進化するレゴブロック

レゴブロックで遊んだ事のある人、結構多いのではないかと思います。

私の家にはダイヤブロックがあったのですが、ダイヤブロックよりはレゴブロックのほうがブロックの形状も多く、凹凸が小さいために扱いも楽でした。子供心にレゴがほしかったものです。


ダイヤブロックが国産であるのにたいし、レゴブロックは海外で大きな市場をもっています。そうすると当然ニーズの多用化にも答えないといけないわけで、「レゴ」の中でも多くのシリーズがあり(乗り物シリーズとか、お城シリーズとか)、シリーズ毎に多くのセットがあり(乗り物でいえば、ヘリコプターだったり消防車だったり)、さらに、「レゴ」自身にも姉妹品があります。


有名な姉妹品は「デュプロ」。レゴで遊ぶほど器用ではない幼児向けに作られたブロックで、全ての凹凸がレゴの2倍(体積で8倍)の大きさに作ってあります。これなら幼児が掴んで遊ぶのに丁度よいサイズです。特筆すべきは、大きさが違うのにレゴブロックと接続可能だということです。


前置きが長くなりましたが、今回取り上げるのはデュプロとは逆に高年齢向けのレゴ、「レゴテクニック」です。

レゴテクニック

レゴテクニックの大きな特徴として「歯車」の使用があげられます。

レゴテクニックのセットには、大抵いくつかの歯車と軸、それに軸受けになるブロックが組みこまれています。


軸受けになるブロックは従来のブロックに穴が空いている形状で、他のブロックと可動する軸を結び付ける役割を果たします。


左が軸受けつきブロック、右が従来のブロック。上のものは横に、下のものは上下方向に穴があいている。
 軸受けの穴自体、レゴブロックの凸部がちょうどはまる大きさになっている。後で紹介する継ぎ手で穴と穴をつなげることも出来るので、従来は出来なかった方向に接続することも可能。


軸は断面が十字になる形をしていて、歯車や継ぎ手はこの十字にきっちりはまる形をしていて、空回りすることはありません。


車軸にはさまざまな長さがある。この長さも、ブロックの大きさを基準に決められている。写真右下に車軸の端部の拡大を用意したのだが、十字になっているのがわかるだろうか?


歯車をつけた状態の軸を組みあわせるとき、それがどんな歯車の組みあわせでも、大抵はきっちりとブロックのはまる位置に軸受けが来ます。

「そう設計してあるから」というのは簡単ですが、小学生のころにチョロQのエンジンを、レゴブロックに無理やりセロテープで留めて走らせていた私には感動ものでした。


歯車の種類も、大小さまざまだ。違いは大きさだけではなく、スパイラル状のものや平らなものもある。写真右下の歯車は傘型なのだが、写真からはわからない。
 穴がたくさんあいている歯車もあるが、この穴には車軸がちょうど通る。中心からずれた位置に車軸をつけることで、ピストンなども作ることができる。
 また、穴の間隔はブロックの凹凸間隔と同じなのでブロックを繋ぐことも可能だ。


歯車では隣接した場所にしか動力を伝えられませんから、輪ゴムを使って力を伝える「プーリー」も用意されています。また、歯車に引っかけて使うチェーンもあるようです。チェーンは私は持っていないのですが、長さを自由に調節できるように工夫されているようです。


プーリーは歯車程の種類はないが、次に紹介する継ぎ手にもプーリーとして使えるように工夫されているものがある。
 大きなプーリーは、外周近くの穴に継ぎ手を差し込んで手回しハンドルとして使用することもできる。
 小さなプーリーには丁度はまる大きさの太いゴムリングが用意されていて、タイヤとしても使用可能。もっとも、タイヤはちゃんとしたものも用意されているのだが。


継ぎ手にはさまざまな種類があります。まず、車軸同士をつなぐもの。角度を付けられるようになっているものもあります。継ぎ手にはギザギザが付いているものも多く、このギザギザ同士をつかって互いに接続できます。


車軸を繋ぐ場合にも、固定する場合と、軸受けのように自由に回転できるものとがあります。後者はピストンなどを作る場合に使います。車軸が軸受けから滑り落ちないように固定するために使うものもあります。

車軸以外に使い、軸受けの穴と穴を繋ぐものもあります。


私はもっていませんが、これ以外にも自由な角度に繋がれた軸同士で回転を伝える「自在継ぎ手」などもあるようです。


レゴテクニックの多くのキットでは、継ぎ手を利用してブロックを斜めにつなげたり、ハンドルを切るとタイヤが微妙に曲がる構造を作ったりしています。レゴテクニックの可能性を広げているのは、実は歯車よりも継ぎ手の存在なのかもしれません。


継ぎ手は小さいが応用の効く部品だ。本文で書いた以外にも、プーリーとして使えるように輪ゴムを掛ける溝を付けたものもある。
 また、ブロックのなかにも、継ぎ手と同じギザギザをつけてあるブロックがある。大抵は軸受けになる穴の周囲に付いているのだが、そのままでは軸が回転する穴でも、軸を固定できる継ぎ手と組みあわせれば軸の固定が可能だ。



レゴテクニックには、別売りの「モーターセット」というものもあります。これはレゴブロックに組み込めるように表面に凹凸をつけたモーターと、スイッチつきの電池ボックスのセットです。スイッチは2つあり、電池の極性を反転できるので、車にモーターを組みこんだ場合前進・後退が可能となります。

また、同じように電池を使う例としては、ライトブロックや光ファイバーの使用も行われています。ライトブロックはブロックのなかに麦電球が組みこまれたもので、光ファイバーに光を通せばぴかぴか光って奇麗です(さすがに、それで情報を通信しようとか、そういう段階まではいかない)。

そしてさらには、2軸のリモコン操作を記憶し、リプレイできるマイコン部品まであります。


まさに何でもできる夢のブロックです。対象年齢は7歳から16歳となっていますが、大人が遊んでいても十分に楽しめます。

そして、電気で制御できるということは、もっとすごいことも・・・・

こちらについては次回に書きます。お楽しみに。


おまけ。
 歯車を組みあわせると、こんな感じになります。
 手前の車軸の回転を速くして向こうの軸に伝え、それを直角に交わる下の軸に伝えようとする組みあわせです(暗くて軸がよく見えないけど)。


(ページ作成 1996-12-14)

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