目次
02日 レイ・トムリンソンの誕生日(1941)
07日 バーコード特許成立の日(1952)
08日 鎌倉オクトーバーフェスト 2014
09日 日本がメートル条約に加入した日(1885)
13日 スパリゾート・ハワイアンズに行きたい人へのまとめ(1/2)
13日 スパリゾート・ハワイアンズに行きたい人へのまとめ(2/2)
13日 家族日記:スパリゾート・ハワイアンズ(1/2)
13日 家族日記:スパリゾート・ハワイアンズ(2/2)
14日 google DNS
15日 「計算機言語」が生まれた日(1956)
15日 変数名の話
31日 男と女とLGBT
今日はレイ・トムリンソンの誕生日(1941)。
現代的な意味での「電子メール」を発明した人です。
現代的な意味で、っていうのは、電子メールの歴史は案外古いから。
文字が使えるようになって、タイムシェアリングで1台のマシンを複数人数で使うようになったら、もう「ほかの人に文字メッセージを送る」機能は作られ始めています。
でも、当時の電子メールなんて、「テキストファイルを、個人向けのディレクトリに保存しておく」程度の簡単なもの。
1971年10月、レイ・トムリンソンは、ネットワークの別のマシンにメールが届く仕組みを完成させます。
同じマシンを使っている人宛てであれば、個人を識別できる ID …いわゆるアカウントだけがあれば大丈夫でした。
でも、別のマシンに宛てるのであれば、マシン名も必要になります。
そこで、レイは「アカウントの後ろに @ を付け、さらにマシン名を付ける」という記述方法を編み出します。
今のメールアドレスの始まりでした。
上記エピソードでは、最初のメッセージが「QWERTYUIOPだった」とされることがあるのですが、これはレイ氏が語ったことが曲解されたもので、彼はこの発言を悔いています。
「適当に文字を打ち込んだだけで、何を送ったかは覚えていない」…これが、後に語った正確なところ。
とあるインタビューで、キーボードの上の文字を適当に押した QWERTYUIOP のようなでたらめなものだった、といった言葉が独り歩きしているそうです。
しかし、内容は本当に覚えてなくて「でたらめだったかどうかすら不明」です。
後には TEST 1-2-3 みたいな(多少は意味のある)文字だったかもしれない、とも答えていますが、いずれにせよ覚えていないとのこと。
「30年も前の特定の日の朝ごはんが何だったか思い出せ、と言われて思い出せるかい?」と言うのも彼の弁。
なるほど、テストメッセージなんて特に重要なものではないし、本当に覚えていないということなのでしょう。
彼は BBN という会社に勤めており、会社では ARPANET のための研究をしていました。
そこで、ネットワーク上でデータ通信を行う仕組みを研究していて、メールはそのうちの一つでした。
でも、彼はこれは大した仕事ではないので、あまり人に言わないでくれ…と言っていたそうです。
この時作られたコマンドの名前は、SNDMSG 。言うまでもなく Send Message の意味ね。
…どういう動作を行うコマンドだったのかは、調べてみてもよくわかりません。
ただ、SNDMSG よりも前、1970年ごろには、すでに「マシン間でファイルを交換する仕組み」が作られています。
これは後に洗練され、FTP と名付けられます。
1973年ごろに提案される メールプロトコル には、「現在は FTP で配送を行っているが」という記述があります。
つまり、SNDMSG は、FTP を応用してメール配送を行ってたようです。
…つまりこういうこと。
SNDMSG にテキストと配送先を与えると、配送先を「相手マシン」と「そのマシンでのアカウント」に分解して認識し、相手マシンに FTP で接続、相手のアカウントを明示したファイルとして、メール内容を置くのです。
なるほど「たいした仕組みではない」と言うのも、事実なのでしょう。
ただ、「なんでも送れる」FTP を適切に機能を絞り込み、メッセージの交換機能として使いやすくまとめたのは、明らかに彼の功績です。
この後も、RFC 調べてみたら進歩の過程がわかって面白いのですが、説明しても長いだけなので割愛。
番号だけ書いとくと、369,453,456,524,651,680,724,733 そして、821 あたりを読むと参考になるでしょう。
453,456 なんて今の RFC から考えると、「なぜこれを RFC で発行する」という内容。
651 ではレイ自身が再びメールの重要な進歩に関わっています。
そして、821 は言わずと知れた「SMTP」の最初の仕様ですね。現在のメールの完成です。
実は、レイはメールと同時期に、もう一つ重要なプログラムを世に送り出しています。
レイの同僚が作ったプログラムを、どうも「ちょっとイタズラ」した亜流バージョンなのですが、このイタズラが非常に大きな意味を持ちます。
(メールも「たいした仕組みではない」けど重要な仕組みですし、彼は既存プログラムに、重要な意味を持つ改変を加えるのが上手だったようです)
1970年、同僚のボブ・トーマスは、「データ転送する」プログラムを実験していて、実行可能なファイルを送り込み、それを実行させることに成功しました。
クリーパー(這い回るもの)という名前のプログラムで、ネットワークで接続された別のマシンに自分自身を送り込み、相手側で実行を開始すると、最後に自分自身を消去しました。
実行されると、画面に「I'm the Creeper. Catch me if you can!」(僕はクリーパー。捕まえてごらん!)というメッセージを表示します。
まぁ、この段階ではただの技術実験。
レイは、このプログラムにイタズラをして、最後の「自分自身を消去」の部分を無くしました。
これにより、クリーパーは増殖を開始します。世界初の「ワーム」(ネットワーク経由で感染する、ウィルスの一種)プログラムです。
クリーパーは、見事に「捕まえて」、消去してしまえば実行を停止できました。
しかし、増殖してしまっては消去しても、消去しても、消しきることはできません。
クリーパーにメモリも CPU 時間も食いつぶされ、コンピューターは使えなくなるでしょう。
しかも、そのコンピューターを再起動してもダメなのです。他のコンピューターから入ってきますから!
このままでは困るので、レイはさらにクリーパーを改造し、マシンを渡り歩きながら、クリーパーを見つけ出したら削除するプログラムを作り出しました。
これは、リーパー(死神)と名付けられます。
…この話、翌年に書かれた SF小説「HARLEI」の中で、「ウィルスとワクチン」と名前を変えて、そのまんま引用されています。
当時は、まだ ARPANET も実験開始直後。そのため、多くの人が良くできた作り話だと思ったようですけど。
このため、HARLIE は「ウィルスを予言した SF小説」だとされています。
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今日はバーコードの特許登録が成立した日(1952)。
…って、去年も書きました。
でも、去年の最後に「バーコードの仕組みとかいつか書きたい」って書いたままでしたね。
せっかくなので、去年に続いてバーコードの話を書きましょう。
#去年の話はバーコードの歴史でした。興味ある方は合わせてお読みください。
バーコード、非常に巧妙に作られているんですよ。
まず、桁数について。昨年の話に書きましたが、1970年に11桁で作られた、米国の小売店用のコードが発端です。
しかし、利用が広がり、カナダも同じコードを使うことにして、1973年に1ケタ増やした12桁となります。
さらに1977年、ヨーロッパを中心に世界中で使えるコードとして作り直され、さらに1桁を追加して13桁となっています。
現在日本で使用されているのも、13桁のものです。
13桁の内訳は、先頭2桁が国別コードです。日本では非常に良く使用されるため国内で使用できるコードが足りなくなり、49と45の2つが発行されています。
続いて、国内でメーカーごとに割り当てられるコードが5桁。
メーカーの中で、商品を識別するためのコードが5桁。ここまでで12桁です。
#国別コードが3桁の国もあります。
また、国コードの後ろは、国ごとの取り決めによります。
国内では、メーカー5桁+商品5桁が一般的ですが、商品の少ない中小企業などにはメーカー7桁+商品3桁が割り当てられます。
そして、12桁を適切に計算して導き出される1桁。読み取り時、計算が合わない場合は「読み取りミス」となります。
これで13桁。
…と、ここまでは結構知っている人が多い内容。
でもこれは、「数字で商品を表す」という仕組みであって、バーコードの仕組みではない。
バーコードがしくみとして巧妙なのはここからです。
バーコードは、モールス信号のような「信号のありなし」で数値を表しています。
ちなみに、モールス信号では、信号が4つあります。
短い音、長い音の2つは良く知られていますが、「短い無音」と「長い無音」も同じように重要なのです。
バーコードでは、黒い部分と白い部分の太さが変わります。
この「太さ」には、1~4の4段階があり、白と黒を2つづつ組み合わせると数字1桁が作られます。
また、数字一桁は、必ず「太さ7」になるようになっています。
つまり、もし太さ4の黒い線が現れたら、あとは全て太さ1で空白、線、空白。合計太さ7です。
ちなみに、線と空白は2つづつなので、隣同士の線や空白がくっついて、太さがわからなくなることはありません。
このように「太さ」を手掛かりにして読み取る方式であるにも関わらず、バーコードのサイズは伸縮自在です。
サイズを変更しても読み取れなくてはならないことになっています。(拡大縮小範囲の基準はありますが)
これは、最初と最後、それに中間位置に、常に共通のサイズの信号が描かれているため。
これを手掛かりにすることで、他の部分の線のサイズを認識するのです。
もう1つ、バーコードの重要な秘密があります。
バーコードは、左からと右から、どちらからでも読めるように、規格が左右対称に作られているのです。
左右の両端にある「共通信号」は、細い線を、細い空白で挟んだもの。太さ3になります。
左側の数字は、1桁の左端が空白から始まり、右端が線で終わります。このため、左端の共通信号とくっついてしまうことはありません。
右側は逆に、1桁の右端が空白から始まります。
そのままでは、中央で「黒い線」同士がくっついてしまう…のですが、そうならないように中央の信号があるのです。
ここは、両端と同じ「細い線2本」を、さらに空白で囲んだ、太さ5の信号となっています。
そして、空白で囲んであるので、黒い線とはくっつかないのです。
でも、左右対称だと、逆に読んだ時に違う意味になってしまいそう。
しかし、実際にはそんなことはありません。180度回して読み込んでも、必ず正しい数字を認識できるのです。
どうなっているのでしょう?
