目次
04日 三笠
05日 おべんとう
06日 凄腕プログラマ
11日 スプラトゥーン2のフェス勝敗の確率
12日 ゲームの作り方
13日 携帯電話コンテンツ
25日 Unity
27日 エミュレーターの法的権利
29日 関東梅雨明け
以前に保留になった氷川丸に行きたい。
というのも、もらっている無料チケットが6月一杯期限だから。
でも、子供の中学・小学校のイベントに加え、僕が町内会の役員になってしまったのでこの予定も加わり、さらにはスプラトゥーン2が3週にわたるフェスをやったり(3週連続ではなく、2週連続+1周おいて決勝だった)して、忙しくて行く暇がない。
6月2日なら行ける! と思ったところ、横浜開港祭だった。
凄く混雑するようなのでパス。
で、代わりになるわけでもないが、横須賀の記念艦 三笠に行ってきた。
こちらも以前から行きたかったもの。
たしか、幼稚園の頃に家族で行ったことがある。
でも、当然ながらそんな昔のことは忘れている。事実上「はじめて行った」と言ってよい。
三笠(1900年進水)、氷川丸(1930年竣工)、それに日本丸(1930年竣工)と、家の近所には古いのにわざわざ保存されている船が多数あるのに、どれも見ていなかった。
氷川丸に行くついでに、いろいろ見比べてみようという試み。
ちなみに、JAMSTEC のイベントにはよく行くので、しんかい6500の母船である「よこすか」とか、先日スプラトゥーンでもコラボして背景になっていた巨大船「ちきゅう」とかも見学したことはある。
我が家で一番忙しく、疲れているのは長男ので、長男のペースに合わせる。
朝ごはんの後少しのんびりして、10時頃出発。
車で横須賀まで。
こちらも、JAMSTEC に行く時に通いなれた道だが、当然途中から違う道に入る。
駐車場は、あらかじめ予約しておいた。
三笠公園から 300m 程離れているが、休日上限 2000円になる所を、1000円で一日止められる。
付近の相場が休日上限 1500円くらい、または1時間 400円の青天井なので、割安。
でも、「無理やり予約に対応した」感じで、こなれていないシステムだった。
駐車場を出る際に、予約完了メールを見せたら、手動で料金所のバーを上げてくれる、というもの。
現地について、まずは昼ご飯…
と思ったのだけど、事前に調べて「よさそう」と思っていた店は閉店していた。
5月20日に閉店だって。本当に直前で、ネットに閉店情報がないのも仕方がない。
で、別の店を探したのだけど、三笠公園付近にはあまり店がない。
目の前にある小さな喫茶店で食べた。
カレー、カツカレー、からあげカレー、エッグ(目玉焼き)カレー…などなど。
いや、定食もあるのだけど、せっかく横須賀来たのでカレー食っとく。
店主のおばあさんと、ちょうどこの日から手伝いに入ったというおばあさんの二人の店。
で、手伝いの人が慣れていなくてミスオーダーして少し手間取った。
しかしまぁ、味は悪くない。特に良い、ということもない、値段相応だけど。
まずは三笠公園散策。
というのも、毎正時から三笠館内ツアーがあるから、その時間調整のため。
12時半から、公園奥の「音楽噴水」が動いていた。
1時間半に一度くらいのペースで動くようだ。噴水周辺の広場に音楽が流れ、音楽に合わせて噴水が…踊る? 動く? この表現であっているのか?
まぁ、うまい具合に多数の噴水を連動させたパフォーマンスを行うわけだ。
2時から、三笠艦内ツアーに参加する。
…が、この時のおじいさん、歴史マニアであることはわかるし、好きだからこそ三笠の時代背景などを面白おかしく話してくれるのだけど、「話し上手」なわけではなかった。
口上こそこなれているのだけど、ある程度歴史を知っているのを前提に、詳細部分をべらべらしゃべるだけで、何も知らない子供には面白くないのだ。
そこで、ツアーが始まって早々に離脱して、勝手に見ることにした。
離脱の理由もう一つ。
面白いものが多数あるし、子供にその解説をしたいのだけど、ツアーでは歴史の話が中心で、そこにある機械の面白さなどは解説しないのだ。
8cm 砲は、射手が腰を使って砲身を左右に動かし、左手のハンドルで仰角を調整し、右手の引き金で打てるようにしてあった。
大きいけれども、最終的に引き金を引く部分は拳銃と同じなのだ。面白い。
実際に動かしながら子供に解説していたら、ツアーとは別のボランティア解説員が来て詳細を教えてくれた。
船の上では揺れるので、砲身と一体化するために肩をここに押し当てた、とか、昔の平均身長は 157cm で、中学生の長男と同じくらいの背の高さだったとか(僕は照準をのぞき込むには少し背を屈めないといけなかった)。
実際には、射手とは別に、砲弾を入れるためのロックを開け閉めする係、砲弾を入れる係、次の砲弾を運んでくる係の、4人一組で扱ったそうだ。
これが、15cm 砲になると10人一組になり、砲を囲む小部屋でそのまま寝泊まりし、生活を共にした。
30cm 主砲は…何人で操作したのか知らないが、10km の射程を持つ。
ただし、3分に1回程度しか打てなかった。
これに対し、8cm 砲は1分に6発程度の連射が効いた。
(ただし、あまり連射すると砲身が熱を持ってしまい、使えなくなる)
実践では主砲はそれほど役に立たず、8cm 砲が主力になったらしい。
有名なバルチック艦隊との戦いも、主砲の数では負けていたが、8cm砲の数は多かったので勝てたそうだ。
艦内は結構広く、甲板より上を見終わる前から、小3の次女は「疲れた」とグズり始める。
しかしまぁ、実際に統合元帥が立っていた艦橋とか、操舵室なんて言うのは見どころである。
もっとも、全部第二次大戦後の復元。
米軍統治時代に、三笠は「過去の戦勝を美化する施設である」ということで、ほぼ解体されてしまったから。
船体自体は日露戦争当時のままらしいけど、こちらもすでに海に浮いているわけではなくコンクリートで固められている。
さて、次女も疲れているし、甲板下をさっさと見て…と思ったけど、こちらがまた広かった。
上級士官の居室などを再現してある部屋とか、エンジンの仕組みを解説した部屋とかが主。
エンジン自体はすでに無いようだが、「蒸気エンジン」だと聞いて、機関車と同じようなものを想像していたら違った。
海の上では水が貴重なので、蒸気は何段階にもピストンを動かすことで、十分にエネルギーを取り出すとともに、冷やす。
そして、最終的に海水で冷やして水に戻し、エンジンに戻る循環系になっていたそうだ。
なるほど、海には海の苦労があるわけだ。
バルチック艦隊との戦い…日本海戦を追体験するシミュレーションゲームがあった。
東郷元帥の指令通りに操舵して…基本的に「電車で GO! 」だな。史実通りにぴったり動かすのが良いようで、プレイヤーが工夫する余地はない。
最初に「東南東へ進路を取れ!」と言われたら、そちらに向かう。
「砲撃開始」と言われたら砲撃ボタンを押す。
あとは、こちらに着弾すると進路がそれるので、ひたすら東南東へ合わせ続けるだけのゲーム。
最初は長男がやってみたのだけど、意味が分からなくて負けた。
でも、これでやることが何となくわかったので、妻・僕、ふたたび長男が遊び、みんな勝った。
「指示通りにやればもっと勝てる」そうだが。
(正しい操作なら、こちらの被害がもっと減るようだ)
ここまでに書いていなかったが追記したいこと:
結構最初のほうに、「三六式無線機」という展示品がある。
これを見たところでは、まだツアーに参加していた。
マルコーニが無線機を開発した後、日本軍は技術使用の交渉をするのですが、凄い金額を吹っ掛けられたそうです。
そこで、独自に三四式無線機を作成。これは、100km 程度しか届かないものだったとか。
通信手段としては、ちょっと距離が短い。
これを改良し、1000km 届くようにしたのが三六式無線機。
ただ、このアンテナは非常に長くて、三笠の前から後ろまで、マストを通ってアンテナ線が張られています。
…これ、なんでアンテナがそんなに長いか、という解説はなかった。
当時は、電波通信は長波のほうが適している、とされたのね。
理由は、波長が長いと、回り込みが起こるから。
太陽の光は波長が短く、海の波は波長が長いです。
そして、壁があると太陽の光は影を作る(壁の後ろに光が届かない)けど、海の波は回り込んで壁の後ろまで届く。
これが「回り込み」です。波長が長いほど回り込む。
電波は直進しますが、地球は丸いです。
だから、地球自身の影ができてしまい、回り込まないと通信ができない。
でも、当時のアンテナは波長の二分の一の長さを必要とします。
波長を伸ばせば伸ばすほど、通信はしやすくなるけど、物理的に長いアンテナが必要になります。
それが「三笠の前から後ろまで」アンテナ線を張らないといけない理由。
これを説明したら、妻から「でも、長波だと情報あまり載せられないでしょう?」という疑問。
通信時には、波に情報を載せて送るので、周波数が高い=波長が短いほど情報を送れます。
でも、当時の通信方法って、モールス信号だからね。
