2014年11月10日の日記です


悪魔とドラキュラの誕生日  2014-11-10 15:42:08  今日は何の日

今日は、2人の方の誕生日。


デーモン閣下(紀元前98036年)。

ドラキュラ公、ヴラド・ツェペシュさん(1431年)。


…すみません。見て判る通り、ネタです。




デーモン閣下の方は、残念ながら良く知りません。

ファンの人、多いよね。


大学時代、友人が「あんなに綺麗な日本語を使い、綺麗に歌うヘビメタは他にいない」と言っていました。

ヘビメタはあまり趣味でないので聞いてませんでしたが、解散後普通に芸能活動をし、普通に歌うのを聞いて、非常に歌の上手い方だと思いました。


最近でもNHKの朝の番組0655で歌ってたりしたけど、50歳越えてあの艶のある声は、なかなかすごいと思います。




ヴラド・ツェペシュ。

15世紀ルーマニアの君主です。


当時はヨーロッパとオスマントルコとの戦いが増えていました。

戦いには資金がいります。民衆を守るための戦いであっても、税を集めなくてはならず、民衆の恨みを買います。


しかし、そこで君主の力を見せなくては、統制が取れなくなります。

ヴラドは、反抗勢力を片っ端から処刑します。


当時の処刑は、斬首か串刺し。

斬首の方が苦しまないために「軽い刑」なのですが、統制を取るために見せしめとして処刑しているため、ヴラドはほとんどを串刺しとしました。


もちろん、戦う相手のトルコ人は、片っ端から串刺しです。

トルコ兵は、ヴラドを「串刺し公」と呼びました。


「串刺し公」のルーマニア発音が「ツェペシュ」。これは、本名ではなくあだ名です。




しかし、これは不名誉なあだ名。ヴラドはこの名前は使っていません。


ヴラドの父は、非常に勇敢な騎士で「竜公」の異名を取りました。

竜は英語でドラゴンですが、ルーマニア語ではドラクル。


そして、末尾の音を「a」に変えると、その子供である、という意味になります。

ブラドは、みずからは「ドラクラ」を名乗りました。


竜の力を持つものの息子、ですね。カッコイイ名前です。




話は急に変わります。

19世紀の初頭、詩人バイロンと友人たちは、スイスに滞在します。


その年は異常気象で、長雨が続きました。

外出できない退屈を紛らわすため、当時の科学の最先端について談話をしたり、怪奇小説を読み聞かせ合って楽しんだりします。


そして、この時に「みんなで怪奇小説を書いて、発表し合おう」というアイディアが出ます



このアイディアは、旅行の間には実現されませんでしたが、2つの小説を生み出します。


バイロンとスイス旅行をしたメンバーの一人、メアリー・シェリーは、「フランケンシュタイン」を書きあげ、匿名で出版します(1818)。


フランケンシュタインは、「科学談義」と「怪奇」をくみあわせた、科学者が死体を材料として、人造人間を作り出してしまう話でした。


科学の延長として恐ろしくも悲しい事件が起きる、というこの小説は、女性作家らしい細やかな心理描写などもあり、ちょっとした話題になります。


#当初匿名でしたが、話題になったため、数年後には実名で版を重ねています。



そこへ翌年、バイロンの名で短編「吸血鬼」(1819)が発表されます。


フランケンシュタインによって、怪奇小説が話題となっているところに、著名人であったバイロンの名で発表されたのです。

これは大流行となりました。そして、次々と新しい「吸血鬼小説」が発表されます。


#当初バイロンの名で発表されただけで、実際の作者はバイロンと共にスイスで過ごした、友人で主治医の医者、ジョン・ポリドリです。



1872年には「女吸血鬼カーミラ」が発表され、ブームが再燃します。

そして、このカーミラに影響を受けて作られた小説が、ブラム・ストーカーの「ドラキュラ」(1897)でした。



ドラキュラの名前と、「ルーマニア出身」という設定以外、ヴラドとは何の関連性もありません。

しかし、「串刺し公」として伝えられた、血を好む貴族のイメージと、紳士的だが恐ろしい吸血鬼のイメージをうまく重ねたのでしょう。



この「ドラキュラ」、僕の非常に好きな小説の一つです。


お話は日記形式で進みます。日記なので、すべては「すでに終わったこと」です。


でも、不思議なことが連続し、主人公は何が起きているのかわからない。

徐々に吸血鬼の存在が明らかになり、主人公の危機がわかってくる。


明日は命がけの脱出を行おう、と主人公が記した最後の日記で、ひとまず第1部終了、というハラハラする流れ。

その脱出がどうなったのか、全くわからないのです。


第2部では日記を書く人が増え、それぞれの視点で一つの事件を見ていくことになるのだけど、第1部から読み続けている読者にだけ、危機が見えている。

でもそれぞれの書き手は一切気づいていないのがもどかしい。