実は、バーコードの中央から右側の半分は、必ず「1桁ごとに見ると、黒い部分の幅の合計が、偶数になる」ように作られています。
その決まりを守ったうえで、10種類の数字に線と空白の組み合わせを決めてあるのです。
そして、左側半分は、基本的には「右半分の色を逆転したもの」で数値を示します。
左側の 0 の記号を白黒反転すると、右側の 0になります。他の数字も同様。
この時、1桁の幅は7ですから、白黒を反転すると、黒い部分の幅の合計は必ず奇数になります。
左半分では黒い部分の幅の合計が偶数。右半分では奇数。
これによって、左側と右側を見分けているのです。
非常に巧妙です。
ところで、「中央に記号がある」と書きました。
バーコードは、13桁の数字を示しています。中央で分けられないのでは…?
実は、上に書いた仕組みは、現在のバーコードの元となる、アメリカとカナダで使用した 12桁時代の物なのです。
現在の13桁用は、もう一工夫してあります。
右側と左側では、同じ数字を表す記号の白黒が反転している、と書きました。
現代では、左側にのみ、「白黒反転」するのではなく「左右反転」したものが混ざることになっています。
白黒反転すると黒い部分の幅の合計が奇数になりましたが、左右反転では偶数です。
このため、記号としては全く別のものになり、間違えることはありません。
先に書いたように、右側用は必ず右端が白で、左側用は左端が白です。
反転するのでこの決まりにもあいます。もちろん、右側用と違う記号になり、間違えることはありません。
たとえば、 0 という同じ数字であっても、左半分では2種類の記号、右半分ではそれとは違うもう一種類の記号があるのです。
あれ、でも単に左右を反転しただけじゃぁ、「180度逆に読んだ時」はどうなってしまうの?
これも大丈夫。左側に時々「右半分の左右反転が入る」とはいっても、6桁の半分の3つだけ、と決められています。
(または、「全く入らない」こともあります)
このため、上下逆にバーコードを読み込ませても、これも正しく方向を識別できます。
非常に巧妙に出来ています。
そして、「半分の3つ」偶数の記号が入った時、これがどこに入るかの組み合わせが、全部で9種類あるようになっています。
これにより、1~9の数字を示すことができるのです。
(ちなみに、「全く入らない」ときは0になります)
これが先頭の数字。
バーコード自体は基本的に 12桁時代のままのサイズなのですが、内部の記号の持ち方を工夫することで、1桁多く記録しているのです。
改めてまとめると、
1) 右側は、1つの数字が1つの記号(白と黒2つづつの組み合わせ)に対応している。
2) 左側は、1つの数字が2つの記号に対応している。
3) 左側の数字が、桁ごとにどちらの方法で書かれたか、の組みあわせで、さらに数字を1つ作り出す。
3 で作られた数字は、13桁の先頭に位置するものとされています。
そして、ここを 0 と見做すと、12桁の頃のアメリカ・カナダのバーコードと互換性を保ったままになります。
先頭が 0 の場合、この後に書く「チェック」の計算にも影響を与えません。
(チェックは基本的に足し算で行われるため)
#国際的な 13桁バーコードは、アメリカでの12桁バーコードの成功を見て拡張されたものです。
すでに普及しているアメリカの体系とは互換性を保ったまま、アメリカのバーコード「以外」の数値領域を確保する必要がありました。
このために、非常に巧妙に拡張が行われているのです。
さて、数字を読み取る部分までは以上ですが、読み取った数字を最後に「チェック」しなくてはなりません。
最後の数字を除く12桁を決められた方法で計算し、その結果が最後の桁と一致しなくてはなりません。
チェックの方法としては、奇数桁と偶数桁を別々に足し合わせます。
そして、偶数桁だけを3倍し奇数桁と足します。
その1の位だけを取り出し、10から引きます。
10 - (((奇数桁合計)+(偶数桁合計)*3) mod 10)
これが、最後の1桁の数字と一致すれば読み取り成功、失敗すればエラーです。
もう一度書くと、次のようにしてバーコードを読み取ります。
1) 端から順に、白と黒を判別。両端と中央には決まった太さの線があるので、その太さを基準として認識。
2) 白と黒の2つづつを組にして分離。これが1桁。中央で分けて、6桁づつ存在。
1桁は太さ7になるので、1 で認識した基準とも照らし合わせ、線の太さを認識。
3) 片側の1桁ごとに、黒い部分の合計の幅を認識。すべて偶数なら右側。半分、または全部奇数なら左側。
4) 左右が逆なら、逆の状態で読み取られている。読み取った白黒の情報を逆にする。
5) 左側の数値を認識。この際、黒い部分の合計幅の奇偶の組み合わせで、表記されていない頭の1桁を導き出す。
6) 右側の数値も認識。これで合計 13桁が揃う。
7) 先頭の12桁を計算し、最後の1桁と一致するかチェック。
7 まで全部成功すれば読み取り完了です。
途中で想定外の事態が起きた場合、読み取りがうまくいっていないので、そのまま 1 に戻って読み取りを続行します。
お店の人が「なかなか読み取れない」と商品を一生懸命スキャナに向けているときは、途中のどこかでエラーが出続けているわけです。
実際の記号と数字の対応などは省いて、ざっくり説明しました。
もっと詳細を知りたい人に別のサイトを紹介しようと思ったのですが、いいサイトが見当たらない。
ここが比較的詳しいかな。
さて、急に話は変わってデザインバーコード。
デザインバーコード社が考案し、特許を取ったうえで活動しています。
最初は「こんなこと考えた」という内容の本を出したのですが、妻が面白がって購入し、この本家にあります。
#発売時はタイトルの通り「革命的」な新しさがあったのだけど、今読んでもそれほど感動は無いかも。
基本的にはバーコードで遊んでみたデザイン集。読み物ではなく、10分で読み終わります。
まぁ、古本は安いので気軽に読んでみるのも楽しいかも。
上に書いたように、バーコードは巧妙な仕組みですが、結局は「白黒の線」さえ読めればそれでいい。
でも、商品のパッケージデザインする人にとっては、頭の痛い問題だった時期があります。
バーコード以前にデザインしたパッケージの一角を急に「白抜き」にしてバーコード印刷されたりして、全体デザインが台無しになってしまうことも多かった。
#当時、缶詰のパッケージなどをしていたデザイナーの方が、デザイン直しなら格安でやるからひと声かけてほしい…と嘆いていました。
そこに提唱されたのがデザインバーコード。
バーコードは結局のところ1次元の線の上で白黒の縞模様が付いていればいいのです。
じゃぁ、必要な部分はしっかり確保したうえで、その周辺に絵を描いて遊んじゃおう、という内容。
今では実際の商品でも結構使われています。じゃがりこのパッケージとか有名。
基本的にはパッケージ全体に「笑い」の要素を求めるものなので、お菓子とかジュースの使用例が多いみたい。
我が家の扇風機は、バーコードが波になってサーフィンしてました。
#しかし、この扇風機海外製の安物なので、特許無視で勝手にデザイン真似してるのかもしれません。
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申し訳ありませんが、現在意見投稿をできない状態にしています。 |
先週の土曜日(4日)、鎌倉オクトーバーフェスト 2014 に行ってきました。
このイベント、数年前からやっています。
でも、子連れで酒飲みに行くわけにはいかんだろ、と今まで行ってませんでした。
前日に急に妻が「これ面白そう」と見つけてきて、一番下の子ももう5歳なので、おいしいご馳走食べれれば喜んでいくだろう、と行ってみることにした次第。
ちなみに、鎌倉ってドイツ文化が色濃く入ってきています。
ハム・ソーセージを日本で最初に作った会社は鎌倉に作られましたし、地ビール会社も多いです。
