アクアマリンふくしまの話の続きです。
本館に入ると、いきなり原始地球に生命が誕生する2分程度の映像が展示されています。
多くの人が、良く見ずに通り過ぎるのですが、シアノバクテリアの誕生から三葉虫の時代くらいまで。
そして、ストロマトライト(シアノバクテリアの化石)から展示が始まります。
これが地球最初期の生命の一つ。
初めて光合成を行い、大気中に有毒な「酸素」をまき散らし、他の生命のほとんどを絶滅に追いやりました。
地球史上最初の大規模環境破壊だ、という人もいます。
まぁ、酸素の毒性が強いのは非常に不安定だからで、それはエネルギーが得やすいということでもあります。
シアノバクテリア以降の生命は、この酸素を積極的に利用してエネルギーを得るようになっています。
そして、三葉虫、オパール化したアンモナイト、シーラカンスの化石…と、化石だらけの展示が続きます。
やがて、化石生物の「子孫」が現代にも生きていることを示すように、化石と生物の交互展示となります。
ごく初期の脊椎動物である無顎類(口を持つが、顎が無い生物)として、化石と共にヌタウナギが展示されます。
肺魚のように、しっかりしたヒレと水中でなくても呼吸できる肺をもつものが展示され、ヒレが完全に手足に進化したオオサンショウウオが展示されます。
進化順に、化石と現在の生物が示されつつ、いよいよ陸に上がる準備ができたところで、エレベーターで上の階へ…
このエレベーターは、長い時間を過ぎるタイムトンネル、のイメージのようです。壁にはいろいろな化石が展示され、最後は人間の頭がい骨が並んでいます。
ここから先は、先に書いた「福島の川」から始まる、比較的普通の水族館。
比較的、であって、あまり普通ではないのは先の説明の通りです。
特筆したいのは、パネル展示による学習スペースの中にあった「河童」の説明かな。
ホモサピエンス ヒト科 の、「カワガキ」である、と書かれたパネルがあります。
つまり、河童とは川で元気に遊ぶ子供である、ということ。絶滅危惧種。
ふざけて展示しているわけではなく、昔は当たり前だった川遊びが「危険だから」という理由で消えていくことを憂れいています。
危険極まりない銛を扱うことや、川に罠を仕掛けること、水の怖さを知ること…
危険だからこそ、責任を持たなくてはならない。水は怖いから、自分の身を守らなくてはならない。
そうした経験なく大人になった子供は、自分の身を守れませんし、他人も平気で傷つけます。
絶滅危惧種である「カワガキ」を増やすために、大人は協力しましょう、という呼びかけです。
素晴らしい。全く賛同します。
川に限らないけど、子供はいろいろな経験をすべき。
うちの場合、目の前に安全な川があるので、ドジョウ捕ったりしてますけどね。
さて、本館スペースは、バックヤードを案内するツアーもあります。1回30分程度で無料。
水族館は水をろ過する循環系などが必要なので、見えている面積の倍以上のバックヤードを持っている…というのは聞いたことがあるのですが、実際見せてもらったのは初めて。
水槽のまま魚を運ぶための、3トン載せられるエレベーターがありました。油圧式。
これに感心していると、魚を運ぶための水槽を見せられました。水を入れると重さ6トン。
エレベーターに乗らないじゃん、と思ったら、6トン水槽は屋上からクレーンで釣り上げるんだって。
屋上には、10トンクレーンが設置されていました。
先に書きましたが、展示の最期は福島の海底生物。
大水槽のトンネルの中に入っていくと海底に着く…という趣向になっています。
こういう部分も含め、ただ展示するだけではなくて「ストーリー」になっている。よく出来ています。
(続く)
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