今日は、2人の方の誕生日。
デーモン閣下(紀元前98036年)。
ドラキュラ公、ヴラド・ツェペシュさん(1431年)。
…すみません。見て判る通り、ネタです。
デーモン閣下の方は、残念ながら良く知りません。
ファンの人、多いよね。
大学時代、友人が「あんなに綺麗な日本語を使い、綺麗に歌うヘビメタは他にいない」と言っていました。
ヘビメタはあまり趣味でないので聞いてませんでしたが、解散後普通に芸能活動をし、普通に歌うのを聞いて、非常に歌の上手い方だと思いました。
最近でもNHKの朝の番組0655で歌ってたりしたけど、50歳越えてあの艶のある声は、なかなかすごいと思います。
ヴラド・ツェペシュ。
15世紀ルーマニアの君主です。
当時はヨーロッパとオスマントルコとの戦いが増えていました。
戦いには資金がいります。民衆を守るための戦いであっても、税を集めなくてはならず、民衆の恨みを買います。
しかし、そこで君主の力を見せなくては、統制が取れなくなります。
ヴラドは、反抗勢力を片っ端から処刑します。
当時の処刑は、斬首か串刺し。
斬首の方が苦しまないために「軽い刑」なのですが、統制を取るために見せしめとして処刑しているため、ヴラドはほとんどを串刺しとしました。
もちろん、戦う相手のトルコ人は、片っ端から串刺しです。
トルコ兵は、ヴラドを「串刺し公」と呼びました。
「串刺し公」のルーマニア発音が「ツェペシュ」。これは、本名ではなくあだ名です。
しかし、これは不名誉なあだ名。ヴラドはこの名前は使っていません。
ヴラドの父は、非常に勇敢な騎士で「竜公」の異名を取りました。
竜は英語でドラゴンですが、ルーマニア語ではドラクル。
そして、末尾の音を「a」に変えると、その子供である、という意味になります。
ブラドは、みずからは「ドラクラ」を名乗りました。
竜の力を持つものの息子、ですね。カッコイイ名前です。
話は急に変わります。
19世紀の初頭、詩人バイロンと友人たちは、スイスに滞在します。
その年は異常気象で、長雨が続きました。
外出できない退屈を紛らわすため、当時の科学の最先端について談話をしたり、怪奇小説を読み聞かせ合って楽しんだりします。
そして、この時に「みんなで怪奇小説を書いて、発表し合おう」というアイディアが出ます。
このアイディアは、旅行の間には実現されませんでしたが、2つの小説を生み出します。
バイロンとスイス旅行をしたメンバーの一人、メアリー・シェリーは、「フランケンシュタイン」を書きあげ、匿名で出版します(1818)。
フランケンシュタインは、「科学談義」と「怪奇」をくみあわせた、科学者が死体を材料として、人造人間を作り出してしまう話でした。
科学の延長として恐ろしくも悲しい事件が起きる、というこの小説は、女性作家らしい細やかな心理描写などもあり、ちょっとした話題になります。
#当初匿名でしたが、話題になったため、数年後には実名で版を重ねています。
そこへ翌年、バイロンの名で短編「吸血鬼」(1819)が発表されます。
フランケンシュタインによって、怪奇小説が話題となっているところに、著名人であったバイロンの名で発表されたのです。
これは大流行となりました。そして、次々と新しい「吸血鬼小説」が発表されます。
#当初バイロンの名で発表されただけで、実際の作者はバイロンと共にスイスで過ごした、友人で主治医の医者、ジョン・ポリドリです。
1872年には「女吸血鬼カーミラ」が発表され、ブームが再燃します。
そして、このカーミラに影響を受けて作られた小説が、ブラム・ストーカーの「ドラキュラ」(1897)でした。
ドラキュラの名前と、「ルーマニア出身」という設定以外、ヴラドとは何の関連性もありません。
しかし、「串刺し公」として伝えられた、血を好む貴族のイメージと、紳士的だが恐ろしい吸血鬼のイメージをうまく重ねたのでしょう。
この「ドラキュラ」、僕の非常に好きな小説の一つです。
お話は日記形式で進みます。日記なので、すべては「すでに終わったこと」です。
でも、不思議なことが連続し、主人公は何が起きているのかわからない。
徐々に吸血鬼の存在が明らかになり、主人公の危機がわかってくる。
明日は命がけの脱出を行おう、と主人公が記した最後の日記で、ひとまず第1部終了、というハラハラする流れ。
その脱出がどうなったのか、全くわからないのです。
第2部では日記を書く人が増え、それぞれの視点で一つの事件を見ていくことになるのだけど、第1部から読み続けている読者にだけ、危機が見えている。
でもそれぞれの書き手は一切気づいていないのがもどかしい。
当時最先端だった「録音機」を使って日記を記録している人がいたり、日記と言っても皆が違う文体になっているので、性格の違いまで見えてきます。
やがて、別々だった人々が集まり、お互いの記録を読んで事実に気付き、吸血鬼を追い詰めていくのですが…