パン屋さんなんかも、ドイツ風のパンを売る店は多い気がします。
だから、オクトーバーフェストは、非常に鎌倉らしい祭りな気がする。
酒飲みたいので、車で行くという選択肢は無し。
電車で行くかな…と思っていたら、最近自転車乗るのが楽しい長女(7歳)が「自転車で行きたい」と言い出します。
長女はまだ自転車で行くには遠い距離じゃないかな…と思いつつ、ゆっくりいけばいいかな、と早めに家を出ることにします。
危険なところはゆっくり慎重に進み、疲れたら休めば何とかなるでしょう。
#次女は僕の自転車の後ろ。
そしたら、案外長女は大丈夫でした。
開始時刻の昼12時の30分前についてしまいます。
さてどうしよう…。
銭洗辨財天への方向表示が見えたので、なんとなくそちらに進んでみます。
他の神社から離れているから、めったに行かないんだよね。
お金を水で洗う、という奇妙な体験を子供たちも喜んだ後で、「お腹空いた」というのでいよいよオクトーバーフェストへ。
市役所の駐車場でやっています。これも非常にローカル感。
12時半。始まったばかりで、みんな食べ始めたところだから、席の確保に手間取りました。
でも、おいしそうな屋台がいっぱい出ていて、子供大喜び。
肉好きの長男は、とにかく肉を食いたがります。
実際、鎌倉ハムとかすごく安く屋台出してるんだよね。
(鎌倉近辺の祭りでは、鎌倉ハムさんの屋台はすごくお買い得なのだ)
東北の支援を目的とした屋台もあります。
そうしたお店でも食事を購入。ついでに、クジラ肉の缶詰なんて買ってみました。
震災の時に「鯨缶詰を模したタンク」が津波に流されて話題になった、木の屋石巻水産の物。
酒は、サントリーの物を2杯と、地ビールを2杯のセット券を購入。
妻と僕で2杯づつ。二人ともそれほど飲めないので、これで十分。
てきとーに席を陣取り、てきとーに屋台で食べ物を買って来つつ、てきとーに食べる。
通路を歩いていると、何か煮込み料理をお盆に載せて売っている人がいます。
なんですか? と聞きながら気づいた。ハチノス(牛の胃)のトマト煮込みでした。
すぐに名前が思い出せず「あ、牛の胃だ」と口走ったら、おぉ、ご存知ですか、トリッパ(イタリア語)の煮込みです、との返事。
この時は、長男のリクエストで焼きそばを買いに行くところだったので「大好きなので、後で必ず買います」と言って通りすぎます。
…で、後で買いに行ったら、驚いてた。
「後で買います」はよくある逃げ口上なんでしょうね。
大船で以前から気になっていた沖縄料理店も店を出していたので、沖縄そばを食べます。
気になってはいたが入りづらくて入っていなかった、と言うと、ぜひ来てください、と誘われました。
基本的に飲み屋なので、子供がいると行きにくいのですが、おいしそう。今度行こうかな…
なんか、こういう交流があるのも楽しい。
交流ついでに、ようは「大規模飲み会」なので、ステージ上に誰かが来ると、そのたびに乾杯となります。
みな、「かんぱーい」と言いつつ、自分のグループの殻に閉じこもっています。もったいない。
「かんぱーい」と言うときに、ただ近くの別グループの人の顔を見るだけでいいです。
大抵は笑って言い返してくれます。それだけで終わりだけど、こうした一瞬の交流は大好きなんです。
#もし話ができるならそれも楽しいのだけど、こっちも子供がいるのでゆっくりはできない。
舞台にはヨーデル歌手の人がいました。
ヨーデルって、スイスとかのイメージあるけど、ドイツのパブでも歌ってるイメージあります。
…その場でスマホで調べると、ドイツはアルプスの端に位置するから、ヨーデルが歌われる地域なのね。
アルペンホルンの演奏もあったので、子供に「遠くまで音が届くから、2~3km離れた山の中の人と会話ができるんだよー」なんて教えます。
2~3kmが正しいかは不明。酔っぱらいの言うことだから。
でも、遠距離通信に使われた楽器だというのは事実ですよ。
ハンドベルの演奏もしてました。
最後には、子供たちに適当にハンドベル持たせて、適当に鳴らして練り歩く。形なんてどうでも、楽しそうならいい。
さて、実は今日の日記の一番のハイライト。
大道芸人が来ていました。
来るのは事前に知っていたのですが、小学6年生。
正直なところ、「子供だからかわいい、というレベルでたいしたことないだろう」と思ってました。
…まったくそんなことない。大人でも難しいような技を、次々繰り出します。
追記 2019.10.28
もともと、ここに彼を撮影したビデオを表示していました。(本人了承済み)
しかし、本人から「活動方針変更のため、削除してほしい」との直接依頼が来たため、削除しています。
僕は大道芸とか好きですが、わざわざ見に行くほどではない。
でも、やっているのを見かけたら最後まで見て、十分楽しめたと思ったらおひねりも必ず出します。
で、僕の判断基準から言えば、トップレベルの演技です。
一番得意だというディアブロ(中国ゴマ)の演技では、片手を離す、両手を離すといった、見たことのない技を連発。
クラブジャグリングもなかなかのもの。はしご芸、アートバルーン、ダイススタッキング、手品…などなど、演技の種類も多彩。
一つ一つの演目も、大人の大道芸人でもできない人が多いような技を次々繰り出す。
本当は演技時間は 30分だったのですが、その15分前から「練習」と称して演技を始め、45分間を途中ダレルこともなく、見事に演じ切りました。
これ、大人でもかなりのレベルです。「子供なのにすごい」ではなく、大道芸人としてすごく高いレベル。
是非おひねりを出したかったのだけど、「市役所に呼ばれてきているので」ということで、受け付けてもらえませんでした。
妻は、「お金がダメなら、そこらへんで菓子折り買ってきて差し入れたい」と言ってました。
そんな手間をかけても、何かあげたいレベルの演技だったのです。
彼の名前は、ハンド君。
彼はまだ子供なので WEB ページとか持っていないようですが、お父様が宣伝を兼ねたブログ書いてます。
見ると、大道芸イベントにはかなり参加しているらしい…
やっぱ遠くまでわざわざ出かけて、とはならないのだけど、また近所で出ることがあったら、是非見に行きたい。
年齢を聞いたら「12歳」。…と答える彼の横から、お母さんが「まだ11歳でしょ」と。
「今月には12歳なんだからいいじゃん」と言い返す彼。
お母さんは、まだ若いのに天才! と言わせたいのだろうし、彼は男の子らしく、早く大人に見られたい。
こんなやり取りもほほえましい。
彼曰く、Youtube なんかへの投稿は大歓迎だそうです。
というわけで、先のビデオは家族ビデオとして撮っていたものを編集したものです。
おひねり出せなかったから、せめてもの応援のつもり。
家族ビデオのつもりだったので、会話が入っていたりします。
その点はご容赦ください (^^;
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別年同日の日記
申し訳ありませんが、現在意見投稿をできない状態にしています。 |
今日は、日本がメートル条約に加入した日(1885)。
長さの単位としては、現在では世界中で「メートル」が使われていることになっています。
まぁ、アメリカではフィートを使っていたりもしますが、それでもメートルも認知はされている。
それ以前の世界では、大抵は「人間の体の一部」が長さの基準になっていました。
古くは古代エジプトで使われたキュービット(肘から中指の先までの長さ)とか、古代中国から日本に伝えられた尺(親指から中指の先まで)とか。
でも、人間の体の一部が基準だと「誰の?」というのが問題となる。人によって違うからね。
キュービットなら、その時のファラオが基準だったし、尺は時代と共に大きくされ、最後には30センチ以上になった。
なんで大きくなるのかって?
重さや長さの基準は時の為政者によって定められましたが、定めないといけない理由は「税を納めるときの単位だから」です。
大きいほうが税を多くとれるから、どんどん大きくなるのです!
