2016年04月24日の日記です

目次

04-24 GAME ON展
04-24 未来科学館リニューアル


GAME ON展  2016-04-24 13:58:58  コンピュータ

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GAME ON 展見てきました。


3月頭からやっているので、開幕すぐに見に行くつもりで前売り券購入していました。

券が安かったので、土曜日限定で。


しかし、3月中は次女の保育園卒園にからんで、週末に突発的な事項がいろいろ入り、行けずじまい。

やっと行けた形です。




ちょうど科学未来館のリニューアルもあり、入館無料・ドームシアター無料の日。

ドームシアター、WEB で事前予約しておきます。


これ、予約しておいてよかったよ。

今回僕が一番面白かったのは、ドームシアターの新作映画「9次元から来た男」でした。


…GAME ON 展、あらかじめ「期待外れだ」と聞いていたのでそれほど期待していなかったのだけど、期待値下げて行ってもまだ期待外れだった。


しかしまぁ、内容は書き留めておこう。




まずは入場券を購入。

入館無料の日だし、前売り券も持っているのだけど、進級してしまった次女の分は買わないといけない。

これが、すごく混んでいた。



GAME ON 展入ってすぐに、次女が「つまらない」とぐずる。

まぁ、次女にはつまらないだろうと覚悟はしていた。


妻が、次女と長女連れて別のところ見てくる、と引き受けてくれたので、僕は長男と展示を見て回る。

長男には面白かったようだ。


実は長女は興味あったそうで、妻も見たいというので、後で家族でもう一度回った。

(その時は僕は2周目なので、次女のご機嫌取りに始終した)


以下の話は、時系列ごちゃまぜで書く。




入ってまず、COMPUTER SPACE が置いてある。

世界最初の業務用テレビゲームだな。


ただし、筐体が置かれているだけで電源が入っていない。

(会期の最初の頃は、遊べないが電源は入っていたらしい)


後ろには、PDP-1 のモックアップと、エミュレーションで動く SPACE WAR!


COMPUTER SPACE! の元になったゲーム、というわけで、本当にゲームの始まりを表現したいわけだな。

だけど、こちらも、電源は入っていない。


もっとも、電源が入っていたとしてもエミュレーションなので、それほど価値は高くない。



COMPUTER SPACE の隣には、SPACE WARS。こちらも SPACE WAR! の派生ゲーム。


これは後に家庭用に作られた Vectrex (日本での商品名は光速船)用のゲームなのだけど、今回の展示に貸し出した人の趣味で「業務用筐体っぽく改造したもの」のようだ。


基本的に業務用ゲーム機を置くコーナーの中に、業務用っぽく改造した家庭用ゲーム機が置いてあるのは、紛らわしい。

COMPUTER SPACE も SPACE WAR! も電源が入っていないので、少しでも最初のゲームに近いものを見せたいという苦肉の作かもしれないけど。




LUNAR LANDER は遊べていたが人気があるようなので遊ばず。

まぁ、並んでまでやろうとは思わなかったので。


ベクタースキャンのゲームの初期の名作だ。

今のテレビ画面とは、表示原理が違う。


あまりベクタースキャンゲームを見たことが無い人にとっては見どころのひとつだと思うけど、LUNAR LANDER はそれほどベクタースキャンの特徴を活かしているわけではない。



センチピードは、気に入った小学生が占領中。後ろに人がいても気にせず、連続して何度も遊んでいる。

声をかけて長女が1回だけやらせてもらったら、その小学生も特にうまくないのに、偉そうに横から口を出してくる。


いや、これは「嫌だった」とかの話ではなくて、今時の小学生がセンチピードに熱中している、ほのぼの話として。

多分僕がやれば、偉そうな彼の鼻をへし折れるだろうけど、大人げないのでやめておく。



ミサイルコマンドは、長男が何度かプレイ。

面白いけど難しい、が感想。うん、僕も小学生の頃プレイした時はすごく難しいと思った。



パックマン。長男が特に遊びたかったゲームの一つ。家にあるのだけど。

筐体は見どころの一つ。PUCKMAN と表記されている。


PUCK だと、いたずらで簡単に FUCK に変えられてしまう、という海外の販売会社からの要望で、すぐに綴りが PAC に変更された。

それ以前の筐体は珍しい。


1P キーと 2P キーの配線が逆になっていて、一人用だと思って遊んでいると、敵にやられると最初からやり直しになったり、かと思うとさっきの続きからになったり、謎の挙動に困惑している人が多かった。


