さて、1週間ほど使ってみたので、そろそろ使い勝手を書いても良いころだろう。
もちろん、1週間程度ではまだ「使いこなせてはいない」。
でも、方向性が分かってきたので書く頃合いだと思うのだ。
本当に馴染むまで使うと、新しい機械に対する思いなども薄れてしまい、何も書けなくなるから。
(それはそれとして、もっと使ってからまた書く可能性はある)
まず、リンナイのフロントオープン食洗器は良いものであった、と書いておこう。
十分合格だ。買ってよかった。
そういう総合評価を下したうえで、各論に入る。各論で書きたいことはたくさんある。
良い事から書こう。
まず、1回に洗える食器の量が、思っていた以上に多い。
以前使っていたホシザキの食洗器では、一日分の食器を洗うと、大体4回機械を動かしていた。
これが、リンナイのフロントオープンでは、2回で済んでいる。
入る容量が2倍程度はある、ということだな。
洗いカゴの大きさが、そもそも大きい。ホシザキでは対角線にしか置けなかったまな板が、辺に収まる。
そして2段ある。上の段は後で書くが制約も多く入れられるものが限定されるのだが、ともかく底面積が広い上に2段になったのだから、1度で入る容量が2倍ある、というのも当然だろう。
この、一度にたくさん洗えるというメリットが、何よりも素晴らしいのだ。
次に…。
えーと、次に…思いつかない。
リンナイのフロントオープン、良いと思えるのは上に書いた「容量が大きい」で全てだ。
これのメリットは非常に大きく、これだけで買ってよかったと思えるのだが、他に良かった点が見いだせない。
では、次に「評価すべき点」をあげる。
良かった点と何が違うかというと、今回比較した「ほかの」食洗器よりも良いと思われる点だ。
「前の」食洗器と比べると、使い勝手が悪くなっている。
でも、「ほかの」食洗器よりはずっといい。
でも、ほかの食洗器は検討しただけで使ってないので、本当のことを言えばよくわからないのだ。
よくわからないなりに、良い点を挙げてみようというものだ。
容量に関してはここでも書いておこう。
他社の食洗器は、大抵「家族4人分の1回の食事の食器が洗える」ことを目標としている。
でも、実際4人分は入らないそうだ。理由はあとで詳しく書く。
リンナイは、これが8人分になる。やっぱり8人分は入らないのだけど。
入らないとはいえ、容量2倍は評価できる。我が家は5人家族で、先に書いたように2回動かせば一日分洗える。
(昼ご飯は子供はいないとか、お茶碗は朝使った後、手洗いして夜も使う、とかの事情もあり、「1日分」は言葉通りの意味ではないのだが)
速度は大きなメリットだろう。
条件付きだが、最速 35分で洗ってくれる。
…前のホシザキは5分だったので、使い勝手は落ちている。
でも、他社の食洗器は、高速モードでも1時間程度、というのが多い。
ネットを探すと、リンナイ製は 15分で洗う、と書いてある記述をしばしば見かける。
それに期待して買ったのだが、あの話はどこから出ていたのか?
少なくとも TOTO のシステムキッチンのページには書いてあった。
TOTO はリンナイの OEM を受けているらしいのだが、もしかしたら TOTO 向けにチューンしていたりするのかもしれない。
もしくは、古いモデルには15分のモードがあったが、何らかの事情で無くなったのかもしれない。
さて、前回書いたが、洗う時間の表示が、35分になったり 55分になったりする。
その後、多分だけど条件が分かった。
先に書いたように、大抵は2回洗うのだが、1回目は「35分」と表示される。
でも、時間を測ると 55分かかって洗いあがる。
2回目は「55分」と表示されるのだが、35分で洗いあがる。
どうも、前回洗いあがった時間を、「予想時間」として表示するようだ。
そして、2回目は 35分になる理由だが、お湯の供給温度が高くなるためだろう。
我が家はエコキュートを使っていて、 60度のお湯を食洗器に供給している。
しかし、屋外のエコキュートから室内の食洗器までは距離があるため、屋内のパイプ内の「お湯のはずのもの」は、冷めて水になっている。
そのため、1度目の動作時には、供給されたお湯の温度は低くなっているだろう。
これを沸かすのに時間がかかり、55分になるようだ。
そして、2度目は素直にお湯が供給されるし、温めるためのヒーターも熱くなっている。
このため 35分で洗いあがる…ということだと思う。
ベストコンディションだと 35分だが、最初は文字通り「温まっておらず」 55分かかってしまう、ということのようだ。
お湯をわざわざ沸かしているため、洗いあがった後の食器の温度が、ホシザキよりも高い。
そして、「フロントオープン」の扉だが、少しだけ開けた状態で止めることができる。
(ホシザキはそんなことはできなかった)
これ、大きなメリットだ。
乾燥機能は付いているのだが、使わなくても大丈夫。
洗いあがったら、少し開けて5分くらい放置しておくといい。
これだけで、余熱で乾燥してしまう。
実は、海外製の「ミーレ」の食洗器は、洗いあがった後に自動でドアを半開きにしてくれる機能があるんだよね。
自動ではないけど、同じようにすれば、わざわざ電気代を使って乾燥する必要はない。
さて、悪いところ行こうか。
実は、悪い部分は「些細な話」だし、多分リンナイに限った話ではない。
それでも、正当な評価として、悪い部分も書いておかないといけないと思うのだ。
先に書いたが、8人分の食器が入る、とカタログスペックにはあるのだが、入らない。
これ、食洗器を作っているメーカー間の取り決めで、「何人分」と書くときの「標準食器」というものが決まっているのだ。
各社、少しでも多く入るように見せたいので、この標準食器を入れることに最適化したカゴの形状をしている。
しかし、食卓を楽しく演出するというのは、「いろいろな形の食器がある」ことでもあるのだ。
そんな、標準的な食器ばかりではない。
そもそも、皆さんの家で使われているお茶碗、コップの類は「全員が同じものを使っている」だろうか?
