目次
02日 学校再開
04日 楽観的
15日 子供部屋の模様替え
19日 ENIAC vs 6502
25日 ややこしい
昨日から、次女・長女の小中学校は、登校を再開した。
まだ午前・午後に分けて、出席番号奇数番・偶数番で分散登校、という形だけどね。
新型コロナウィルス関連では、緊急事態宣言が1か月半ぶりに解除された、ということが話題になりがちだ。
小中学校は、3月頭から自粛要請が出ている。
実際には、2月の末の金曜日に要請が出たが対応しきれず、うちの地域では3月初めの月曜日は午前中のみの登校、そこで諸注意があり、荷物なども持ち帰り、火曜日から休みとなった。
なので、1日短くはあるのだが、丸3か月間学校がなかったわけだ。
この間子供たちは要請に従ってずっと家にいて、基本的に出かけていない。
昨日、久しぶりの学校再開に至り、長女は「学校行くの怖い」と不安を口にしていた。
入学式に行っただけで、まだ自分の教室すら見ていなかったから。
この状況で初登校、しかも、午前と午後に分散登校なのだけど、先生のミスでどちらに行けばよいのかわからなかった。
…学校からのプリントには、奇数番と偶数番に分け、午前と午後に分散登校、とのみ書かれていて「詳細はクラスごとのプリントを見てください」だった。
しかし、クラスごとのプリントには、どちらに行くか書いていなかった。
まぁ、「奇数と偶数で、午前と午後」なのだから、奇数番の長女は午前に行くんじゃないかな、と言って送り出したが、まだなじみのないクラスメイトもみな同じ考えで投稿していたようだ。
子供たちも保護者もみな空気を適切に読んだ形だが、先生、適切な指示をお願いします。
(と言っても、この状況で忙しい先生を責めるつもりもない)
小中学校は市の教育委員会の管轄なので、次女の小学校も似たような感じ。
ただ、こちらは事前にメールで適切な登校時間指示が来ていた。
特に混乱もない。
次女は5年生に進級したが、知らない学校ということもなく、クラスメイトも大体顔なじみ。
ただ、学校では席の間が離されている上に、全員マスクをしているので、誰もしゃべらないそうだ。
普通なら先生が何か言うと、近くの子とひそひそ越えで話すようなものも含め、子供から反応があるわけだが、それがないので先生が戸惑っているらしい。
学校からの指示にも、あまり対面でしゃべるなとか書いてあるしなー。
高校に入った長男は、市の教育委員会の管轄ではないため、少し事情が異なる。
すでに登校日は決まっているが、まだ登校していない。
公共交通機関を使った長距離移動となるため、今後もしばらくは週1度程度の登校、だそうだ。
オンラインでの学活などは、2週間ほど前から毎日行っている。
授業はないが、習ってもいない部分の課題はどんどん出されている。
登校日に向け、毎日体温を測って Google Form に入力することを求められている。
なるほど。あれを使えばスプレッドシートのデータとして得られるから、一定以上の体温の人を抽出、なんてこともすぐできる。
その長男、1週間ほど前から、夜になるたびに「なんかおなか痛い」と言っていた。
長期家に籠っているストレスと、習ってもいない宿題のストレスが強そうだ…と思っていたので、昨日内科の検診を受けてみた。
軽い十二指腸炎だろう、との医者の診断。薬をもらってきた。
まぁ、十二指腸炎はストレスからなることもあるので、やはりそうなのだろう。
長期家に籠っているストレスについては、少し前から、時々急に YouTube でラジオ体操を見ながら運動している。
やっぱ NHK のがわかりやすい。
ガチャピン&ムックとか、ピカチュウとかは、体の細かな部分の動きがわかりにくいのだ。
さて、そんなこんなで、昨日は忙しかったのだ。
久しぶりに長女・次女が登校するため、朝早くから起きて朝食の準備をし、長男を病院に連れて行った。
実は、病院に行く際には家族総出で出かけることになった。
学校がいざ始まってみると、足りないものがあったり、「近々授業で使うから」と、準備しておくものが指示されたりしたためだ。
妻も昨日からおなかが痛かったので、長男と病院へ。
妻は急性胃炎と診断された。やはりストレスだな。
(妻は、ここのところ「課題がわからない」長男に付き合って、長時間高校生の勉強を見ている。
僕は…課題見たけど、因数分解の公式とか、もうすっかり忘れているよ)
で、「せっかくだから、なんかおいしいものでも買ってこうよ」と妻に言われ、スーパーでお徳用のケーキを買った。
家に帰り、夕食後にケーキを出したところ、妻から「結婚記念日のお祝い」と言われた。