で、恣意的に長さが変わるし、当然国ごとに長さの基準が違うので、これでは不便だから長さをそろえよう、ということになりました。
呼びかけたのはフランス。これにヨーロッパのいくつかの国が賛同します。
でも、どこかの国の単位を使おう、とか、どこかの国に由来するものを単位にしよう、というのでは不公平。
そこで、スケール大きく「みんなの暮らす地球」を単位とすることにしました。
当時も地球の大きさの概要はわかっていました。
そこで、赤道から北極までの長さを測り、その 1000万分の1なら大体使いやすい長さとなるだろう、と決まりました。
ただ、決めるからには正確にやらねばなりません。
呼びかけたフランスが中心となり、大規模な測量が行われます。
長さも場所によって多少は異なる、と判っていたので、「パリを通る線」と決められました。
この測量には3年を要しましたが、1799年、ついに新しい「メートル」が決まります。
ちょうど1メートルの長さに、錆びにくい白金を使った板を切り、これをフランスの国立中央文書館で保管しました。
しかし、実際にメートルが使われ始めるのはずっと後。
国際的な長さの単位にしよう! とメートルを定めたものの、なかなか新しい単位は使われませんでした。
これではいけない、国際的に普及させようと、1867年のパリ万博を機に、フランスはメートルを国際的に広める活動を開始します。
1870年に、メートルを国際的な単位とするための会議が開かれます。
日本がメートル条約に加盟するのも、こうした一連の会議の途中から(1885)。
メートルは地球を単位としている、という点で理解は得やすかったものの、何かあった時に再度基準の長さを測りなおして再定義…と言うのには不便な単位でした。
そこで、フランスが持っていた「メートル」単位の板を元に、改めてメートルを再定義します。
この板こそが「メートル」の基準であり、もう地球の長さは関係ないことになりました。
そして、この板と同じの棒を再び白金で30本作り、1889年に参加各国に配布します。
各国では、この棒を元に「メートル」を定義しました。
この棒は「メートル原器」と呼ばれました。
しかし、これもまたおかしな話です。
各国ごとに長さが違うのが問題だから「メートル」を作ったのに、各国ごとに別々に保管する棒が、その国における「メートル」なのです。
棒は金属製なので、厳重に管理しても温度によって誤差が出ます。
長さの基準とするのは「0度の時の長さ」と決められていましたが、そもそも、工作精度の問題で、作った時から長さはほんのわずかづつ違うのです。
(作り方が悪いということではなく、当時最高の技術を使って作られても、限界があったのです)
1960年、国際会議により、新たな「メートル」の基準が作られます。
「クリプトン86原子が真空中で発する光の波長の 1650763.73倍」
これが新たなメートルの基準でした。
これはまた、地球を測量するような大事業を行わずとも、また世界中のどこにいようとも、同じ基準で「1メートル」を定められる、ということでした。
クリプトン86は、クリプトンの同位体の中で最も安定したものです。
…話がややこしいですが、すべての元素には「同位体」というものがあり、一定の時間(場合によって数秒から数万年単位まで)たつと別の同位体に変わってしまいます。
変わるとはいえ、クリプトンではあります。でも、少しづつ性質が違います。
この違いを表現するのに、後ろに数字を付けて表現します。
そして、クリプトン86は、一番安定しているクリプトンなのです。
…でも、ここで一つ問題が。
一番安定している、というのは、一番入手しやすいという意味ではありません。
天然に存在する一番入手しやすいクリプトンは、クリプトン84。
そして、「同位体」というのは、少しづつ性質が違うとはいえ、ほぼ同じものです。
86 だけ分離する、というのが非常に厄介。
安定しているから、一度分離すれば他の同位体が混入する可能性は低いとはいえ、「世界中のどこでも1メートルの基準を得られる」という観点でいえば、手に入れるのが非常に難しいのです。
そこで、1983年にふたたび基準が変更となります。
「真空中で光が 1/299792458秒に進む距離」
これが新たな基準でした。
クリプトン86と同じように、光基準です。
しかし、クリプトン86が「波長」を使っているのに対し「速度」を使うようになりました。
波長と言うのは、つまり色のこと。
純粋なクリプトン86でないと、正しい計測ができませんでした。
しかし、新たな基準では「速度」だけが問題で、その光をどのように得てもかまいません。
話はややこしくなりますが、光の「速度」は、色などには関係なく、また重力や、地球自体の動きなどにも関係なく一定です。
極端な話、光の速度で動くロケットの中でも、光も逃げ出せないブラックホールの重力場の中でも、光の速度は一定なのです。
つまり、この基準であれば、宇宙のどこにいようとも、簡単に「1メートル」の基準を得ることができます。
話を最初に戻します。
古代、長さの単位は、人間の体の一部を使用したものでした。
この方法の利点は、いつでも簡単に基準長さを手に入れることができる、という点です。
国際的な共通の長さを求め、1799年に「メートル」が定められました。
これは各国で同じように使える便利な単位でした。
しかし、その反面基準長さが地球の大きさであり、簡単に手に入れることができなくなります。
その後、メートル原器を基準としても、やはり誰でも簡単に参照できるものではありません。
クリプトン86もそうでした。
それが、1983年にふたたび、誰でも簡単に手に入るものを基準にして「メートル」が再定義されたのです。
メートルを定義してから、「簡単に基準が手に入る」という定義前の利点を取り戻すまでに200年かかったのです。
普段何気なく使っている長さの単位ですが、これを「何気なく」使うために、多くの努力が払われ続けているのです。
#メートルは、重さの単位の基準でもあるが、現在重さの単位で同じような努力が進行中。
また、メートルは現在「秒」を基準としているが、こちらでも努力が進行中。
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家族旅行でスパリゾート・ハワイアンズに行ってきました。
いいところだったよ~。
旅行記は後で書きますが、先に「行ってみたい」と思っている人向けの情報書きます。
行こうと思ってから情報収集しても、わからないこと多かったので。
子連れの家族旅行、ハワイアンズで1泊、という前提で情報を書きます。
それ以外の人でも参考に出来るように、必要な部分で詳細を書きますが、間違えていたらごめんなさい。
この記事が、行こうと思っている人の助けになれば幸い。
▼どんなところ?
公式ホームページによれば、「温泉テーマパーク」。
全くその通りですが、この言葉からは想像もつかない良いところでした。
ハワイアンズを題材とした映画「フラガール」を見るとわかるのですが、元々は炭鉱から出てしまった大量の温泉を「廃棄は大変だが、有効利用すれば儲かるはず」と作られた施設。
しかし、ただの温泉なら全国各地にある。だから、当時日本人のあこがれだったハワイを名乗って、一風変わった施設を作った。
「テーマを絞って楽しませる」施設をテーマパークと言うのであれば、おそらく日本初のテーマパークでしょう。
日本人が思う「温泉」だけでは、テーマパークと言っても温泉施設で終わってしまう。
でも、温泉は古代ローマ人も大好きだった。現代のヨーロッパでも温泉施設はある。
そうしたものを1か所にまとめ、温泉で世界めぐりが出来る、というのが、今ではハワイアンズの真のテーマになっているように思います。
そのうち一つが「常夏の島ハワイでの水遊び体験」という形です。(最初はこの部分だけだったのでしょうけど)
▼なにがある?
2つの温水プールと2つの温泉、それと1つのエステ・エクササイズ施設の5つから構成されています。
ここは、公式ホームページが一番力を入れて詳細説明しているところ。なので、詳しくは公式ホームページも参照すること。
エステ・スポーツジム部分は別料金ですし、家族連れだったので今回体験していません。
残りの4つについて、実際行かないとわからない部分を書いていきましょう。
まず、「温泉かプールか」で2つづつあるのは先に書いた通り。
それぞれの2つは、「屋内か屋外か」で、さらに別れます。
大雑把に分類すれば以下のような感じ。
・屋内の場合、空調温度を上げて、水の温度は低めにしています。のぼせることなく長時間楽しめる配慮。
・屋外の場合、空調できませんので水の温度は高め。でも、風が涼しいので、これものぼせません。
・プールは温泉よりも水温が低いです。
そして、室内温泉と屋外プールは同じくらいの水温。
・水深は 100~110cm が基本。小学校低学年までは浮き輪がある方が楽しめます。
各施設は、先に書いたように公式ホームページに詳しいです。
ただ、書いてないこともあるので最後に細かなことを書いておきます。
メイン施設と位置付けられているウォーターパークは、他の4施設と少し離れた場所にあります。
離れていても移動は屋内。水着のまま・裸足のままで大丈夫です。
ただし、移動経路の気温は少し低め。小さな子は寒いかもしれないので、バスタオルなど羽織るものがあるといいかも。
▼交通
宿泊を前提とした場合、横浜や東京、新宿、埼玉や松戸などからも無料送迎バスが出ています。
横浜からだと、高速使って4時間程度です。
午後1時ごろついて、午後3時ごろ出発、というスケジュールなので、日帰りは無理。
元々宿泊予約しないと乗れないけど。
宿泊すれば、その期間中の入場チケットもついているので、かなりお得です。
関東から自力で行くと交通費が往復で1万円以上。
ハワイアンズの入場料は、1日3千円程度。2日なら6千円。
これが「込み」で、平日なら素泊まり9千円程度から。非常にお得でした。
▼持ち物について
最初にまとめると、以下が持ち物を決める目安です。
上に書いたようにバス旅行なので、コンパクトにまとめたいところ。
・普通にプールに行くときの装備が必要。浮き輪があっても空気入れポンプは不要。
・プールサイドで羽織るものがあると良いが、宿泊者なら無料で借りられる。