すごくカッコイイ。覚悟を持った男たち(+女性1人)の活躍が感動的です。
余りネタバレしようと思わないので、興味ある人は買ってね。
古典的な小説ではあるけど、今読んでも十分面白いから。
日記風にしたことがお話を面白くしている部分が多々あり、映像化の難しい作品でもあります。
ドラキュラ映画は数あるのだけど、原作に比較的忠実なコッポラ作品ですら、原作とは全然違う…
そして、ファミコンディスクで発売されたゲーム「悪魔城ドラキュラ」。
このゲーム、大好きでした。
今回「悪魔」であるデーモン閣下とドラキュラを一緒に紹介しているのも「悪魔城ドラキュラ」でつなげたいという、ネタのための仕込みでした。
そして、ゲームが大好きだったので原作に興味を持って、上の小説も読んだのです。
先に書きましたが、ドラキュラの原点とフランケンシュタインが「同じときに生まれた」と知って、フランケンシュタインまで読みました。
バイロンの「吸血鬼」や「カーミラ」は読んでませんが。
ヴラド・ツェペシュについて興味を持ったのもそのころ。
今日の日記は Wikipedia 見ながら書きましたが、当時は資料少なくて、断片的な情報を集めていました。
話が脇にそれました。ファミコンゲームの話に戻します。
元々ジャンプアクションが好きで、スーパーマリオとかも遊びこんだのだけど、悪魔城ドラキュラはものすごくやり込みました。
多分、生まれて初めて「本気でやり込んだ」ゲームではないかな。
中学生の時で、夏休みの 40日間、少しくらい休んだかもしれないけど「毎日1周」してました。
1周すると難易度が上がって1面に戻るので、そこまで行ったらわざと死んでセーブ。
1周18ステージ。たしか3周で難易度最高になっているし、ステージ数も 99 以上カウントされない(6週までしかわからない)のだけど、とにかく遊んでた。
慣れちゃってるので、もちろんミスなんてしません。
これは「敵に当たらない」という意味ではなくて、わざと敵にぶつかって、跳ね飛ばされることで近道を通ったりもする。
とにかく無駄のない動きを目指したプレースタイル。
そこまでやり込んでしまうと、続編遊んでも「何か違う」なのですね。
ドラキュラ2は、単純なアクションではなく「謎解きありのアドベンチャー風」になってしまってつまらなかった。
ドラキュラ3は、友達が購入したので少し遊ばせてもらったけど、キャラクターを変えられるシステムが「ゲームの流れを中断させてしまう」のが嫌で、好きになれなかった。
#とにかく無駄のない動きを目指していましたから、途中でキャラクターチェンジのため一時停止、とか嫌だったのですね。
X68k でドラキュラが「リメイク」されたのは、購入して遊びました。素晴らしい出来でした。
リメイクだから、初代と大体おなじなのね。同じ雰囲気で遊べる。
それでいて、ハードウェアの進化によって、昔にはできなかったような演出が入っている。
これも好きで、6周目をクリアして何週もやった覚えがあります。
#難易度は徐々に上がり、6周目で最高になる。
ただし、「怖さ」の演出は5周目がマックス。
6周目は、遊びこんだ人へのサービス精神旺盛なギャグが多数仕込んである。
これは後にプレイステーションにも移植されましたが、移植版はちょっと残念な出来でした。
#この移植「悪魔城年代記」としてシリーズ化する、とのことでしたが、この一作で終わったように思います。
残念移植で批判が多かったので、続けられなくなったようです。
その後、ゲームボーイアドバンスが発売された際に、同時発売タイトルで遊びたいものが「ドラキュラ」しかなく、購入。
PCエンジン版の流れを汲むもの、とのことでしたが、迷路を探索するようなゲームだった。
せっかく買ったのでやり込んだし、これはこれで面白いゲームだったのだけど、自分の好きなドラキュラとは違いました。
自分の好きな作品とは違うから駄目だ、というのではないよ。
ただ、僕は今でも初代と、その初代を上手にアレンジした X68k 版が好き、というだけの話。
というわけで、ゲームが好きで好きで、原作小説に手を出したばかりか、その小説がモチーフとした人物まで調べてしまうような馬鹿がここにいますよ、と。
ゲームの話は日記に余り書きませんが、基本的にやり込みゲーマーです。
気に入った小数のゲームを、とことんやり込みます。
#だから、ゲーム好きならこれ知ってる? と話をふられても、知らないゲームが多い。
同じテーマの日記(最近の一覧)
関連ページ
ジョージ・イーストマン 誕生日(1854)【日記 17/07/12】
エイダ・ラブレイス伯爵夫人の誕生日(1815)【日記 14/12/10】
スーパーカミオカンデの完成した日(1995)【日記 14/11/11】
別年同日の日記
申し訳ありませんが、現在意見投稿をできない状態にしています。 |