あーーー! そうだった。昨日は結婚記念日だったのだ。
朝から予定がいろいろあって、そちらに気をとられてすっかり忘れていた。
覚えていたら、もう少し豪華なものを買ったのに、と思うが、妻としては今日お祝いしても、胃炎で酒も飲めないので、この程度で十分だったようだ。
まぁ、一応結婚記念日としては、毎年6月29日をお祝いすることにしているので、その日はちゃんとやる予定。
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唐突に思い出したので書いてみるなり。
大学の時の話なのだけど、非常勤で別の大学からきていた先生が、「バイトしてみない?」と声をかけてきた。
その先生から見て、「よさげな」学生に声をかけていたようだ。
バイトといっても、事前に簡単なテストがあるというので、受けることにした。
テストといっても難しいものでも厳密なものでもなく、簡単なアンケートのようなものだ。
たしか、100 問くらいの簡単な質問が並んでいるので、YES / NO でチェックを入れていくだけ。
まぁ、やってみようか…と気軽に始めたが、100問というのが結構長い。
しかも、同じような質問がたびたび出てきたり、日本語として判断に迷うようなおかしな文章もある。
これ、YES / NO の判断迷うのですが…と先生に聞いても、「そこも含めてのテストだから、思うようにやってみて」という返事。
終わらせて先生に渡す。
数日後に結果を知ったのだが、これは心理学のテストで、性格の動向を把握するためのものだったらしい。
特に先生は、「楽観的」と「悲観的」が極端な人を探していたらしい。
これはテスト上同じ指標の数値となって表れ、楽観的だと数値が小さく、悲観的だと大きくなるらしい。
(ほかにも、いろいろな性格を意味する数値や、そもそも「嘘つきだからこのテスト結果自体が信用できない」などの数値も出るらしい)
先にテストを受けていた友人が、9点をとって「非常に楽観的」という診断を受けていた。
なんでも、1桁は珍しいそうだ。
まぁ、そいつは非常にポジティブな奴だったし、誰もが納得していたんだ。
そして、僕の結果は、5点だった。
ちょっと、なかなか見ないくらい、楽観的だそうだ。
え? 僕いたって普通だよ?
しかし、なぜか周囲は納得していた。
そして僕は脳波をとられることになった。(9点の友人もとられた)
バイト代は忘れたのだけど、たしか2時間くらいの拘束で1万円だったと思う。
話はこれだけ。
自分としてはいたって普通のつもりなのだけど、そういえば昔から「いつも楽しそう」とか「いつも笑ってる」とか、「緊張を感じないのではないか」とか、「怒っているのを見たことがない」とか、周囲に好き放題言われている気がする。
こんな話を急に思い出したのも、世の中には、新型コロナ関連のあれやこれやで、強いストレスを感じている人も多いようだからだ。
実際、妻と長男も、ストレスで胃炎になったりしてる。
しかし、僕は一向にストレスを感じていない。
これが多分、極度に楽観的だ、ということなのだろう。
ちなみに、つまらない後日談をすれば、脳波をとった結果は「あまり面白くない」物だったそうだ。
9点の友達は、普通の人とは違う、面白い波形が得られたらしい。
だから、もっと点数が極端な僕に期待していたのだが、普通の人とあまり変わらなかったそうだ。
だから、これはきっと診断したテストがおかしくて、僕はいたって普通だったのだ、と思っている。
自分の身に、普通と違うことなんて起きるわけがないじゃないか。
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子供部屋を2つに分割した。
我が家を建てたときには、とにかく金がなかった。
まぁ、金なら今でもないんだけど。
それで、大胆なことに「部屋の壁とドアを無くす」という奇策に出た。
家を建てた当時、子供は1歳未満が一人だけだった。
でも、一人っ子にするつもりはなかったから、子供部屋は2つは欲しかった。
でも、小さい子がいるうちは個室にする必要はないし、広い遊び場の方がありがたい。
そこに、先に書いたように「金がない」という切実な問題がのしかかり、奇策として「壁とドアがない2部屋」を作ったのだ。
天井には照明が2つある。本当は2部屋だからだ。
でも、壁はないし、ドアもない。廊下からひとつながりだ。
子供は3人に恵まれ、3人とも保育園児だった時にはこの部屋が非常に役立った。
東日本震災で停電していた時は、一番広い…つまりは「暗くても躓いたりする危険物がない」この部屋に集まり、みんなで寝たりした。