長男は何とか1面クリアするも、2面クリアは出来ず。

2面クリアするとショータイムがあって面白い。見せてやりたい。


で、僕がプレイ。

2面クリア後に加え、5面クリア後のショーまで見せることができた。

ルールが理解できた物は見ていても面白い。説明しながら遊ぶことで、次女も楽しんでいた。


ディグダグ。

長男が今回一番気に入ったゲーム。これも家にあるので、帰宅後心行くまで遊ばせた。



こちらのまとまり、基本的に、海外で人気が出たゲームを順不同で並べているようだ。

時代順ですらない。このあと、PONG があり、その後ろにはバーチャファイターが置かれている。




他にもいろいろあるけど、通路の逆側へ。

こちらは日本の人気ゲーム。


インベーダーゲームが多数ある。

白黒のものは見どころの一つ。隣にカラーのものもあるが、点数の桁数が白黒は4桁、カラーは5桁とわかる。

実は、白黒インベーダーも、最初期のもの以外は点数5桁だし、4桁のものもソフト改造されて5桁にされたものが多かったはず。


大人気で、上手なプレイヤーが現れて、4桁では足りない、ということになったからね。

改造されずに残っていた4桁版が動いているのは是非見ておくべきだろう。


長女は何か遊びたい、と言いながら、4方向レバーのゲームではもう難しすぎた。

しかし、2方向+1ボタンのスペースインベーダーは楽しめたようだ。

やはり、最初の頃のゲームは単純で、初めてテレビゲームを遊ぶ子供でも楽しめる。



他には、3Dカーレースとして世界初のポールポジションや、「体感ゲーム」第1弾のハングオン、体感ゲームシリーズのヒット作、アフターバーナー2など。

アフターバーナーは時間を決めて動かしているようで、それ以外の時間は電源を切ってあった。



通路と展示コーナーの境には、「ゲームってなんで面白い?」という、今回の展示のテーマを解説した動画が流れているパネルがある。


パネル上もアクリルケースになっていて、展示物が置かれている。

最初のエリアでは、CPU の変遷と、記録メディアの変遷。


CPU のほうは…特に面白くはないよ。4004 おいてあるけど、たぶんゲームでは使われていないよね。

(ゲームを作れるほどのプログラム性能はない)


