さっき書いた通り、Windows のシェアウェア、Raise Data Recovery for XFSを試してみた。
まずは、お金を払わないでお試し。
試すだけなら無料で出来るようになっている。
このソフト、一番重要な機能は、壊れたファイルシステムの修復だ。
工夫されたアルゴリズムで、かなり高確率でファイルを救い出せるらしい。
でも、今回の場合、どうもファイルシステムは壊れていないようだ、という確信を持っている。
Windows マシンに NAS のハードディスクをつなぎ、ソフトを起動。
ディスクドライブが見えるので、データパーテションである6番目の領域を指定して、「Explore」。
ビットエンディアンが逆の CPU である、NAS の arm で作られた XFS でも問題なく読めた。
問題無くファイルが見れた。全く壊れていない。
で、取り出せるか試す。ファイルを選んで、Copy to ボタン。
「お試し版では 512K までのファイルしか取り出せないよ」と怒られるが、別にそれでいいので続行。
作業ログが表示され、取り出せなかったファイルがどんどんリストアップされる。
どうやら、512K といいつつ、768K 未満は取り出せているらしい。
でも、そこはあまり喜ぶところではない。
さぁ、半日格闘してどうしようもなかったデータが目の前にある。
3000円程度、喜んで払おうじゃないか。
Registrationを押す。すると、日本語のページに飛ぶ。
ん? 復旧天使、というソフトの宣伝ページだ。
調べると、「復旧天使」は、Raise Data Recovery の日本語版らしい。
日本の代理店が正式に日本語化し、販売しているようで、販売価格は4000円超。
いや、僕は別に英語で構わないから、と思っても、どこでユーロ建てのお金を払えばよいのかわからない。
ネットで探し、やっと海外の送金ページを見つけ出す。
Avangate という決済会社を通じて支払うようだ。
情報を入力して、カード番号も入れて、支払いを…
あれ、カードが無効だ、と言われる。
何か入力ミスしたかな、と思って何度も試すが、カードが無効だ、と怒られて購入できない。
お金を払おうと思っているのに、一体どうなっているのか。
サーバー不調だったりするのかな、と1時間ほどおいといても改善しなかった。
もしかしたら、僕のカードが VISA の「提携カード」だから、VISA を選んでも認証できなかったのかもしれない。
しかしまぁ、購入できないのは問題がある。
PayPal 払いできたので、わざわざ PayPal のアカウント作った。
PayPal にカードを登録すると、問題なく認証を通った。
そして、PayPal で支払。利用者側にはお金はかからない(販売者側に手数料が課金される)ので、僕としては結局カードで払うのと同じ。
最初の時点でカード使えていれば、ソフト作った会社は PayPal に取られる手数料の分まで手に入れられたのにね。
で、しばしまつ。
…このソフトを使った、という人の話だと、購入して数分でライセンスキーがメールで届く、ということだった。
でも、なかなか届かない。
まず、PayPal から「支払するよ」ってメールが来た。
次に、Avangate から「支払するよ」ってメールが来た。
それからずっとたって、ソフトの開発会社から「支払われたよ」ってメールが来て、ライセンスキーが書かれていた。
10分くらいかかったかな。
これで、問題なくデータがとりだせた。
1か月分のデータだけなので、ほんの少しだけだった。
この作業自体は非常に簡単なのに、ライセンスキー入手に無駄に長い時間がかかったことになる。
ところで、「カード払いシステム復旧しないかなー」と待っていた1時間、ただ待っていただけではない。
その間に、KNOPPIX を試していた。
DVD から直接起動して使える、インストール不要の Linux ディストリビューションだ。
#気に入ったらインストールもできる
Landisk ではなく、Buffalo の LinkStation の壊れた XFS を、これでデータ取り出したという人がいる。
うーん、最近の Linux では XFS のバグが直っている、というようにも聞くし、もしかしたら、バグ有の XFS ディスクでも読み込めるような工夫があるのかもしれない。
#僕が普段使っているディストリビューションは、仕事先との互換性を考えて少し古い。
XFS のドライバがバグ有なのかもしれない、と疑ったわけだ。
ダウンロードして試してみる。
ダウンロードに 10分ほど。DVD 焼くのに 10分ほど。
その間に、子供とおやつ食べてた。
で、結論から言うとこれはダメ。
バグが直っている、というのは、エンディアンの影響が無いように改善されたというだけで、古いバグ有ディスクも読めます、ということではないのだろう。
つまり、バグあり XFS を読むには、Windows の Raise Data Recovery for XFSを使うしかない。
…なに、この UNIX のバグの後始末を、 Windows でやらなくてはならない、という状況。
個人的には、Windows はお金を払えばいろんなことが解決できる場所で、Linux は技術と時間があれば解決できる場所だと思っている。
でも、XFS のバグを修復できる技術は僕にはない。
そして、Linux コミュニティーの誰にも、この問題をどうにかしようという人間はいないのだろう。
でも、問題を認識している人はいて、お金を払ってもらいやすい Windows 用のソフトを作った。
ただそれだけのことなのだけど、なにかもやもやとしたものが残る。
「壊れた XFS の修復」とかなら高度な技術が必要だから、金をとれる Windows で、となるのも仕方ないんだ。
実際、Raise Data Recovery はそういうソフトなんだし。
でも、今回の例で言えば、ファイルシステムは壊れていなくて、ただ古い既知のバグがあるドライバで作成されただけなんだ。
この問題を Linux コミュニティがほったらかしにしている、というのがどうも Linux コミュニティの弱点に思える。
Linux があれば Windows なんていらない、と言っている Linux エバンジェリストとか、Linux ハッカーとかは、もう少しこの問題を考えないといけないと思うよ。
#この件に限らず、Linux ってそういうところばかりなのだけど。
#Linux コミュニティの中でも、現実的に Windows は必要、と考えている人は、別にそれでいいです。
実際、Windows に Raise Data Recovery があるんだから、Linux 上で同じようなソフトを作るという「車輪の再発明」はする必要ないでしょう。
次の目標:
これで、データパーテションが消えても問題なくなったので、工場出荷状態に戻して再起動できるか試したい。
でも、仕事もしなくてはならないので、いつになるかは不明。
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