声すら送れず、手で打鍵した ON / OFF を送るだけなので、長波で十分。
ちなみに、今では地球の上空に「電離層」というものがあり、そこで電波が反射することが発見されたため、回り込みのために長波を使う必要はなくなっています。
回り込みが不要なら、波長が短い方がアンテナも短くできるし、情報も多く載せられる。
以上。
1時から三笠見学を初めて、出たのが3時ごろだったかな。
疲れたしお腹空いた、と子供たちが言うので、公園近くのコンビニでアイスを買いました。
で、わざわざ公園に戻って食べた。そうしたいと言われたから。
食べていたら再び音楽噴水が動き始めたので、最後まで見ました。
夕方なので、太陽を背にする方向から見たら、虹が出てすごく綺麗でした。
4時ごろには車を出し、途中夕飯を買って5時半には帰宅。
気軽な小旅行でした。
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中2の長男は、昨日から2泊3日のキャンプに行っている。
お弁当を持って行かなくてはならなかったのだが、「そのまま捨てられる容器で」と学校側からリクエストがあった。
家を探したら、小さな使い捨てコンテナ容器があった。お惣菜とか入れて販売していたりするようなやつ。
ちょっと小さめだけど、これにおかずを詰めて、ご飯はおにぎりにしてラップで包もう。
集合場所が、家からずいぶん離れた地域の広い道路だった。
バスを停めるスペースの都合でそこになったようなのだけど、そこに行く交通手段が簡単ではない。
路線バスでは、途中の乗り継ぎが必要。バスの待ち時間含めると、30分以上かかりそう。
しかも、いつもは家を 8時に出れば間に合うのだが、集合時間が 7時45分。
えーと、車で送れば、10分で行ける。朝の渋滞を考慮しても15分で大丈夫だろう。
送ることにした。
朝ご飯はいつも僕が作っているので、当日の朝は大忙し。
その上、少し寝坊してしまった。
5時半に起きるつもりが、起きたのは45分。
すぐにお弁当の支度をしながら朝ごはんも同時進行で作る。
子供も早めにご飯食べて支度しないといけないからね。
お弁当箱があれば詰めるだけだし、慣れているのでおかずの分量も大体わかる。
でも、慣れないコンテナで、おにぎり握って…とやっていたら、結構時間かかった。
7時には朝ご飯を配膳し、おにぎりはそれから作って 15分には完成。
30分には車で送るために家を出発。
ところで、先日家の近所のトンネルが崩落した、らしい。
鎌倉には古いトンネルが多く、2年前にも北鎌倉駅そばのトンネルが崩落している。
現在、危険なので立ち入り禁止になっている。
目的地に向かうには、いつもならこのトンネルを通ると速い。
まぁ、遠回りになる時間は織り込み済みだった。
だけど、それだけではなかった。いつもならそのトンネルを通る車が、みんな迂回路を通り、渋滞していた。
それでも、集合時間には間に合った。
家の近くのバス停で、中学生がバスを待っていた。
あれからバスに乗って、さらに途中で乗り換え…と考えると遅刻したのではないかと思うが、大丈夫だったろうか。
話はこれで終わりではない。
翌日の今日、小学5年生の長女の、社会科見学遠足。
駅に 7時 45分集合、らしい。
バスは駅まで 20分程度なのだけど、待ち時間や渋滞の可能性を考えると、30分前に家を出たい。
駅までのバスに乗ることも教育の一環なので、こちらは車では送らない。
なので、今日も5時半起き。すぐに弁当を作り始める。
長男は茹で卵が好きだが、長女は卵焼きが好き。
茹で卵よりも短時間でできてありがたい。
お弁当箱サイズもわかっているし、おにぎりでもないのですぐにできた。
6時 45分には配膳し、朝食を食べ始める。
7時には長女は朝食を食べ終わる。
(ちなみに、寝坊助な次女は、この頃やっと朝ご飯を食べ始める)
で、すぐに行ける準備が整った…かと思えば、「首に巻いていかないといけないスカーフがない」とか「バス代ちょうだい」とか、「エチケット袋が無かった」とか。
前日にちゃんと用意しろと言って、本人「できている」と言っていたのだが。
でも、7時 10分には家を出た。
そんなわけで、少し寝不足です。
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以前、技術力の低いプログラマの話を書いたことがあります。
いわゆるコピペプログラマ。
プログラムを「読む」ことは出来るし、「組み合わせる」こともできるけど、1から「書く」ことは出来ない人。
人数が多いと、そういう人もいる一方で、恐ろしく技術が高い人もいます。
僕がセガにいた頃には、部署内で明らかに「別格」の人が3人いました。
三強というか、三賢者というか…3人なので、勝手にそう思ってました。
一人は、テクニカルサポート課の課長。
…そのころは「凄腕」だと思っていたのだけど、今振り返ってみると少し違うかもしれない。
会社柄、みんなゲームのプログラムは出来ました。
でも、テクサポ課の課長は、みんなとは知識の質が違った。
部内で唯一、ネットワークやサーバーの知識があり、部署内のインフラ整備を一手に引き受けていました。
プログラマは、仕事の道具として UNIX を与えられていたので、当時の標準だった「MS-DOSしかわかりません」という人よりは UNIX 知識がありました。
でも、多くの人は ls や grep 、せいぜいが sed を使うくらい。
プログラムを書かないといけない都合上 Emacs は使える人が多かったけど、それも使わずに HP-UX 標準の、機能の低いエディタを使っている人もいました。
僕が awk や perl をつかえただけで「すごい」と思われていたような世界なので、ネットワーク整備なんて誰もできないのです。
僕がテクニカルサポートに入ってからは、テクサポ課の課長からネットワーク・サーバーの知識を教え込まれました。
だから、当時「誰もできない凄い知識を持っている」と思いましたし、部内のみんながそう思っていました。
…でも、僕自身がサーバー管理できるようになった今考えると、課長の知識はちょっと怪しかった部分あるな。
それでも、まだ Linux がそれほど普及しておらず、UNIX に触る機会も少ない状況下で、部署内のサーバー・ネットワーク管理を一人でやっていた課長は凄腕だったと思います。
もう一人は、先日書いた、ST-V の BIOS を書いた先輩。
ST-V の BIOS 機能はあまり活用されなかったのですが、ちゃんとマルチカートリッジ対応になっていて、ゲームセレクトボタンを押されたら次々に刺さっているカートリッジのゲームを切り替える機能がありました。
タスクスイッチ、みたいなものですね。
ST-V はシングルタスクではありますが、複数のゲームを同時に扱えたのです。
ハードウェア的にはサターンと同じですから、マルチカートリッジは BIOS のソフトだけでやっています。
…まぁ、タスクをゲーム中にスイッチするようなことはないので、ハイスコアやコイン設定、Book keeping (いくらコインが入って何回遊ばれたか、などの記録集計)などが正しく管理されていれば良いだけですけど。
もっとも、このコイン設定は非常に複雑怪奇なので、それをちゃんと作っただけでも賞賛ものだと思うのですが…
周囲から「凄腕」だと思われるのは重圧だったようで、BIOS なんて時間さえかければ誰でも作れるよ、とよく言っていました。
この2人、人がいない深夜のほうが集中できたそうで、良く泊まり込んでいました。
テクサポ課の課長は、深夜に徹夜で仕事して、みんなが出勤する時間になると仮眠室に行って寝ました。
BIOSの先輩は、徹夜はしませんでした。6時間は寝ないといい仕事ができない、というポリシーを持っていました。
でも、仮眠室の「誰が寝たかわからない布団」は嫌なのだそうで、深夜2時くらいまで仕事をすると、机の下で寝袋で寝ていました。
そして、皆が出勤してくる9時半ごろには起きる。
#勤務時間はフレックスでしたが、10時にはいないと「遅刻」扱いだったので、多くの人が10時前出勤でした。
残る一人は…多分、プログラムの腕前的には、この人が一番の凄腕。
後に正式にテクニカルサポート課に編入されるのですが、ゲームプログラマとしても間違いなく凄腕でした。
作るプログラムの品質が良いだけでなく、作成速度も速いのです。
ただ、その天才さゆえに、人に対する要求も厳しい。
自分ができることを他の人ができないと、容赦なく「そんなプログラムじゃダメだよ」って言い捨てるのです。
それゆえに、この先輩を怖がっている人も多くいました。
僕も、以前はこの先輩苦手でした。
でもある時、僕が HP200LX を使っているのを知り、先輩から話しかけられました。
興味は持っているのだけど購入に踏み切れないので、ちょっと見せてほしいのだそうです。
行動が早くて、試用した数日後には購入して持ってきたのではなかったかな。
