ここのところ仕事が忙しくて、日記を書く暇もネタもなかった。
ネタも、というのは時間があれば仕事してたからね。インプット無くしてアウトプット無し。
自営業にとって仕事が忙しいというのはありがたい話なのだけど、忙しい理由の8割くらいは、先月コロナ罹患で3週間ほど休んだからだろう。
スケジュールに無理が生じて、急いでプログラムを作らなくてはならなかったのだ。
あと、仕事を手伝っている会社では、コロナ禍の状況の中でも業績が伸びている。
ありがたいことだが、ベンチャー企業で少人数なのでプログラマーの手が足りない。
求職中の腕の立つ人がいたら、こちらのページの右上の「採用情報」から詳細が見られるので、是非。
(僕はお手伝いしている外部の人、という位置づけなので、採用に関して口を出す権利はないが、一緒に働くことになったら仲良くしてください。)
ネタもない、と書いたが、日記に書こうと思って時期を逃したネタを…
数日前に、真鍋さんのノーベル賞受賞、という話がニュースをにぎわした。
日本人が受賞、と報じられたのだが、日本生まれだが、60年以上前に渡米し、現在米国籍なのだからアメリカ人だろう。
まぁ、そこはどうでもいい話で、興味を持ったのはその授賞理由。
コンピューターによる数値演算で気象を再現する手法を編み出したことだ。
今では当たり前の技法だし、真鍋氏が最初に考案した方法よりももっと精度が高まっている。
でも、最初に考案した、というのはすごいことだ。
で、ここからは日記ネタにしようとした理由。
真鍋さんは渡米してから師事した方に言われて気象予測モデルの構築を始めたようなのだけど、これが僕が過去に書いた ENIAC の記事の話とつながるのだ。
ENIAC は弾道計算のために作られた、とされる。
実際、作成の際には陸軍が予算を出していて、その理由は弾道計算ができるからだ。
でも、予算がつく前に計算機が欲しい人がいて、設計が行われて、作成する段階でスポンサーを探したのだ。
その設計の理由は「気象予測には膨大な計算が必要だから」だった。
専門ではないので正確な時期を知らないのだけど、20世紀の前半のどこかで、「完全なパラメーターがわかれば、気象は完全に計算できる」という仮説が生まれたそうなのだ。
20世紀に入っても、自然は人智の及ばざるもので、天気もその一部だと考えられていた。
それを、完全に計算できるというのだ。それまでの価値観を打ち壊すような仮説だった。
これは当時の学者にとってなかなか興味をそそる話題だったようで、多くの人が研究に乗り出している。
(こういう研究って、時代の流行もあるのだ)
ENIAC はその過程で必要とされ、設計されたものだった。
その設計者の仮説では、ENIAC くらいの能力があれば気象予測ができるはずだったのだ。
でも、ENIAC ができて気象予測ができるようになった、とは聞かない。
その時の仮説が間違っていたのだろう。
または、ENIAC では能力が足りなかったのかもしれない。
しかし、ENIAC は電子計算機の時代の扉を開けた。
その後、計算機が強力になり、その計算力を武器に気象予測のモデルづくりに挑む学者はたくさんいて、真鍋さんはその中でも見事に「実用的になる」モデルを組み立てた、ということなのだろう。
真鍋さん最初のモデルは、単純化しすぎて正しくないと分かっていながら、当時のコンピューター性能で計算できる妥当なモデルだったようだ。
その後、計算機の高速化とともに改良されたし、こうしたモデルを動かすための「地球シミュレータ」なんてものまで設計された。
(地球シミュレータは、その後も代変わりしているが、単純な計算能力ではすでにそれほどすごいコンピューターではない。
しかし、気象予測のようなものに必要な複雑系を扱えるような独自設計になっており、気象予測や数値風洞と呼ばれるようなプログラムの実行では、まだ高い性能を誇る)
というわけで、今年のノーベル物理学賞は、自分のページで取り上げても良いネタだな…
と思いつつ、すっかり時期を逸してしまったので、この程度の簡単な説明にとどめておく。
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