レイ・トムリンソンが3月5日に亡くなっていたそうです。
現在の電子メールの考案者で、「ウィルスとワクチン」を作り出した人でもあります。
どちらにしても、ネットワークを介して、情報やプログラムを送信できることを示しました。
以前、誕生日記事を書いているので詳細はそちらを参照。
ウィルス・ワクチンに関しては、彼の功績を示しにくいのだけどね。
元となるプログラム「クリーパー」を作ったのは同僚で、彼はそれに「いたずら」を加えただけ。
いずれも、作られたのは 1970年ごろ。
元のクリーパーは、コンピューターからコンピューターへと、渡り歩くものでした。
AからBにプログラムをコピーし、Bで稼働を開始したらAのプログラムを消去する。
これは、通信とプログラムの関係性で何ができるか、という実験だったのね。
でも、レイはいたずらして、「Aを消去する」部分を失くします。
これで、改造クリーパーは無限に増殖することになった。
しかし、無限に増殖するプログラムは困ります。
そこで、これを駆除するプログラムも一緒に作った。
こちらは「リーパー」(死神)と呼ばれます。
ここで、現代のウィルス・ワクチンらしくなる。
でも、名前はクリーパーとリーパーです。
ウィルス・ワクチンと名付けたのは、おそらく HARLIE。
1972年に発行されたSF小説です。
この中で「クリーパーとリーパー」の話が、「ウィルスとワクチン」という名前で使われている。
こちらの名前のほうが実態に即していたし、わかりやすい。
でも、当時はまだコンピューターが一般的ではなかった時代。これは「笑い話」として広まります。
本当にパソコンに感染する「ウィルス」が発見されるのは 1982年。10年もあとの話です。
このときには「ウィルス」と呼ばれていますから、HARLIE の影響があったのでしょう。
そんなわけで、レイ・トムリンソンは、ウィルスとワクチンを最初に作った人でもあるのだけど、こちらは言いにくい。
言ったとしても、ウィルスって社会的にいいイメージ無いしね。
でも、「電子メールの人」だけじゃなくても、もっといろんなことしているのです。
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