でも、子供は成長し、現在高校・中学・小学生になった。
高校生の長男には、すでに別の個室を渡している。
(2世帯で暮らすつもりで建てたので、老夫婦用の部屋があった)
中学生と小学生の長女・次女を同じ部屋にしていたが、長女は宿題も増え、夜まで勉強することが増えた。
一方で、次女はまだ睡眠時間が必要で、夜寝るのが遅くなると、翌朝起きれない。
まぁ、実は同じ状態は子供3人が同じ部屋だったころ、長男が中学に入った時にも起きていた。
だから、長男に個室を与えたのだけど。
その時から、そろそろ部屋を区切らないといけないと思っていた。
4月になったら部屋を区切らないとね…と前から予定していたのだが、コロナウィルス騒ぎでそれどころではなくなった。
ハウスメーカーに頼もうと思っていたけど、この状況で営業の人に来てもらって、工事の人が頻繁に出入りして…というのも避けたい。
何より、メーカーに頼んで立派な壁を作ると、高くつく。
それでいて…広い部屋って便利だから、子供が独立したら元に戻せるといいなぁ、なんて思うのだ。
2x4 材を使って、簡単に突っ張り柱を作れる工具がある。
だから、これと合板を使って部屋の中央に仕切りを作ろう、という案も出た。
でも、コロナウィルスの警戒下でホームセンターに行くのも控えていたので、計画は進まなかった。
そんなところに、5月の G.W. に、子供が居間のシェードカーテンを壊してしまった。
G.W. があけてすぐ、以前から注文していた家具が、近所の店舗まで届いたので買いに行った。
長女に、中学に入ったら自分の机を買ってあげる、とは以前から約束していて、2月ごろに決めてはいた。
しかし、あれよという間にコロナウィルスの騒ぎになってしまい、中国からの荷物が届かず…
で、5月になってしまった。
ついで、同じ机の色違いを、次女のためにも購入してあったのだが、どういうわけか次女の机はさらに1か月後…つい先日届いた。
ともかく、家具屋に行ったので、カーテンコーナーを見た。
先に書いたが、子供がシェードカーテンを壊してしまったからだ。
で、思った。
部屋の区切り、カーテンで十分なんじゃないか?
計画が動き始めた。
最初見た家具屋では、家具屋なのでカーテン類も「本格的な」物だった。
レールとか、部屋のサイズに合わせてオーダーメードで好きな長さに作ってくれる。
カーテン自体もオーダーメードだが、それほど高くはない。
どこかのタイミングで、これを作ってもらうことにしよう。
実は、机購入時には、子供に選ばせようと思って数店舗を回っていた。
その時に、椅子はホームセンターで売っているものを気に入っていた。
机も来たことだしと、子供と一緒に買いに行く。
こちらは、机と違って取り寄せではなく、持ち帰りできると知っていたから。
そして、ホームセンターのカーテンコーナーも見る。
伸縮して部屋のサイズに合わせられる、というレールを売っていた。
オーダーメードではないので安い。これで十分。
せっかく子供も来ているのだからと、カーテンも見てもらう。
長女と次女が二人で「これがいい」という柄があり、それを買うことにした。
部屋の天井高さを考えると、オーダーメードになる。
でも、床まで届かず、7cm 隙間が空いてよければ、取り寄せにはなるが安い。そちらにした。
で、この週末に取り寄せていたカーテンも届き、部屋の中央にカーテンを取り付けた。
結構いい感じ。夜寝る際の明かりも、完全ではないが、寝るのに困らない程度には遮ってくれる。
カーテンだから、部屋を広く使いたいときは開ければよい。
二人とも、今は面白がって開けたり閉めたりしている。
女の子の部屋だから入り口も閉められるようにしたい。
こちらもカーテンでやろうと思っているが、また後日だな。
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つい先日、Twitter で「ENIAC はマイコンでどの程度か」とつぶやいている人がいた。
なるほど。ENIAC の性能というのは時々話題になるのだけど、僕も詳細に性能比較をしたことは無かった。
概念から違いすぎて比較は無理、という気もするが、遊び程度にやってみるのも面白そうだ。
▼前提知識
概念から違う、と書いたのだけど、ENIAC の計算方式について、ざっくりと前知識。
まず、ENIAC は最初のコンピューターとされることが多いのだけど、現代のコンピューターとは計算方法が全然違う。
2進数か 10進数か、という違うもあるのだけど、それ以上の違いがある。
