい土地だと信じられたから後戻りしたいとも思わない。
主に僕が説明を受けるだけで、両親は横で見ているだけでした。手持ち無沙汰な様子。そこで、今度はHさんにもらった間取り図を元を、いろいろと説明したりします。
そんなこんなで30分。Mさんが戻ってきました。
「えー、あの土地のことなのですが実は…」
実は…なんなんだ。実はもう買い手が付いてしまっていたとか!?
「実はうちの上司が売主の不動産屋と親しかったそうで、上司から電話を入れてもらったら100万円の値引き、即決でOKでした。おめでとうございます。」
そんなわけで、わずか30分で買い付け完了。
「こんなことなら、もう少し値引きしてもらえばよかったかな」とMさん。「でも、普通じゃこんなに引いてもらえること無いんですよ」と言い訳しますが、僕らとしてはこれで十分です。
急に場の緊張も解け、この後しばらく四方山話をしてから解散となります。
スウェーデンハウスにメーカーを決定してから3週間、正式契約と同日に、10日前に見つけた土地の購入を決めてしまいました。
…この3週間、すごく忙しかった気がします。