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05-12 NORAD 設立日(1958)
05-12 キーボード
今日は NORAD が設立された日(1958)
Whirlwind I (以下 WWI) という、コンピューター黎明期の機械があります(1948年作成開始)。
当時のコンピューターは1ビットづつ計算するのが普通だったのですが、WWI では 16ビットを同時に計算します。
当時のコンピューターのメモリは、速度は遅いが容量の大きい水銀遅延管か、速度は速いが容量の少ないウィリアムス管のどちらかでした。
しかし、WWI では「コアメモリ」という全く新しい、高速で容量が大きく、値段も安いメモリを使用します。
当時のコンピューターは、紙テープなどでプログラムし、動き出したら結果が出るまで待つのが普通でした。
しかし WWI にはキーボードとディスプレイが供えられ、ディスプレイを直接触れることで動作を指示することが可能でした。
とにかく、コンピューターの常識を作り変え、現代のコンピューターの基礎を作り上げた機械でした。
ただ、設計が予定より遅れたため、当初の作成目的を失ってしまいました。
作成開始早々に予算援助が打ち切られ、作成中止の危機に見舞われます。
そのころ、アメリカに続いてソ連が核兵器の開発に成功します。
実はアメリカの核開発陣にソ連のスパイがいて、研究データなどがソ連に伝わっていたためでした。
アメリカはこれに慌てふためきます。
もし、ソ連がジェット爆撃機に核を積んで、低空からアメリカ領土に侵入したらどうなるでしょう?
レーダー基地が機影を捉え、本部に伝達され、本部から最寄りの空軍基地にスクランブル発信が命じられ、迎撃に向かう…
これだけで10分以上かかるでしょう。ジェット爆撃機なら、その間に都市を一つ壊滅させています。
空軍はかつてない危機に戦慄します。この状況を救う手立てはないものか。多くの学者に研究を依頼します。
ここで、WWI の存在を知る学者が、WWI を使って「自動化」を行えば、スクランブル発信までの時間を劇的に短縮できるだろう、と進言します。
アメリカの海岸線に多数のレーダー基地を多数作り、それらの情報を WWI に集約します。
異常を感知すればすぐにオペレーターに警告し、同時に最寄りの空軍基地に発進への準備を通知します。
実際にオペレーターが危機を確認すれば、すぐにスクランブル発進が可能となっています。
このシステムは、SAGE と名付けられます。
半自動式防空管制組織 (Semi-Automatic Ground Environment) の頭文字を取った名称です。
アメリカを守るためには、よりソ連に近いカナダも包括的に防御する必要がある、と考えられました。
そのため、SAGE はアメリカ空軍の組織ではなく、カナダと共同で運用される独立組織である必要がありました。
そこで設立されたのが、北米航空防衛司令部 (NORth american Air Defense command) 、通称 NORAD です。
その後、宇宙からの攻撃の可能性も出たため、組織名の air (航空)の部分は aerospace (航空宇宙)に変更となっていますが、組織自体は存続しています。
ところで、WWI をベースとして TX-0 という機械が作られています。
当時はコンピューターの使用には「1分いくら」という高額料金が課せられる時代でしたが、TX-0 は試作機だったこともあり、学生に無料開放されます。
様々なゲームが作られるのですが、そのうち一つに Tic-Tac-Toe があります。いわゆるマルバツ。
そして、このゲームは単に「テレビゲーム」なのではなく、人工知能研究黎明期の成果の一つです。
こんな単純なゲームであっても、コンピューターが人間と同じように考え、ゲームの相手をできるということが驚きだった時代です。
WWI という機械があり、その機械をベースとした SAGE を NORAD が使用しています。
同じく WWI をベースとした TX-0 は人工知能研究に使われ、マルバツゲームが動いていました。
そして、NORAD は核戦争を未然に防ぐための防衛組織です。
核戦争と、マルバツと、人工知能。
ここに三題話が生まれます。「マルバツに勝者がいないように、核戦争にも勝者はいない」と悟る人工知能!