・バスタオル1枚くらいを手荷物として持ち込めるように、バッグがあると便利。
・宿泊するなら普通に1泊旅行の装備を。過度の防寒対策は不要。
以下説明しましょう。
プールなので水着は必須です。
忘れても大丈夫なように売っていますが、安くはないです。
バスタオル、タオル、浮き輪などはレンタルがありますが、これも同じ理由で安くはないです。持っていきましょう。
宿泊者はバスタオル・タオルは部屋にありますが、チェックアウト後である2日目は使えません。
なので、やはり持っていく必要があります。
#もしハワイアンズのスタッフの方がこのページを見ることがあれば要望。
バスタオルってかさばるので、旅行者にとっては面倒な荷物です。
部屋のタオルをアロハと同じように2日目も貸し出してくれたら、とても嬉しいサービスです。
#後日追記:
チェックアウト後も、申し出ればバスタオル借りたままにできるようです。
コメント欄で教えていただきました。
特に浮き輪は、小学校低学年までは必須。一部の子供・赤ちゃん向けプールを除き、水深は100~110cmあります。
「110cmならなんとか背が立つ」年齢でも、流れるプールは浮き輪があった方が楽しめるので、人数分持っていけるならそのほうが良いでしょう。
空気入れは無料サービスです。
圧縮空気が出てくるノズルが天井から数本ぶら下がっている形で、ウォーターパーク内の子供プール・流れるプールのスペースにあります。
以上、「普通にプールに行く際の装備が必要」です。
施設内は基本的に水着で過ごせるように空調されています。
また、水着のまま・裸足で施設内を移動できます。
大人なら大丈夫なのですが、子供は体が冷えやすいので、この移動中などでも寒い場合があります。
また、プールサイドの軽食スペースも、席によっては少し寒いです。
出来ることなら、ちょっと羽織れるものがあるといい。
でも、宿泊者なら、実はこれを持っていく必要はありません。
荷物は最小限で大丈夫。
ホテルで、部屋着として「アロハ・ムームー」を貸してくれます。
男はアロハ、女はムームーね。アロハは、シャツだけでなくズボンもついている。
以下まとめて「アロハ」と書きますが、デザインはアロハでも、機能性は本来のアロハと違います。
まず、生地が厚めなので、裸の上に1枚着るだけで十分暖かい。
ハワイアンズの立地が「東北で一番暖かい」個所にあることもあり、そのまま屋外に出ても大丈夫でした。
(10月の話なので、冬は流石に寒いかも)
そして、素材は乾きやすいものなので、濡れた体に羽織ってもすぐに乾きます。
なので、「羽織る用」としては、このアロハがあれば大丈夫。
ちなみに、チェックアウト後もそのまま借り続け、帰るときに返せばよいシステムです。
さらに、実はこの「アロハ」は、施設の入場パスにもなっています。
宿泊の場合もチケットは発行されるけど、全く使いません。
以上、ハワイアンズに関して必要なものとなりますが、宿泊前提ならすべて借りられるので不要です。
プールサイドに持ち込む「手荷物」用に、バスタオルが1枚入る程度のバッグがあると便利。
ハワイアンズとしては、責任を取れないため「貴重品はロッカーに預けてください」となっています。
でも、カメラなど預けてしまうと思い出の写真も撮れないし、いちいちロッカーを行き来していたら子供と楽しめない。
防水でカメラ付きの携帯電話を、紛失時に位置検索できる状態にして持ち込むのが良いかな、と思います。
これも自己責任でという話になりますが、紛失しても探し出せるならそれほど怖くない。
もちろん、携帯をそこらへんに放置…というのは怖いので、先に書いたバスタオル入りのバッグの底に隠す形で持ち込み。
バスタオルなど「貴重ではないもの」を手荷物で持ち込んで、そこらへんにちょっと置いておく人は多いです。
これもなくなった時は自己責任ですが、それほど高価ではないバスタオルをわざわざ盗む人もいない。
無くなっても諦められる程度の小銭を一緒に入れておくと良いでしょう。
自販機などを使いたいときには小銭が必要です。
ただ、我が家の場合自販機で物を買う習慣は無いので、使いませんでした。
宿泊前提となりますが、宿泊の際は「宿泊カード」が発行されます。
チェックアウトまでの間、このカードはクレジットカードのように使えます。
施設内でお金を使う局面では、このカードを見せて名前を名乗り、サインすればOK。
チェックアウト時に合算されて料金を払うことになります。
宿泊者名は全てのレジで参照できるようで、名乗ってサインしないと使えません。
なので、紛失しても心配なし。これもバッグの中に入れて持ち運びましょう。
ただ、こちらはチェックアウト後は使えないのね。
チェックアウト後でも使えるシステムがあれば便利なのに。
#こちらもスタッフの方がみられていたら、是非お願いします。
チェックアウト時にカード支払いして、その後の分もカード支払いに承諾するなどの事前手続きがあってもいい。
手荷物に出来ないほどのお金、休憩時に羽織るアロハなどは、すぐ後に書きますが拠点となるロッカーを決めて、預けて置くかたち。
これは、必要な時に代表者1名が走ればよいだけの話です。
そのほか、水にぬらせない貴重品…としては時計が心配な人もいるかもしれません。
ハワイアンズ内では、結構いろいろなところに時計が置かれています。お風呂の中でも大丈夫。
ただ、ウォーターパークの中の時計なんて、非常に高い位置に、遠くからでも見えるように置いてあります。
目の悪い人には見えないかも。
ハワイアンズがあるのは、東北地方の一番東南に位置するあたり。海に面していることも有り暖かい気候です。
関東とそれほど気候が変わらないと思ってもよいでしょう。
だから、宿泊の装備は必要ですが、防寒対策を過度に行う必要はありません。
我が家は10月に行きましたが、冬でも雪は降らないそうです。
宿泊旅行の場合は、天候が変わることを考えて「少しの防寒対策」を行うのも普通かと思いますが、その範囲内で十分。
もちろん、宿泊する場合は着替えなどは必要です。
服を多めに持っていることになるので、寒かったら1枚余分に着れば十分ではないかな。
▼着替え・ロッカーについて
これ、公式ホームページに書いてないけど非常に重要。
まず、更衣室は2か所。
ウォーターパーク入口と、スプリングパーク入口にあります。
全体入口はウォーターパークなので、まずはここの更衣室で着替えることになるでしょう。
でも、コインロッカーにはまだ預けないで。ここで預けると不便な思いをすることになります。
ウォーターパーク入口の更衣室は、施設の一番端。
これから遊びすすんでいった後で「荷物を取りに戻らなくちゃ」という状況になると、一番不便な場所です。
コインロッカーは、施設内のいたるところに置かれています。
着替えの後、荷物は持って入り、中のロッカーに預けるのがおすすめです。
コインロッカーはサイズが大小2種類ですが、「1回」か「1日」かの使用時間の違いで、値段が4種類あります。
まず、鍵を開けたら終了タイプは、小さいのが100円で、大きいのが200円。
1日タイプは、小さいのが300円で、大きいのが400円。ただし、どちらも使用終了時にボタンを押すと、100円戻ります。
大人なら一日中水着で過ごせると思いますが、子供は体が冷えやすいので、食事の際などは少し服を羽織らせた方が良いです。
だから、家族連れならロッカーは1日借りるタイプがいい。
宿泊者の場合、プールに不要な荷物はホテルに預けられます。
チェックアウト後でも、クロークで預かってくれます。(靴もバッグに入れて預けてしまうといいです)
なので、プールに持ち込むのは、本当に必要なものだけ。
1日目は多分小さなロッカーに全部入るでしょう。
2日目は、最後に着替えてから帰らないといけないので着替え一式が増え、家族5人だと小さなロッカーでは入りきりませんでした。
そして、先に書いたように、ロッカーは1日借りるタイプで開け閉めが自由だと便利です。
でも、200円/400円の大きなロッカーは、置かれている場所が少ないので、2日目の荷物はちょっと困る。
なので、「帰るまで使わないもの(着替えや靴)」と「途中で出し入れしたいもの」に分けて、100円+300円、と使うのがおすすめ。最後には100円戻りますから、特に高いわけでもありません。
鍵は腕に巻いておけるタイプですが、2個持ち歩くのは邪魔なので、100円の鍵を300円のロッカーに入れてしまいましょう。
ウォーターパーク内の子供プールの横に大きなロッカースペースがあり、100円と300円が沢山あります。
ここは軽食スペース・フラダンスのショースペースからも遠くはありませんし、最後に取って帰りやすくもあります。
もう一つのねらい目は、先に書いたスプリングパーク入口の更衣室。
遊び終りはここで着替えると便利なので、最初からそこに荷物を配置しておく、という方法です。
また、ウォーターパーク内の軽食スペースは非常に混むのですが、スプリングパークの軽食スペースは、空いています。
「食事の間何か羽織りたい」と言う場合も考えると、こちらに置いておくのはやはりオススメ。
さらに、スプリングパーク入口の更衣室にのみ、水着専用の脱水機があります。
非常に小さな脱水機で水着一着しか入らないのですが、10秒程度で脱水してくれます。便利。
これも、最後にスプリングパーク入口の更衣室で着替えるのをオススメする理由です。
難点は、1日目にはまだ全体が把握できていないので、どこに更衣室があるのかよくわからない、ということでしょうか。
2日目に使うと良いかもしれません。
▼宿泊
我が家はクレスト館を利用しました。
ハワイアンズには公式ホテルが4つあって、3つはハワイアンズと屋根続きになっています。
でも、クレスト館だけは屋根続きではない。このため宿泊料金が少し安いです。
うちみたいに家族5人で行くと、値段差が5倍になるので「わずかな安さ」がありがたい。
じゃぁ、この屋根続きでないのがどの程度不便なのかと言うと…。
まず、見える範囲にハワイアンズの入り口があります。
他のホテルが「屋根続き」なので遠く見えるけど、普通に考えると「目的地の目の前」の好条件ホテル。
ただし、施設全体が山の斜面に作られているのだけど、クレスト館は少し下にあります。
なので、階段を上らないといけない。足の不自由な方が一緒だったりすると避けるべき条件かもしれません。
