忘れもしない1998年 4月 9日。
…って、本当は忘れてたけど、さっき古い雑誌見たら日付まで書いてありました。
そろそろ20年だよな、という程度には覚えていたのだけど。
さて、その 4月 9日に、ダイナマイト刑事2のお披露目が行われました。
普通のゲームではなかなかないことなのですが、選ばれたゲーム雑誌などの記者さんを招待する形で、船上クルーズパーティでのお披露目です。
#日記に添付した写真は、雑誌「サターンファン」1998年5月15日号 182ページで伝えられた、発表会の模様レポート記事から抜粋。
クリックすることで記事全体を読めます。
ダイナマイト刑事は ST-V 基板で作られた、高層ビルを舞台とした格闘アクションゲームです。
いわゆる「ダブルドラゴン」とか「熱血硬派くにおくん」のタイプのゲームね。
ポリゴンを使っていたことと、そこらへんに落ちているものを何でも「武器」として使える、派手なアクションが特徴でした。
で、結構人気出たので、2が作られたのです。
作製はまた、アメリカチーム。企画者は同じですが、メンバーは変わっています。
アメリカでやっていたから、作っていた経緯とかは知りません。
完成版が日本に送られてきて、第1作の日本での担当者がまたプロモーションなどを担当して、その段階を知っているだけ。
対応基板は、ST-V ではなく、Model 2 でした。
ダイナマイト刑事って、ゲームとしては「佳作」だと思います。よいさくひん。
何が何でも手に入れたい、遊びたい、って作品ではない。でもそこにあれば遊ぶし、ちゃんと楽しめる。そういう作品。
そういう作品になると、値段が結構重要です。ST-V なら安いから買ってもらえるけど、Model 2 は基板が高いのでね…
人気作品の続編とはいえ、売るためにはちゃんとしたプロモーション活動が必要でした。
そこで、冒頭に書いたお披露目会です。
単体のゲームのお披露目を行うって、結構異例のこと。
普通はゲームショーか、セガのゲームをいくつかまとめて発表する、業者向けの内覧会でお披露目しますからね。
ダイナマイト刑事2は、豪華客船が舞台でした。
だから、お披露目会もクルーズパーティで行おう、ということになりました。
第1作のラスボスが、今回もラスボス。逮捕したのに脱走した、ということになっている。
第1作で事件に巻き込まれた「大統領の娘」がなぜかまた事件に巻き込まれている。
そしてもちろん、主人公も同じ人。これは事件を知って乗り込むので、偶然居合わせたわけではない。
クルーズパーティに合わせて、担当者は主人公のコスプレをする、と決めていました。
と言っても、主人公ってジャケット着て銃持っているだけなのよ。
コスプレしても、言われないとわからないレベル。
2のゲーム中には、敵に「カニ男」とか、インパクトが強いのがたくさんいます。
カニ男なら、大きな蟹を背負っているの。カメ男とかサメ男もいる。
こういうコスプレをやれればインパクトあるのだけど、作るの大変そうだし、お披露目は3日後…
というような愚痴を担当者から聞きます。
何も、そんな新キャラをコスプレしないでも、ダイナマイト刑事と言えば「大統領の娘」じゃん。
2のお披露目に来る人は、2はまだ見ていないのだから、1から通しで出ているキャラのほうがわかりやすいよ、とアドバイス。
しかし、大統領の娘って不細工なんですよね。
少ないポリゴン数で描かれているので顔が不気味に見える。
娘なら女性だけど、不細工役をやってもらうのは失礼だろう…とまだ愚痴る担当者に、いや、不細工だから男がやればいいんだって、と言います。
なるほど。それは面白いアイディアだ。
言い出しっぺのお前が是非やってくれ、と頼まれます。
いや、僕はプログラマだからイベント手伝いなんてやっている暇はないよ、と言っても後の祭り。
企画課課長を通し、プログラム課の課長に書面で正式な要請が行われ、僕が「イベント手伝い」に駆り出されることになりました。
寸劇。
パーティが行われている部屋の扉が急に開き、銃を手にした男が入ってくる。
ブルーノ(主人公):
おっと、みんな動くな! 今、テロリストがこの船に乗り込んでいるという知らせが入った。
運悪く乗り合わせた大統領の娘が人質になっているらしい。
お楽しみのところ申し訳ないが、身体検査をさせてもらうぜ。
その時、パーティの料理を置いたテーブルのクロスの下から急にピンク色のドレス姿の人影が這い出して来る。
(人が入る前から30分くらい、そこで隠れて待っていた)
大統領の娘:
まぁ、救出に来てくれたのね。ありがとう。
私が大統領の…
パンッ!
ブルーノ、大統領の娘(自称)を無言で銃で撃つ。倒れる娘。
大統領の娘:
ひ・・・ひどい。
私は大統領の娘よ。
パパに言いつけて…
パンッ! パンッ!
ブルーノ:
大統領から、娘さんは可愛いと聞いている。
お前テロリストの仲間の偽物だろう。死ね!
パンッ! パンッ!
…ってな感じの劇を飛び込みでやったのですが、ひどいことにオチを決めてなかった。
殺されたので動くわけにもいかず、しばらくそのまま倒れていましたが…
ブルーノ:
急にお騒がせしました。実は、わたくし本日の司会をいたします…
と自己紹介を始めたので、僕も立ち上がって自己紹介して終了しました。
パーティの間はずっと女装だったけどな。
…で、その場にいた漫画家の柴田亜美さんが、ファミ通でネタにしてくれました。
この話は過去に書いてるね。
そちらの記事で最後に書いたけど、女装衣装は会社に経費請求したのに却下されました。
まぁ、最初から経費になるとも思ってなかったのだけど。
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