テレワークが話題になっている。
以前から「みんなテレワークすべき」ってことをたびたび書いていたので、喜ばしい限り。
オリンピックの際にはみんなでテレワークを、と3年前から東京都が呼び掛けていたが、正直なところ、2割もテレワークに移行しないだろう、と考えていた。
しかし、新型コロナウィルス対策として、あっという間に広まっている。
もっとも、「やるつもりなかったけど急に導入」というところも多くて、あちこちから悲鳴があがってもいる。
仕事内容的に、テレワークは適さない人だっているだろう。無理にみんながやる必要はない、と思っている。
以前に自分が想定していたよりも、各家庭へのネット到達率は低いようだ。
パソコン普及率が海外より低いのは、知ってた。
でも、パソコンを持っている人はもっと常時接続を導入していると思っていた。
話を聞いていると、スマホの回線をテザリングで使ってビデオ会議、とかやっている人もいるようだ。
悪いことは言わない。すぐやめよう。
ビデオ会議である必要はない。音声だけ通じていれば、十分会議にはなる。
そもそも、その会議は本当に必要なのか考えよう。
無理して、いわゆる「テレワーク」っぽさを演出する必要はない。
アドバイスできるような偉い立場ではないけど、過去に自分がやってきた仕事のスタイルの話を書こう。
まず最初に書いておくと、僕はプログラマーだ。
主に WEB 関係の…サーバー側で動くプログラムや、最近では Javascript でブラウザ側で動くプログラムなども作っている。
そうしたプログラムの特徴として、プログラムもデータもそれほど大きくない。
だから、ネットワーク越しでもそれほど問題なく仕事ができる。
2000年ごろから独立して仕事を始めたのだけど、最初の内は「週に一度打ち合わせに出かけ、後は家で作業」というスタイルだった。
当時は回線も細くて、僕は仕事柄 ISDN を導入していた(64Kbps)のだけど、普通は音声モデム(56Kbps)だった。
仕事先にサーバーがあるけど、動作確認は家庭内のサーバーで行う。
完成したら、仕事先のサーバーにプログラムをコピーする。
(rsync という、更新されたファイルだけを送信するプログラムで行っていた)
緊急時には電話で対応。
プログラムの作成作業っていうのはそれなりにまとまった時間が必要なものだし、頻繁な会議は必要ないため、このスタイルで大丈夫だった。
2000年代後半から、基本的に自宅作業にさせてもらう。
それまでは週に1度打ち合わせしていたのだけど、この打ち合わせに、ビデオ会議で出席するようになった。
というのも、子供が大きくなっていたが保育園に入れない「待機児童」で、僕が外出すると妻がワンオペ育児になり大変だったから。
僕は兄弟も親戚も多かったため子供の扱いに慣れていたのだけど、妻はそうではなくて子供と二人だとノイローゼ気味だったのだ。
どうにかしなくてはならず、ビデオ会議にさせてもらったが、それほど問題は出なかった。
このころは、Skype を使用していたと思う。
皆が会議しているところに、一人だけビデオで参加する形だったから。
次の転機は、2015年ごろだったと思う。もう少し前かも。
主に仕事をしていた会社の収入が落ち始め、会社としては存続するのだけど、無駄をなくすことにした。
週に一度会議をするために借りていた部屋を解約し、各自が家庭からビデオ会議で打ち合わせすることにした。
Skype は、基本的に1対1の通話アプリで、ビデオ会議向けではなかった。
そのため、Google Hangout に使用アプリを変更する。
Skype は専用のソフトが必要だったが、Google Hangout は WEB ブラウザから使用できた、というのも気軽でよかった。
まぁ、当初は WEB ブラウザにプラグインを入れる必要があったので、インストールがなかったわけではないのだけど。
(のちにこのプラグインも不要になった)
さて、このころから、収入が減り始めたので別の会社の仕事もやるようになった。
こちらの会社も在宅作業だったが、Chatwork を使用して連絡を取った。
基本的に、ビデオ会議や電話などの音声連絡はしなかった。
毎週更新するソーシャルゲームの開発だったので、毎日細かな課題が発生して、Chatwork で細かく連絡を取りながら、Backlog で課題を整理しながら作業を進めていた。
ソーシャルゲーム開発の時は、SVN を使用していた。バージョン管理システムだな。
多くの人が並行して細かな作業を行い、このシステムで1つにまとめ上げることができる。
…が、この会社はしばらく仕事をもらっていたが、案件が変わるごとに細かな作業方法が変わった。
Chatwork と Backlog の使用は変わらないのだけど、Slack を併用したり、ファイル管理が単純な FTP だったり。
VPN (個人の家の回線を、会社の内部回線に見せかける仕組み)も使用した。
しかし、VPN って、家庭内 LAN を構築している人にとっては、超使いにくい。
ここら辺の話は、過去の日記にあるので、今 VPN でテレワークを命じられて困っている人がいたら参考にどうぞ。
現在仕事をもらっている会社は、Slack と電話で連絡を取り合っている。
Backlog のような課題整理は、Google Spreadsheet で行っている。
みんなで1つのシートを編集できるので、これで十分。
ソースコード管理は、git と github だ。
僕は、会社で用意してもらったサーバーに入り、vim でソースコードを編集している。
vim が苦手な人は、Windows 上で編集している。
でも、動作確認のためにはサーバーに入れないといけないのでひと手間ある。
(まぁ、慣れていれば、特に面倒に感じないのだろう)
会社のオフィスはあり、2か月に1度くらいは打ち合わせに行くこともある。
集中的な作業が必要なときとか、やっぱり顔あわせてやった方がいい時もあるから。
まぁ、こんな感じでした。
今流行している「ビデオ会議」的なことをやっていたのって、Hangout を使っていたころだけ。
これね、結構「よくない」のよ。
会議って、全員が一つのことに集中して時間を割かないといけないので、個別の作業が多いプログラマーなどには適用しづらい。
まぁ、全ての人が向かないかといえば、そんなことはない。
全体の方針を決めるために意見を戦わせるとか、そういうときには会議は有効だし、ビデオ会議もよいと思う。
ただ、メールやチャットで済んでしまうことの方が多いかな、と思うだけで。
最初の方にも書いたけど、細い回線でビデオ会議やるよりも、チャットを併用しながら電話したほうがずっと建設的、ということもある。
対面での会議ではホワイトボード使えるけど、電話だとそれができないからね。
チャットは、文字を送れることでホワイトボードの代わりになる。
複雑なことを考えすぎてストレスをためるより、今ある資材で乗り切りましょう、っていうだけのお話です。
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