1983 年公開の映画「WAR GAME」の舞台は NORAD です。
これを見た当時は「そのオチはないだろう」と苦笑いしたのですが、今なら事実に基づいたストーリーだとわかります。
WWI を作ったのは MIT なのですが、SAGE のために大量生産したのは IBM です。
当時の IBM は、コンピューターの作成を始めたばかり。
UNIVAC I を作った UNIVAC 社の方が有名で、大手でした。
しかし、当時としては最先端の技術を多数盛り込んだ WWI の量産を請け負います。
これにより最先端のコンピューター技術を得るとともに、莫大な利益を上げます。
この頃から IBM はコンピューター大手になっていきます。
NORAD といえば、毎年サンタクロースの追跡を行っていることで有名です。
NORAD の設立前、アメリカ空軍に Continental Air Defense Command (中央防衛航空軍基地)、通称 CONAD という組織がありました。
1955年12月24日。CONAD の司令部に間違い電話がかかってきます。
サンタクロースとお話がしたい、という子供からでした。
電話を受けた司令官は、ここは空軍の基地でサンタはいないと子供に伝えましたが、子供の夢を壊さないようにこう付け加えました。
「空軍のレーダーはアメリカ上空を飛ぶものをすべて捉えている。
サンタクロースのソリは、現在○○にいるよ」と。
その後も続々と間違い電話がかかってきます。どうやら間違いではなく、明らかに CONAD 充てに電話をかけてきているようです。
調べると、老舗スーパーマーケットチェーンのシアーズの新聞広告に「サンタクロースと話ができる」電話番号が掲載されており、ミスプリントで CONAD の司令部の電話番号になっていることがわかりました。
司令官は、子供の夢を壊さないように、サンタクロースの現在位置を教え続けるように部下に命じます。
このときは、誤植による1回きりの「イベント」でした。
しかし翌年、AP通信社とUPI通信社が、CONAD が今年もサンタクロースを追跡するのを待っている、と伝えてきたのです。
彼はこの要望に応え、CONAD 公式の「サンタクロースの追跡報告」を発表しました。
1958年、CONAD を母体として NORAD が生まれます。
サンタクロースの追跡任務も NORAD に引き継がれました。
…個人的な意見としては、最近はちょっとやりすぎかな、と思います。
翌日になって新聞とかに公式発表として「サンタクロースは全米中を飛び回って、何件の家にプレゼントを配っていった」とか載せるのは夢があるけど、Google Map 上で現在地を表示し続けたりするからね。
気の利いた洒落っていうのは、控えめだから楽しいのであって、調子に乗りすぎるとすべてをぶち壊してしまう。
まぁ、上に書いたように「ぶち壊し」な悪乗りだけでなく、電話スタッフが「サンタさん」として子供たちと通話したりもするそう。
スタッフは主に NORAD 勤務の軍人なのだけど、みんなボランティアで任務外の仕事。
軍人が、こういう平和な活動をできる世の中が続くといいと思います。
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3年ほど前に購入したPC用のキーボードが調子悪い。
…って書き出しは、3年前にやったのだな。
あの時は、その2年前に購入したPC付属のキーボードが壊れたのだった。
壊れたというか、入力時にキーが引っかかる感じになるのね。
接触不良とかの電気的なトラブルではなくて、キーを支える軸がぐらつき始めて正しく入力できない感じ。
今回も同じ。
PC付属キーボードは、安PCについてくるものだからかなり安物なのだろう、仕方がないと思った。
でも、今回は別売りキーボードを買ったのにたった3年で壊れたのだ。
もっとも、安いからそのキーボードを選んだわけで、安物であることは認めるのだけど。
たしか、1200円程度だったのではなかったかな。
よく使うキーの印刷も剥げ、つるつるになっていた。
キーボードにこだわりはないが、普通の 109jp キーボードであっては欲しい。
子供のころから JIS 配列なので、US 配列はあまり好きではない。
仕事で仕方なく使っていた時期もあるので、絶対ダメなわけでもないのだけど。
有線キーボードがいい。
置きっぱなしで使うから無線である必要はないし、無線だと高いし、電池交換が必要になるから。
今使っているPCに付属してきた(早々に壊れた)キーボードは、Insert/Delete/Home/End/PageUp/PageDown の6キーの配列が変則的だった。
僕はそこら辺のキーは結構使うので、できれば通常の並びがいい。
カーソルキーも、その下に普通に並んでいてほしい。
まぁ、つまりは「普通のキーボードがいい」と言うだけだ。
何も難しいことではないはず。
…なのだけど、今の世の中これが案外難しい。
先に書いた6キーって、使わない人多いから小さくまとめて別の場所に配置されたりする。
カーソルキーだって使われないから変則的な並びにされたりする。
「ごく普通」を望んでいるだけなのに、案外ゲーミングキーボードとかが悪くなかったりする。
ゲームに使うときって、一瞬の判断を必要とするから、キーが普通に押しやすい配置でないといけないんだよね。
でも、ゲーミングキーボードは高いからパス。
しっかりした会社のいいキーボードを買えばいいとわかっていても、1万円越えはパス。
キーボード会社だって、差別化を図って高い商品を売りたい。