記録メディアは、PDP-1 などで使われた紙テープ、IBM 汎用機で使われたパンチカードから始まっている。


IBM 汎用機でゲーム作られたのかな…という疑問はあるけど。

8inch フロッピーも同様に、その時代にゲームはそれほど遊ばれていなかったのではないかな。

でも、単に記録メディアの歴史として面白い。




次のエリア。

順不同で、ジャンル分けされたゲームが並んでいる。

基本的には、「家庭用テレビゲームの歴史」のようだ。


「ピットフォール」から始まり、3Dの冒険ゲームに至るのはアクションアドベンチャー。

「イーアルカンフー」に始まり、鉄拳に至るのは格闘ゲーム。


「ハイパースポーツ」から始まり、テレビ中継と見間違うようなサッカー、バスケットゲームに至るとか、2D縦シューから、3Dの戦争ゲームに至るような流れも。


ただ、ここで「ジャンルごとの時代の流れを表現しているのだな」というのは、あくまでも僕がそう感じた、というだけ。

説明は一切ない。ゲームが多数置かれているだけ。


ゲームの遊び方の説明もないから、最近のゲームは複雑すぎて遊ぶこともできない。

遊び方の説明はあっても、コントローラーが壊れていて動かないものも多数。



通路を挟んで反対側は、家庭用テレビゲームのハードウェア。

といっても、ハードと共にテレビゲームが展示されていて遊べる。

つまり、他のところと展示内容は大して変わらず、「ハードの展示だ」というのは気づいた人だけがわかること。


最大の見どころは、ブラウンボックスだと思う。

世界で最初の家庭用テレビゲームの、プロトタイプ機。


動作しない状況だし、もしかしたらモックアップかもしれない。

もし本物だとしても、後に再現されたものだ。オリジナルは失われている。


でも、作者であるラルフ・ベアのサイン入り。これだけで見る価値がある。



動体展示では、それぞれのハードを代表するようなゲームを選んではある。

Apple II ならチョップリフターだったし、AMIGA ならレミングスだった。

MSXは、グラディウス2 だった。


長男はレミングスに興味があって、前の人が面クリアして去った後続きを遊ぶ。

同じように、面クリア後は別の人に引き継いだ。


こちらも、PSP 版で良ければ家にある。



スペクトラム ZX って、存在は知っていたけど実機を見たことが無かった。

実機、驚くほど小さかった。カシオの MSX みたい。


ここに置かれた機械は、基本的に海外で人気があったものばかり。

PC-8801 とかは存在しない。




どこに置いてあったか失念したのだけど、「テレビテニス」も確かここらへんにあったのではなかったかな。

日本で最初の家庭用テレビゲーム機。見どころの一つだと思う。


以前に Youtube で動作している画面を見て、左右のパドルの「太さ」が違うのは、テレビ受像機の問題で横に伸びて(にじんで)いるのだと思っていた。


説明書が置いてあったのだけど、説明書でも幅が違うように書かれていた。

1P 側と 2P 側を区別できるように、幅で違いを表現していたようだ。



もう一つ、これもどこにあったか忘れたけど、ATARI の、STAR WARS の筐体が置いてあった。

筐体だけ。電源は入っていない。


というか、開幕時にはエミュレーションで動いていた。

このゲーム、本来は「カラーベクタースキャン」という非常に珍しい方式で画面が作られている。


最初のほうに LUNAR LANDER の話を書いたけど、ベクタースキャンは基本的に白黒だ。

でも、STAR WARS はカラーだった。ベクタースキャンの特徴である、回転や拡大縮小ができることを利用して、迫力のある3Dゲームを作っていた。


(当時のハードウェアは非力で、回転や拡大縮小なんてできないのが普通だった)



