ゴールデンアックス・ザ・デュエルはいつ発売したのかな…
ST-Vのソフト第1号。1994年、ってことにはなってますけど、詳細時期を覚えていません。
部署内のテストプレイ筐体で遊んだ覚えも、ほとんどない。
ということは、自分の配属プロジェクトである手相が忙しくなったころか。
1994年だとすれば、年末ごろだと思います。
#サターンは年末発売なので、ST-Vも同じころに出荷だったと思います。
当時流行っていた対戦格闘は、セガの苦手分野でした。
セガって、3Dは得意でしたけど、3Dだと絵は少なくて済むんですよ。
ポリゴンゲーム機はもちろん、2Dでも拡大縮小でどうにかしちゃうから。
でも、2D対戦格闘は、滑らかなアニメーションが勝負になっていました。
ものすごく大量に絵を描かないといけないのですが、セガにはそれほど大量の絵を扱える業務基板がありませんでした。
AM2研から発売された、アラビアンファイトやバーニングライバルは「動きが悪かった」とよく言われます。
まぁ、同時期の他社の格闘ゲームに比べて見劣りしたのは事実。
でも、ここらへんハードの制約によるものが大きいです。
2研がアニメを描くのに手抜きしたわけではない。
スペックで言えばシステム32の方が性能が良いのですが、アニメーションに関してはネオジオに負けています。
ネオジオの「100メガショック」は伊達じゃないのです。
ST-Vでは、ネオジオに負けないほどのアニメーションが可能になりました。
じゃぁ、その第1弾として格闘ゲームを、というのは当時の市場から見て自然な流れ。
AM1研のヒットタイトルであったゴールデン・アックスの世界観を使い、対戦格闘を作ったのがこのゲームです。
同期のプログラマーでは一番仲の良かった奴が配属されていました。
仕事は主にデータ整理。対戦格闘って、とにかく絵が多いし、その絵を繋げて表示するためのデータも多い。
あたり判定データも絵ごとに用意しないといけない。データの山なので、整理するだけで一苦労。
プログラマーって、同じことを延々と繰り返すの苦手な人が多いです。
そういう仕事はコンピューターに任せたいからプログラマやっているの。
でも、データ整理はひたすら単調な作業を繰り返さないといけない。
仲の良かった同期、疲れると僕の席に息抜きに来て愚痴っていたように思います。
先に、セガは2Dは苦手だった、と書きました。
特に2研は3Dに特化して研究していたので、グラフィックの人数少なかったのではないかな。
(モデリング出来る人は多かったろうけど)
でも、AM1研はそれなりに2Dのゲーム作ってましたし、ドット絵が上手な人が多く在籍していました。
グラフィックのベテラン社員が、油絵もフィギュア作成も上手で、ゴールデンアックスの世界のイメージを広げるために、デス・アダー(最終ボス)のイメージを油絵で描いたり、フィギュア作ったりしていました。
油絵は、このゲームのハイスコア一覧の背景に使われています。
ゴールデンアックスのシリーズは、この「ザ・デュエル」が最後だったのだけど(その後別の会社で作られているけど)、ずっと後まで油絵やフィギュアはその社員の机に置いてあったのが心に残っています。
#ちなみにこのベテラン社員の方は、たしかテトリス(1988)の猿のドット絵を描いた人でもあります。
自分が描いた中で一番有名なもの、と言っていたように思う。
そういえば、開発初期の頃は、やたらおおきな基板…というか、ボックスを使って開発していたように思います。
ST-V第1弾だから、基板も作成中だったのね。
いわゆる「フルタワーPC筐体」の、一番長い辺を一辺とした立方体。
…というのは、基板を納めていた筐体の話で、実際にはその中に3枚くらい基板が刺さっていたかな。スカスカだった。
機能ごとに分割した基板になっていて、開発状況に応じて差し替えられるようになっているのね。
筐体が大きいのも、余裕を持った設計でスロットがいっぱいついているからで、そのすべてに基板が刺さっているわけではない。
これが、基板の開発が進む間にあれよあれよと小さくなって、最後は発売されていた ST-V の基板よりも少し大きいだけの「開発ボード」になるんです。
家庭用のサターンはもっと小さな基板だったからね。集積回路化すれば小さくなる、って頭ではわかっていても、すげーなぁ、と思ったものです。
名前も、当初は「タイタン」だったのに、紆余曲折あってST-Vに。
ここら辺の話は過去に書いたので割愛。
そういえば、ST-Vのマニュアルなんかでは、このゲームがカートリッジとして刺さっている前提になっている例ばかりでした。
第1弾タイトルだから、マニュアル書く時点で他になかったのでしょうね。
#ST-V英語マニュアルの場合、7,8,18,20ページの画面イメージが GOLDEN AXE DUEL を例としています。
先に書いた通り、このゲームは僕はあまりテストプレイしていないし、同じ部署内で作っていたから知っている、程度の知識しかない。
非常に短いですが、特に書くこともないのでこれで終わりです。
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