そして、数週間後には RAM増設、クロックアップ改造をしていました。
僕は、改造できることは知っていましたが、壊してしまう可能性を考えると怖くてできませんでした。
HP200LX 、結構高価だったからね。
…と先輩に言ったところ「じゃぁ、実費で改造してやるよ。失敗したら責任取って弁償するから、それなら安心だろ」って。
翌日には改造キットを買ってきて、目の前で改造してくれました。
#半田ごてとか、工具一式は仕事柄部署に置いてあるので。
この件があってからたびたび話をする仲の良い先輩になったのですが、ある日「C++ 知ってる?」と聞いてきました。
僕は一応興味があって勉強はしていたのですが、試用程度にしか使ったことがありませんでした。
でも、先輩も C++ に…というか、オブジェクト指向をあまり知らなかったので、興味があって勉強したのだそうです。
そしたら、ゲームとオブジェクト指向は相性が良いのではないか、と思ったのだけど、自分だけの直感だったので話し合える人が欲しかったらしい。
オブジェクト指向って、「言語」の話ではなく「データ構造」の話です。
ただ、オブジェクト指向言語と呼ばれる言語は、そのデータ構造を扱いやすい工夫があるだけ。
そして、当時アセンブラかCで作成していたゲームも、すでにオブジェクト指向でプログラムが行われていました。
アセンブラからでも扱いやすい方法なので、本当にシンプルな形ですけど。
でも、先輩はこの時点で「C++ は普段使っているライブラリと相性がよさそうだ」という直感はあっても、ちゃんとした理解に至っていなかった。
そこで、すでに普段使っているライブラリがオブジェクト指向なので、C++ とは当然相性が良いでしょうね…というような話をします。
具体的には、C++ の class が構造体の拡張表現であり、普段使っているライブラリの構造体と同じような形式になっている、という説明だったと思います。
オーバーライドなどのオブジェクト指向に特有の表現も、構造体に処理先ポインタを入れてあるのと同じもので…とかね。
で、先輩の結論は「ゲームを作る上で C++ はすごく適している。ぜひ広めるべきだ」。
この時、先輩は新しいゲームのチーフプログラマーでした。
でも、まだプロジェクトが本格化しておらず、時間があるのでライブラリを C++ 用に作り直します。
ライブラリ…と言っても誰かが作ったもので、ソース一式そろっていました。
それをすべて C++ で扱いやすいように改造します。
2週間くらいで一通り作ってしまったのではなかったかな。
そして、次のゲームはすべてを C++ で作る、とチームのプログラマに宣言しました。
…これね、すごく実行力もあるし、天才の仕事だと思う。
でも、巻き込まれたチームの人は、急に新しい言語環境を強要されて大変だったみたい。
こういうことするから、怖い人だと思われているのではないかと。
1年半前の日記に、当時やっていたテレビアニメ「NEW GAME!」の話を書きました。
アニメの舞台はゲーム会社のグラフィックチームなのだけど、机の下で寝袋で寝る人とか、天才肌で自分と同じようにできない人を見下す人とか、個性の強い人々が出てくる。
お話だから強烈な個性に書いているように思われるかもしれないけど、実際ゲーム会社にはそういう人いますよ…と書いていたのですが、今回紹介した先輩方です。
凄腕だから、強烈な個性を持っていても大目にみてもらえる、という側面もあります。
2019.6.18追記
セガ時代の友人と飲んでいて、上述の先輩の作ったライブラリの関数名に、先輩の名前が入れられていた、と聞きました。
get*****Angle (***** の部分が先輩の名前)などの関数名があったのだとか。
みんなが使うライブラリ関数名に個人名を入れ込むとか、どんだけ自己主張が強いのか、という話として。
以下、ただの笑い話ではない、という意味合いで補足します。
ライブラリ関数のすべてに名前が入れられていた、というわけではないと思います。
その友人が覚えていたのが「Angle」関数だったこともあり、おそらくは角度を使用する場合に自分の名前を入れていたのではないかと思います。
DEGREE では1周は 360度、RADIAN では 2πですが、ライブラリなどでは 65536 などを1周にすることがありました。
65536 は 16bit では「桁あふれ」を起こし、0 になる値です。
これが、1周して角度が 0 に戻る、というのと相性が良いのです。
そして、この角度を使用する形で、必要な三角関数群を用意します。
ここで、三角関数に渡す角度は RADIAN でも DEGREE でもなく、独自のものであることを明示する必要はあるのです。
そのため「自分が定めただけの、独自角度系である」ことを示すために名前を入れたのではないかと思います。
しかしまぁ、ライブラリに名前を付けてそのライブラリ名を入れる、とかではなく、自分の名前をそのまま入れてしまうところが凄いといいますか…
ライブラリって、場合によっては自分の手を離れて、知らない人が使いますからね。
ちなみに、これを「笑い話」として出していた知人も、彼が設計したシステムで、内部的に特別な意味を持つ「名前」に、後輩の女の子の名前を使っていたことを付記しておきます。
人のこと笑えないって。
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The House of the Dead 2【日記 18/12/28】
別年同日の日記
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時々スプラ2のフェスの話を書いているのだけど、今回は勝敗結果の話。
ありていに言えば「結果がおかしい。対戦が正しく行われていないのでは?」という内容。
話を始める前に、スプラ2のフェスを詳しく知らない人のためにざっくりと解説。
スプラトゥーン2は、オンラインの対戦バトルゲームです。
4対4で、水鉄砲を持って戦います。
この手のゲームは「殺し合い」で勝負するものが多いのですが、スプラトゥーンシリーズは「陣取り合戦」です。
水鉄砲(「インク」を撃つことになっています)で相手を撃ち倒してもいいけど、最終的な勝敗は、自分のチームの色に塗った面積で競われます。
だから、必ずしも相手を殺すことが勝敗に結びつかず、逃げ回っていてもチームに貢献できます。
対戦ゲームが苦手な、僕ような人でも楽しめるゲームです。
で、時々「フェス」と呼ばれるイベントが開催されます。
あらかじめ、2択の質問で2グループに分けられ、そのグループ同士で対戦するのです。
この対戦も、1人で参加した人をランダムに組み合わせる「ソロ」と、2人、または4人であらかじめチームを組んで参加する「チーム」の2つの参加枠があります。
さて、フェスの「勝敗結果」ですが、24時間続けられるフェスの後に、得票率、ソロ戦の勝敗率、チーム戦の勝敗率、の3つで評価され、2つ以上の率が高かった方が勝者となります。
2018.9.21 追記
9月23日開催の第16回フェスから、ルールが大幅変更となりました。
ソロ・チームという区分はなくなり、レギュラー・チャレンジとなります。
また、勝率で勝負するのではなく、対戦によって獲得されるポイント合計で勝負するようになりました。
以下のこの日記の趣旨は、日記執筆時点でのフェスルールは破綻していて、多少の調整でどうにかなるものでもなく、任天堂も困っているのだろう、というものでした。
それに対する回答がルール大幅改定なのだと思います。
この日記は情報としての意味を失ったわけですが、日記ですので書いた時点での事実として残しておきます。
過去の戦績をここで書こうかと思ったけど、このページの趣旨ではないし、まとめている人もいるので他のサイトに譲ります。
今日の話は、この「結果」に、おかしいくらいの偏りがある、ということ。
ゲーム中では、ナビゲート役として、ゲーム内の「アイドルバンド」である2人組、ヒメとイイダが登場します。
フェスの時には、それぞれが各チームを代表する形になります。
それぞれの過去の勝敗結果は公表されています。
昨日の第13回までで、ヒメ5勝、イイダ8勝です。
ネットでは「イイダの勝率が高い」ことに着目し、常にイイダに投票する、と宣言する人も出ています。
勝率…高いと言えば高い。でも、この程度なら誤差範囲のようにも思います。
実は、ヒメかイイダかというより、冷静に成績を見ると「得票率の少数派の勝率がやたらと高い」です。
少数派9勝、多数派4勝です。
フェス前のアンケートでは、2択を選択するためのカーソルが、最初は「ヒメ」側についています。
どっちでもいいや、という人はヒメに入れやすいのかな、と思います。
だから、ヒメが多数派になり、負けてしまうことが多い。
「イイダ派が強い」ではなく、「少数派が強い」のですね。
でも、これでも先ほどと1勝しか変わっていない。