この「外を歩く」距離、10月ならアロハで歩いても寒くありませんでしたが、冬は寒いかもしれません。
また、雨でもそれほど問題無いと思いますが、暴風雨だと困るかもしれません。
もっとも、暴風雨ではハワイアンズの露天部分は使えないので、この部分以外にもいろいろと残念になります。
クレスト館では、食事施設がありません。
夕食・朝食は、「ホテルハワイアンズ」の食堂に食べに行くことになります。
ハワイアンズを挟んで反対側にある形になるため、ちょっと距離があります。
もっとも、基本的に屋根続きの範囲で過ごして、夜寝るときだけクレスト館に帰る、という形になるでしょう。
もし外に出て湯冷めしたなら、クレスト館にも大浴場がありますし、部屋にもユニットバスがあります。
クレスト館でないと体験できない、良い部分もあります。
ハワイアンズのあるあたりは、関東に比べると星が綺麗です。
でも、屋根続きの範囲で過ごしていると星が見えない。
与市に夜に風呂に入りに行くと少し見えますが、施設の屋根などに囲まれて、空が狭くしか見えない。
でも、クレスト館だと夜空の下を散歩…せざるを得ない。好むと好まざるとにかかわらず。
僕は星空見ながら歩くの好きだけど、そうでない人にはどうでもいい話。
まぁ、ホテルの明かりで空が明るくなってしまうから、「満天の星空」というような綺麗さは無いのですけどね。
長くなったのでいったん切って続きます。
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申し訳ありませんが、現在意見投稿をできない状態にしています。 【りか】 とても参考になりました (2017-05-03 16:29:52)【ち~】 とても分かりやすい書き方で女性に方かと思ってましたが・・男性だったんですね(*^_^*)最後に・・がとてもよかったです!(^^)! 参考にさせていただきます。 (2015-08-16 19:00:21) 【よこあー】 タオル等借りることができました。荷物を預けてアロハも借りてサンダルも借りたので楽しました。でも、色々分かりやすくて助かりました。ありがとうございました。 (2015-02-23 08:37:27) 【よこあー】 すみません、間違って送りました。一昨日行って一泊二日でたのしんできました。参考にさせて頂きました。翌日も (2015-02-23 08:32:55) 【よこあー】 昨日帰りました (2015-02-23 08:29:03) |
まとめの続きです。
ハワイアンズ内のゾーンをざっと紹介。
ほとんど公式ページに載ってますが、細かくページを別けて詳細に書いてくれているため、情報がまとまってないのですね…
ここでざっくり一覧したら、公式ページで詳細を調べる方がよいかと思います。
▼ウォーターパーク
メイン施設の温水プールです。
温水と言っても、温度は結構低め。夏の暑い日にぬるくなったプールを想像してください。
でも、気温が高めに設定されているので寒さは感じません。
実は「ハワイらしい」部分はここのみ。
・子供・赤ちゃん用の水深の浅いプールが2つ。
小さな滑り台(ウォータースライダー)もあります。
・水深は深いが子供大喜びの(もちろん大人も楽しめる)「流れるプール」が1つ。
流れるだけでなく、噴水があったり滝が落ちてきていたり「水にぬれる」ことを楽しめます。
・大人でも楽しめる大きなプールが1つ。
子供もいるけど、ここは大人の比率高し。
・有料の巨大ウォータースライダーが3つ。
身長120cm以上でないと使えず、人気があるのでかなり並びます。
・遊んでいて寒くなった時用に、40度の暖かい浴槽が1つ。
・プールサイドにフラダンスショーを行うシアターと、軽食施設。
1階の後方席は気温が低めです。2階は水着のままで大丈夫な暖かさ。
基本的に、施設全体の入り口はウォーターパークにあります。
更衣室・ロッカーもここに用意されていますが、ロッカーは施設内にも多数あります。
先に書いたように、ウォーターパークだけは他の4施設と離れた場所にあります。
逆の言い方をすると、ここのロッカーは「何か必要になったので取りに戻る」には、一番不便な場所です。
前半記事で書いた通り、更衣室のロッカーを使わない方が便利。
▼スプリングパーク
屋内の温泉施設です。
ここは、古代ローマ式の風呂がテーマです。
海外の温泉は水着で入るのが普通なので、水着着用のこと。浮き輪もOK。
ローマ人は長湯を楽しむ習慣があったので、湯温は 37度と低め。
ここにも更衣室・ロッカーがあります。
また、無料の水着用脱水機があるのはここの更衣室だけです。
・ローマ式の ぬるいお風呂が2つ。
・オンドル(床を温めてある部屋。岩盤浴みたいなもの)が1つ。
・激しい水流を楽しむボディシャワー個室が4つ。
2つは周辺全体からの強いシャワーで、2つは天井からの滝のようなシャワー。
・半地下の狭い空間に泡ぶろ。周辺にはジェットも出ています。
ちょっと気づきにくい場所にあるので、最初は見落としてました。
(その「ひみつの空間」の雰囲気を楽しむようにもなっています)
・泡ぶろの真上の階に、ローマ式のサウナ。
温度は低めで湯気で蒸される感じ。
・更衣室の隣は大浴場。ここだけ日本式。
つまり裸で入りますし、湯温も高いです。もちろん男女別。
古代ローマから日本にワープ! …ってテルマエロマエ?
いろいろなお風呂があり、この部分だけでも「温泉施設」として十分なほどの充実度です。
ボディシャワーの横の階段を上ると、ローマ風呂の上層を通る廻廊を通って別の施設へ進めます。
雰囲気は非常に良いのだけど、中央にある螺旋階段を上っても同じ場所へ。
廻廊は一度は通るといいけど、螺旋階段の方が移動は速いです。
▼スパガーデン・パレオ
屋外のプールです。遊びに行ったのは10月ですが、屋外に水着でいるとちょっと肌寒い。
その分水温は高めです。…といってもプールとしては、ですが。
全体は4つのゾーンにわかれ、さらに中央に北欧式のサウナがあります。
・青のゾーン
西洋式のスパ(温度低めの、水着で入る温泉)です。
40度の湯温の小さな浴槽があるので、寒くなったらつかるのも良いかも。
・赤のゾーン
ちょっとした冒険気分を楽しめる、仕掛け一杯のプール。
奥の洞窟部分には、暖炉を取り囲む丸椅子などがありました。
(10月には暖炉は使ってませんでした)
・黄色のゾーン
8人程度入ればいっぱいの小さな浴槽が6つ。
どうやら源泉に一番近いようで、湯温の高い源泉が直接入っています。
・緑のゾーン
植栽の中を通る小路が作られていて、ところどころで足湯がある…という構造。
足湯の湯温はかなり低めです。
夏だと散策を楽しめるのだろうけど、秋だともう寒い。
・サウナ
北欧式の、空気が乾いていて温度の高いサウナです。大体85度に維持しているようでした。
屋外なので、遊んでいて寒くなったら、入ると気持ちいい。
赤のゾーンが見える屋内部分に、飲食施設があります。
(スプリングパークを見下ろせる位置でもあります)
このスペースは気温が高くて、水着でも寒くない感じ。
飲食施設としてはかなり奥にある形なので、昼食時などに他が混んでいても、比較的すいていました。
カレーとかラーメンとか、温まりそうなものもあるので、寒くなったら逃げ込むのにいい。
逆に、せっかくだからロコモコを食べたい、とかだとダメ。
それもすいている理由かも。
▼江戸情話 与市
和風の屋外温泉施設です。
ここは裸で入るので、男女別。位置関係としても、他の施設と少し離れた個所にあります。
夜寝る前に体を温める温泉として作ってある感じですが、洗い場はありません。
寝る前には体を洗いたい、という人は、スプリングパークの浴場部分へ。
広くて露天なので星が見えると非常にきれいです。
・ギネスブック認定の、世界一の広さの湯船があります。
というか、与市のほとんどが湯船。プールではないので浅くて子供でも安心。
・薬草蒸し風呂
温度の低めのミストサウナです。和風の蒸し風呂。
ただ、季節ごとに香りのする薬草を蒸気の出る場所に置いてあり、香りを楽しめます。
男女別ですが、入り口付近に飲食施設(和食)、お土産物屋さんがあります。
風呂の中に時計もありますし、男女別れる場合でもある程度時間を決めて置けば、待ち合わせに困らないでしょう。
他のプールなどで一旦遊び終わった後、夕食を食べて与市へ行き、その後フラダンスの夜のショーへ行く、というのが、時間的にも良い流れかと思います。
(我が家の場合、時間を決めてあったけど男が先に出たので、携帯にメールしたうえでショーの席を取りに行きました。
開始30分前に行けば悪くない席が取れる感じですが、それを過ぎると良い席は残らないかも)
▼フラダンスのショーについて
昼のウェルカムショーと、夜のナイトショーがあります。
実は、我が家が遊びに行ったときは渋滞で無料送迎バスが遅れ、昼のショーは見ていません。
演目はかなり違うのだけど、全体構成としては類似しているみたい。
こういうショーが好きな人は是非両方を見ると良いのでしょう。
また、小さい子がいる場合は、夜は眠くなってしまう・ちょっと暗めで怖くなってしまう、というのがあるので、昼のショーの方が良いかもしれません。
#お隣に4歳の子を連れた家族が来ていたのですが、子供が怖くなって泣くために途中退席していました。
ちょっと暗い中で、知らない言葉の歌にあわせて、女の人たちが不思議な踊りを踊っている、というのは幼児には怖い場合があるみたい。
僕個人としては、男性のファイアーダンスが超おすすめ。
女性のフラダンスは、「近代フラ」と呼ばれます。
近代と言っても深い歴史がありますが、小国であったハワイ王朝が「攻め込まれないために」近隣の国を歌と踊りでもてなした、というのも成立理由の一つです。
平和を愛する踊りです。
でも、男性フラダンスは「古典フラ」と呼ばれ、近代フラとは全く違います。
戦いと狩猟のために気持ちを高揚させ、神にささげるための踊りでした。
だから非常に勇壮で激しい。
もっとも、実は一旦滅んでいるので、何が本当かはわからない部分もある。
ハワイアンズで男性が踊るファイアーナイフダンスは、この古典フラに当たるものなのだと思います。
多分、ショーとしてのアレンジも入っているのだけど。
この内容が…ともかく、大道芸!
