最近親ばか話書いてなかったので、たまには書きます。
というか、アニメ話だな。
僕、それほどアニメ見なかったのだけど、子供が生まれてからは一緒によく見てます。
付き合いで、というのではなくて、結構楽しんでる。
高校の頃はアニメ独特のお約束にどうもなじめず、アニメは「嫌い」だったのに、こんなに自分がアニメを楽しむと思ってなかった。
#やはりお約束の多い、ミュージカルなんかは好きだったりするから、案外そういう素養があるのかもしれない。
で、レディジュエルペットの話なのです。
長女がジュエルペットに興味を持ったのは、第2シリーズ終了間際だった。
丁度CATVで第1シリーズの再放送もやっていたので、主にそちらを見つつ第2シリーズも見てた。
でも、この時点で第2シリーズの内容はよくわからなかったし、東日本震災が起きたこともあって、よくわからないテレビを無理に見るのはやめてしまった。
その後第3シリーズを見つつ、第1シリーズを見終わり、続けて CATV で始まった第2シリーズを見る。
この第2シリーズ…「ジュエルペットてぃんくる」は、、大人になってから見たアニメで、一番好きな作品かもしれない。今でも。
その後子供たちは「プリキュア」も好きになって、こちらも再放送とか探して見た。
「フレッシュ」以外のテレビシリーズは全部見てるのかな。
それぞれ面白くて、このシリーズの人気が高い理由がよくわかる。
僕の趣味としては「スイート」が気に入っていて、見終わった時点で スイートと てぃんくる の比較とか書いてる。
放送時期もかさなっていて、不思議と類似点が多いんだよね。
スイートも てぃんくる も、女児向けにしては不思議なほどにストーリーが重苦しいのよ。
(プリキュアはハートキャッチも重苦しかったり、結構そういうの好きなのかもしれないけど)
テーマも似ていて、最終的には「人間の負の感情と向き合い、共生すること」が重要になっている。
ただ、この後のジュエルペットは、どうもよくわからないのが多かった。
誰に対してお話を作っているのかわからない。大人向けにしても、女児向けにしても中途半端、という感じだった。
正直、うちの子供たちもジュエルペットは飽きてしまって、なかば惰性で見ていた。
キャラクターはまだ好きなのだけど、お話として楽しめなかったのね。
で、今日の表題、レディジュエルペット。
先日終わったばかりのアニメです。
最初は、惰性のまま見はじめて、それほど面白いと思わなかった。
レディになることを目指す…というのは聞こえがいいけど、「花嫁学校」見たいなイメージで、時代錯誤に思えた。
ただ、少女漫画的な恋愛ドラマとしては、だんだん面白くなってきた。
見てて恥ずかしくなるような、べたべたの少女漫画展開だったけど。
それが、途中から、急に変わる。
サスペンス調の推理ドラマになっていって、このころから、ぐいぐいと話に引き込む展開になっていく。
えーと、先に「花嫁学校」と書いたけど、学園ドラマではあるのね。
男女別学だけど、すぐ近くに女子校と男子校があり、交流があると思ってください。
学校の狙いは、立派な「レディ」「プリンス」を育てること。
ところが、主人公たちの同期に、1人「資格を持たないもの」が紛れ込んでいるということがわかる。
どう考えても、主人公だけがいろいろおかしな状況で入学しており、本人も知らないだけで資格を持ってないのではないかと思うのだけど…
この謎が明かされていくに従い、もっと大きな謎が展開し始める。
恋愛ドラマ部分で出来上がった人間関係が変化し始める。
ジュエルペットのうちの1匹が謎のカギとなっているのだけど、彼女自身、別の人間に騙され、操られているだけ。
その操っている人間は誰なのか…
と同時に、「レディ」と「プリンス」をなぜ育てているのか、単に紳士淑女を育てたいわけではない、という学校の意図がわかってくる。
学校のある「魔法の世界」は、魔法があるからこそ不安定な部分があり、時々魔物が現れる。
この魔物から国を守るために、強い意思と覚悟を持ち、それでいて誰からも慕われる存在が必要で、そうした人物を育てるのが学校の目的。
この人物は、どんどん排出されなくてはならない。
なぜなら、国を守るために、選ばれた「トップオブレディ」は、命をも捧げなくてはならない場合があるから。
ここら辺から、悲壮な戦争物語に変わっていく。
謎の強大な魔物の群れ。次々と命を落とす仲間たち。
絶対、女児向けアニメじゃないよねー。
うちの次女(5歳)は、怖がって途中で見るのを嫌がっていました。
だから見てなかったのだけど、4月になって次のジュエルペットはじまっちゃったから、2か月分くらい一気に見た。
主人公は、次々と倒れる「トップオブレディ」達に次いで、代理として戦わなくてはならない状況になるのだけど、戦えない。
怖いのではなくて、敵を倒すことが良いことだ、とは思えない、迷いがあるから。
最終的に、敵とは「和解」する。