2倍の差となると誤差と言いづらくなりますが、サンプル数も少ないですし、まだ決定的ではないように思います。
では、多数派が勝った4回を詳細に見ましょう。
そのうち3回は、ソロ戦を多数派が勝ち、チーム戦は少数派が勝っています。
得票率での勝ちと合わせて「多数派の勝ち」となりました。
残る1回は、ソロ戦もチーム戦も、多数派が勝利した「完全勝利」です。
実は、「多数派がチーム戦で勝利した」のは、この1回のみです。
少数派が勝った9回の内容は、すべて「ソロ戦・チーム戦とも少数派の勝ち」です。
得票率で負けているのですから、これ以外では少数派の勝ちになりません。
というわけで、ソロ戦・チーム戦の通算では、少数派が21勝、多数派は5勝です。
少数派は、多数派の4倍も対戦で勝っている。
ここまで違うと「誤差」で済ませられるものではなく、有意な差があると考えてよいかと思います。
先に書いた通り、マッチングは基本的に「同じくらいの強さの人」を集めて行われます。
そのため、勝負は五分五分。片方が4倍も勝つ、なんてことが起こるはずはありません。
結果発表の勝率を見ると、戦績は僅差です。
具体的に…7回終了時点までで、一番の勝率が 51.34% です。
多くは、勝っている側でも 50.xx% という小数点以下の勝負で、一番の僅差の時は 50.04% での「勝ち」でした。
これが、8回目で少し崩れます。
7回までの戦績が偏ってしまっていて、イイダが連勝していること自体を、フェス前の予告のネタにしていました。
そして、ヒメが ソロ 51.50% 、チーム 51.51% で勝利するのです。
それまで決して出ることのなかった、半数(50%)を 1.5% 超える差での勝利。
それを、あらかじめ予告したタイミングで、ソロ・チームとも叩き出す。
おそらくは、ここは運営側で調整が入り、マッチングが少し変わったのだと思っています。
このあと、9回目ではゆり戻しが来たように僅差の勝負となり、10回目でたった1度の「多数派の完全勝利」。
この時は、チーム戦で 52.25% という高い勝率が出ています。
そのあとの11回目、大騒ぎとなった「マッチングバグのあるフェス」となりました。
本来、同じくらいの実力の人がマッチングされるはずなのに、大きく実力差のある人が組み合わせられます。
阿鼻叫喚、としか言いようのない一方的な試合が繰り返されました。
このような試合では、負けた側はもちろん、勝った側もあまり楽しめません。
後に任天堂公式に「バグがあった」ことの謝罪が出るのですが、この時も少数派が勝ち、 54.39% という高い勝率が出ています。
その後、現在のところフェスは2回行われていますが、元に戻す努力があったようで、あまり大きな勝率の差は出ていません。
#書いてから気づいたけど、ゲーム中は勝率を小数点以下まで出してなかった。
先にリンクしたページを見ても、細かなことはわからない。
連動したスマホアプリを使うと、小数点以下まで確認できる。
さて、この話は「任天堂が手ごころを加えている」とか、そういう話ではありません。
ゲームとしては同じ実力の人が真剣に戦うから面白いのですし、任天堂もマッチングシステムで、できるだけそうなるように努力しているように見えます。
にもかかわらず、差が出ている。
おそらく一番困っているのは任天堂の人で、修整のための努力を続けているのに「なぜか」治らない…というように見えます。
スプラ1は遊んでいないのでよく知らないのですが、勝率もソロとチームを特に分けておらず、別の集計方法で勝敗を決めていたようです。
つまり、今のフェスのシステムは、純粋に13回しか遊ばれていません。調整をするにしても、十分な機会がまだ得られていない、とも言えます。
マッチングで使用される「同じ強さ」の指標としては、過去何戦かでの、チームの勝敗、その時のチームの平均強さの格差(格上に勝つようならかなり強いと考えられる)、殺した数、殺された数、塗り面積…などなど、ありとあらゆる、計測できる要素が使用されているように見えます。
また、スプラトゥーンは非常に「ブキ」の種類が多いゲームで、ブキ同士の相性もあります。
同じ強さをマッチングしたとしても、相性が悪ければ勝負になりません。
ですから、マッチングの際には同じタイプのブキがチームに偏らないように、かつ、対戦チームも同じようなブキ構成になるように…というようなことをインタビューで答えていたように思います。
とはいえ、マッチングの際にあまり万全を期して、ユーザーを待たせるようではいけません。
来るかどうかわからないユーザーを待つ「完璧な解」よりも、今いるユーザーで妥協して早くゲームを始める方が良いのです。
フェスの際には、「所属するグループ」も考慮する必要があります。
ただでさえ、難しい条件をできるだけ満たすような組み合わせを見つけないといけないのに、2グループに分かれることで組み合わせに「使える」素材が、半分になってしまうのです。
こうした複雑な事情をすべて潜り抜け、なんとかフェスを成立させた先にあるのが、「なぜか少数派が強い」という現象なのかな…と思っています。
システムが複雑すぎるので、何が起きているのか、当の任天堂運営チームにもわからない。
それを何とか修正しようと実験するうちに、バランスを大きく崩してしまったり、「マッチングバグ」を引き起こしてしまったりしているのではないかと。
マッチングバグは、多数解決しないといけない制限の中の「同じくらいの強さの人を組み合わせる」という部分を緩くした結果ではないかな…
と思っています。
同じくらい、というのが難しくて、少し緩くすれば組み合わせやすくなる、と考えてやってみたら、ひどい結果になった。
で、今は「同じタイプのブキがチームに偏らないように」という部分を緩くしているように思います。
昨日のフェスは、ローラー多数対チャージャー多数、みたいなひどい組み合わせがあって、あまり楽しめなかった。
(ローラーはチャージャーのカモです。ただし、誰かがチャージャーを倒してくれれば、ローラーが一気に塗りつぶして勝利できます。
ローラー多数対チャージャー多数では、一方的なゲームになってしまい楽しめません)
先に、少数派が勝ちやすいのは任天堂も理由がわからないのでは…と書きましたが、「わかっていて、故意にそうしている」可能性もあります。
というのも、投票が偏りすぎて多数派と少数派の人数が偏りすぎると、そもそも対戦のマッチングがしにくくなり、試合不成立が増えてしまうためです。
#一応、同じグループ同士の対戦が発生するので、ゲームは遊べる。
でも、結果はそのグループの「一勝一敗」になるので、最終戦績には関係がない。
これが、「少数派に所属すれば勝てる」と噂されれば、アンケート時点で「どちらが少数派になるか」を予想して投票してくる人が現れ始めます。
読みが当たるかどうかはともかく、この結果少数派の人数が増えれば、少数派と多数派の人数差は少なくなり、試合が成立するようになります。
だとすれば、すでにこの効果は出ているように思います。
ここまで「読んで」遊ぶのは、勝ちにこだわるガチ勢だけなので、少数派側にガチ勢が大量に流れ込んで強さを底上げしている…という可能性もあるのです。
昨日のフェスでは、僕は少数派に属していました。
昼間遊んでいて、グループ内の対戦にはなりませんでした。
(少数派は、多数派とのマッチングが成立しやすい)
しかし、夜中に遊んでいた妻によれば、夜中は少数派にもかかわらずグループ内対戦が多かったそうなのです。
夜中でも寝ずに遊んでいる人はガチ勢が多いと仮定すると、夜中はむしろ少数派と多数派の人数比率が逆転している可能性があります。
また、バグありだった11回目、少数派は非常に高い勝率で勝ちました。
マッチングが単に「バグ」だったのなら、少数派だけが高い勝率に…とはならないはず。
でも、少数派に強い人が多く、その分多数派に弱い人が多くなったとしましょう。
ここでバグが出て、強さと関係なくランダムに組み合わされたとしたら…
当然、少数派が勝つ試合が増えるはずです。
これも、すでに少数派にガチ勢が流れ込んでいると考える根拠です。
マッチングは、本来「同じくらいの強さの人」で行われます。
でも、全く同じということは難しいですし、少数派に強い人が多いのであれば、常に少数派が「ちょっと強い」試合が多くなってしまうかもしれません。
システム的には、なんの手ごころも加えずに五分五分の勝負になるようにしていたとしても、実はガチ勢によって前提が崩れていたら…
任天堂が調整を繰り返しても、なかなか理想通りにならずに苦労しているように思います。
なんか話がいろんな方向に発散してきました。
最後に、全然違うのだけど経験話を。
過去に、仕事で携帯電話向けのチャットサイトを構築したことがあります。
気軽におしゃべりを楽しんでもらうために、さまざまな指標でユーザー同士の「マッチング」を行うのですが、このプログラムの混乱ぶりがすごかった。
一応 NG ワードとかも持っていて、あまりに酷い言葉は入力させないのですが、そうでなくても緩くペナルティポイントを加算していました。
