2015年08月10日の日記です


アクアマリンふくしま  2015-08-10 14:42:27  社会科見学 家族

毎年恒例、夏の家族旅行で福島に行ってきました。


昨年秋に、スパリゾートハワイアンズに行ったのね。

その時、すぐ近くに「アクアマリンふくしま」があるというので妻が行きたがった。

でも、日程などの都合でその時はいけなかった。


今回、旅の主目的はアクアマリンふくしま に行くことでした。

家族日記としての旅程より先に、アクアマリンふくしま についての感想を書いておきましょう。




アクアマリンふくしま(長いから、以降アクアマリンと書きます)は、水族館です。

水族館だったらどこにでもあるのに、妻がなんでそれほど見たがるのかわからなかった。


でも、行ってみたら認識の間違いを知りました。

確かに水族館なのだけど、扱っている情報が非常に多い。博物館と呼んでも差し支えありません。


でも、「生命」に関することを展示の中心としていて、その中でも中心となるのは水生生物。

だから、水族館というのは間違いではないけど、普通の水族館とは全然違う。


見終わった後に、長女が「水族館だからイルカがいるかと思ったのに、いなかった」と言ってました。

楽しめなかったわけではない。この後書くけど、ものすごく楽しみました。


でも、予想していたのとは全然違った、ということ。

普通の水族館とは全然違っている、というのを端的に表す言葉でもありました。




アクアマリンの入り口に入り、チケットを買って入り口ゲートを通ると…いきなり屋外に出ます。


この時点で、かなり虚を突かれる。水族館だから屋内だと思っていたのに、いきなり外に出るの?

この日は暑くて、水族館なら涼しいだろう…と期待していたのでなおさら。


まっすぐ先に水族館の建物が見えるのですが、「順路」は右に進むことを示しています。


最初に見せられるのは、「縄文の里」と題された展示。植物園だと思って良いです。


ただ、オープンしたのは訪れた2週間前。縄文時代に普通に存在した雑木林を作る計画のようですが、まだすべて苗木です。

これを見て何かを感じ入るのには想像力がいるようで、多くの人が何も見ずに通り過ぎて行ってしまいます。


雑木林の周りには屋根の付いた回廊があって、そこに展示の意図などが説明された説明文があります。

細かな解説などを読みながら進む構造。


読みながら進むと…意図が理解できました。そして、今は苗木だけど、10年後に木が育った時には素晴らしい展示になるだろう、と想像できます。


ここは、日本に昔からある植物だけで作られた雑木林。その中を川が流れ、奥には大きな滝もあります。

植物園では普通はあり得ないことですが、雑草もわざわざ植えてあり、管理されているようです。


恐らく、帰化植物の種が飛んできて、日本にいなかったはずの植物が生えたら、すべて抜かれるのでしょう。

ただの雑木林ではなく、「縄文の雑木林」というのは、そういうこと。恐ろしく手間のかかる計画です。


回廊の中央部分は、雑木林にある「滝」の裏側になっています。

となると、ここは「回廊」ですが、滝の裏に続く洞窟を進んでいるイメージなのでしょう。


回廊の中には、2か所ほど、丸太から削り出したテーブルセットが置いてあります。

丸太から背もたれを含めて削り出された椅子と、非常に大きな丸太を輪切りにしただけのテーブル。


…おそらく、テーブルは屋久杉ではないのかな。一番大きな屋久杉は「縄文杉」と呼ばれています。



回廊には、写真と説明文のみですが、「縄文動物園」と題して、昔の日本に暮らしていた動物たちの説明もあります。

「ニホンカモシカ」など、日本が付く生き物。「ホンドタヌキ」など、本土のつく生き物。「エゾリス」など、蝦夷のつく生き物…。


そして最後に、「河童宣言」と題された文章があります。


最近、日本カワウソが「おそらく絶滅したと思われる」という見解が発表されました。

この日本カワウソが、水辺にすむ子供のような存在=河童だ、として、河童が復活できる環境を作りたい、という宣言です。



そして、「縄文の里」の最期は、カワウソの展示で終わります。

日本カワウソと近縁の、ユーラシアカワウソ。


水族館らしく、非常に大きな「川」を再現した大水槽…恐ろしい透明度で、遠くに泳ぐ魚まで見えます。

一匹のカワウソのテリトリーは数キロ四方。


この程度の手つかずの自然が、数百キロ四方残せていないとカワウソは生きていけないのだ、という主張です。

「河童の復活できる環境」というのが、今の日本では途方もない夢であることがわかります。


展示の最後に、「最新のカワウソの写真」がありました。1979年に撮影された、生き生きとした連続写真。


絶滅した、という言葉を信じるのであれば、これは最後の写真です。

しかし、我々はあえて「最新の写真」という言葉を使います、という文章が添えられていました。


…泣けてくる。最初から、ガツンとやられた感じです。

まだ水族館の本館に入っていないのに、普通の水族館ではないことが伝わってきます。




さて、本館に至るまでの順路はまだまだ遠い。


つぎは「アクアマリンアグリ」と名付けられたプランター菜園。

いや、多分展示ではないのだけど、ナスとかピーマン、コンニャクなどが植わっている。


その横には緑のトンネルが作られ…「斑入りの葛なんてあるんだ!」と妻が驚いています。

植物好きの妻が驚くような植栽なのです。


さらに、「さばくの生き物」の展示。こちらは主にパネル展示のみ。

クウェートの水族館と友好提携を結んだ記念だそうで、クウェートの暮らしなども説明されています。


そして、やっと水族館の本館に入ります。


続く



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