2017年02月02日の日記です


内藤時浩さん 誕生日(1963)  2017-02-02 16:51:32  今日は何の日

今日は内藤時浩さんの誕生日(1963)。


ハイドライドを作った人です。


ハイドライドについては、以前すこし触れています

僕が初めて見た「フロッピーディスク」のゲームで、当時主流の記憶装置であったカセットテープに比べ、アクセスが桁違いに速いので驚きました。


…こちらの記事では、パソコン周辺事情が主眼だったので、「フロッピーディスクに驚いた」という話だけで、ハイドライドが何か書いてませんね。


とにかく、当時の大ヒットゲームでした。

パソコン持っている人ならみんな遊んでたのではないかと思うし、以前の記事に書いた通り、友達はパソコンを持っていないのに買った。


僕もパソコン持ってなかったけど、友達と一緒に楽しみながら、エンディングまで見たと思います。



当時のパソコンゲームは、単純な内容が多いのね。

ゲーム的にも、技術的にも。


キャラクターなんかも、XOR で描いたものがあったりする。


XOR って、「ビットの反転」の意味ね。色を表現するビットを反転します。

反転なので、2回描くと元に戻る。背景があっても壊さずに画面を描ける半面、表示は多少おかしくなります。


BASIC で自作したゲームなどだとよく使われたのだけど、さすがに市販するにはお粗末。

それでも、初期の市販ゲームでは XOR で描かれたものはありました。



よくできたゲームだと、キャラクタを普通に描いた後、元に戻すときは背景を描き戻します。

当時のパソコンは 1dot を 1bit で表しているので、8dot 単位で絵を書き換える。


だから、キャラクタの周りは、黒く四角く抜けたり、キャラが重なるとちらついたりします。

でも、色がおかしくなったりはしない。



そして、もっとよくできたゲームだと、背景との重ね合わせをちゃんと計算します。

キャラクタの部分を 0 、周囲を 1 にした「マスク」を and して、さらにキャラクタを or します。


キャラクタが重なっても、ちゃんと計算しているからおかしな表示はならない。

移動するときは、重なっているキャラを識別したうえで、背景もキャラも描き戻す必要があります。


計算が面倒なだけでなく、いちいちこんなことをしていたら当時の非力な CPU では処理が遅くてゲームにならなくなる。

それでもゲームとして成立させられるのは、プログラマーの腕がいい場合だけです。


ハイドライドは、これにさらに「背景による特殊重ね合わせ」を持っていた。


藪の中や水の中を歩くときは、下半身が背景に隠れるのです。

まぁ、上半身しか描かない、というだけなのだけど、当時のパソコンゲームとしては画期的な表現でした。


#ハイドライドの場合、キャラ同士の重ね合わせはなかったように思う。

 描画ルーチンが対応していないという意味ではなく、ゲーム的に重ならないルール。




当時はゲームの花形はアクションゲーム。

ギャラガやドンキーコング、ゼビウス、そして「ドルアーガの塔」が流行していた時代。


しかし、パソコンはゲームを遊ぶには非力で、出来の良いアクションはそれほど多くありませんでした。

代わりに流行していたのが、じっくり考え、物語を楽しむアドベンチャーゲーム。


R.P.G. は一部の人は知っていましたが、まだ新しいゲーム過ぎて受け入れられていない状態。


こんな時代に作られたハイドライドは、ヒットゲームであるドルアーガの塔の雰囲気を取り入れ、アクションゲームでありながらアドベンチャーゲームのようなストーリーを持ち、R.P.G. の「主人公が育つ」仕組みを導入した、欲張りなゲームだったのです。


大ヒットしたのも当然というか、2年間も売れ続けるロングセラーにもなりました。




内藤さんは DAIVA も作った…と Wikipedia にあるのだけど、STORY 1 は PC-8801mkIISR 用だったので僕は遊んでないです。


当時は互換性のないパソコンがたくさんありましたが、DAIVA はそれぞれの機種に「別々のストーリー」を作るという変わったゲームです。

ゲームシステムは一応統一されているのだけど、単純な移植ではない。


ゲーム内容はシミュレーションゲームで、一部アクションゲームです。

ハイドライドは当時普及していなかった R.P.G. を、アクションゲーム風にすることで遊びやすくしたものでした。

そして、同じようにあまり普及していなかったシミュレーションゲームを、アクションゲーム風にすることで広めようとしたのです。



僕はファミコン版の STORY6 を買って遊び、ユーザー年齢層に合わせてシミュレーション部分が大幅カットされていることにがっかりして MSX 版の STORY5 も買いました。


シミュレーションで育てた「艦隊」をパスワードの形で他の環境に持って行けたりしたので、友達と楽しんで遊んだ覚えがあります。



しかし、ストーリーについては覚えていないな…

全機種のストーリーを統合すると、壮大な一本の話になったらしいのですけど、当時全部遊んだ人なんていたのだろうか。


#今は、プロジェクト EGG で全話セットなんてのがあるそうです。




最初に示した以前書いた記事のリンク、ハイドライドを含む「当時の周辺事情」の話だけでなく、後半に「当時のプロテクト技術」の話があります。


そして、この記事を書いておいたら、数日後に内藤さんご本人からコメントをいただきました。

これも、記事の後半に追記しています。


そんなわけで、ここのページは「ご本人に知られている」ので、あまりいい加減なこと書けません (^^;

間違えたこと書いたら申し訳ないので、今回はここらへんで終わりにしておきます。




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