ちいさな おともだち は この おはなし は よんだら だめだよ。
…さて、これで小さな子は追い払えたと思うので、小さな子に知られてはならないことを書こう。
実は、ピューロランドにいる各キャラクターは、中に人が入っているんだ。
割と本気の話。
ピューロランドに初めて行ったのは長男もまだ保育園児だったころで、さすがに長男も長女も、あれが着ぐるみだとは理解していた。
(次女はまだ満足に会話もできなかったころだ)
でも、「中に人が入っているんでしょ?」と聞かれても、僕は「中に人なんていないよ。キティちゃんはキティちゃんだよ」と言っていた。
さらに、中に人が入っていない「証拠」として、ジュエルペット(当時はうちの子が好きだった)の各キャラクターが、大人よりずっと背が低いことを挙げた。
こんなに小さいのに、中に人なんて入れるわけないじゃないか。
もっと言えば、キティちゃんの飼い猫であるチャーミーなんて、保育園児よりも背が低い。
小さな子でも、「自分より小さい」から、可愛いと素直に感じられるキャラクターだ。
あんなに小さなところに、どうやって入るというのだ。
キティちゃんも、中に人が入っているとしたら、どこから覗いているんだい? と聞いていた。
キティちゃんの目は真っ黒で、穴なんて開いていない。でも、その動きは明らかに「目が見えて」いる。
あれは、キティちゃんだからちゃんと見えていて、中に人なんて入ってないんだよ。
こうしたことを言われると、子供は「いや、中に人が入っているはずだ」と思いつつも、どうなっているのか悩んでいた。
翌日追記。
日記冒頭に写真をつけた。クリックで拡大する。
シュガーバニーズのしろうさ、くろうさ。
彼らは一流のパティシエであり、高いシェフ帽をかぶっている。
この写真はちょうど5年前のもので、当時、長女と次女は保育園児。
キャラクターが、保育園児と目線が合うくらい背が低いことがわかる。
チャーミーはもっと低いのだけど、写真を探したがなかった。
で、昨日ピューロランドで KAWAII KABUKI を見ていた時に、隣に座っていた次女が言うんだ。
シナモンやバッドばつ丸は、話の中で顔に隈取がついたり、普通に戻ったりする。
あれ、頭だけいっぱい用意してあって取り換えているの? と。
だからまた答えた。
あれは、化粧しているんだよ。シナモンはシナモンなんだから、頭が取り換えられるわけないじゃん。
いや、絶対中に人入ってる! って、次女はむきになった。
家に帰ってから、次女に「久しぶりにマジカルツイスト見たい」といわれた。
昔ピューロランドでやっていた子供参加型のショー「どきどき!マジカル☆マーチ」で使っていた曲で、サンリオの子供番組のエンディングでも使われていた。
というわけで、昔のテレビ番組を編集しておいてある DVD を探す。
サンリオ物を編集した DVD だけで、3枚くらいあった。
まずは、マジカルツイストから。懐かしい。そして、この歌好きだった。
他にもいろんな曲を見る。どの曲も好きだった。というか、好きだったから編集して残してあるんだ。
サンリオの子供番組はピューロランドで収録を行っていて、改装されて今とは違う部分もあるのだけど、大体場所がわかる。
この曲は、入り口エントランスから下に向かうエスカレーターの前で撮っているね、とか、ちっちゃなヒーローを上演していた劇場だ、とか。
一日ピューロランドで遊んだのを振り返りながら、楽しく、そして懐かしくビデオを見た。
で、思い出したので、深刻な顔をして「実は今までみんなには黙っていたが…ピューロランドのキャラの中には、人が入っている」と言ってみた。
当然だけど、みんな「知ってた」って反応。
じゃぁ、ジュエルペットとかシナモンとか、背が低いのにどうなっているかわかる? と聞いてみる。
「小さな人が入っている?」と、予想された答えが返ってきたけどそうじゃない。
「小人症の人?」って、R2-D2 の話をしたことがあるので返ってきた。残念ながらそれも不正解。
