8月に入ってやっと梅雨が明け、3日ほど前からは各地で 35度を超える猛暑となっている。
そんな猛暑でエアコンがフル稼働し始めたら、2階エアコンが水漏れした。
水漏れといっても、エアコン内に水が入っていて漏れるわけではなく、結露した水がエアコン外部に流れ出すという意味だ。
とりあえずエアコンを停止して、しばらく待つ。再始動したら大丈夫だった。
でも、翌日暑くなり始めた時刻に、また水漏れした。
暑くてフル稼働になると結露も多く水漏れする…のか。
いったん止めて、しばらく後に再稼働するが、すぐに水漏れする。
昨日はこの方法で大丈夫だったが、ダメか。
水の落ちるところにバケツを置き、温度を高めで運転する。
外気温よりは低いが、蒸し暑くて過ごしづらい。
フル稼働ではなくなる夜には治る…と信じていたのだが、そんなことは無かった。
夜、水滴がぽたぽたと気になるし、蒸し暑いし、寝づらかった。これはいけない。
寝づらかったので、スマホで修理業者を探す。
そしたら、エアコンの水漏れの9割は、水を外に捨てるドレーンパイプの詰まり、という説明を見かけた。
なるほど。ポンプで吸引して詰まりをとればいいのか。
翌朝…というのは昨日の朝なのだが、ドレーンパイプの詰まり解消を試みる。
とはいっても、我が家のエアコンは壁内配管。
壁の中にエアコンの管が通っていて、簡単には把握できない。
設計図を引っ張り出し、エアコン配管の確認。
家の裏手にドレーンパイプの排出口があることを確認した。
しかし、1階のエアコンと、2階のエアコンのドレーンパイプが、家の中で合流して1つの排出口に出ていることが分かった。
これ、吸引しても、詰まりがない1階のほうから吸気して終わりだよね?
…とはいえ、やるだけやってみよう。
まず、ドレーンパイプの確認をするが、家の基礎部分に、L字型の塩ビパイプで下向きに取り付けられている。
排水管詰まりの掃除などに使うポンプを持っているので、これを使って吸引したい。
地面すれすれの、下向きのパイプに直接ポンプをつけることはできないので、ポンプの先にホースを無理やり取り付けた。
このホースを塩ビパイプに差し込み、ポンプを吸い込んでみる。
普通に吸い込めて、手ごたえがない。
妻に頼んで塩ビパイプ部分のホースを支えてもらう。
周囲から空気を吸い込んでいる感覚があるという。ダメじゃん。手ごたえがないわけだ。
妻がビニール袋を持ってきて、工夫して空気が漏れないようにする。
これで引っ張ると、通常よりもポンプを引きにくい手ごたえがあった。いいかも。
しかし、先に書いたようにパイプの先は分岐している。
より高速に吸引することで、両側から吸引することができれば、詰まりをとれるかもしれない。
期待して2回目。先ほどよりも高速にポンプの取っ手を引くと、取っ手がすっぽ抜けた。
空気抵抗に負けて、ポンプ内のシリンダーに接着してあったのが外れてしまったようだ。
このポンプ、購入したのは20年ほど前だ。
それでも、ポンプ内の気圧変化はあっただろうし、詰まりが解消していないかな…と思ってエアコン再始動。
少し待ってみるものの、水漏れしない。お、いい感じ。
これはなかなか面白い日記ネタだぞ。どう書こうかな…と考えていたら、10分ほどで水漏れし始めた。
全然だめだ。
これはもう手に負えない。プロに頼もう、と修理業者を探す。
おそらくは google の「地域検索」も自動で入り、神奈川県で頼める業者がいくつか出てきたのだけど…
業者は数件あるけど、絶対に繋がっているよね、という内容。
小さな電気修理業者が広い範囲を回れるわけはないと思うのだが、見つけた数件はどこも、カバー範囲が
「東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知」なのだ。なぜ愛知?