ベクタースキャンは線画のみで描かれるのだけど、非常にコントラストが強く、画面が華やかだ。


でも、エミュレーションでは普通のパソコンモニタで表示され、コントラストが弱い。

なんだか貧弱なゲームに見えてしまう。

さらに、エミュレーションするハードウェアが貧弱だったようで、遅延がひどくてとても遊べない状態だったとか。



非常に珍しいゲームだったからこそ、遊べるゲームのリストに入っていたことで多くの人が楽しみにしていた。

それがひどい状態だったから、ちょっとした炎上騒ぎになった。


騒ぎになったら、主催者が謝って、筐体のみの展示にすると発表した。


会場のどこかの片隅で、ひっそりと筐体が置かれていたけど、知らいない人にとっては電源の入っていない箱が置かれているだけだ。


非常に残念だ。




次のエリアは、コンピューターゲームではあるがテレビゲームではないもの、がテーマのようだ。


ザ・シムスがある。ゲームではあるが目的も勝敗もない。


ドラゴンズ・レアがある。ゲームではあるが、基本的にアニメ垂れ流しで自分が主人公を操作したりしない。


グランド・セフト・オートもここに置かれていた。

僕はこのシリーズやったことが無いのだけど、ゲームの進行とは関係なしに、プレイヤーがかなり自由な行動をとれる。

目的が「ない」わけではないけど、曖昧なのでゲームらしからぬものとして並べられたようだ。



パラッパラッパーや、スペースチャンネル5もあった。

僕的にはこれらは十分ゲームなのだけど、出てきた当時「新しい潮流」であったことは間違いない。


これらのゲームも遊べるようになっているのだけど、残念ながら音は出ない。

たくさんのゲームが置いてあるから、音を出したらうるさいからね。


もちろん、リズムゲームで音が出ないのだから、「操作できる」かもしれないけど、ゲームにはならない。



通路挟んで逆エリアには電子ゲーム群。

任天堂のゲームウォッチ全種類とか。末期に出た(末期症状感たっぷりの)据え置き型の大きなゲームウォッチとか、カラーにするためのギミック感たっぷりのものもある。


ただし、すべて電池が入っておらず動かない。

白黒液晶でカラー表示するギミックとかよくできていたのだけど、動いていないからわからない。



FL 管ゲームとかは遊べる状態でいくつか置いてあった。

パクパクモンスターとか、ビームギャラクシアンとか。


携帯ゲーム機、も一緒に展示しているようで、3DS のモンスターハンターのような近年の作もある。

ワンダースワンの「軍平」も置かれていたのは、電子ゲーム時代を切り拓いた横井軍平氏へのオマージュなのか。


サイオン」が置いてあったのも、ちょっと見ておくべき。

先に書いた、ブラウンボックスを作った、ラルフ・ベア氏が作って世界的ヒットとなった電子ゲーム機。

ブラウンボックスが置かれていることと、セットになっているのではないかと思う。




このエリアでの「ゲームってなんで面白い」の動画展示は、自分で作ると面白い、というテーマだった。

Apple II のビル・バッジのピンボール・コンストラクションとか、近年ではマインクラフトとか、「自分で作ることを楽しむゲーム」をいくつか紹介する。


そして、最後は Scratch の紹介。

究極のゲームは、プログラム言語によってゲームそのものを作り出してしまうことだ、と。


Scratch の画面が出てくるので、それだけで子供たちが興味をもって見ていた。

実際、うちの子はゲームを遊ぶよりも、作ることを楽しんでいるからなぁ。


#もちろん遊ぶのも好きだけど、限られた時間を大作ゲームに使うつもりはないらしい。

 それより、小作品を遊んで面白さのエッセンスを学んで、自分でゲーム作りに活かしたいみたい。




この後は、整理券を必要とする体験コーナー。

開館時間に間に合うように来たので、その気になれば整理券もらえたのだけど、10分程度は並ばないといけないのでもらわなかった。


プレイステーションVR のゲームを遊ぶか、4人同時プレイマインクラフトを楽しめる。



最後はお土産物コーナーで終わり。




総評。


振り返ってまとめると、それなりに充実した内容のように見えるね。

でも、ゲームに対する愛があまり感じられない。


古いものの動態展示なので、調整中のものがあっても仕方がない。

でも、電源が入っていないものや、壊れていて遊べないものが多数。

パックマンのところで書いたけど、配線がおかしいというのもある。


そのゲームが何であるか、どのような意図で見れば楽しめるのか、というような表記も一切無い。