ENIAC は「どんな複雑な計算式でも、微分を繰り返すと足し算になる」ということを利用して、方程式をひたすら数値計算で解くためのシステムだ。
古くは、チャールズ・バベジの階差機関・解析機関が同様のアイディアを持っていた。
ただし、実現できていない。
ENIAC 以前には、歯車とモーターで実現したハーバード・マーク1があった。
ENIAC は、計算のアイディアとしては全く同じままだが、物理部品を無くして電気化することで、超高速の演算を実現しようとした。
▼ENIAC の計算能力
歯車を模倣しているので、2進数ではない。
10進数 10桁の加算機が電気回路で表現されていて、この装置が 20台ある。
1台の加算機は、毎秒 5000回の加算ができる。
これが 20台並列動作するので、ENIAC 全体としては、1秒間に最大 100000回(10万回)の加算ができる。
▼比較対象の選定
というわけで、現代のマイコン代表。
3つの理由があり、ファミコンを比較対象としたい。
もっと細かく書くと、ファミコンの CPU である 6502 が比較対象だ。
メモリ搭載量や動作周波数はファミコンに倣う。
しかし、主に計算能力の比較とし、ファミコン全体の性能を見るつもりはない。
ファミコンを選ぶ理由の1つ目は、有名でありながら、十分に低性能だからだ。
そもそも ENIAC が「世界初」のコンピューターであり、性能を期待できない。
現代の CPU と比べたら、差が大きすぎて面白くもなんともない。
ファミコンはもう40年前の機械だけど、知名度はいまだにある。
知らないはずの世代でも、Switch のエミュレータを見たことくらいはあるだろう。
もう一つの理由だが、僕個人の記憶で、確かファミコン現役当時のベーマガ(当時人気のあったパソコン雑誌)に、「ENIAC はファミコン程度の能力しかなかった」と書かれていた気がするのだ。
記憶にすぎず、ベーマガではなく別の雑誌だったかもしれない。
でも、「ENIAC はファミコン程度」という言葉を知っている人はいるようで、Yahoo知恵袋でもそういう質問があった。
「ファミコンの方が圧倒的に高性能」という答えがベストアンサーになっていたのだけど、圧倒的というほどなのか調べたい気持ちもある。
3つ目、最後の理由だ。
冒頭で書いた Twitter でつぶやいていた人は、僕の書いたページ「Z80 vs 6502」の URL をツイートしてくれていたのだ。
だから、エゴサーチで見つけたのだけど。
該当ページは、MSX の CPU としての Z80 と、ファミコンの CPU としての 6502 の速度比較を行ったものだった。
じゃぁ、その 6502 と、ENIAC を比較してみようじゃないか。
▼ファミコンの計算能力
6502 CPU は、8bit 計算しかできない。
しかも、同時並列の計算能力もない。ENIAC に比べると、ずっと低性能だ。
しかし、ENIAC と違い、柔軟なプログラム能力がある。
プログラム能力の違いは後で詳細を書くが、計算は「1回に」 8bit しかできないが、繰り返すことで、もっと大きな数値を扱うことも可能だ。
さて、ENIAC の 10進10桁の記憶能力は、2進数だと 34bit 相当になる。
しかし、8bit を単位とする現代の CPU では、ちょっと中途半端な数値だ。
ここは、少し足りないが 32bit で計算させてもらうことにしよう。
(これだと、10進数にして9桁が計算の限界となる)
6502 では、先に書いたように1度の計算は 8bit しかできない。
もっと大きな bit 長の計算をしたい場合は、メモリに置いた数値同士を足すことになる。
そこで、メモリ同士の足し算を示めそう。
LDA >1 ; 3
ADC >0 ; 3
STA >0 ; 3
なんのことやらわからないかもしれないが、これが「1番地の数値を、0番値に足す」というプログラムだ。
; の後ろに書いてあるのは、必要な時間だ。単位は「クロック」。足し算には 9クロック必要と分かる。
これで 8bit の計算が終わるが、値を保持するメモリ番地を変えながら単純に4回繰り返せば、32bit 分の計算になる。
というのも、6502 の足し算は「前の足し算の繰上りも足す」ようになっているからだ。
繰り返し計算をしたことで、ひっ算のように「上の桁」を計算していったことになる。
ここまでで、36クロック。
しかし、ちょっと待って欲しい。
繰上りを一緒に足している、ということは、一番最初の計算はおかしなことにならないか?