当時最先端だった「録音機」を使って日記を記録している人がいたり、日記と言っても皆が違う文体になっているので、性格の違いまで見えてきます。


やがて、別々だった人々が集まり、お互いの記録を読んで事実に気付き、吸血鬼を追い詰めていくのですが…

すごくカッコイイ。覚悟を持った男たち(+女性1人)の活躍が感動的です。


余りネタバレしようと思わないので、興味ある人は買ってね。

古典的な小説ではあるけど、今読んでも十分面白いから。



日記風にしたことがお話を面白くしている部分が多々あり、映像化の難しい作品でもあります。

ドラキュラ映画は数あるのだけど、原作に比較的忠実なコッポラ作品ですら、原作とは全然違う…




そして、ファミコンディスクで発売されたゲーム「悪魔城ドラキュラ」。

このゲーム、大好きでした。


今回「悪魔」であるデーモン閣下とドラキュラを一緒に紹介しているのも「悪魔城ドラキュラ」でつなげたいという、ネタのための仕込みでした。



そして、ゲームが大好きだったので原作に興味を持って、上の小説も読んだのです。

先に書きましたが、ドラキュラの原点とフランケンシュタインが「同じときに生まれた」と知って、フランケンシュタインまで読みました。

バイロンの「吸血鬼」や「カーミラ」は読んでませんが。


ヴラド・ツェペシュについて興味を持ったのもそのころ。

今日の日記は Wikipedia 見ながら書きましたが、当時は資料少なくて、断片的な情報を集めていました。




話が脇にそれました。ファミコンゲームの話に戻します。


元々ジャンプアクションが好きで、スーパーマリオとかも遊びこんだのだけど、悪魔城ドラキュラはものすごくやり込みました。

多分、生まれて初めて「本気でやり込んだ」ゲームではないかな。


中学生の時で、夏休みの 40日間、少しくらい休んだかもしれないけど「毎日1周」してました。

1周すると難易度が上がって1面に戻るので、そこまで行ったらわざと死んでセーブ。


1周18ステージ。たしか3周で難易度最高になっているし、ステージ数も 99 以上カウントされない(6週までしかわからない)のだけど、とにかく遊んでた。


慣れちゃってるので、もちろんミスなんてしません。

これは「敵に当たらない」という意味ではなくて、わざと敵にぶつかって、跳ね飛ばされることで近道を通ったりもする。


とにかく無駄のない動きを目指したプレースタイル。



そこまでやり込んでしまうと、続編遊んでも「何か違う」なのですね。

ドラキュラ2は、単純なアクションではなく「謎解きありのアドベンチャー風」になってしまってつまらなかった。

ドラキュラ3は、友達が購入したので少し遊ばせてもらったけど、キャラクターを変えられるシステムが「ゲームの流れを中断させてしまう」のが嫌で、好きになれなかった。


#とにかく無駄のない動きを目指していましたから、途中でキャラクターチェンジのため一時停止、とか嫌だったのですね。


X68k でドラキュラが「リメイク」されたのは、購入して遊びました。素晴らしい出来でした。

リメイクだから、初代と大体おなじなのね。同じ雰囲気で遊べる。


それでいて、ハードウェアの進化によって、昔にはできなかったような演出が入っている。

これも好きで、6周目をクリアして何週もやった覚えがあります。


#難易度は徐々に上がり、6周目で最高になる。

 ただし、「怖さ」の演出は5周目がマックス。

 6周目は、遊びこんだ人へのサービス精神旺盛なギャグが多数仕込んである。


これは後にプレイステーションにも移植されましたが、移植版はちょっと残念な出来でした。


#この移植「悪魔城年代記」としてシリーズ化する、とのことでしたが、この一作で終わったように思います。

 残念移植で批判が多かったので、続けられなくなったようです。


その後、ゲームボーイアドバンスが発売された際に、同時発売タイトルで遊びたいものが「ドラキュラ」しかなく、購入。

PCエンジン版の流れを汲むもの、とのことでしたが、迷路を探索するようなゲームだった。

せっかく買ったのでやり込んだし、これはこれで面白いゲームだったのだけど、自分の好きなドラキュラとは違いました。



自分の好きな作品とは違うから駄目だ、というのではないよ。

ただ、僕は今でも初代と、その初代を上手にアレンジした X68k 版が好き、というだけの話。




というわけで、ゲームが好きで好きで、原作小説に手を出したばかりか、その小説がモチーフとした人物まで調べてしまうような馬鹿がここにいますよ、と。


ゲームの話は日記に余り書きませんが、基本的にやり込みゲーマーです。

気に入った小数のゲームを、とことんやり込みます。


#だから、ゲーム好きならこれ知ってる? と話をふられても、知らないゲームが多い。




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