今日は Gateway 2000 の設立日 (1985)
一応まだブランドとしては残っているらしいのですが、覚えている人…というか、知っている人がどれくらいいるでしょうか?
パソコン自体には特に特徴がない、何の問題もなく使えるけど目立った特徴もない、というのが特徴。
通信販売中心で、送られてくる箱が非常に大きいのと、その箱が白黒の「牛柄」なのが強烈な印象でした。
一時期、パソコンと言えば Gateway 2000 という時代もありました。
それくらい売れていたのだけど… 強く輝いて去っていった、彗星のような存在です。
話としてはこれで終わりだよなぁ…
あとは Wikipedia に書いてある程度の情報しかない。
1985年にアイオワ州の農場の一角で創業して、DELL コンピューターのビジネスモデル(通信販売で、お客さんの注文を受けてから組み立てる)を真似して急成長します。
1989年に、牧場の写真と「アイオワからコンピューター? (Computers from Iowa?) 」のキャッチコピーで広告を出して有名に。
それ以来、牛柄の箱をブランドイメージにして急成長します。
日本では、まだこの頃は NEC の PC-9801 シリーズが一人勝ちの状態。
もっとも、IBM が DOS/V で日本語を使えるようにして、徐々にシェアを伸ばしてはいました。
1993年に Windows 3.1 が発売され、OS が徐々に Windows に移行していくと、98 でないといけない理由も無くなります。
98 に比べ、性能が良いのに値段が安い PC/AT 互換機が急に売れ始める。
でも、この頃は「互換機」なのね。
IBM 製ではなく、有名メーカー製ですらなく、秋葉原のショップが組み上げたマシンとか、部品単位で購入して自分でくみ上げるとか、そうするのが普通だったし、特に有名な互換機メーカーもなかった。
この、保証やサポートも弱いし、知識がない人には難しそうな印象で PC/AT 互換機はまだ伸び悩んでいました。
1995 年、Windows 95 が発売されます。
それと同時期に、Gateway 2000 も日本法人を作り、日本での販売を開始します。
先に書いたように、秋葉原のショップマシンは、安いけれども保証が十分ではありませんでした。
Gateway 2000 は、同程度の値段で十分な保証付き。ただし、完全に自分でカスタマイズできるわけではなく、ある程度完成したマシンに、メモリ容量は HDD 容量を決定するだけの、セミカスタムです。
いや、それだからこそ、初心者にもわかりやすい構成でした。
Gateway 2000 のパソコンは非常に売れて、どこの会社にも牛柄の大きな箱が置いてあったものです。
…邪魔だから、たくさん買った際は「問題があった時に送り返す用に1つ置いといて、後は潰して捨てる」のが普通だったんじゃないかと思います。
僕のいた会社ではそうしていたし、人気漫画の『OL 進化論』にもそんなネタが出ていました。
同マンガではパソコンの話題とかあまり扱わないので、珍しかったがゆえに覚えています。
Gateway が Amiga の権利を買い取ったことがあります。
Amiga は熱狂的なファンのいる、独特な設計のマシンでした。
しかし、1994 年には設計者が死に、発売元の Comodor社も倒産しています。
その後、Amiga の権利は各社を転々とし…Gateway が購入するのです。
ファンは Gateway の開発力で、後継機を作ってくれることを望みました。
…が、そんな面白い展開にはならず。
子会社として Amiga 社を作って、一応開発はしていたようですが、とても商売にならないとみると、子会社に権利を売却して独立させています。
また、eMachines 社も合併していました。
こちらも、安くて性能のいいマシンを作っていた会社。しばらくはブランドが残っていましたが、現在無くなっています。
Gateway 2000 は、所詮は「DELL の真似」でした。
一時期は DELL 以上のシェアを持っていたのですが、結局 DELL に徐々にシェアを奪い返されます。
1998 年には、社名を Gateway に変更します。
もともと「2000年(未来)への懸け橋」という意味合いの社名でしたが、2000年はもう目の前でした。
しかし、その 2000 年にはアメリカ本社の経営が悪化。
翌 2001 年には経営規模を大幅に縮小します。
このときに日本からも撤退しているのですが、先に書いた eMachine を買収した際に、eMachine 社の日本での流通網を生かす形で再上陸しています。
しかし、努力もむなしく、2007 年には台湾の Acer に身売り。
現在も Gateway ブランドは残っているのですが、以前の勢いはすでにありません。
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