そんな当たり前の理由で、無線キーボードには結構いいものがあるのに、有線キーボードには商品が少ない。
そうして、どんどん選択肢が狭くなっていく。
いっその事今まで使っていたキーボードと同じものを買おうか、とも思った。
ロングセラー商品でまだ売っている。1000円程度だから、3年使えればそれでいいと思う。
でも、せっかくだから違うのを選んでみたい。
ということで、Microsoft の Wired 600 キーボードを購入。¥990.-
この型番、「マイクロソフトの一番安い有線キーボード」という意味合いの型番で、同じ型番のまま時々モデルチェンジするらしい。
今回購入したのは Windows8 対応版。Win10 にも対応している、と上からシール張ってあったけど。
何が Win8 対応なのかと言うと、まずは Windows キーのアイコンが Win7 までの「ぐにゃりとした」ものではなく、直線的。
Win8 から出てきた「共有」のためのキーが印字されている。
印字されているだけで、Fn + F6 キーなのだけど。
他に Fn + F5~F8 でいろんな機能を呼び出せる。
そう、109 のフルキーボードなのに、さらに Fn があるわけだ。
でも、この Fn キーは、F5~F8 以外には使わないようだ。
せっかくだからもっといろいろ使えればいいのに。
まぁ、普通は使わない右 Win キーを Fn に割り当ててあるので、邪魔にはならない。
あと、キーボードに音量調節ボタンがある。音量アップ・音量ダウンと、ミュート。
そして「再生・一時停止」のキー。
もう一つ「電卓」のキーもある。
電卓キーを押すと、Windows 付属アプリの電卓が起動する。
…まぁ、便利と言えば便利かな。
驚いたのは、109jp に存在しない特殊なキーなのに、デバイスドライバなしで動作したこと。
マイクロソフト製なので、単に Windows の中にあらかじめ組み込まれている、と言うだけの話だけど。
同じように、音量調節も、Fn + F5~F8 も、何もせずにそのまま動作する。
でも、再生・一時停止キーは何も動かない。
このキーは、Windows は認識しているが、Windows 純正の音楽アプリ・映画アプリなどが起動していないと動作しない。
僕は普段 Windows で音楽を聞かないので、このままでは無意味なキーだ。
キーの割り当て変更には、マイクロソフトのページで設定ソフトをダウンロードする。
電卓キーと再生・一時停止キーには、好きなアプリの起動を割り当てられる。
または、キーボードマクロ(一連のキーを順次押す処理。マウスボタンや時間間隔も設定できる)を割り当てられる。
または…用意された、非常にたくさんの処理を割り当てられる。
用意された処理は、もちろん音楽アプリでの再生・一時停止もあるけど、次のトラックへ、なんてのもあるし、ブラウザの戻るボタン、なんてのもある。
指定された URL を開く、というのがあったので、Google Calendar を指定してみる。
結構よく使うのだけど、今までは Chrome で新規タブ開いてから、Bookmark を選んで呼び出してた。
うん。確かに1発で開く。ちゃんと Chrome を使ってくれる。
上手く使えばなかなか便利なキーかもしれない。
しかし、せっかく設定ソフトがあるのに、設定できるキーは2つだけ、というのが少しもったいない。
先に書いたけど、Fn キーあるのだから Fn + なんとか、でいろいろ設定出来たら楽しかったろうに。
設定ソフトには、他にもささやかな機能が付いている。
Caps Lock を無効化できる。
時々、間違えて打ち込んでしまって大文字になることあるよね。それを禁止できる。
でも、僕は故意に大文字を使いたいときもある。禁止はしないでおこう。
Win キーも無効化できるし、アプリケーションキー(Menu キーとも呼ばれる)も無効化できる。
Win もアプリもマイクロソフトが「増設」したキーで、今では多くのキーボードについているのだけど、邪魔だと思う人もいると、ちゃんとわかっているらしい。
とはいえ、無効化して別の用途に、とはなっていない。
じゃぁ、無効化するのもなんかもったいないから活かしておこう。
MS 600 キーボード、キーの角度が段によって少しづつ変えられていて、手になじむ。悪くない。
キーを押した感触も悪くない。
まぁ、もちろん高級品ではないよ。安物として悪くない、という感じ。
#個人的には、高価なのに安っぽい Apple のキーボードよりも高評価。
ただ、明らかにダメな点が一つ。
F1~F12 、およびその列に並ぶ ESC / PrnScr / ScrLk / Pause キーの押し心地が非常に悪いのだ。
キー自体が小さめで、押した感触も固めになっている。
ということは、ここら辺のキーは「特別なもので、普通は触らない」ことを前提にしたキーボードなのだろう。
事実として、初心者はここら辺のキーは使わないと思うし、うかつに触って知らない動作が起きると混乱すると思う。
でも、僕はこれらのキーをよく使う。
文字入力中もカナにするのに F7 を押したりするし、Vim や Emacs を使うこともあるので ESC を酷使する。
固くて押しにくい、という評価を知ったうえで、それでも他に良い選択肢がなくてこのキーボードを選んだ。
十分吟味した結果なので他に選択肢はなかった、とあきらめているのだけど、もっと「ごく普通のキーボード」が市場に存在するといいと思う。
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