子供たちが別の部屋に引っ越した…という話ではあるが、これで出てきた荷物は10年前の引っ越しの荷物。
ずっと片付かなかった理由は、「ほぼ不要なものばかり」だから整理する必然性がなかったため。
もう一つ、小さな子供がいるといちいち興味を持たれてしまって、うっとうしいので整理できない、というのもあった。
今回も、古いものを引っ張り出しているといちいち「これ何?」とか聞かれて面倒だたのだけど。
なんでこんなの置いてあったのか、というゴミも多い。
10年の間にロストテクノロジーになってしまったものもあって、久しぶりに見ると面白い。
非常に古いヒューレット・パッカードのプリンタと、ネットワーク対応にするための機械が出てきた。
この機械、普通のプリンタをネットワーク対応にできるんだぜーっっ! って、今の人には理解してもらえない当時のハイテク技術。
プリンタを問わないのだけど、相性が確認されている HP のプリンタと一緒に使っていた。
そもそも、「プリンタがネットワーク対応ではないかった時代」を知らない人もいそうだ。
その昔、プリンタは専用の(USBみたいな汎用ではない)出力専用ポートを使い、パソコンに直接繋げられていた。
ネットワーク対応によって「複数のパソコンから使える」プリンタも存在したけど、すごく高価だった。
もしくは、プリンタのオプション危機で高価なカードを購入すると、ネットワーク対応になった。
そんな時代に、HP は、メーカーを問わずに普通のプリンタをネットワーク対応にしてしまう、魔法の機器を作っていた。
仕組みとしては、Windows NT サーバーに接続されたプリンタが「ネットワーク対応」になるのと同じだった。
機器がサーバーになっていて、Windows / Mac / Unix それぞれのネットワークプリントプロトコルを解釈できる。
僕は当時、 Linux と Win と Mac を同時に使っていたし、妻のパソコンもあったので、プリンタをネットワーク対応にしていたんだ。
#Linux 使っているなら netatalk と samba 入れれば…という話もあるが、当時はまだ「可能だけど不安定で、設定も面倒」だった。
これ、引っ越し前にはすでに不要になっていて、捨てようと思っていたけど、間に合わなくてとりあえず持ってきたものだ。
そのまま荷物のそこに埋もれて保管されていた。
今書いたように、プリンタポートは「出力専用ポート」だ。
にもかかわらず、ここに接続する CD-ROM ドライブ、なんてものも出てきた。
プリンタは 8bit パラレル出力なのだけど、実は紙切れなどの信号を受け取るために、4bit の入力があるのね。
さらに、セントロニクス社の独自規格だったプリンタポートが IEEE1248 で標準化された際、8bit 出力を「入出力」にもできる拡張機能が盛り込まれた。
でも、これはあくまでも拡張機能。普通のプリンタポートでは使えない。
そこで、先に書いた 4bit 入力を使い、4bit 入力 / 8bit 出力で使用できる、というモードも作られた。
これなら、従来のプリンタポートと互換のまま、ドライバの工夫だけで使える。
8bit 入力を使う場合は、4bit 入力の互換モードを使い、機器側から PC 側に、8bit 入力に対応しているかどうかを尋ねる。
そもそもこの「尋ねる」信号に対応してこなければ何も帰ってこないし、対応していれば 8bit 出力を 8bit 入出力に切り替えたうえで、「対応してるよー」と返す。
僕の持っているドライブは、4bit 入力のまま動作する。CD ROM としては等倍速の非常に遅いものだけど、当時の CD-ROM が接続できないノートパソコンに Windows 3.1 をインストールするのに便利だった。
#Windows 3.1 は、DOS をインストールしてあることが前提となっている。
なので、DOS の時点で CD ROM ドライバを組み込み、CD-ROM から Win 3.1 をインストールする。
Win 95 も、インストールディスクは DOS だったので、ちょっと細工すればいけた。
ずっと昔に使っていた Linux サーバーが出てきた。
初めて Linux サーバーにする目的で購入した機械だな。まだ Slackware の時代だった。
これも、プリンタと同じく、捨てそびれて持ってきたまま保管されていたものだ。
近いうちに捨てようと思っている。
