高校を卒業した長男、大学受験も試験は終わって区切りがついたし(まだ発表待ちのところがある)、部屋を片付けていた。
そして、「そういえば、こんなのあった」と未開封の箱を持ってきた。
転校した際に、転校先の高校では全員持つことになっているから、と購入した、学校指定のタブレット端末。
転校したのが遅かったこともあり、使わなかった。だから新品未開封のまま。
前の高校では学校ではPCルームがあってそちらを使い、家では各自の端末を使い…という形をとっていたので、長男は自分のマシンを持っていた。(というか、高校入学時に買った)
転校先の高校では、学校では特にPCは使わず、学校指定の端末は「家からネットワークにつなぐときなどに使う」ということになっていたのだが、長男は自分のマシンでやっていた。
というわけで、未開封だったのだ。
長男はいらない、というので、初期化して使い物になるかどうか開封の儀。
ASCON AT-11、という聞いたこともない機械だった。
調べてみると、ASCON は教育用にPC導入などのサービスをやっている会社で、「PCを売っている」のではなく、PCを学校で使うためのコンサルタントサービス全体を売っているようだ。
そのため、新品未開封で電源を入れたにもかかわらず、すでに長男の名前のアカウントが作ってあり、パスワードなども設定されていた。
(初期パスワードを書いた紙は同封されており、すぐにパスワードを変えるよう指示もあった)
また、教育現場で使うための、おそらくグループウェア(Google Classroom のようなもの)も入っているようだった。
でも、すでに卒業したので接続しない方が良いだろう。そのまま置いておく。
というわけで、さっそく初期化を試みる。
問題無く初期化できそうで、さらに Windows 11 にアップデートできそう、と分かったので実行。
ところで、この AT-11 は、キーボードを取り外してタブレットとしても使える、いわゆる「デタッチャブルPC」だ。
本体の後ろにはキックスタンドが付いていて、スタイラスペンも付属する。
…まぁ、Microsoft が Surface で作り上げたスタイルだな。
時間がかかったが、Windows 11 が入ったところで使ってみる。
キーボードの感触は悪くない。スタイラスペンもうまく動く。
しかし、キーボードについている、タッチパッドがどうもよくない。
操作していて思ったのと違う挙動をするのでイライラする。
少し冷静に考えて、理由が分かった。
タッチパッドを2本指でスワイプすると画面スクロール、というのは一般的な操作なのだが、この方向が自分が思っているのと逆だ。
スワイプで画面を動かす場合は、僕は「画面を掴んで動かす」イメージで動かしたい。
しかし、この機種では、「スクロールバーを掴んで動かす」のだ。これは方向が逆になる。
まぁ、その程度は設定でどうにでもなる。
コントロールパネルから、タッチパネルの設定を開いて…と思ったが、どこにもない。
どこに設定画面あるんだ?
探してみてもどこにもなかった。
これは、デバイスドライバが入ってないのかな? とりあえず動いているが、設定は別アプリで行う、という例もある。
どこの機械だろう。
Synaptics か ELAN か 、または ALPS か…そのあたりだろうと調べてみるがどうも違う。
調べる過程で分かった。
この AT-11 という端末、Chuwi UBook のカスタム OEM だ。
Chuwi UBook は、実は家にもある。11.6インチだけど。妻のマシンなので僕はあまり触ってないけど。
AT-11 は 10.1インチ。調べてみたが、このサイズは UBook にも、その後継機である UBook X にもなかった。
しかし、気づいてみればキックスタンドの形状は同じだし、スタイラスペンも同じものだ。
ここを手掛かりに、タッチパッドをさらに調べると、衝撃の事実が分かった。
Chuwi のタッチパッドは、タッチパッドの形をしているが、信号などは完全にマウスを模倣していて、Windows からはマウスとして認識されるそうだ。
そのため、タッチパッドの設定、という概念自体が存在しない。
タッチパッドのハードウェア側で、Windows で標準的になっているタッチパッドのゼスチャを認識し、キーボード信号として発信している。
そのため、ゼスチャが邪魔だから消したいと思っても、その設定、という概念が存在しない。
なんてこった。
ソフトウェアで認識させるようなことを、すべてハードウェアで完結して行っている。
その技術自体はすごいのだが、そうじゃない。ソフトウェアで行うから微調整が効くのだ。
スワイプ時のスクロール方向は、レジストリの設定で逆転させられると分かった。
一部のゼスチャは、AutoHotKey というソフトを使って使えないようにする、という定番技が分かった。
しかし、一番誤認識してイライラする「画面のズーム」というゼスチャが、どうやっても殺せない。
さらに悪いことがある。
このタッチパッドは左右前端を押し込むことで、左右のマウスボタン相当の動きをするのだが、このクリックを行うために左右前端を触ると、タッチパッドに触れたことでカーソルが動いてしまう。
そのため、クリックをまともに行えない。
一応、「一番端の角の部分」だけ、触っても反応しないように作ってあるようだ。
しかし、慎重に触らないといけない、というのは使っていてストレスが溜まる。
