先日 Scratch でコラムスクローンを作ったのだけど、完成してすぐにもう一つの作品を作り始めた。
実のところ、ゲームのコア部分は2日でできて、すぐに公開していた。
でも、宣伝してないので一人見てくれただけ。
その後が…長くかかった。
仕事の合間に作っているので、実働できるのは週2日程度。
データ整理に時間がかかったり、バグがなかなか取れなかったり。
(これについては Scratch のバグを疑っているのだけど、再現方法がわからない。
もっとも、「負荷をかけすぎた」のが問題で、これは自分のプログラムが悪かったので、修正して回避した)
で、ひとまず完成したので公開です。
まずは画面の緑色の旗をクリックして、プログラムを動かします。
彗星(comet) を動かして、黄色い星を囲んでください。
赤い星は倒せません。
まとめて囲むと高得点。
星の初期配置は星座の形。だから、全88面。
ただし、途中で3面ほど、星が出てこない面があります。
暗い星しかない星座なんだよね。ボーナス面だと思って。
プロジェクトページに行けば、大画面で遊ぶこともできます。
(画面左上のマークで拡大できます)
Scratch の ID 持っている人は、左下の星とハートのマークも押しておくといいよ(笑)
これ、僕が X68k を入手して最初に作ったゲームの移植です。
詳しくは X68k のページに。
画面サイズが違う (X68k は 512x512 、Scratch は 480x320) ので、初期配置の星の位置と星座名が重なっていたりしますが、ご愛敬。
キャラクターも、当時のゲームを知っている人には大きく見えるかもしれません。
同じ 16x16 なのだけど、画面サイズが違うので相対的に大きくなっている。
いい機会なので、思い出話を一方的に語りだす。
以前聞かれて簡単に答えたけど、まとまった形にはなっていなかったので。
中学の頃、ファミリーベーシックを使っていました。
そのころから、スプライトがしっぽのようについてくるプログラムが好きで、よく作っていました。
スプライト番号を +1 しながらどんどん置いていけばいい。
番号が最大値を超えそうなら 0 に戻す。
これで、スプライトが「再利用」されて、古いものは消えていくことになる。しっぽの出来上がり。
MSX ではマウスは標準ではないけれど、HALNOTE を使っていたので購入していた。
そして、マウスをぐりぐり動かすと、やっぱりしっぽが付いてくるプログラムを作っていた気がする。
MSX でスプライトを使っていたのか、LINE でやっていたのかは覚えていない。
両方作っていたかもしれない。
LINE で描く場合は、しっぽが付いてくるのを自前で管理しないといけない。
配列をもって、過去の座標を覚えておき、ある程度古くなったら消せばいい。
そして、X68k を買ったらマウスが標準装備だった。
最初の試作として同じようなプログラムを作ったら、MSX とは比較にならないくらい高速に動く。
これでゲームになるんじゃないか、って作り始めたのが Comet 。
線を引くルーチンを自前で用意して、点を打つ前に、そこの色を調べる。
すでに何か描いてあるなら「囲んだ」ことになる。
囲んだ時、最初は星から上下左右の4方向に向かってドットを調べて「囲まれた」判定をしていた。
でも、これは遅かった。あとで「座標で計算すればいい」と気づいて、判定ルーチンを高速化した。
といっても、やはり上下左右が囲まれただけで「囲んだ」と判定していて、まじめな閉鎖領域チェックをしているわけではない。
今回のプログラムも同じ。
Comet は、大学1年の時点での、自分のゲーム哲学を反映したものだった。
今回も基本的に「移植」なのだけど、今だったら違うように作るだろうというところもある。
キャラクターは、単に絵が描けなかったので記号的になっている。
でも、同時に「テレビゲームの本質は記号操作だ」と思っていた。
この頃、絵に凝ったゲームが増え始めていて、絵は良いのだけど面白くないものも増えていた。
それに対する反発もあった。
今でもこの流れは変わっていないと思うけど、「絵を見るのも楽しみのうち」だということは理解するようになった。
綺麗な絵があるなら、それに越したことはない。