ゲームセンターのようにただ並べられているだけ…と事前に聞いていたのだけど、むしろ昔のおもちゃ屋さん店頭の試遊台を感じた。


ゲームセンターなら遊ばさせる環境は整えるのだけど、遊べる環境も整っていないのね。



この展示会、イギリスから始まって、話題となって世界中を回っているらしい。


後になって思えば、これ「イギリスだから」話題になったんだわ。

日本人がこの言葉で期待してはならない、釣り文句だった。



テレビゲームはアメリカで生まれ、日本で育ち、世界に広がった。

GAME ON に置かれているのは、主にアメリカと日本のゲームだ。


そして、イギリスにはその時代、ゲームセンターがほとんどなかった。

ゲームファンは、日本やアメリカで流行しているというゲームの話を聞いても、遊ぶことはおろか実機を見ることも難しかった。


だから、それらのゲームが集められている、と言うだけで大きな話題になっただろう。

憧れの機械に会いに来る人にとって、その機械がそこにあるだけでいい。

多少壊れていようとも、何の説明もなくたって、それで十分だ。



でも、日本人にとってはそうではない。

置かれているのは、中年世代にとって「懐かしいゲーム」ばかりで、置かれているだけでは物足りない。


その展示をまとめる説明が欲しいし、中年世代は子供と一緒に来るだろうから子供たちに説明するために時代の流れなどの説明も欲しい。

(実際、うちに限らず家族連れを結構見かけたのだ)



さらに言えば、「重要なゲーム」を置いてあるにもかかわらず、その重要性は欧米人の、ゲームマニアにとってのものだ。


日本でヒットしたゲーム、は欠落している。

家庭用ゲーム機にドラゴンクエストはないし、ゲームセンター向けのゲームとしてもグラディウスは置かれていない。

(一部日本で独自に整えたと思われるコーナーはある)


また、マニア向けで無いゲームも欠落している。

テトリスはないし、タワーディフェンスのような気軽に遊べるゲームも無視される。


おそらくは、先に書いたように、マニアが憧れのゲームを見に来る展示会として企画されたからだろう。




「ゲームってなんで面白い?」というテーマは、日本で開催されたときにとって付けたテーマのようだ。

調べてみると、元の展示会のサブタイトルは「The history, culture and future of computer games.」だったから。


単に「コンピューターゲームの歴史、文化、そして未来」というだけだ。


面白さの分析を試みた展示は、先にも書いたように動画で用意されている。

だけど、どうも面白さの分析とは程遠いのね。ゲームシステムを分類したりしているのだけど、それがどうして面白く思えるのか、という点に踏み込んだりはしない。



もちろん、多くの人にとって、そんな分析はどうでもよいことだ。踏み込む必要もない。

踏み込み不足の内容ですら、ほとんどの人が興味を持っていなかったのだから。


しかし、それならなんで「ゲームってなんで面白い?」を展示テーマに据えたのか。


多分「ゲームの歴史」というタイトルなら、各コーナーの展示意図などの解説が必要だったろう。

そちらをやってもらったほうが、よほど万人受けする内容になったのではないかと思う。




家に帰った後、PS2 の「ナムコミュージアム アーケードHits!」と、「タイトーメモリーズ上巻」を出す。

長女はインベーダーを、長男はディグダグを繰り返し楽しんだ。


妻も「やらせて」と遊びだす。


長女は「お父さんもやって」と僕にコントローラーを渡す。


家族みんなで順番にインベーダーやディグダグをプレイするって、昭和の家庭のようでほほえましい。



ナムコミュージアムには8種類、タイトーメモリーズには25種類のゲームが収録されている。


子供たちは他のゲームにも多少興味はあるようだけど、次々違うゲームをやるより、腰を落ち着けて1つのゲームに取り組みたいようだ。

目移りするよりも、一つのゲームを攻略する、という態度で正しいと思う。その方が楽しめる。



「ゲームってなんで面白い?」は深遠なテーマで、答えは簡単に出せない。


でも、僕はゲームは勝敗があるから面白いのだと思っている。

勝敗はゲームの基本だ。


ということは、目移りして次々別のゲームを遊ぼうとすると、面白くなくなる。

次のゲームに移るのは、逃げだからだ。逃げたということは負けたわけで、面白いわけがない。


子供たちは教えずともわかっているようで、頼もしい。



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未来科学館リニューアル  2016-04-24 18:40:52  その他