古い SCSI ケーブルとか、ADB 延長ケーブルとか、PhoneTalk で使っていた電話線ケーブルなどは、少し残して捨ててもよいだろう。
USB2.0 接続の MPEG2 取り込み機器とか出てきたけど…とりあえず置いとく。
USB1.0 の MPEG1 取り込み機器も持っていたはずだけど、それは多分すでに捨てた。
IDE CD ROM ドライブばかり4台、3.5inch フロッピードライブ1台が出てきた。
…使う日が来るとは思えないけど、今すぐ捨てるほど邪魔でもないので置いておく。
CodeWarrior とか WebBoy とか Laser5 Linux+JE とか出てきた。これは完全なネタだ。置いとく。
…本当に必要なのか? 置いといたらまた10年放置されるんじゃないのか? とも思うけど、とりあえず、ね。
カセットテープの消磁機とか、クリーニングテープとか、カーオーディオのカセットテープデッキに突っ込んでステレオピンジャック入力にする機械とか、カセットテープ関連も結構発掘した。
カセットテープって、「テープヘッド」で磁気を読み取ったり書き込んだりするのだけど、ずっと使っているとこのヘッドが磁化してしまうことがあるのね。
そうすると、音が歪んで正常に再生できなくなる。
消磁機はこれを解消する機械で、ヘッドの磁化を調べたうえで逆方向の磁場をかけ、強制的に磁化を消去する。
カセットテープと同じ形なのだけど、中に基盤が入っていて、デッキに入れて使う。
クリーニングテープは、文字どおりクリーニングに使うもの。
直接的にヘッドを拭きます。クリーニング液(フロン)で水拭きした後、乾拭きする。
カーオーディオの…と書いたのは、これも消磁機のように、カセットテープの形のパッケージに基盤を収めたもの。
テープヘッドに当たる部分には、基盤側にやはりテープヘッドと同じものが入っていて、磁場を変化させられる。
つまり、テープによる磁場変化とご認識させて、カーオーディオに自由な音データを渡すことができる。
パッケージの端から、ステレオピンジャックケーブルが伸びている。
普通のカセットデッキでは、カセットを完全に機械の中に閉じ込めて蓋を閉じてしまうのだけど、カーオーディオでは運転中に入れ替えしやすいように、「押し込む」形が普通だった。
イジェクトすれば外に出てくるけど、押し込んだ時でも閉じ込められるわけではない。
機種によっては、カセットの一部が飛び出したままで、「現在カセットが入っている」と視認できるようにしてあった。
閉まっていない「穴」からステレオピンジャックケーブルを伸ばして、ポータブル CD プレイヤーなどに接続すると…
ラジカセの機能しかないカーオーディオで、CD も聞けてしまうわけだ。
高級品になると、カセット部分の「テープ送り機構」の動きを感知して、早送り・巻き戻しなどの信号をステレオピンジャックから出力できた。
ポータブル CD プレイヤー側がその信号に対応していれば、ポータブル CD プレイヤーの細かなボタンを運転中に触ることなく、操作しやすいインターフェイスで制御できてしまうわけだ。
今時カセットデッキがついたカーオーディオも少ないので、完全にロストテクノロジー。
…と思いきや、いまでも「iPhone対応」などの製品が出ているのね。
もちろん、先に書いた「早送り・巻き戻し」などの信号が、iPhone / iPod 用になっている。
一方で、カセットテープを知らない世代は直接 iPhone を突っ込んでしまうなんて話題もありました。
これ、いつか使う日が…来るとは思えないけど、置いとく。
すっごい汚いファミリーベーシックと、当時のものなのにすごい美品のファミコン本体も出てきた。
ファミベは僕が使っていたもので、変色している。ファミコンは妻のもので、ブーム当時のものだというのが信じられないほどの美品。
妻はゲーム好きなのだけど、親に許してもらえないのでこっそり遊んでいたんだって。
遊ぶ時以外は箱に密閉しておいといたから、今でも美しい。
これはもちろん置いておく。
以前に探していて見つからなかった Oh!X とかベーマガとか、こんなところに入っていたのか、というものも出てきた。
まだ全部の整理は終わってない。妻の未整理品も多いし。
しかし、引っ越し10年目にして、やっと荷物の整理が終わりそう。
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