そこで、最初に「繰上りを消す」という前処理を入れないといけない。
CLC ; 2
これだけでいい。
合計 38クロックで、32bit の足し算が終わる。
これが、6502 の計算能力だ。
では、これは実際どの程度の速度なのだろう?
ファミコンの場合、1.79MHz のクロックが使われている。
これは、1秒間が 1790000クロックだ、という意味だ。
38クロックで割ると、47105 という数が出てくる。
これが、ファミコンで1秒間に行える、32bit 足し算の回数だ。
▼計算速度比較
ENIAC は1秒間に 10万回の10進数10桁加算が行えた。
一方、ファミコンは1秒間に 4万 7千回ほどの 32bit 加算が行える。
計算できる桁数はほぼ同等と見なして、ファミコンは ENIAC の半分程度の性能だ。
まぁ、実際にはどちらもピーク性能を出すことは難しかったと思うが、並列演算を使いこなす方が、順次演算を使いこなすより難しい。
この点で、「実効性能」で見たときは、ファミコンと ENIAC は同等、というのはそれほど間違っていないように思う。
▼メモリ搭載量
現代的には、プログラムはメモリに格納するし、処理対象のデータもメモリに格納する。
処理後の結果も一時的にメモリに置いておき、後でまとめて示したりする。
とにかく、メモリはコンピューターに不可欠の存在となっている。
しかし、ENIAC の時代は違う。
ENIAC は数式の「計算方法」をプログラムできる。
このプログラムとは、加算機の保持するデータを、別の加算機に加算する…というのを、配線で示すのだ。
つまり、プログラムにメモリは必要ない。
数式に入れる初期データは、パンチカードの束で示される。
結果は直接印字されるか、一旦パンチカードの束として出力され、カード集計機でソートなどの処理を行ってから、別の機械で印字された。
つまり、データを保持するためのメモリは必要ない。
または、パンチカードという「外部メモリ」を、必要に応じていくらでも使用できる。
ENIAC の持つメモリとしては、まず加算装置だろう。
先に書いた通り、10進数 10桁 20本。
今回は、32bit (4byte) ということにしているので、全部で 80byte 。
これが書き換え可能な全メモリだ。
ところで、ENIAC は先に書いたように、数式の微分を繰り返すと、足し算に分解される性質を利用して計算を行う。
しかし、三角関数などは、微分しても足し算にならない。
そこで、これらは「数表」を使って処理する。関数の結果表を用意して、その数値を使うのだ。
このための「数表装置」は 10進数 6桁 の数値を、204本設定できた。
この装置は 3台あった。
10進数 6桁は、20bit で表現できる。ここでは、24bit (3byte) としておこう。
すると、1台の数表装置は、 3*204 = 612byte のメモリ、ということになる。
3台で 1836byteだ。
これは、現代的には ROM に相当する。
一方、ファミコンは 2048byte の RAM を搭載している。
6502 の特性上、256byte は計算時に使用する特別なメモリだ。
計算時に使用する、ということで、ENIAC の加算機の容量に相当するもの、と思ってもよい。
また別の 256byte は、スタックという、これも特別なメモリとして予約される。
自由に使ってよいのは、残る 1536byte だ。
さらに、プログラムなどは最大 32Kbyte の ROM に格納された。
固定データも ROM に入れることができる。
先に書いた通り、ENIAC の時代にはメモリは「必要とされなかった」。
だから、メモリ量の大小は、比較の優劣とはならない。
それでも「ファミコンの方がメモリがあった」と思う人はいるかもしれない。
しかし、ENIAC はデータ入出力にパンチカードが使えたことを忘れてはならない。
これは読み書き自由な記憶装置で、必要であれば無制限に使えた。
水爆の設計計算の際には、100万枚のカードが使用されたそうだ。
データ処理能力、という点で見れば、ENIAC は高い能力を持っていた。
▼プログラム能力
何度も書くが、ENIAC はひたすら加算を繰り返すことで、目的の値を得るためのシステムだ。
だから、プログラムというのは「どのデータを、どのデータと足すか」をひたすら示すことになる。