このタッチパッドは、Chuwi 端末を使用している多くのユーザーの悩みの種のようだ。
キーボードを打とうとすると誤認識して邪魔だから、「ない方がはるかにまし」という人もいる。
(その場合、デバイスマネージャからデバイスを無効化して、完全に使えなくしてしまう、という技がある)
AT-11 、ダメなのはこのタッチパッドがすべて。
他は、素直なつくりの Windows マシンだ。
教育用で安くするためか、かなり CPU は非力だけど。
しかし、市販されてない小さなサイズで、持ち運び便利なサブノートマシンとしてはなかなか魅力的。
我が家では妻が使ってみようかな、と言っている。
先に書いたが、妻は現在 Chuwi の UBook をサブマシンとして使っているが、これは「タブレット端末」で、キーボードがついていないために少し不便を感じているのだ。
さて、今日の日記は「2つのタブレット」の話だ。もう一つのタブレットの話をしよう。
長女は目標としていた高校に合格したが、この高校では「毎日持ち運ぶ」PCを必要とするので、各家庭で購入してください、という通達があった。
推奨は Chromebook 。しかし、これは「クラウドを使用する」という意味合いでしかないため、最近の WebBrowser が動いて、WiFi に接続できるマシンであればなんでも構わない、家にある機械の流用でもよい、という説明になっていた。
他にも細かな規定があったが、常識的な内容。
そして、学校に出入りの業者の斡旋品のチラシも入っていたが、学校としてはこれを買うように指示するものではない、とわざわざ明記してあった。
さて、業者の斡旋品を検討する。ASUS Chromebook Flip CR1 BP0003。
CPU は Intel Celeron 。少し非力だが、Chromebook としては悪くないだろう。
ただし、Intel 系で Chromebook となると、Chromebook の売りの一つである、Android アプリの使用にはかなり制限が出る。
Android は CPU を問わない前提ではあるが、事実上 ARM でないと動かないアプリもあるためだ。
難ありなのが、重さ。1.42kg 。
ノートパソコンとしては軽い方ではあるが、教科書多数と一緒に毎日持ち歩くとなると、ちょっと重い。
中学では iPad が支給され、使っていた。この重さを測ってみたら、990g 程度だった。(キーボード込み)
長女の実感としては、これより重いのは嫌だなぁ、とのこと。
探してみる。
Lenovo IdeaPad Duet 370 Chromebook が良さそう。
この1世代前の機械である、Duet 360 は僕が普段使用しているので、安心感もある。
重さは 980g で iPad とほぼ同じ。
CPU は ARM 系。Celeron より非力なのが気になるところだが、僕の機種より2倍程度の能力があるので、実用上の問題はないだろう。
学校推奨の ASUS Flip は画面が 11.6 インチ。Duet 370 は 10.95 インチ。少し小さい。
一方で、解像度は Flip が 1366x768で、Duet 370 は 2000x1200 。広い。
実売価格はほぼ同じだった。
Flip は学校の出入り業者の価格で、Duet はネットで調べた最安値だけど。
あとは本人の好みだな…と思って長女に聞いてみると、小さければ持ち運びもしやすいし、何よりも軽い方が良い、というので Duet 370 を購入することに決定。
で、このタブレットが今朝届いた。
先ほど長女が学校から帰ってきたので開封したが、充電しないと起動しないようだったので、現在充電中。
まぁ、Chromebook なので設定項目などもほとんどなく、何の違和感もなく使えそうだ、と思っている。
1世代前の機種は僕が今でも快適に使っているしね。
以上で話は終わりだが、思い出したので余談。
長女の中学では iPad が支給されている、と書いたが、明日卒業式なので、今日返却した。
昨日、返却前にデータを全部取り出したい、と言われて確認したら、データはすべて Google Drive に入れられていた。
まぁ、そのアカウントが教育用で消されてしまうので、PCからアクセスして、全ファイルを Zip に圧縮して取り出し。
長女の個人アカウントの Google Drive に「中学校」というフォルダを作り、その中に全部突っ込んどいた。
(iPad 特有のアプリなどは授業では使わず、Google スライドや Google Doc 、Google Spreadsheet などを使っていたそうだ。
だから、データさえ突っ込んでおけば、見たくなった時にまた見ることができる。
しかし、なんで iPad にしたのだろう? Chromebook の方が安くて管理簡単に思えるのだが…)
学校のお勉強データには興味が無くて、消えてしまっても構わない、という生徒もいるだろうが、取っておきたい、という子もいるだろう。
長女が僕に相談してきたのだから、学校ではこうした保存方法は教えていないと思われる。
学校の勉強で作ったものなんて、多分数年後に見たら拙くてたいして価値のないものだと思う。
しかし、それを見ることで「当時の想い出」が一緒によみがえってきたりして、消してしまうには惜しいものだと思う。
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