割とどうでもよい話なのだけど。
今朝、NHK ニュースを見ていたら、タイのサトウキビ栽培の話をしていた。
サトウキビは収穫時に尖った葉がかなり邪魔で、茎の部分は十分水分を含んでいるため、火をつけてしまうと葉だけが燃えて、収穫が楽になるのだそうだ。
でも、これで出る煙が公害で、社会問題化しているらしい。
そこで日本の大手砂糖メーカーが技術提携して、社会貢献している…という話。
このニュースで気になったのは、内容ではなくて出てきた会社。
インタビューに答えた会社員の所属が「砂糖メーカー カセットポン社」となっていたのだ。
カセットポン…PC-6001 を思い出す。
ジャンケンポン、カセットポン
というキャッチコピーで売り出した 8bit PC だ。
当時は家庭用にパソコンを売り出した黎明期。
第一陣となった PC-8001 / MZ-80 あたりは、カセットテープからプログラムを読み込む必要があり、非常に遅かった。
ちょっと使うのにいちいち待たされるのでは家庭用に向かない、というので、プログラムを ROM カートリッジに収めて、挿せばすぐ使える、というのが、家庭用への普及には必要だと考えられていた。
PC-6001 は、その最初期のものだが、のちには IBM Jr. や MSX など、カートリッジを搭載して家庭向けの普及を狙った機種は多い。
(もっとも、ATARI 社が出したゲーム機が ROM カートリッジのアイディアの先駆だろう。それを PC にも取り入れよう、という動きは世界的なものだった)
ちなみに、今では「カートリッジ」と呼ばれるが、当時は「カセット」と呼ばれた。
カセットテープはメディアとして普及していたので、簡単に交換できるものを「カセット」と呼んだのだ。
(今でも、カセット式ガスコンロとかある)
話を戻す。
ニュースに出てきた「カセットポン社」の名前を見て、僕は上のように交換式の何かを連想したのだ。
何で砂糖メーカーでカセットポン?
元は名前にふさわしい別の事業をやっていたが、仕事の幅を広げて砂糖も作っている?
気になったので調べたら、カセットポン社は三井物産と、子会社の三井製糖が共同出資するタイの現地法人だった。
三井製糖、と書いてもよくわからないかもしれないが「スプーン印」と書いたら誰もが知っているだろう。
で、答えは三井製糖の CSR 報告書に書いてあった。
(CSR 報告書とは、企業として社会的にどのような貢献を行っているかの情報をまとめたもの)
タイの言葉で、カセット (เกษตร:Kaset) は農地、ポン (ผล:phol) は実り、利益、収穫を意味するそうだ。
(CSR報告書7ページ右下)
そんなわけで、「なぜ砂糖の会社でカセットポン?」と疑問に思っていたのだが、農業法人らしい非常に良い名前だった。
しかし、日本語的にも非常に面白かったので、ここに記しておく次第。
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