先に書いた通り、ENIAC は配線によってプログラムを行う。
あくまでも「どこを足し合わせるか」など、結び合わせたい対象を、配線で結ぶだけだ。
配線でプログラムした、という話を、ENIAC を分解して論理回路を組みなおしたようにとらえている人もいるようだが、そんなに複雑ではない。
加算をひたすら繰り返す、というのが ENIAC の基本なので、「繰り返し」は当然だった。
プログラムは複数作ることができて、計算結果を条件にして、どのプログラムを使用するか選ぶこともできた。
例えば、弾道計算では、風速や空気抵抗なども考慮しながら弾の高度・距離を計算していき、高度が「マイナスになったら」という条件で、その時の距離の数値を印字する、などの動作ができる。
さらに、印字後には次の初期条件をパンチカードの束から読み込み、再び計算開始…
などとしておけば、用意した初期条件の計算をひたすら繰り返し、結果を印字し、弾道計算表を作り出すことができた。
しかし、ENIAC のプログラムは、その程度だ。
基本的に、1つの数式に基づいた計算を、条件を変えながらひたすら繰り返す機械だ。
ENIAC は「高速計算機」であり、現代的な意味でのコンピューターではない。
ファミコンは、現代的なコンピューターだ。
多くの説明はいらないだろう。ファミコンのプログラムは、現代の多くの人が考えるプログラムと同じだ。
数値計算だけでなく、複雑な条件による「処理」ができる。
マリオがノコノコを踏んだら、甲羅が滑っていく…というのは、数式1本の処理ではないが、ファミコンなら難なく処理できる。
コンピューターを、なんでも処理できる機械としてとらえるなら、明らかにファミコンの方が能力が高い。
もっとも、これは後出しジャンケンだ。
ENIAC は高速な計算機として作られているので、「計算以外できない」のは当たり前だ。
▼まとめ
以上、ファミコンの 6502 と ENIAC を、無理やり比較してみた。
計算能力、メモリ搭載量、プログラム能力の3つの指標で比較しているが、当然のことながら、計算能力以外は比較することすらできない。
そして、計算能力だけでいうと、ENIAC の方が倍くらいの性能があった。
実は、比較前はファミコンの方が能力が上だと思っていた。
比較して10倍の性能差がなければ「同等」と認めた記事にしようと思っていたのだ。
でも、調べたら ENIAC の方が倍くらい高速だった。
だから「それ以外」の比較もしたのだけど、こちらは概念が違いすぎ、比較することができなかった。
とはいえ、一長一短あるので、能力として「ファミコン程度」というのは妥当な表現のように思う。
知恵袋で「ファミコンの方が圧倒的に高性能」と書いた人は、何を根拠に書いたのかわからない。
まぁ、以前も書いたのだが、あのような Q&Aサイトは信用してはならないものだと思っている。
なお、僕は ENIAC を現代的な意味での「コンピューター」としては認めない立場だ。
あくまでも「現代的な意味での」ね。
その違いが分かっていれば、世界初のコンピューターと呼んだってかまわない。
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学校が、午前と午後で生徒を分けて投稿させ、同じ授業を繰り返す分散登校になっている。
そして、昨日と今日の子供たちの通学時間。
小学生の次女は、午前中。8時過ぎには家を出る。
そして、11時半に帰宅。
高校生の長男は、午後。11時半に家を出る。
中学生の長女も、午後。12時半に家を出る。
(長男と長女は、ともに1時からの授業なのだが、学校までの距離が違うため家を出る時間が違う)
このため、昼ご飯を作るタイミングが難しい。
長男は11時すぎにはご飯を食べたい。
次女は11時半を超えるまで帰宅しないが、一人で食べるのは寂しい。
というわけで、この2日間は、昼ご飯はどんぶり。
具材を用意しておけば、食べる直前にご飯に載せて終わりだから。
昨日は豚丼(牛丼風だけど、肉が豚肉)
今日は、唐揚げ親子丼(親子丼だけど、肉が冷凍唐揚げ)
こんなにややこしいのは、この二日間だけの予定。
明日は長男は午前だから。
そして、来週からいよいよ、全員朝の通常登校。
もっとも、高校はまだ午前中だけで授業終了らしいのだけど。
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