で、あまりひどい話になっていそうな部屋は、新たなユーザーが入るのを禁止します。
ユーザーごとにも「話の傾向」フラグを持たせていて、同じような傾向のユーザー同士をマッチング。
一方で、フレンド登録とかブロックとかあって、フレンドはできるだけマッチングしたいし、ブロックした人がいる部屋には入れるわけにいかない。
いい会話がないなー、と思ったら、一人で新しい部屋に入ることもできるのだけど、そのユーザーさんを延々と待たせるわけにもいかない。
そういう部屋は、他の人にできるだけお薦めしていかなくては。
新しいユーザーが来るたびに、「今お薦めの部屋」をいくつかピックアップし、その中で選んでもらうのですが、その舞台裏は細かな調整の連続でした。
考慮すべきことが多すぎて、どんなに調整しても満足いく状態にならないのね。
で、スプラ2のマッチングって、これと同じことを…もっと高度なレベルでやっているのだな、と思うのですよ。
勝率がおかしいのは、おそらく「気がする」ではなく、事実です。なにかシステムがおかしい。
でも、多少うまく行っていないからと言って、怒る気にはなれない。
多分、現在のマッチング自体がギリギリのバランスで成り立っているから。
願わくば、勝っても負けても楽しめるフェスにしてほしい、と思います。
マッチングにバグがあるとか、ブキが偏りすぎるとかは、あまり楽しめなかったよ。
以降、2018.9.21追記
最初のほうに追記した通り、第16回フェスからルールが改定になりました。
上の日記では、第13回終了時点まででの結果で論じていたのですが、せっかくなのでその後の2回分について記録しておきます。
第14回も第15回も、少数派の勝ちでした。
最終的なソロ戦・チーム戦の通算では、少数派が25勝、多数派は5勝だったことになります。
おそらくは、何らかの都合で少数派のほうが「強い」状態でマッチングされることが多かったのかと思います。
そこで、新ルールでは、単純な勝敗を競うのではなくなっています。
1) チーム戦。塗った面積の合計を指標とし、勝つとさらにボーナスポイントをもらえる
2) 個人戦。同程度の強さ指標を持つ人が集められ、勝つと相手の強さの平均値をポイントとしてもらえる。このポイントの合計で競う。
チーム戦では、負けた側もポイントはもらえるため、勝負で差がつきにくくなります。
個人戦では、強い側が勝ってももらえるポイントは少なく、弱い側が勝てばポイントが多くなります。
これにより、マッチングした「強さ」のばらつきによる差がつきにくくなります。
さらに、ランダムに「10倍マッチ、100倍マッチ」という、獲得ポイントに倍率がかかる勝負が行われることもあるようです。
…全体として負けている側を「ちょっと」強い人たちでマッチングすれば勝つことが多いだろうし、その際に大量ポイント与えると、常に互角の勝負を演出しやすくなるよね。
勝負を拮抗させる力を介入させすぎると、「努力が報われない」ことにもなってしまいますが、お祭りなんだから勝負の行方が分からないほうが楽しいと思います。
よい改定なのではないかな。
…まだ新ルールで遊んでいないのですが、期待できそうです。
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別年同日の日記
申し訳ありませんが、現在意見投稿をできない状態にしています。 |
最近は次女(小3)が熱心に Scratch をやっている。
長男(中2)も相変わらずやっているのだけど、学校に塾にと忙しくなかなか時間が取れないし、わずかな時間でスプラ2も遊びたい。
でも、時々急に「プログラム作りたい!」ってなって、短時間でそれなりに面白いものを作り、満足している。
長女(小5)は、長男も次女も Scratch をやっているのでやりたいと思っているようだが、二人にパソコンを取られてしまう形であまりやらない。
というか、どちらかというと時間があるならスプラ2か、DS の「どうぶつの森」をやってしまう。
パソコンを開くときもあるが、他の人がスプラ2を遊んでいて、ぶつ森でもすでにやることがない、というような場合だけだ。
いきなり話がわき道にそれているが、次女の話なのだ。
まだ論理性が怪しいながらも、プログラムの技術は覚えつつあり、どういうときにはどういう命令の組み合わせ、というのはすぐに出てくるようになっている。
そして、次のステップでつまづいた。
プログラムは作れる。じゃぁ、いったい何を作ればいいのだろう?
ある程度プログラムを覚えた初級者が、必ずぶつかる壁だ。
先日、新聞に Scratch の記事が出ていた。
そこには、取材したワークショップで、子供が簡単なゲームを作ったということと、そのゲーム画面、プログラムの一部が出ていた。
「これ作ってみる」と言って次女は作る。
プログラムが載っていない部分に関しては、画面を見ながら想像で。
ネズミを操作して、ネコから逃げながらチーズを目指す、というゲームが完成した。
ネコの動きルーチンを作れるほどの技術はないので、二人対戦だ。ちゃんと動くようになって喜んでいる。
でも、ネコを動かす人が本気を出すと、絶対にネズミが負けてしまう。
そこでネズミの速度を上げたが、今度は絶対にネコが追い付けない。
一応勝ち負けがあってゲームのプログラムにはなっているのだけど、「面白くない」という致命的な問題があるのだ。
「どうすればいい?」と聞いてくる次女。
ゲームを面白くする方法だったら、いくらでも思いつく。
しかし、そのアイディアを僕が出すわけにはいかない。
僕がアイディアを出して、それをプログラムするのであれば「技術は」上がるだろう。
でも、プログラム学習っていうのは技術訓練ではないのだ。
ここで考えないといけないのは「ゲームを面白くする方法」なんかじゃない。
そんな漠然としたものを考えていても、何も思いつかない。
そこで「何がつまらないのだと思う?」と聞いてみる。
自分の作ったものを「つまらない」と認めるのは勇気がいることだ。
最初のうちは、次女は「ちゃんとゲームになっているから、つまらないところはない」とか言い訳していた。
でも、ついには「絶対ネズミが勝っちゃう」と認めた。
何でそうなるのだろう? と聞くと、チーズに向かって一直線に進むと、ネコが追い付けない、との答え。
じゃぁ、その部分をどうにかしてみれば? と言ってみる。
しばらく考えて、「チーズは最初ランダムな位置に置かれるが、見えない。近づくと見えるようになる」というプログラムを作ってきた。
ネズミはチーズを探すためにうろうろする必要があり、探している間にネコが勝つチャンスもあるかもしれない、という考え。
なるほど、悪くない改良だ。
…でも、面白くなかった。
画面の広さは有限で、近づきさえすればチーズは表示されるのだから、ネコから逃げつつも画面をじぐざぐに進むと効率よく発見できてしまう。
今度も、何が面白くないのか考え、「自由に動けるのがよくない」という結論にたどり着く。
壁を設置して、ぶつかったらスタート地点に戻される、というプログラムを追加した。
壁はある程度ランダム位置に置かれるが、ネコもネズミも影響を受ける。
この「ぶつかったら」の判定は、ちょっと納得のいかないものだった。
Scratch で単純にあたり判定を行うと、絵の透明ではない部分がわずかでも重なると「ぶつかった」判定になり、厳しすぎるのだ。
でも、ゲームとしてはどちらが勝つか予測のつかないものになった。
これ以上掘り下げるのは本人の技術力を超えそうなので、改良点が見つからなかったら完成でいいんじゃない? ってことにする。
ひとつゲームが完成したので、今度は「風船が出てきて、クリックして割るゲーム」を作り始めた。
実は、先のゲームを作る際に参考した画面に、風船が出ていたのね。
元々なんで風船を出していたのかは知らないけど、次女は「ゴールすると風船が下から上にたくさん飛んでいく」という演出として取り入れていた。
今度は、この風船をクリックするゲームにしたい、というわけだ。
まずは、ランダムな位置に、ランダムな大きさの風船が出るようにした。
最初は1秒ごとに追加されたけど、早すぎて画面が埋まってしまう、と5秒ごとにした。
でも、それでは遅すぎるからと、「最初は5秒で、以降 0.5秒づつ早く」表示されるようにした。
お約束の、最終的に 0秒ですごい勢いで表示されてしまう、というのを経験して、最高速度を1秒に制限。
「なんかゲームっぽくなった」とご満悦なのだけど、何か物足りないらしい。
クリックするごとに1点追加で点数表示つける、とかやり始めたのだけど、風呂入る時間になったのでひとまず終了。
長女、次女、妻がお風呂入りながら話をしている。僕はその間食器洗ってたのだけど、少し話声が聞こえる。
どうやったら面白いゲームになるか、という話。詳しくは後でお父さんに聞いてごらん、とか言っている。
で、風呂上がりに妻から質問。
ゲームを面白くする4要素、物真似と競争とめまいと…後何だっけ?
