どの街に住もうか?
建売でも買おうかな…から注文住宅に心変わりしたのは、このころ自分の仕事がうまく行き始めたからでもあります。
それまでは、仕事には困っていませんでしたが普通に会社勤めしているのと変わらない収入しかありませんでした。それがここに来て、やっと勤めている頃の収入を上回るようになったのです。
仕事で税務処理をしてもらっている税理士さんに「家を買おうと思っているのですが」と相談してみます。
まず最初に、「どこら辺に買うんですか?」と聞かれました。すごく重要なことなのに、実はこのころまで場所のことをあまり考えていませんでした。
「毎週一度、三軒茶屋で仕事の打ち合わせがあるから、東急東横線沿線かなぁ…」あいまいな答えを返します。東横線沿線は高めだけど、駅から遠くていいなら何とかなるかも知れませんね、と言われました。でも、真剣に考えていたわけでもなかったので高めがどれくらいなのか、駅から遠くがどれくらいなのかわかりません。
家を買うならまず土地を決めなきゃ…と、真剣に土地探しを考え始めます。
ここでもお世話になったのは「住宅情報タウンズ」。まず、東横線沿線でざっと土地の値段を調べます。
うわ、東横線高っ!…でも、駅によっては安かったりします。大抵は急行が止まらない駅です。
うーん。大船よりも横浜寄りならどうだろう。保土ヶ谷は安いな。でもあそこ歩いた時、駅前に商店がほとんど無かったのも見ているからな…
大船も案外高いです。さらに下がって茅ヶ崎。勤めていた頃、会社の先輩が茅ヶ崎に家を買ったと言っていました。きっと安いに違いない。
…茅ヶ崎は湘南にあこがれる人も多いのか、大船よりも高い場合もありです。
うーむ、こんな土地の値段じゃぁ、家が建たないぞ…
悩んでばかりいても仕方ないので、機会をみていろんな街を歩いてみよう、と言うことになります。
茅ヶ崎の住宅展示場を見て、ついでに街を歩いてみます。
保土ヶ谷の保険事務所に行く用事があれば、妻と一緒に行って保土ヶ谷周辺を散歩してみます。
仕事で渋谷に行く途中で、途中下車して自由が丘を散歩してみます。
重要なのは、駅前のスーパー・商店街の値段。
現在は大船に住んでいますが、大船は非常に物価が安いです。古くからある商店街が強く、鶏肉100g50円、大根2本で100円なんていうのは当たり前の値段。大売出しだと牛肉100g50円なんて時もあります。
さらに、大船には西友・イトーヨーカドー・ライフという、3つの大型小売店があります。商店街は生鮮食料品だけで、調味料や加工品は売っていません。しかし、スーパー同士の競争もあってそうした加工品も安いのです。
たとえ大船よりも土地が安かったとしても、物価が高くなれば結局損をする、と言うのが妻の主張。普通のスーパーで買い物をするのに比べて、大船にいれば1ヶ月で1万円は安上がりになっていると言う試算を出します。家族5人なら月5万円。1年間で60万円。20年も暮らせば1000万円変わってきます。
それに対して、茅ヶ崎や保土ヶ谷のあたりが多少土地が安いといっても、せいぜい数百万円の話。ましてや、東横線沿線なんて土地が高い上に物価も高いです。それならば、大船に住み続けたほうがよさそうです。
こうした結論は、すぐに出たわけではありません。メーカー選びなどをしながら同時進行で考えて、大船にしようと結論を出したのは2004年に入ってからでした。