踊りとしても素晴らしいけど、非常に危険な、ギリギリ感のあることをやってみせる部分がすごい。
手品のようにショーアップされた部分もある。
火のついた棒を振り回し、最初は棒の片方にしかついていない火を、逆側にも引火させ、非常に激しく回転させても火は消えません。
かと思えば一振りで火を消したりもする。2本の棒をうまくひっかけて、長くした棒を振り回したりもする。
#おそらく、挙動がわかっているから当り前にやっているのだけど、回し方を失敗したら簡単に「ひっかけた」部分が外れます。
そういう部分も含めて大道芸。
演者が交代する際には、火のついてない棒を持って現れ、前の演者の火を受け継ぎます。
これ、たぶん神を意味する神聖な火、ということなんでしょうね。
一つの火を受け継いで繋いでいく。
見ている最中で、一度火のついた棒を取り落しました。
何事もなかったように拾って続けていましたが、これ「プロなのにステージ上で失敗した」というような話ではなく、どんなに練習しても完璧に出来ないような、本当に危険な演技なのだと思います。
映画「がんばっぺ フラガール」の中では、東日本大震災でショーの披露の場を失った彼ら男性ダンサーの姿も描かれます。
フラダンスチームは、復興を示すための全国ツアーに出るのですが、彼らのファイアーダンスは危険すぎるため、どこに行っても披露できないのですね。
本来表舞台で踊るのが仕事の彼らが、裏方に回って全国ツアーを支える。
でも、どこかで披露できると信じて練習は怠らない…
(練習してないと勘が鈍る、という理由もありますが)
この映画を見た時から「彼らのショーをぜひ見たい」と密かに応援してましたので、想像を超える良い内容だったことに感激でした。
▼最後に
いろんな種類のお風呂・プールに入って、長時間遊んでいても飽きません。
でも、実のところ全部温泉なんですよね…。
泉質は肌をきれいにする弱アルカリ泉。
それに2日連続で、4~5時間つかりっぱなし。
お肌つるつるです。おっさんなのに。
指先もつるつるして、本のページめくりにくいの。
家族の旅行記としては、別に書きました。
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別年同日の日記
申し訳ありませんが、現在意見投稿をできない状態にしています。 【みかん】 ありがとうございます♪ (2016-03-01 18:04:43) |
10月の11、12日の2日間、福島県いわき市のスパリゾート・ハワイアンズに遊びに行ってきました。
ほかの人の参考になりそうな情報は、先にまとめてあります。
以下は家族日記として、旅行記をまとめます。
今年の夏、ハワイアンズは大々的にテレビなどで宣伝を行っていました。
震災から3年たち、そろそろ完全復活したということかな…
「♪連れてって 連れてって」と繰り返す単純な CM ソングに感化され、子供たちが行きたがっていました。
妻も東北地方に暮らした時期があり、様子を見に行きたがっていました。
というわけで、秋に旅行しよう、と決めます。
当初は9月の連休(9月13、14日)に行こう、と思っていたのですが、8月末に予約を入れようとしたら残念ながらホテルが満室。
1か月遅れの10月の連休の予約を入れたのでした。
大々的な宣伝の一部なのだと思いますが、夏ごろにテレビで「フラガール」「がんばっぺ フラガール」の映画も放映していました。
そこでこれらも録画しておき、旅行が近づいてから子供たちに見せます。
我が家ではいつものことなのだけど、少し知識があるだけで旅行はずっと楽しいものになるから。
特に「がんばっぺ」を見せたのは、東日本大震災があったことの再確認でもあります。
長男は3年半前の地震をまだ覚えていますが、長女・次女にとってはもう記憶が薄れつつあることです。
旅行が近づいてから、何を持っていくべきかとかいろいろ調べたのですが…
公式ホームページ、案外役に立ちません。
「よくある質問」コーナーはあるのだけど、通り一遍のことしか書いてません。
本当に必要な情報は、載っていたとしてもページの奥底の方。
たとえば、クレスト館に宿泊しようとして、アメニティに何が揃っているのか調べてもわからない。
結果から言えば、「ホテルハワイアンズ」に準じているので書いていないようなのですが、スタッフにとっては当たり前のことでも、利用者の視点ではわからない、という基本的なことを見落としている。
他にも、行ってみないとわからなかったこともありました。
そうしたところをまとめて置いたら、後から旅行する人に便利かもしれない、と思って別ページにまとめてあります。
これ、決して「サービスが悪い」のではないので勘違いなさらぬように。
サービスは非常に良いものでした。スタッフやホテルマンには、たぶん非常に教育が行き届いているのね。
ホームページ作っているのは多分広報担当なのでしょう。
広報担当は実際のお客さんと現場で接することが少ないので、意見が十分汲み取れてない。
わずかな情報から「よくある質問」を作っても、かゆいところに手が届かない。
ハワイアンズに限らず、よくある構図です。
さて当日。
何とも運が悪いことに、妻が前日から風邪気味。
熱は無いのですが、喉が痛いのです。
また、これも運が悪いことに台風が近づいています。
丁度1週間前に「戦後関東に上陸したものでは最大」という…但し書きが多いけどとにかく強い台風が過ぎていました。
で、それよりも大きな台風が近づいていて、1週間前の予報では旅行当日に直撃だったのです。
でも、少し動きが遅いようで、3日前の予報では「2日目に雨を降らせる」程度に。
念のために雨具なども持っていきます。
我が家は横浜駅からの無料送迎バスを利用しました。
この無料送迎バスの中で、ハワイアンズについてのビデオ上映があるのね。
「こんなところまでハワイっぽい」と思いました。ハワイって、入国審査待ちの間に観光ビデオ上映しているんだよね。
#「旅行中限りのクレジットカードが発行される」とか、「アロハを着ていることが何かと得になる」とか、ハワイらしさをうまく取り入れています。
高速道路を使っておよそ4時間。
9時20分に出発して、到着は1時予定…だったのですが、連休の自然渋滞、さらに事故渋滞も重なり、到着は1時間遅れます。
1時半からフラダンスのショーがあったのですが、これを見るのは早々に諦めます。
あらかじめ席を予約してあった場合、こういう際はキャンセル料なしで解約になるようです。
(と、バスの運転手さんが言ってました)
ホテルにチェックインし、部屋に到着したら部屋で水着とアロハに着替えてしまい、ハワイアンズへ。
荷物は1つにまとめて、更衣室の1日借りられるロッカーへ。
…中に入ってから多数ロッカーがあるのを知りました。
これもまとめに書いておきましたが、更衣室のロッカーに預けるのは不便。
あらかじめ知っておきたいことです。
昼ご飯食べたいな、と思ったけど、子供たちはまず遊びたがるので遊びます。
最初に入ったのが流れるプール。
温水プールだと思っていたのに、案外冷たい! 風邪気味の妻にはちょっと辛い。
次女の浮き輪を持ってきていましたが、長女と奪い合い。
流れるプールでは、浮き輪で浮いて流される方が楽しいためです。
ただ流れるだけでなく、上から水が落ちてくるポイントが多数あります。
ハワイの自然の中で遊んでいる、という雰囲気にしてあり、滝とかが作りこんであるのね。
次女、滝には打たれたがるのに、鹿威しのように落ちてくる水は嫌がる、というよくわからない行動パターン。
でも、きゃぁきゃぁ言いながら喜んでいます。
夕食は5時からなので、2時スタートだと3時間しか遊べない。
ある程度楽しんだら「他のところも見てみよう」と誘いながら、プールを梯子します。
飽きる前に別の場所に行く、と言う感じなので、これがテンポ良くて結構楽しい。
スプリングパーク(ローマ風呂)に行き、スパガーデン(屋外プール)へ。
遊び倒してから「もう一度流れるプール行く」と言うのでウォーターパークに戻ります。
流れるプールを少し楽しんだところで、やっと「お腹空いた」という要望。
もう4時前です。夕ご飯5時からなのに。
でも、ウォーターパークの軽食スペースへ。
夕食が近いからと、鳥のから揚げとフライドポテトのバスケットと、ピザを1枚だけ注文。
丁度、ステージで体験ショーが始まっていました。
子供たちが一緒に踊りを習い、楽器演奏も体験するものでしたが、うちの子供たちは食べるのに夢中。