多分、個人個人で違うデザイン、違う大きさだと思うのだ。
しかし、標準食器の考え方では、すべてが同じ形をしているので、ぎりぎりまで寄せても「ぴったり重なる」前提だったりする。
その前提で詰め込んだ時に4人分なり8人分入る、という表記は、実際にはそれほど入らない、ということに他ならない。
西洋の家庭では、同じ食卓を囲むものの皿は「揃えるべき」だ。そろっていないと、除け者扱いしていることになる。
しかし、日本の家庭では、各個人がお気に入りの食器を使う。
「自分専用の食器が置かれている」ことが、自分の居場所、帰るべき家であることの証明になるからだ。
各社が勝手な基準で宣伝をしないために標準食器を定める、という考え方には賛成する。
しかし、それは「標準食器に最適化された形状を良しとする」こととは違うと思う。
さて、標準食器の話を書いたのは、今回購入した食洗器の「悪い」部分が、すべてこの話に起因するためだ。
我が家で一番良く使う皿を立てることができない。
我が家で一番良く使う、個人用のサラダボウルを立てることができない。
我が家でよく使う小皿を立てることができない。
我が家でよく使うラーメン鉢を立てることができない。
「立たない」のだが、一応滑らないように引っかかる場所はある。
だから、立てるのは諦めて、少しづつ隣の食器に「倒れ込む」ような形で、お互いが支えられるように置いている。
しかし、これをやると、「接触している」部分の汚れが落ちにくかったりする。
以前の食洗器よりも洗い時間が長くなったのに、汚れ落ちは悪くなった。
これは大きなデメリットだが、食洗器本体の性能ではなく、「洗いカゴが標準食器に最適化されている」ことによって生じている。
過度の最適化は害悪である、というのはよく言われることなのだが、今回購入した食洗器、そしておそらくは他社のものも、そうした害悪によってずいぶん使い勝手を落としているように思う。
ちなみに、ホシザキはこのような最適化はなかった。
潔いほどシンプルに「等間隔に並んだ支柱」しかない洗いカゴだった。
しかし、この支柱は、洗いカゴの半分づつ、取り外せるようになっていた。
取り外した部分は、何も突起物がないフラットな状態になる。
このシンプルな設計は、「最適化」はされていないので、「標準食器」の入る量では、おそらく損をしていただろう。
でも、実際に使うときには、非常に使い勝手が良かった。
実際、どんな食器にでも、大きな鍋にでも対応できていたのだから。
さて、そんなわけで、実は最初に「1日分の食器が2回で洗える」と書いたが、ホシザキの時には洗えていた、鍋やフライパン、炊飯器の釜などは、手洗いすることにした。
小物を洗うのが面倒くさいのであって、大物はそれほど苦労しないためだ。
特に、炊飯器の釜は、洗い終わった後にすぐ「翌朝の炊飯の準備をする」ようにしていた。
5分で洗えるのなら食洗器に任せればよいが、55分かかるのであれば、手洗いしないと次の作業に支障を来す。
似たような理由で、子供たちは以前は「自分のコップ」を食洗器に任せていたが、最近は「自分で洗う」ようになった。
食洗器に任せると、水を飲みたいときに30分以上我慢しないといけなくなるためだ。
一日の食器が2回で洗える、と最初に書いたが、この食洗器に任せると「不便」なことも増えたため、そもそも任せるものが減った、という話でもある。
残念なことだが、それでも今選ぶ機種の中では、我が家としてベストなものだったと思う。
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