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先に書いた通り、GAME ON 展を見に行きました


ちょうど、未来科学館のリニューアル直後のタイミング。

せっかくなので、リニューアルの様子を書いておきましょう。




まず、ドームシアターの映画「9次元から来た男」から。


ここに関しては、もともと映画なので、リニューアルとは言っても施設が何か変ったわけではない。

新作映画が作られましたよ、と言うだけ。


ドームシアター、実ははじめて入りました。

いつも人気で、開館時刻に行っても満席のことが多いのだよね。


朝早くなのに満席って、なんでだろう…と思っていたら、WEB から予約可能なことを今回初めて知りました。



映画の内容は、ネタバレになるので詳細を書けません。

でも、非常に上手に作られている。


見るのであれば、超ひも理論について少し知っていたほうが楽しめるでしょう。

知らないと楽しめない、というわけではないけど、通り一遍の知識があるだけでも、ずっと楽しくなるから。



ドームシアターは、プラネタリウムにも使えるし、立体眼鏡を使って立体映画も見られるようになっています。

「9次元から来た男」は、この設備の特徴を非常に上手に使いこなしている。


ちなみに、未来科学館のオリジナル映画で、ロケ地としても未来科学館が使われています。

あ、ここ7階の休憩所の外側デッキ部分だ、とか思うだけでも面白い。



子供の感想:

「カラビ・ヤウが可愛かった」


僕もそう思った。映画 TRON の「ビット」みたいな感じ。

意味が分からないなりに、7歳になったばかりの次女にも楽しめる映画ではあったようです。




今回のリニューアル、主に7階なのかな。


以前は しんかい6500 の実物大モックアップがあり、その周辺は地学を中心としたコーナーになっていました。

内容を見る限り、東日本震災を受けて、地学を「防災」の観点から見直した感じ。


目玉は、リスクを表現した大ジオラマ。


人間や花が描かれたドミノが並んでいて、「リスク」がぶつかると倒されます。

リスクは赤いボールで表現されていて、いろいろなところからやってくる。


例えば、ジオラマ奥に「火山」があります。

普段は止まっているのだけど、時々リスクの赤いボールを吐き出す。


この吐き出す数も、少しだけだったり、多数吐き出したり。火山の噴火が一様ではないことを意味しています。


ジオラマの左端には、「地震」があります。

リスクのボールを受けてある皿があって、時々揺れています。


小さく揺れる程度では、リスクのボールは転がりださない。

このリスクは、地底深くから登ってきて、皿にたまり続ける。


皿が大きく傾くことがあります。

その時溜まっていたリスクのボールが一気に吐き出される。


でも、そもそもボールが少ないと、皿が傾いても被害は少ない。

たくさん溜まっているときは、大きな被害が出ることになります。


皿の隣に「津波」があって、リスクのボールがいったん蓄えられて時間差攻撃になったりすることもある。



ジオラマ全体では二つの大陸があって、「感染症」とか「環境汚染」というリスクもある。

これらは、火山や地震のリスクに比べると小さいのだけど、条件次第では大陸間を超えてリスクを与えてしまう。


また、大陸間の海からは「巨大台風」のようなリスクが発生します。



このジオラマがすごく良くできていて、見ていて飽きない。

大地震と大噴火が重なってしまうときなんて、本当にバタバタと人が倒れていく。


でも、ドミノにボールが当たるかどうか、だから、確率問題で全部倒れてしまうことはない。

そして、しばらくたつと人はまた増えます。




この展示を作るのには結構時間がかかったでしょう。

そして、公開直前になって、熊本で地震が起きてしまった。


#まだ落ち着いていないのでこの日記に書いてませんね。

 後から見たときのために書いておけば、4月12日と14日の2回、熊本を中心として震度7の地震が起きています。 まだ強い余震が続いていて、避難者も多い現在進行形の状態。