それぞれ電話番号も業者名も違うのだけど、小さな業者で協力体制を作っている、ということだよね。
それでも、住所が一番近そうな業者に電話してみる。
今日の夜6時~8時の間に訪問でよければ当日中に対応できるという。
蒸し暑い中、水音を気にしながら寝るよりも、遅くても来てくれるとありがたい。それで頼む。
業者さんから連絡が来たのは、8時5分前だった。
前の予定が押してしまって、今からやっと行ける状態だけど大丈夫でしょうか? という確認。
遅いから来れないという断りかと思ったが、我が家側で問題がなければ来てくれるという。頼む。
それから15分程度で来てくれた。20代後半と思われる若い職人さんが一人。
まずは状況を説明。
職人さんから、ドレーンパイプ詰まりだとは思うけど、最悪の場合内部で水を受け止めるトレーが割れていることも考えられる、という説明。
エアコンは2年前に交換したばかりのものなのだけど、新しいなら割れも詰まりも考えにくそうだなぁ…と言いながら、エアコン本体を確認。
家の設計図を見せ、ドレーンパイプが合流していることも伝える。
エアコン修理で設計図まで出てくることはあまりないらしく、驚かれる。
家の外に出てドレーンパイプの出口を確認。やはり、下向けで固定されているので、吸引は難しいという。
合流しているのであれば、吸引しても効果は少なそうだ、という判断も僕と同じ。
で、ここで見積もり。
エアコンを分解して、エアコン内部のドレーンパイプをいったんカット、上から下に向けて空気を押し込んで詰まりを解消してから、パイプを何とか修理、という手順の提案。
カットするとそこから水漏れするのでは…と思うが、そこは大丈夫な方法を考えるそうだ。
どういう方法にするかは、分解して実物を見てみないと言いようがない。
先に言っていたが、トレーの割れによる水漏れの場合は、これでは治せない。
その場合は、出張料5000円はもらうけど修理費はいらないそうだ。
見積もりは4万円。
思ったより高いが、治さないことには仕方がない。それでお願いする。
分解。
うちのエアコンはお掃除機能付きで、部品点数が多くて複雑なので、トラブルが多いのだという。
分解中に、「中にすごく水が溜まっている。見てみますか?」と言われ、僕も脚立に上る。
結露した水を受けるトレーいっぱいに、なみなみと水が溜まっている。
これだけ溜まっているのだから、ひび割れの心配はなさそうで、ドレーン詰まりですね、という診断。
エアコン側面のパネルを外すと、トレーからドレーンパイプへのパイプが見えた。
エアコン内部で継ぎ手でつなぐ構造になっていた。切る必要はなく、そこを外すと水が、だばーと流れていく。
水漏れを受けるためのバケツがあったので、水はバケツに入れたが、2リットルくらいは入っていたように思う。
この継ぎ手からポンプで空気を送り込んで、詰まりを解消したいのだが…
当たり前だが、ポンプの口とパイプのサイズが運よくぴったり合う、なんてことはない。
職人さんが持ってきていたホースを短く切り、ポンプの先に付けたうえで、パイプに突っ込んで空気を押し込む。
何度か行っていた。
これでパイプを元のようにつなぎ、500ml ペットボトルで水をトレーに流し込んでみる。
溜まることなく排出された。パイプの詰まりは解消されたようだ。
そして、職人さんから説明。
ドレーンパイプは、水を流すものなので、少し下側に流れるように傾斜をつけないといけない。
しかし、施工時に傾斜の付け方が足らず、ほぼ水平になっている。
少しでも下向きになるように、今使っていたホースをつっかえ棒にして、パイプを下向きに押し下げてくれた。
でも、これは応急措置なので、水の流れが弱いとまた詰まることもあるかも、という説明。
なるほど…覚えがある。
話が少し横道にそれる。
我が家の建築後、家電業界では「トップランナー制度」と呼ばれる仕組みが出来上がり、省エネ化が進んだ。エアコンは特に劇的に変化した家電の一つだ。
販売時に、「省エネ基準」の達成率を表示させる、という制度。
当然、達成率が高いほど良い製品ということになり、売れ行きも上がるだろう。
ここでのみそは、各社製品の省エネ性能を測る際に、2位だった製品が次のターンでの「省エネ基準 100%」とされることだ。
1位の製品は、新基準でも100%越えの達成率となり、最初からアドバンテージが与えられる。
しかし、数年おきに、次々と基準が変化するため、達成率の数字を維持するのは大変だ。
エアコンでは、基準を達成するためにいろいろな工夫がなされたが、そのうち一つが「室内機の大型化」だった。
空気を冷やすフィンを大きくすれば、効率よく空気を冷やすことができ、省エネになる。
こうしてエアコン室内機が大型化したので、我が家のように「壁内配管」の場合は困ったことになった。
エアコンは天井付近に設置される。
古い基準での標準的なエアコンサイズで配管を用意しているのだが、エアコンが大型化するということは、天井からの下げ幅が大きくなる、ということだ。
