文部省が GIGAスクール構想を推し進めている。
うん。それは構わない。遅すぎるくらいだから。
名前が格好悪いとかは置いといて。
で、我が家の長女・次女も、義務教育なので iPad が支給されることになった。
それに先駆けて、子供が守らないといけない使用規定が配布され、保護者に対して、使用規定を守らせるという承諾書にサインが求められた。
この使用規定、子供が iPad を使用する上での決まりを書いたもので、平たく言えば、問題が出ないように正しく使え、と言っているだけ。
でも、その項目にちょっと問題を感じたんだ。
「著作権法を正しく理解すること」って書かれていたから。
著作権の概念を理解するのは、まぁそれほど難しくない。理解していない人の方が多いけど。
著作権「法」を正しく理解しろ、と言われると非常に難しい。
この使用規定は、学校の先生ではなく、市の教育委員会からの要請だ。
なので現場の先生は何も悪くないのだが、先生は著作権法を正しく理解しているのだろうか? と疑問に思った。
長女と次女に、「こんなこと書いてあるけど、学校の先生から著作権について何か説明あった?」と聞いたが、何もないという。
非常に難しい概念を、教えもせずに理解しろ、というのはちょっと無理ではないかと思う。
まぁ、デジタルだと人の著作物を簡単にコピーできてしまうので、そういうことをしないように、と言いたいだけなのだろうとは思う。
でも、「他人の物」でなければいいのか。
絵が好きな子が、大好きなアニメのキャラを描いてお絵かき掲示板にアップしたら、これは許されるのか。
それは本来二次著作物の公開であり、原著作者の許可を得なくてはできない行為なのだ。
「他人の物」のコピーなんてしていない。自分で描いた絵だ。
それでも著作権に触れることがある、というのが著作権の難しいところであり、「正しい理解」を難しいと思う理由だ。
一方で、ネットでもよく話題になる「トレース疑惑」みたいなやつは、実のところ著作権上の問題はないことが多い。
個別事例にもよってしまうので「大丈夫」と安請け合いはできないのだけど、盗作というのは認定のための条件が非常にややこしく、参考にしたくらいでは盗作とは言えないのだ。
ところで、学校というのは比較的著作権がガバガバな場所だ。
教育のためなら、誰かの著作物を使用しても多少は許される、という特別規定があるから。
でも、この規定を勝手に拡大解釈して、著作権で訴えられて学校が負けた、なんて事例は数知れず。
著作権の概念は非常に難しく、「正しく理解しろ」なんて、他人に向けて言えたもんじゃない。
にもかかわらず、「正しく理解する」という言葉が出てくる。
この時点で、使用規定を書いた人が著作権を全く理解していないのだろうな、ということがよくわかる。
まぁ、承諾書にサインするうえで、「正しく理解するように」と書かれていたので、子供たちに初歩的な講義は行った。
著作物の概念と、著作物に対して主張できる権利と、それらが失効する期間設定と、二次著作物という概念と、盗作と認定されるための要件…くらいかな。
小中学生がネット使用する範囲だと、ここまでなんとなくわかっていれば大丈夫だと思う。
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