うちの子供たちも、「熊本は今こんな感じなの?」なんて聞いていました。

不謹慎だと思う人もいるかもしれないけど、科学館で展示されている内容と、現実の世界を結び付けられるという意味では、非常に良いタイミングだったと思います。


ジオラマ周囲には様々なリスクに関する展示があり、当然地震計もありました。


リニューアル前から、日本中の地震計からのデータを使って「リアルタイムに起きている地震を可視化する」展示はあったのだけど、そこで熊本地震の本震時点でのデータを再現していました。



係の人に話を聞けたのですが、リスクを正しく知ってもらいたい、というのが展示の意図だそうです。


住んでいる地域のリスクを示されると「怖い」という人がいる。

リスクを明らかにすることが嫌がられるので、隠して見せないようにしてしまうこともある。


一方で、日本中にリスクがあることを示すと、どこにいても一緒なのだから仕方がない、と言って終わりにしてしまおうとする人もいる。


そうではなくて、リスクがあることを知ったうえで、そのリスクを少しでも軽減する方法を考えて欲しい。

あらかじめ準備をしておけば、リスクは減らすことができるのだから。



別のコーナーでは、地震やテロ、戦争などについて考えさせるものもありました。

リスクは自然災害だけではありません。だからこそ準備しないといけないし、回避だってできるでしょう。




リニューアルその2。


iPS 細胞についての展示が作られました。


ミニシアターが6部屋ほど。

1部屋の椅子の数は2つ。周囲に立ち見ができますが、せいぜい1部屋5人でしょう。


部屋ごとにストーリーが違うようですが、医療と iPS 細胞がテーマの模様。

健康な人にも iPS 細胞で何ができるのかを考えて欲しくて、自分が難病だったとしたら…と考えてもらう内容にしてあるようです。


自分のこととして考えられるようになったところで、奥の展示コーナーに進みます。

シアターは結構並ぶので、飛ばして奥のコーナーだけ見ることもできます。



さて、このコーナーで面白いと思ったのが2点。

まず、シアター個室の壁を木で作ったこと。


細胞 (Cell) の話をするのに、木質 (Cellulose) を使っていて、小部屋 (Cell) なわけです。


このシアターの入り口の上には、空いた部屋を示す LED の電光表示があります。


空きが出ると、緑色で、人が歩く絵によって「侵入可能」を意味します。

歩行者用青信号のマークだと考えてもらえばいいかと思います。


それ以外の時は常にオレンジ色で進入禁止を意味する絵が出ている。


この絵が、面白い。

歩行者信号の、立って待つ人の絵があります。枠だけの線画と、塗りつぶしの2パターン。

それと、アメリカの歩行者信号のような、手のひらで静止を表現したマーク。


しばらく待っていると、おもむろにそれらの絵から、「ライフゲーム」(ライフゲイム)が始まります。


ライフゲームは、生物の状況を非常に単純化したシミュレーションです。


条件が良ければ生物は増えるし、条件が悪いと死滅する。

そして、普通はある状態で安定してしまう。


「世界」をマス目に区切って、それぞれのマス目に生物がいるかいないか、の2値で表現されます。


マス目 (Cell)を使うので、セルラー・オートマトン (Cellular automaton) と呼ばれます。

ここでも、細胞を意味する「セル」という言葉が出てくる。


そして、人の形や手のひらの形から、増殖や死滅を繰り返すライフゲームを始めるということは…


「人の体から、好きな形に増殖を始められる iPS 細胞を取り出すことができる」


という意味を暗喩しているのでしょう。


説明するのが非常に長くなったけど、小さなスペースに2重3重の意味を込めているので、非常に感心したわけです。




他にも、展示の位置が変わっていたり、小さな変更は多数ありました。

様々な場所に、みんなの疑問が電光掲示されていたり、というのもあったけど、今のところうまく使われているようには見えない。


今後、偉い人からの答えとかも集めていくのかな?


#家族で良くいく科学館、理科ハウスには、みんなの疑問にみんなで答えるコーナーがある。

 これは非常に面白いので、疑問掲示自体はうまく使えば面白いことになると思っている。


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