つまり、配管を下げないといけなくなる。
実際、1階のエアコンを交換した時、業者の人に「配管位置を下げないといけないので、壁を切ってよいか」と聞かれた。
切ったとしても、その部分はエアコンで隠されるので、みっともないことにはならない。
お願いしたら、壁に切り込みを入れて配管を下げて設置してくれた。
2階のエアコンの交換は2年前だが、その時には壁を切るようなことは言われなかった。
この話を修理の職人さんにしたところ、「壁切るとか、実際面倒くさいので、最初にやってくれた人は親切だったんじゃないですかね」とのこと。
2階の施工業者は手を抜いたのだろう、と。
そして、手抜きついでにもう一つあった。
やはり同じ問題だが、水を流すためには、エアコンは「完全に水平」には設置しないものなのだそうだ。
ほんの僅か、ドレンパイプのある側を下げて、トレーから水が流れやすいようにする。
しかし、我が家のエアコンは完全水平だったそうだ。
職人さん、どこやらに電話かけ、相談している。
どうやら、上司と相談したらしい。水漏れがあり、完全水平であることも原因の一つと思われるのだけど、修理したものかどうかと。
不安があるなら修理しておいた方がのちの面倒がないだろう、というのが上司の指示だったらしい。
エアコンのつけなおしはさすがに大変で、さらにプラス2万円になりますがどうしますか? と聞かれる。
職人さんに意見を聞くが、上司の方がベテランで、修正しておいた方が良いだろうと言っているのだから、治す方が良いのでしょうね、という意見。
じゃぁ、高くてもお願いします、といったところで、「やっぱそうですよねー…気合い入れていくか」とのこと。
職人さん自身はあまり乗り気ではなかったらしい。
上司との相談前に、一旦エアコンは元通りに組んであったのだけど、再度解体。
そして壁から外すのだけど、さすがに僕もここで気づいた。
これ、配管繋がっているのだし、外しても下に置くこともできないじゃん。
「これ、置くような高い台とかありませんよね…」と職人さん。
そりゃそうだ。天井近くに物を置くような台なんて、普通の家にはない。
仕方なく、もう一度壁に設置。
ここでしばらく悩むが、どうしようもない。
とりあえず、ドレーンの詰まりは取れたんですよね? と確認。まぁ、わかって確認しているだけだ。
じゃぁ、ひとまず水漏れの心配はないでしょうし、再度詰まりやすいかもしれない問題については、その時考えることにします。
今日はこれで終わりにしましょう、と提案。
職人さんも、修正するつもりで提案したので、施主が意向替えをしてくれて助かった、という様子。
ここまでの修理で、すでに時間は11時近い。
この後エアコンを再度くみ上げるのだけど、なぜか1カ所どうしてもはまらない。
おかしいなぁ・・・と何度も組んだり外したりしているうちに、「痛っ!」と職人さんが手を引っ込めた。
職人さん、最初の内はエアコンを止めて作業していたのだけど、「暑いですね」と言って、途中からはエアコン稼働したままで作業していた。
それが、うまく組めないで一生懸命になっているうちに、どこかに指を当ててしまったらしい。
そして、何かが落ちて転がる音がした。
探してみると、プラスチック片が二つ見つかった。
一つは、外装部品のプラスチック素材の、どこかに引っかかる「爪」と思われるもの。
もう一つは、細長い灰色のもの。
一旦エアコンを停止し、職人さんが内部を確認する。
灰色の部品は、送風のためのフィンの一本が破損したものだった。
もう一つの爪は、どこのものかわからない。
はまらない箇所があるのだからそこでは、と思うのだけど、職人さんが確認しても、そこの爪はちゃんとあって、しかしなぜかはまらないのだという。
一旦気持ちを切り替え、1カ所はまらないのはそのまま、他の部分を全部組み立てた。
そして、職人さんから、神妙な面持ちで説明。
申し訳ないことに、エアコン部品の一部を破損してしまいました。
割れた部品を修理することはできないのですが、お詫びとして今日の代金は無料とさせていただきます、と。
こんなに遅い時間まで頑張ってくれて、こちらが要望した水漏れは直してもらったのに、それは申し訳ない。
少し割れたくらい問題ないから払いますよ、といったのだけど、いただくわけにはまいりません、と固辞された。
そして、後片付けをすると、破損、誠に申し訳ありませんでしたともう一度謝って帰って行った。
こちらとしては遅くまで頑張ってくれて感謝しているし、そんなに謝られることは無いのだが…
金銭のやり取りがなかったので、領収書などの相手を特定できる情報がない。
名刺ももらっていない。
最初に連絡した電話番号はわかるのだが、先に書いたように、これは中小業者のネットワークをまとめる団体のものだろうと思っている。
なので、感謝の気持ちを伝える方法がないのだが、本当に感謝している。
同じテーマの日記(最近の一覧)
関連ページ
別年同日の日記
申し訳ありませんが、現在意見投稿をできない状態にしています。 |