また、絵を見ることが目的なら、ゲームは簡素でつまらないくらいでちょうどいい。
今のソシャゲとか、「面白くない」という人もいるけど、絵を見たくて遊んでいる人は面白さなんて求めていない。
それが理解できないで文句を言うのはお門違い。
ゲームの楽しみ方は幅広い。巧妙で奥深いゲームのルールなんて求めるのは、そういうのが好きな一部のマニアだけだ。
Comet では、敵をたくさん囲んだ時に、100、200、300 …と得点単価が上がっていき、1000点以上には上がらない。
これは、初心者でも楽しめるように配慮したつもりだった。
100、200、400、800 …と倍々で増えていくのが当時のゲームとしては主流だったように思う。
でも、それじゃぁゲームマニアと初心者の得点差が離れすぎてしまい、一緒に楽しめなくなる、と思ったんだ。
これは思い違いだった。
例えテクニックを使用した時の得点上限を低めに抑えたとしても「テクニックで得点が上がる」という仕掛けを入れている限り、マニアと初心者の得点差は大きく開く。
でも、テクニックを使える人は、それに対する見返りがなくては面白くない。点数が上がる仕組みは必要だ。
つまり、マニアと初心者が一緒に競えた方がいい、という考え自体が間違えていた。
comet でこのことを知ったので、その後のゲームでは得点を低く抑えないようにした。
そのほうが遊んでいて気持ちいから。
マウス(初お披露目した大学祭では、トラックボールを使用)を使ったのも、初心者が楽しめるようにだった。
マニアは、コントローラー操作に慣れている。
じゃぁ、慣れないコントローラーを用意すれば、みんな同じスタートラインに立てる。
初心者にも競い合うチャンスがあるはずだ、と思った。
でも、トラックボールは時々使われているゲームがあったし、やっぱりマニアは扱いがうまかった。
このときはまだ勘違いしていて、トラックボールじゃダメだったんだ、と思っていた。
翌年「マイク入力」のゲームを作ったら、ゲームマニアの友人は、すぐにゲームルールを理解し、最適な操作方法を編み出した。
この段階に至り、コントローラーを工夫すれば初心者でも同じ位置からスタートできる、というのも勘違いだと気づいた。
マニアはコントローラーの扱いがうまいのではなく、どんなゲームを見てもすぐにルールを把握する適応力に優れているのだ。
これ、ずっと後に任天堂が Wii を発売した時にも同じことを感じた。
全く新しい操作方法で誰もが一緒に楽しめる、ゲームの在り方をリセットする意欲作…だったはずなのだけど、マニアはやっぱり適応力が高かった。
大学時代の、まだ青臭かった自分が作ったゲームなので、ある意味では黒歴史でもある。
BASIC で組んだものだからね。処理が下手な部分がいっぱいあって、スマートではない。恥ずかしいものだ。
その一方で、広く遊んでもらった初めての作品だ。
雑誌に投稿した作品がたまたま流通業者の目に留まり、市販してもらえることになった。
これで「自分の作ったゲームを多くの人に遊んでもらえる」という喜びを知ったから、ゲーム業界を志すようになった。
人生の転換点だった。
記念碑的な思い入れがあるけど、出来が悪い恥ずかしい作品。
それが Comet だったので、いつかどこかでリメイクしたい、という思いはあった。
実際、手を付けたこともあるのだけど、面倒くささが先に立って完成しなかった。
先日、コラムスクローンを作ってみて Scratch の性能が案外高いと判ったので、作ってみようと思った。
コア部分を試作したら、2日でできてしまった、というのは最初に書いた通り。
まぁ、リメイクした、と言うだけで納得してしまい、完成度は高くない。
いつか本気でリメイク出来たら楽しいけど、当面はこれでいいや。
#夢を語るなら、88星座のイラストを入れたいし、星の動きをもっと多彩にしたい。
今は初期配置が違うだけで、どの面も似たような攻略法になってしまうから。
星座の線に従って動く星、というのがあれば、星座の形にしている意味も出てくるだろう。
また、88面は長いので、季節ごとの4コースに再編したい。
…などなど、改良したい点はいくらでもある。
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