後の一つは「運」だね。
面白くする、というより、すべての遊びはその4要素に分解できる、という話。
面白いゲームを分解して考えるのは勉強になるけど、4要素を知っているから面白いゲームが作れるわけではない。
子供の知っているゲームで解説する。
ぶつ森は生活を楽しむごっこ遊びで、物真似。
スプラ2は勝ちを目指すゲームで、競争。
テトリスやぷよぷよは、ランダムなブロックをどう組み合わせていくか考える、運。
メイド・イン・ワリオは、次々と目まぐるしく変わるゲームのルールを楽しむ、めまい。
もちろん、ゲームのすべてが1つの要素で作られているわけではなくて、いろんな要素が組み合わさっている。
そう解説したら、すぐに長女から「ぶつ森では、住民にすぐに『魚釣りで勝負だ』とか言われる」と具体例が出た。
そうだね、それは競争が入ることでゲームらしくしている。
ゲームらしく、というのが大切で、この4要素はあくまでも「あそびの」要素に過ぎない。
ゲームは勝敗がつくことが必須条件なので、競争が必ず入る。
トランプの一人遊びの場合、運との勝負で「成功・失敗」になるけど、これだって勝敗のある競争だ。
競争がないものをゲームとは呼ばない。
ぶつ森は突発的に競争が起きることがあるけど、全体としてはゲームの要素を満たしていない、と知り、軽い衝撃を受ける長女。
僕は、ゲームを考える時に「目的」と「目的を邪魔するもの」で考える。
目的があるけど、簡単には達成できないとなれば、これだけでゲームが成立する。
先ほどまで次女が作っていた、風船をクリックして割るゲーム。
「風船を割る」という目的はあるが、それを邪魔するものがない。
どうしたらいいだろう? というと、次女は風船が上に上がっていくようにしたいらしい。
最初に書いたけど、もともとそういうゲームを考えていたからね。
そして、単に風船を割った数ではなく、点数をつけたいのだそうだ。
クリックしづらい、小さくて動きの速い風船は高得点。
考えていたのはここまでだったみたいなのだけど、邪魔が必要と言われて「時間切れまでに何点取れるか」というアイディアを出した。
なるほど、ここでは「高得点」が目的となり、「時間」が邪魔するものとなる。
長女は、触ったらダメなものを出したらどうかという。
風船をクリックしていくのだけど、時々マウスカーソルが触れただけでゲームオーバーになるものを出す。
なるほど、その場合は「触ったらダメなもの」が邪魔するものになる。
最後にまとめ。
ゲームを作る時に決まった方法はない。
思うがままに、目的と、その目的を邪魔するものを設置すればいい。
それでとりあえずゲームになる。
でも、面白いかどうかは別問題。
どうすれば面白くなるだろう…なんて考えてもうまくいかない。
「つまらないところ」を見つけて、なんでつまらないのかを考える。
なんでつまらないのか、がわかれば、それを解消する方法も思いつく。
これを繰り返せば、ゲームは面白くなっていく。
途中で「あそびの4要素」の話を挙げたけど、入れたからと言って面白くなんてならない。
でも、面白くするためのアイディアの引き出し、くらいには役立つ。
いろんなゲームを遊んでみて、面白いと思う部分の要素を分解してみよう。
作っているゲームがある程度形になったら、「完成」ってことにして、次のゲームを作り始めるもの大切。
同じものを作り続けていると飽きるし、だんだん改良の「成果」よりも、「手間」のほうが大きくなっていく。
それよりも、どんどん新しいものにチャレンジしてみる。
たくさん作りちらかしていれば、時々とても面白いアイディアが出てくる。
初心者の内は、思いつくままに、たくさん作ってみるのがいい。
そうすれば技術も上がるし、どうすれば面白いかもわかってくる。
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別年同日の日記
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急に昔ばなしなのだけど、僕は1999年に独立して個人会社を興し、フリーのプログラマを始めた。
最初は、当時流行していたので WEBページ作成サービスを始めるつもりだったし、実際いくつか作った。
でも、そうした中で「携帯電話用の WEBページ」の仕事を依頼された。
しかも、ゲーム関連の仕事経験者を求めていた。
i-mode 発売直後、まだ携帯電話自体がそれほど売れておらず、話題にもなってなかったころの話。
作ったコンテンツは、まだ数少なかった i-mode エンターテイメントコンテンツの中では、それなりに人気となった。
その後 i-mode はブームとなり、その仕事の際に知り合った人が、携帯電話向け専業で会社を興したいので参加しないかと誘ってきた。
僕自身の会社もあるので、社員になるのではなく「外注会社として参加する」形式をとらせてもらった。
i-mode は大ブームとなり、早々に大企業や著名人、有名コンテンツ(キャラクターなど)の使用が無くては入り込みにくくなっていた。
そこで、まだコンテンツが手薄だった AU(当時はまだ IDO) の EZweb 向けにターゲットを絞り、数本のコンテンツを作った。
何本かは大ヒットと呼んでも良いだろう、という程度に人気が出て、i-mode でもサービスを開始できた。
つまりは「有名コンテンツ」と認められたのだ。
DDI Poket …のちの Willcom や、Softbank でもサービスを開始できた。
日本で iPhone が発売されたのは、2008年のこと。
もう10年前だ。
当時僕は W-Zero3 を使っていて、スマートフォンの限界を理解している…つもりだった。
当時の携帯電話向け WEB サービス、特に店舗などで使える「クーポン」を配布するようなものは、i-mode / EZweb / Softbank を IP アドレスで識別し、それ以外の環境ではアクセスできなかった。
携帯電話は、必ずキャリアの電波を利用してアクセスを行う。
この際、キャリアがインターネットプロバイダ(接続会社)の役割を果たすため、IPアドレスの範囲指定で携帯電話を認識できた。
しかし、スマホは WiFi接続もできるため、IP アドレス識別は使えなかった。
そもそも、W-Zero3 はキャリア電波を利用したとしても Willcom であり、「携帯大手三社」ではないため携帯電話と見なされないのが普通だった。
すでに携帯でのクーポン使用、席の予約などは当たり前の社会インフラになりつつあった。
これが使えないというのはとても不便で、スマートフォンは「携帯電話としては使い物にならない」ものだった。
さらに、当時の iPhone は PC を持っていることを前提に設計されていた。
なにかと「PC と接続して作業する」ことを求められる、パソコンのデータを持ち出して便利に使うための機械だった。
パソコンを持っていないけどメールをしたいから i-mode を使う、というユーザー層は結構多く、そういう人たちはスマートフォンに手を出せるものではなかった。
これらの理由から、iPhone も当初は「面白いガジェット」扱いで、使う場合でも i-mode などとの2台持ちをするのも普通だった。
だから、急には携帯電話コンテンツもなくならないだろう、と判断した。
既存コンテンツのほうでまだ行いたいこともあり、開発力の都合…事実上僕一人しかプログラマがいなかったので、スマホのコンテンツ開発に力を入れる余裕はなかった。
しかし、この判断は失敗だった。
iPhone をはじめとするスマートフォンは、確かにしばらく使い物にならない状態が続いていた。
しかし、2009年には docomo が、2010年には au も、android スマートフォンを発売。
もちろんすぐに普及はしなかったのだけど、先に書いた「クーポン」などの社会インフラも、急激にスマートフォンに対応し始める。
とりあえず、IP アドレス識別は無くなり、いわゆる「キャリアメール」以外のメールアドレスも使えるようになっていった。
iPhone 自体の使い勝手も改善され、PC なしでもそれほど問題なく使えるようになっていった。
この流れは、docomo が iPhone を発売した 2013年で完成したように思う。
社会インフラも、8割がた IP アドレス識別をやめ、スマートフォンに対応した。
もはや2台持ちなど必要なく、i-mode 時代のサービスは不要になったのだ。
もちろん、僕らの会社も 5年間何もしなかったわけではない。
携帯電話向けのコンテンツを、スマートフォンでも見やすいように、ユーザーインターフェイス改修などを行っていた。
それでもまだ、流れが読み切れていなかったんだ。
携帯電話コンテンツは、すべてキャリアが用意した「公式メニュー」の下に入っていた。
この公式メニュー入りというのが何よりも良い宣伝方法で、特に AU は、「人気順」になっていた。
初期のコンテンツが少ない頃に入り込んだ僕らのコンテンツは、人気で1位になった後、「1位だから」という理由で、特に宣伝をしないでも人気を維持できていた。
各キャリアは、スマートフォンでも同じように「公式メニュー」を展開した。
ユーザーインターフェイスの改修は、「スマホ向け」ということで公式メニューに掲載される条件だった。
これで、携帯コンテンツの時と同じような流れが維持できると考えたんだ。
