さて、そろそろ昔話を再開しよう。
1995年の夏、ST-V用のゲーム、「ファイナルアーチ」がリリースされました。
自分では正確な日付は覚えていないのですが、ネットの情報では6月~7月発売ということになっているようです。
なので、そろそろ 20年たったことになる。
一応「ファイナルアーチ」を説明しておくと、世界初のポリゴン3D野球ゲームです。
それほどヒットしたわけではないので、知らない人の方が多いでしょう。
あまり動画が無いようですが…手相は1本も動画が無かったのに、1つアップされていたのに感謝。
でも、動画アップしてくれた人、はじめてプレイしたようで上手ではない。
というか、説明書もないしジョイスティックの調子悪いそうで、ずっとぼやき続けているだけで、失礼ながら見ていても特に面白くない。
一応、「世界初のポリゴンゲーム」ということは、従来のゲームの延長から抜け出せていない、ということでもあります。
ファミスタなんかと同じく、ボールを見るのではなく「ボールの影」を見て位置を把握し、バットを振らなくてはならないのですが、理解していただけていない御様子。
さて、以前書いたように、僕は2月ごろまで「手相占いちょっとみせて」を作ってました。
当時は、AM1研はゲームを作るごとにチーム編成していました。
手相のチームは、役目を終わって解散。
すぐには次の仕事も決まらず、主にテストプレイなどの雑用仕事していたと思います。
次に入ったのは、先日まで「The J League 1994」を作っていたチーム。
今度は ST-V で野球ゲームを作っているけど、人手が足りないので入って、とのことでした。
その前に作った Jリーグは、それほど売れませんでした。
日本でサッカーのプロリーグができて盛り上がっているから、とゲームを作ったものの、新し物好きで、人と一緒に騒ぐのが好きな人が盛り上がっているだけだった。
ゲームセンターに来る、一人で遊ぶ方が好きな人には全くウケません。
店舗からは、暇つぶしに来るサラリーマンのために、サッカーよりも野球の方が受け入れられる、という意見。
じゃぁ、誰か野球作れ、という上層部判断で、サッカーを作ったチームが引き受けることになったのです。
でも、サッカー作ったチームの人たち、それほどスポーツに詳しくない。
というか、チームスポーツが得意なプログラマーって、それほど多いと思えない。
#黙々と山登りが好きな人、とかはそこそこいるのですが。僕も結構そうだし。
サッカーも企画の人が一生懸命ルールとか調べながら作ったのですが、野球もよくわからない。
詳しく知らないのですが、どうも企画の人は野球好きな人に変わったみたい。
と言っても、野球のテレビ中継が好き、という程度で、元野球部だったとかいう話ではない。
後の話になるけど、モーションデータ作っていて、重要な点を見落としていても気づかない程度。
それは上層部から仕事を請け負って来た部長も同じで、「野球もサッカーも似たようなもんだから、メインルーチン流用で作れるだろ?」発言だったようです。
そういわれてメインプログラマーの人も納得してしまったのですが、全然違って1から作り直しだった、と後でぼやいていました。
それはさておき、リクエストは「野球ゲーム」だったのですが、ただ作るのでは面白くない。
時代的に、作るなら ST-V 用でしたし、ポリゴン出るハードなのだから(と、この頃はまだ思われてました)、3Dで作れ、となったのです。
着想としては単純。でも作るとなると大違い。
1研では人型ポリゴンなんて動かしたことありませんでした。
どうやって動かせばいいの? というところから始まります。
ややこしいプログラム作っている時間もないし、アニメーションの頂点データ全部持ってしまって、それらを読み出しながら再生しよう…なんてことも行われたようです。
でも、あっという間に膨大なデータ量になる、と判明して取りやめ。
結局、AM2研で開発途中だった、SGL の非常に初期のバージョンを使わせてもらえることになります。
そして、やっと画面の上でポリゴンの人が投球動作を始めた…というところで、僕が投入されました。
ポリゴンになると、今までのゲームとデータ量が桁違いになってきます。
データ整理だけで一苦労なので、誰か新人頂戴、とリクエストされたようで、そこに僕が手が空いたし、手相占いで「データ整理が速い」と言われていたので投入された、という経緯だったようです。
この話、長くなるので何回かに分けます。
のんびりと書いていく予定。
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