息をするように本を読む人、というのはいるのだけど、僕はそのタイプではない。
本を読むこと自体は好きなのだけど、趣味の優先順位としては低めなので本の購入に使う費用は少ない。
と言っても、本棚はそれなりに趣味の本で埋まっているのだけど。
資料が多いな。古いコンピューターの資料とか。
計算する機械が好き、というのは、それほど趣味としてメジャーではないと思う。
機械が好きな人はいても、大抵はバイクや車のエンジン方面に行ってしまったり、計算機が好きでも電気回路方面だったり。
ただ、僕も実際に物を動かすというよりは、「その原理」とかを知るのが好きなのね。
趣味はやっぱりコンピューターで、原理を知りたくて昔のものを調べているうちに、機械にたどり着いてしまった、という感じ。
そういう人、あまり見かけない。
だから、一般書籍としてはそういう本は少ないし、見かけても専門書に近い高価なものか、安い場合は薄っぺらい内容にしているものが多い。
#濃すぎて一般化しないので、薄めていることを悪いとは思わない。
ただ、僕向けの本ではないというだけだ。
さて、こういう狭い趣味の分野なら同人誌が面白い、ということも気にはなっていた。
ただ、いざ探してみると、趣味分野が狭すぎて自分が気に入るものも少ないのね。
古いゲームは好きだけど、それは個人の想いとして好きなだけで、人の想いを読みたいわけではない。
そんな中で、数年前に見つけて気になっていた人がいた。
その人の趣味分野はカメラだったけど、古めのものの機構とかを紹介する漫画を描いていた。
素朴な絵柄が気に入った、というのもあるけど、Twitter でフォローしていた。
カメラ以外にも自転車とか、いろいろな本を書いているようだけど、まぁ「微妙に趣味が違う」ので買おうとは思わなかった。
が、昨年暮れに、「タイガー計算機などの機械計算機の本を出す」と知った。
あー、興味ある。読みたい。
でも、コミケに行くほどの情熱はない。その人は委託販売もしているので、委託を待つことにした。
そして、先日「委託しました」とツイッターで読む。
よし買おう。…と思ってからも、実際に買うまでに結構時間かかったのだけど、昨日本が届いた。
1冊だけ買うと送料のほうが高いから、シャープの初期の電卓について書いた本も一緒に買った。
内容、素晴らしい。
いや、本当に「機械計算機が好き」な人でないと何が面白いのかさっぱりわからないと思うけど。
僕は、歯車計算機が好きとは言っても持ってないし、当然分解して中を見たこともない。
高校時代に拾って、動きが悪かったのを、分解はしないまでも油さしたりメンテナンスして、動くようにはした。
高校の部活に置いておいたら、いつの間にか顧問の先生のものになっていたのだけど。
そうかー、中身こんな仕組みになっているのかー。
計算の原理に関しては知っていたけど、ただの「原理」にとどまらず、使いやすくする工夫などが解説されている。
それも、機械式計算機の元祖であるオドナー式から始まり、改良されてタイガー計算機に至る過程がよくわかる。
原理の説明が中心なので、使い方などにはあまり踏み込んでない。
割り算が面倒くさい、という記述があるけど、タイガー計算機なら引き放し法を使うことで簡単にできる。
ただ、著者の方はオドナー式を中心に据えて書いていて、オドナー式の機能だと引き放し法は使えない。
開平法についても、「ルート計算だってできる」と最後に書いているけど、方法については原理の示唆どまり。
まぁ、ここら辺は「機械式計算機の面白さを知ってもらう」という範囲を超えるので、扱わないでよいとは思う。
この話、後日談に続きます。
2017.6.18追記
作者さんから連絡いただいた。
引き放し法を書いていないのは、単に書き忘れだそうだ。
しかしまぁ、一番古いオドナー式から順次説明することで仕組みがわかりやすくなっているし、オドナー式では引き放し法が使いづらいのは事実なので、無理に入れても話の腰を折ってしまうのかな、とも思う。
最後に書いた通り、機械の原理の説明をする本なので、使い方は別でいいんじゃないかな。
気になる人は、すぐ上のリンクが僕のページの説明ページに飛んでいるので、読んでください。
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