しかし、キャリアの公式メニューなんて、ほとんどだれも使わなかった。
スマホで重要なのは、アプリストアだった。
たとえ内容が WEB アクセスするだけの専用ブラウザに過ぎなかったとしても、まだアプリが少ないうちにストアに並べたところが人気を独占した。
というわけで、5年前くらいを境に、急激に売り上げが下がった。
2013年ごろ、僕がこの WEB ページに急に力を入れていた時期がある。
あれは、減った収入を補うために WEB 広告でどの程度儲かるか見てみたかった、というのと、どこかほかの仕事を探すための技術的デモンストレーションの二つの意味があった。
でも、このページ内容のままでは大して広告収入は入らなかった。
本気で広告収入目指すなら、自分の趣味は抑えて、みんなが見たがっている情報…フェイクニュースでも何でも流さないとだめだ。
半年もすると生活費に困るくらい売り上げが落ちたので、決断した。
それまでは、皆で設立した会社の仕事を最優先で考えていたけど、優先順位を変えさせてもらおう。
フリーを辞めて、どこかの会社に就職するつもりだった。
そうなれば、もうそれ以外の仕事はできない。それでも生活を守る方が大切だ。
…が、妻に「せっかく会社を持っていて、家で働ける環境も整えているのに、就職するのももったいないよ」と諭された。
方法はいくらでもある。就職は最終手段だと考えて、在宅でできる仕事を探すことにした。
幸い、いい仕事が見つかった。今はそちらの仕事がメインになっている。
でも、最初から急に軸足を移したわけではなく、最初は以前からやっている携帯コンテンツ会社の仕事も半分くらいの比率でやっていた。
生活が成り立たないので、別の会社の仕事を受ける、ということはちゃんと会社メンバーに伝えた。
その時一緒に、赤字で続けるよりはコンテンツの終了も考慮したほうが良いのではないか、ということを、社長に対して進言した。
でも、最後の決断は社長に任せた。
社長は、もう1本、その時作りかけだったスマホコンテンツを作り上げてから決断しようと決めた。
これは、単に決断を先延ばしにしただけではなく、社長の身銭を切ってでも、僕らを雇い続けるという決断だった。
報酬はとても安く、実際働く時間に見合っていなかったのだけど、そこまで意思があるのであればと、続けることにした。
このコンテンツは、申し訳ないが完成に時間がかかった。
先に書いた通り僕しかプログラマがおらず、僕はほかの会社の仕事も同時進行していたためだ。
さらに、コンテンツの性質上、ひとりで iPhone 版 / Android 版 / WEB 版、そしてそれらと通信するサーバーを構築しなくてはならなかった。
WEB サービス構築は慣れているが、スマホアプリは不慣れであることも、なかなかプログラムが進まない理由だった。
とにかく時間も手も足りない。「とりあえず動く」ようになった時点で完成とした。これが1年ほど前。
そして、公開して1カ月くらい様子を見たが、売れる兆しは全くなかった。
完成度が低いのはわかっていたので、申し訳ないが自分でも売れないだろうとは思っていた。
でも、社長はもう少し別のこともやりたいと、手間がかからずにできそうなことをいくつか試した。
そして、前年度が終わるころ…今年の春になって、事業を縮小することを決断した。
携帯サービスは続いていたのだけど、契約者はすごく少なく、運用コストを考えると赤字を垂れ流していた。
各キャリアの公式サービスとなっている以上、これらを辞めるにしても急にやめるわけにはいかない。
書類手続きや、ユーザーへの告知などを粛々とこなし、最近になってやっと閉鎖できるようになったので、少しづつ閉鎖していった。
意外だったのは、すでにほとんどユーザーがいないと思っていたのに、そのわずかなユーザーには熱烈に支持されていたのだ、ということ。
閉鎖告知を出してから、初期のころから使っています、というユーザーからの「今までありがとうございました」というメールが次々と舞い込んだ。
毎日わずかな時間だけどコンテンツをチェックする習慣になっている、という人もいて、その人からは生活の一部を奪ってしまうことになり申し訳ない。
後継サービスはないのですか、という問い合わせも多かったのだけど、それもない。
申し訳ないが、他社の類似サービスを自分で探して使ってほしい。
そして、今日先ほど、最後の一つを停止させた。
これで自分が作ったキャリア公式サービスは、すべて終了となる。
すでに役目を終えたものだと思っているのだけど、少し寂しい気分もあり、こんな日記を書いている次第だ。
コンテンツは終了しても、残務整理がまだあるので、会社業務としてはまだしばらく続く。
また、会社を終了させてしまうつもりはない。
先に書いた「できの悪いスマホアプリ」は、まだしばらくサービスを残しておこう、ということになっている。
すでに売り上げを期待しているわけではなく、他の会社と何か共同でやる時に、名刺代わりくらいにはなるだろうという判断。
社長は、サーバー管理などがあるために就職することもできず、貯えを切り崩しながら生活していたそうだ。
(キャリア公式コンテンツでは、サーバー停止時に数時間以内の復旧が求められていた。万が一に備えるため、24時間常に待機していなくてはならない)
コンテンツ終了で生活基盤を整えられるようになるので、安定したらまた何かやりたいらしい。
別に喧嘩別れするわけではないので、その時にはまた協力したいと思っている。
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最近 Unity を触ってみている。
「使ってみた」的な記事が流行したのはもう何年も前の話で、そろそろ Unity を使うのは「ゲームプログラマなら当たり前」になりつつある。
でも、僕は仕事柄、興味は持っていても Unity に触る機会が無かった。
ゲームプログラマじゃなくて、WEB プログラマだったから。
セガ時代に一緒にゲームを作った友人と会うと、「Unity やらないの?」的なことをたびたび言われた。
そいつも今はゲーム以外の仕事をしているのだけど、時々無性にゲームが作りたくなるので、なんか一緒に作ろうよ、って。
僕もゲームを作りたいと思うことはあるのだけど、なかなか暇がないのだな。
それで Unity に興味はあっても、手を出せずにいた。
でも、先日書いたように、仕事にしていた柱の一つを辞めることにしたので、少し時間に余裕ができた。
元々時間比率は少なくなっていたので、それほど暇になるわけでもないのだけど、ちょっと気になっていた Unity をインストールし、触り始めてみたというところだ。
ファーストインプレッションとしては、「売り物品質のゲームを作れる Scratch」というものだ。
Scratch は「あんなの本物のプログラム言語じゃない」と強烈な拒否層がいる環境なのだけど、Unity を使ってみた第一印象は Scratch と凄く似ている、というものだった。
これは、Unity を低く見ているのではないよ。
僕は Scratch を非常に高く評価している。
それが、結構多くのプログラマに支持されている Unity と類似だということに感心したのだ。
Unity は絶賛している人も多いのに。
Scratch は拒否感を持つ人も多いのに。
でも、両方使ってみると、非常によく似ていることがわかる。
どちらかといえば、Scratch で批判されている部分…データ調整だけでそれらしい形が作れてしまうので、「あんなのプログラムじゃない」と言われる部分を、さらに推し進めたのが Unity 、という言う印象だ。
とはいえ、どちらかが真似をしたというようなものではなく、自然な流れだと思う。
あえて言うなら、NeXT の Interface Builder とか、Win3.1 のころの VisualBasic が源流にあるだろう。
VB などは、GUI 時代の「アプリケーション」を作りやすいようにした環境だったのだけど、それをゲームに特化し、用途を限定することで扱いやすくしたのが Scratch と Unity 、という感じ。
どちらも、時間管理の概念をシステムで持っていて、個々の要素について、独立して「時間による変化」をプログラムしていけば、全体を構成できるようになっている。
もちろん、ゲームを「作りやすいように」特化したというだけで、ゲーム専用ではない。
画像表示を伴うインタラクティブなものなら守備範囲。
これって、結構応用範囲が広い。
とはいえ、まだ本当に「触ってみている」程度の段階。
せっかくなので、3Dでいくつか試作して、動作と「プログラミング作法」に慣れてみた。
最初はピンボール的なものを作ろうとして、3Dのモデラが無いと曲線などが作れないことに気付いて辞め、ビリヤードに変更した。
ビリヤードも、ちゃんとしたものを作るのは難しいので、適当に玉ががんがんはじかれているのを見て「気持ちいい」って感じただけ。
普通の言語で、物理エンジンを利用した3Dプログラムをしようと思うと、たとえライブラリを使っていてもそれなりに面倒くさい。
Unity なら画面を見ながらパラメーター設定するだけで、大体の枠組みが出来上がってしまう。
後は、どうしても必要なプログラムをちょっと作るだけ。