敵とは人間の弱い心、邪心が固まってできた存在で、それを見てみぬふりして封印しようとしてきただけだ、と理解したから。
…ここらへん、「てぃんくる」や「スイート」に似ているのだけど、どちらかというとスイートに近い。
しかし、戦いで国はボロボロになり、多くのものが死んでいる。魔物との和解が成立しても、こうしたものは帰らない。
そこで主人公は、最後の手段を使う。
自分の存在と引き換えに願いをかなえる魔法で、死んだものを生き返らせてもらう。
主人公と愛し合い、彼女を支えるプリンスも、同じ魔法で国を元に戻してもらう。
こうして世界は平和になり、元通りになるのだけど、主人公たちは世界から消えてしまう。
…と、ここで終わりかと思ったらまだ2週分もあるのです。
最後まで書くのは野暮だから書かない。気になる人は再放送探して。
ちゃんとハッピーエンドになるのだけど、ここからの2週分、涙ボロボロの展開です。
怖がっていた次女も、最後の方は「続き見たい」と言い続け、涙ぐみながら見てました。
てぃんくる、スイートもそうなのだけど、悪人が誰一人いないんだよね。
敵も含めて、みんなそれぞれの事情があって、そこに悲劇が起きてしまう。
でも、みんなの力でその悲劇を乗り越え、ハッピーエンドに持っていける。
そういう話の展開には弱いので、いい年のおっさんが、女児向けアニメ見て涙流しながら語るわけです。
さて、気になること。
まず、一番気になるのはプリキュアとの内容かぶり。
この春から始まったプリキュア、「プリンセスを目指す」ないようなのだけど、「レディ」と設定的に似ているのが気になる。
先に書いたとおり「てぃんくる」と、その終了近くに始まった「スイート」も似てる。
プリキュアが後追いしているように見える。
これは、妻によれば「ターゲット年齢層の流行などのアンケートに基づけば、似てしまうのも仕方がないのではないか」とのこと。
子供への「将来の夢」調査で、数年前に女の子は「お嫁さん」が上位に入って話題を呼んだそうで、それをアニメにするなら「レディ」なり「プリンセス」なりを目指す内容になるのではないか、と。
うーむ、それはあるかもしれない。
てぃんくる とスイートの時は、内容的にも似ていた。今回は プリンセス が始まったばかりなので、まだわからない。
ジュエルペットの方に話を戻します。
てぃんくる は、暗いストーリーの、最も暗い終盤部分で東日本震災が起き、一気に視聴率を落としました。
あの不安状況下で暗い話を見たい人はあまりいないでしょうね。
今回のレディ、終盤輪をかけて暗いです。
しかも、魔物の表現として、黒い雲のようなものが地を這いながら襲い掛かって来る描写が頻繁にあった。
…津波を連想させます。おそらく、わざとやってるよね。
魔物によって荒廃した国も、津波に襲われた街のように感じる。
もう一つ、先に僕はストーリーに「戦争」と書いたのだけど、実際は魔物は軍隊は成していない。
同時に出現するのは常に1匹だけ。でも倒しても次々現れるし、上に書いたように魔物の元となる邪念は津波のように襲い掛かる。
主人公たちは撤退を繰り返し、最後は仮設のテント内での生活を余儀なくされる。
これがすごく戦争を思わせる。でも、主人公は戦うことを望まず、和解の道を探しつづける。
戦わないせいで仲間に犠牲者が出て、自分を責め続けても戦いを望まない。
これ、震災後の世の中…はっきり言ってしまえば、中国や韓国との衝突や、集団的自衛権のことを言ってないだろうか。
戦ってしまえば楽かもしれないけど、辛くても、犠牲を払っても、和解の道を探すべきだ、という主張ではないだろうか。
てぃんくるは、震災により最後まで見た子が減ってしまったようなのだけど、「別れの悲しみを乗り越え、前向きに生きていく」ことを訴えるラストでした。
恐らく、震災とは関係ない。最初からそういうストーリーだったのだと思う。
震災後だからこそ活きる重要なメッセージともいえるけど、まだ立ち直れない人が多く、早すぎた。
レディは、同じことを、今このタイミングでやろうとしたのではないかな、と思うのです。
その後の世界の変遷も含めて、難しいし辛い内容だけど、平和を守るために強い心が必要だという内容を伝えようとしているように思います。
幼児向けらしくない展開でしたが、幼児期だからこそ、伝えないといけないことなのかもしれません。
てぃんくる以降「誰に向けているかわからない」内容で作ってきたのは、こうしたシリアスで前向きなストーリーを作りたくても、震災から立ち直れないうちはそのメッセージを出すことに迷いがあったのではないかな。
…というのは買いかぶりすぎかもしれない?
でも、てぃんくるが好きだっただけに、同じようなテイストの話がジュエルペットでもう一度見られたのが嬉しいのです。
誰も悪人がいない、最後に笑顔になれるストーリーを、これからも作り上げてほしい。
きっとまた、小さい子供泣いちゃうけど。
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