DVD でさっき見たマジカルツイストに戻してみる。この曲には、ジュエルペットたちが出てくる。
さぁ、よく見てみようか。アニメのジュエルペットとの最大の違いは何か。
…アニメでは、ジュエルペットたちは魔法を使えたが「魔法使い」の格好をしているわけではなかった。
しかし、ピューロランドのジュエルペットたちは、みんな魔法使いの格好をしている。背の高い三角帽子をかぶっている。
そして、その帽子には各自違うマークがついているのだけど、そのマークの中だけ、光の反射がほとんどない布を使っている。
ここまでヒントを出して、やっと気づいた。
光の反射がないのは「光を通す網目素材」だからで、高い帽子をかぶっているのは背の高さをごまかすため。
つまり、帽子の中に頭があって、網目から外を見ている。帽子の下にある顔は格好だけで、その中に頭はない。
ここまで気づけば後はどんどん気付く。
シナモンも、頭の上にコーヒーなんて乗っけちゃってる。
チャーミーキティに至っては、体よりはるかに大きいシルクハットをかぶっている。
そして、「頭の上に乗せたもの」も含めたサイズは、どのキャラクターも大人の女性よりは大きいサイズなんだ。
キティちゃんの顔も、実は光を通しやすい素材でできているの? という長男からの質問。
そうではないね。キティちゃんの顔は、ふわふわとした感じだ。
でも、実はキティちゃんの顔には、1つだけ透明の素材が使われている。どこでしょう?
…と聞いたら、長男瞬時に「鼻かぁ!」と答える。正解。
ピューロランドに行くたびに、鼻なのに妙に透明感があって輝いているので、何でそんな風にしているのだろう、と疑問に思っていたらしい。
そう、透明なだけでなく、輝いている。ハーフミラーになっているんだな。
多分これで外が「わずかに」見えるのだけど、視界はすごく狭い。
だから、キティちゃんのそばには常に理由をつけてスタッフがいて、必要なものを手渡してあげたり、動きが不自然にならないようにしている。
と、一連の話を聞いて、長女が「なんかズルいー」と言い出した。
小さいと思っていたキャラが、実は大きい人が入っている、ということに対しての発言だ。
ズルくなんてない。これは素晴らしい工夫だ。
着ぐるみだから中に人が入らないといけないけど、大人が入ると大きくなりすぎる。
それでは、メインの客層である小さな子供たちには、キャラが大きすぎて「怖い」と感じてしまう。
だから、顔の位置をさげて「小さなかわいらしいキャラ」を作り出しながら、それでも中に人が入れるように工夫する。
やりたい目的があって、それが一見不可能なことでも工夫をして目的を達成する。
非常によく考えられたアイディアの集大成がピューロランドにはあって、そういう目で見始めると、さらにピューロランドを楽しめる。
ピューロランドに限らず、「人を楽しませよう」とする人たちは、楽しませるためにあらゆる手段を使っている。
それに気づくと、今度自分が何かをしようとしたときには、非常に参考になる。
子供たちが将来どういうことに興味を持つかわからない。
でも、お話を書くにしても、ゲームを作るにしても、「人を楽しませる」ための工夫をしなくてはダメだ。
ピューロランドなどはよくできた「楽しませる」工夫の見本で、そういう部分に気付き始めると非常に感心するし、将来自分が何かをしたいときには参考にできる。
と言ったら、長女が「次に行った時には注意して探してみる」。
もう今回で終わりの年齢だと思っていたのだけど、まだ行く気か。
余談。
先日日記で、シュガーバニーズを歌いながらマドレーヌ作った話を書いた。
久しぶりに見たいな、と思っていたのだけど、同じ DVD に入っていたので見た。
なんて事のないアニメなのだけど、悪者がいない、みんな優しい世界で、子供たちが前向きに努力する話。こういうの好きなんだ。
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