で、適当にゲームにもならないものを作り散らかした後で、やっぱり僕は2Dゲームのほうが好きなので、コラムスなど作り始めてみている。
本当はこれが完成してから「Unity いじってみた」って記事を書こうと思っていたのだけど、本格的に作り始めたら、やっぱりすぐには完成しない。
Scratch よりも若干生産性が落ちる感じだ。
もっとも、Scratch は不得意な処理を書く際にはとことん面倒くさいが、Unity 環境のほうが不得意部分が少ない。
生産性が落ちるのは、単に「あれもこれもできてしまうので、あきらめどころがわからなくて頑張ってしまう」結果による。
なお、コラムスが完成するかどうかは不明。途中で飽きるかもしれない。
まぁ、僕にとってはコラムス作るのは Hello World みたいなもんなので。
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以前からネットで見かける話で、思ったより勘違いされているようなので解説。
以前、ゲーム系のニュースサイトで、最近公式エミュレーターの発売が相次いでいることを取り上げていた。
ミニファミコンに始まり、NEOGEO mini とか、メガドラミニとかの話だな。
で、そのサイトには「ゲーム機本体発売から時間がたって著作権が切れたのも、こうしたブームの要因」ってことを書いていたんだ。
個人の作っているサイトなら勘違いしているな、で終わりの話なのだけど、企業がやっている大手サイトだった。
記事自体はライターが書いた署名記事だけど、掲載するからには編集者・編集長がチェックしているはずで、個人の勘違いでは済まされない。
でもまぁ、そのサイトは記事に対するチェックが甘いのだろう。
署名記事だから結局は個人ブログレベルの内容なのかもしれない。
…って思っていたのだけど、昨日ツイッターを見ていたら、それなりに技術を持っている(個人的には信頼していた)若者が、エミュレーターに対して同じような勘違いをしていた。
具体的に言うと、古いゲーム機はすでに著作権が切れているので、エミュレーターを作っても法的に問題はない、ということを書いていた。
こちらは完全に個人なので勘違いしていても構わない。
でも、先に書いた記事は、しょせんはライター…技術者ではない人が書いた記事だ。
僕としては、技術に詳しい人が勘違いしている方がショックだった。
著作権は、著作物を守る法律だ。
文章・絵画・音楽・映画…その他、「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」と定められている。
最初に挙げた記事に書かれていた「ゲーム機本体」というのは、この範疇ではない。
つまり、著作権で守られるものではない。
ちなみに、著作権の保護期間は、個人であれば作者の死後50年、法人であれば著作物の公表から50年というのが基本だ。
ゲーム機本体は著作権で保護されないが、もし保護されていたとしても「著作権が切れた」とするには早すぎる。
この点で、記事を書いた人は2重に著作権を理解できていない。
(ちなみに、ライターという職業柄、著作権によって生活しているはず。その権利を理解できていないのは残念だ)
では、著作権がないのであればゲーム機本体のデッドコピーを作っても問題はないかというと、もちろんそんなことはない。
ゲーム機本体は、著作権ではなく、さまざまな別の権利によって守られている。
まず、回路配置利用権。
「同じ集積回路を作ってはならない」規定だと考えてもらっていいだろう。
大抵のゲーム機は、専用 LSI 込みで開発される。それらの LSI をコピーされない権利だ。
著作権の場合、著作した時点で権利が生じる。
これに対し、回路配置利用権は、国の定める機関に対して登録が必要だ。
この権利の有効期間は、登録から 10年間だ。
じゃぁ 10年を過ぎたら作り放題かと言えば、特許権がある。
回路の配置みたいな「そのものずばり」の物理的なものを登録するのではなく、その回路にこめられたアイディアなどを保護する。
こちらの保護期間は 20年だ。
ちなみに、「アイディアの保護」だけど、そのアイディアは基本的には実際の物づくりを前提としている必要がある。
つまりは「発明品」でなくてはならないんだな。
とはいえ、実際に発明品を組み立てている必要はない。
どういうアイディアなのかを具体的に説明できるのであれば、書類だけあれば特許はとれる。
ゲーム機本体の保護としては、特許権が本命だろう。
だけど、特許はアイディアというふんわりとしたものを対象にするため、登録の審査に時間がかかり、その間は保護されない可能性がある。
(登録が成立した時点で、請求開始時点にさかのぼって保護を求めることは可能)
そもそも、発売初期の段階でコピー商品を出せるとしたら、回路などもまるっきりコピーしたデッドコピー商品だろう。
だから、初期は回路配置利用権で守り、特許成立後は特許権で守る、という2段構えとなる。
他にも、外観は意匠権で守られるし、名前などは登録商標で守ることができる。
しかし、コピー商品は大抵外観や名前は変えてくるので、ここら辺を使う時は別の目的だろうね。
さて、ソフトウェアでゲーム機を再現するエミュレーターの場合、回路配置を使うわけではないし、具体的な「物」を保護する特許とも無縁だ。
特許についてはもう少し説明しておいた方がいいかな。
エミュレーターは、回路によって実現されるゲーム機を、ソフトによって再現したものだ。
だから、機能は同じに見えても、その実現方法が異なることになる。
特許は、実現のためのアイディアを保護するものだから、同じものを作り上げていてもその方法が違えば特許には抵触しないことになる。
エミュレーターが合法だとされるのは、こうした理由だ。
決して、著作権が切れたなどではない。
発売直後のゲーム機だったとしても、ソフトウェアエミュレータが作れたのであれば、それは合法だ。
ただし、エミュレーターは「ソフトウェア」の再生を目的とするものだ。
そして、ソフトウェアは著作権保護の対象物だ。
もちろん、ゲームソフトも著作権保護されている。
エミュレーターで遊ぶ際には、利用者が実物のソフトを入手し、利用許諾された状態になくてはならない。
しかし、そうした方法で利用許諾できないソフトウェア部分がある場合がある。
ハードウェア内に ROM などで持っている、BIOS と呼ばれるソフトウェア部分だ。
こちらは「互換 BIOS」を作れば問題がないのだけど、互換 BIOS を作るのは、またややこしい著作権上のテクニックが必要な話となる。
ありていに言えば、日本では互換 BIOS は認められない。
アメリカでは、かなり厳密で複雑な手順を踏めば、互換 BIOS は法に触れないものとして認められる。
もっとも、実際に作成された互換 BIOS が法に触れるのかどうかは、裁判をしてみるまでわからない。
上に書いた「日本では認められない」というのは、そうした状況での類似判例があり、認められなかった、という結果だけの話だ。
同様に、アメリカで認められるというのも、類似判例で認められている、というだけだ。
BIOS を含むエミュレーターは、法的にはグレーゾーンに存在しているとみてもいいだろう。
エミュレーターに関する話はここまで。
書いているうちに思い出したので、ここからは少し別の話。
途中で書いた「商標権」なのだけど、権利の期間は 10年間で、更新することで無限に延長できる。
でも、「無限に」というのは強すぎる権利なので、他社が異議申し立てをして、商標権を消滅させてしまう方法がある。
一般的なのは、「その商標、最近使ってないでしょ?」と迫るやり方だ。
最近使っていない証拠を示してそれが認められれば、商標は消滅して誰でも自由に使えるようになる。
たとえば、「ファミコン」なんて名前は有名なので誰もが狙っている。
さらに、任天堂はスーパーファミコン以降、ファミコンと名の付くゲーム機は出していない。
そのままでは「商標使ってないんでしょ?」と言われやすい。
そこで、ゲームボーイアドバンスの時に古いゲームを復刻して「ファミコンミニ」シリーズとしたり、バーチャルコンソールでファミコンのゲームを遊べるようにしたり、公式エミュレータである「ミニファミコン」を発売したりして、商標を使っているところを示さないといけないんだ。
任天堂が昔のゲームを遊べるように努力し続けるのは、ファンサービスや古いユーザーの回帰を狙っているのもあるだろうけど、有名な商品名を他社に奪われないための、こうした法的な面もあるはず。
もう一つ、「それ一般的なものでしょ?」っていうのもある。
わざわざ作った特別なものなら商標にできるけど、一般的なものは商標にできない。
だから、Google 検索が普及し、「Googling」、日本語では「ググる」という言い回しが流行った時、グーグルはこの言い回しをやめるようにユーザーに頼んだ。
日常会話でも頻繁に使われるようになって「一般的な言葉」とされてしまうと、商標が無効になってしまうかもしれないからだ。
その後どういう判断があったか知らないが、Google はこれらの言い回しを禁じなくなった。
同様な例に、セガが SEGA ロゴで遊ぶのを禁じた例もある。
こちらは過去に書いたので、詳細はリンク先をどうぞ。
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