ショーの最後、体験した子たちがレイ(花の首飾り)を貰う段になって「私も欲しかった」と次女。
食べるのに夢中で、やらないといったのはあなたでしょうが。
食べたら長女が「眠い」と言い出したので、これで終わりにして一旦ホテルに戻ります。
実は、5時からの夕食を6時からと勘違いしていました。
眠いなら1時間くらい寝て…と思っていたら、ホテルに戻って「すぐ夕食の時間だった」と気づきます。
でも、ちょっと体を休めてから再び夕食に。ホテルハワイアンズまで、ちょっと歩きます。
夕食はバイキング。この時は秋の味覚のフェア、ということで、大人一人に半身、オマールエビが用意してありました。
バイキングは非常に盛りだくさん。酒は有料ですが、多めにお金を払えばこちらも飲み放題に。
でも、妻が風邪で喉が痛い、というので酒は飲まず。
和洋中いろいろ取り揃え、バイキングは非常においしいものでした。
カレー好きの長男、最初にいきなりカレーを見つけてたくさん食べ、後から別の物をいろいろ興味を持つも「お腹いっぱい」と悔しそう。
次女も目移りして、あれもこれもと取ってきたものが、半分以上残って「お腹いっぱい。お父さんたべてー」。
あぁ、案の定。僕もいろいろ食べたかったのに、これで結構満腹に。
しかし次女、お腹いっぱいと言いつつデザートは別腹。
デザートコーナーには、綿あめ製造機が2台置いてありました。
これが子供に大人気。綿あめって、自分で作ることあまりないですからね。
長女と次女は、それぞれ5本くらい食べたかな。
1回にザラメ1匙だから、分量としてはたいしたことないのですけどね。
他に、小さなケーキも取り放題、アイスも3種類食べ放題。
長男は「チョコアイスがおいしい」と、2回もチョコアイスを食べる。さらにバニラも食べる。
その後みんなが「メロンシャーベットがうまい」と言い出したときには「アイスはもうお腹いっぱい」と…
カレーで失敗したのに同じ失敗を繰り返す。
6時半ごろまで夕食を食べ、その後「与市」に入浴へ。
まとめの方に書きましたが、与市は広いです。
こんなに広いのに、どうしてお湯が冷めないのだろう? と、長男と探求。
大きな滝が見えます。鑑賞用だから入るな、と書いてあるのだけど、この滝が源泉で、大量に熱いお湯が供給されているのでは? と予想。
手を伸ばして滝に触ってみたら、ちっとも熱くない。どころかぬるい。
風呂の中を歩き回ってみると、だんだんぬるくなっていく方向がある。
じゃぁ、と逆方向に歩いていくと、だんだん熱くなり、源泉が流れ込んでいる個所を発見。
源泉に近づいてみると、すごく熱い。火傷をしないギリギリくらいの温度まで上がっている。
というわけで、広いのにお湯が冷めないのではなく、冷めているのだけど十分暖かく感じるくらい源泉近くは熱い、と判明。
好きな温度のあたりを探してゆっくり入るといいです。
与市では非常に星がきれいに見え、真上に夏の大三角…らしいものが見えました。
十字に見えるように星が並んでいるから白鳥座かな、と思いつつ、星はそんなに詳しくないので自信なし。
後で星に詳しい妻に確認すると、あってました。
30分で出ようと妻と約束していたので、丁度の時間に出ます。
5分ほど待っていても出てこないので、携帯メールに「フラダンスショーの席を取りに行く」と送り、長男と席取りに。
ショーの座席は、良い席は全部予約制。
1階後方席は空いていたけど、実は2階席が邪魔になって上の方が見えませんし、前の人のあたまが邪魔になって小さな子にはステージ自体が見えにくい。
それよりは、少し遠いけど2階席の前の方を探します。
幸い、ショー開始30分前なら、「それほど悪くない席」ならある程度まとまって確保できました。
どこに席を取ったかメールで送ろうとしていたところに、妻がやってきました。
ショーは十分素晴らしいものでしたが、子供には少し退屈だったみたい。
子供の寝る時間…8時半から始まって、途中休憩を挟んで1時間は長いです。
休憩時間に、昼見たような「踊りの体験」をする時間がありました。
次女長女とも、すかさず「やる!」と。昼できなかったので即決です。
かなり多くの子供がステージに上り、一生懸命踊りを真似していました。
レイを貰って満足げに戻ってきます。
後半、ファイアーダンスのショーは素晴らしいものでした。
ただ、勇壮な音楽は次女には「うるさい」ものだったみたい。
ショーが終わるころ、子供たちはみんな「ねむい」と言い出しています。
部屋に戻ってバタンキュー。おやすみなさい。
2日目に続く。
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家族旅行2日目。
僕もつかれていたのですが、いつもの習慣で5時前に目が覚めます。
天気は良いみたい。スマホで調べると、台風は明日には関東に雨を降らせ、ハワイアンズ周辺は明日の夕方から雨のようです。
逆に言えば、旅行中は晴れたままらしい。よかった。
天気予報を探してテレビを小さな音で見ていたら、長男が起きました。
旅行の時は、早起きの長男と一緒に朝風呂に行くことが多いので、また行こうか…と思って調べると、クレスト館の大浴場は朝6時から。
朝食は朝6時半からだから、これはダメかな。
…でも、6時前になっても、他に誰も起きない。
朝風呂に行くことにします。
大浴場、大きいのだけど前日に与市を見ているので、大きいように見えない。
熱い風呂を浴びて目が覚めます。
長男より少し早くあがり、ロビーで新聞を読む。
旅行で出かけた地方の新聞を読むと、東京近郊とは違う視点が得られるので好きです。
福島の地方新聞、まだ震災復興には程遠いことがよくわかります。
東京近郊の新聞では、全然報じられていないことが沢山書かれている。
部屋に戻り、そろそろ朝ごはんだからと長女・次女を起こします。
妻は、風邪がこじれて声が出ません。ただ、喉が痛いだけで熱っぽさなどは無いのが幸い。
朝ごはんもバイキング。もちろん昨夜とは違う内容です。
でも、次女はまたあれもこれもと皿に載せる。この時点で嫌な予感はしますが、やはり後で「お父さんたべてー」になりました。
洋食もいろんな種類のパンがあっておいしいけど、和食がすごくおいしい。
焼き魚、ごはんに載せる海苔の佃煮やシラス、味噌汁に入れるワカメやとろろ昆布など、海産物が多いのは地元の物なのでしょうね。
#お米だって福島産だろう。和食がおいしいのは道理。
そしてまたデザート。
ヨーグルトとか、杏仁豆腐とかありました。
ゼリーだと思って杏仁豆腐を取ってきた次女、実は杏仁豆腐は嫌いです。
これもまた「お父さんたべてー」。まぁ、杏仁豆腐は僕は好きなので食べますけど。
部屋に戻り、帰り支度。
ホテルのクロークに預けるもの、着替えのために男女別に分けるもの、プールサイドに持ち込むものなど、考えながら荷物を整理すると、袋が足りない。
もう少しバッグを持ってくればよかったかも。
荷物整理の間に、子供たちが布団を畳みます。
まだ要領が悪いから全然うまくいっていないのだけど、「布団を畳もう」と思う心が嬉しいです。
次女が、アロハを気に入って前日から「貰って帰れるの?」と聞いていました。
これは返さないといけない、と判ってからも「帰る前に写真撮りたい」と。
アロハはサイズによって柄が違いました。我が家は5人全員違う模様。
そこで、ホテルの人に頼んで家族写真を撮ってもらいます。
#柄は宿泊したホテルによっても違うようで、サイズが違っても家族全員で揃っているのも見ました。
全員違うというのも楽しいし、全員一緒というのもまた楽しい。いろいろ考えてあるようです。
帰りのバスはホテルハワイアンズの前から出ます。
そのため、荷物などはホテルハワイアンズのクロークに預けられます。
不要な荷物は全部預け、ハワイアンズへ。
…後知恵ですが、靴もバッグに入れて預けちゃえばよかった。その場合でもサンダルを借りられます。
5人分の靴をしまうだけで、ロッカーの半分くらいのサイズになっちゃうんだよね。
1日目で勘が掴めているので、荷物はプールサイドまで持ち込んでロッカーへ。
写真なんかも全然撮ってないので、防水の携帯電話は手荷物として持ち歩きます。
やっぱり最初は流れるプール。
その後、昨日と同じようにいろんなプールを渡り歩きます。
実は、1日目はローマ風呂の中のジャグジーとサウナに気付いていませんでした。
ある程度知って、余裕があっていろんな場所を見ていて気づいたこと。
それでも、どんなものがあるかはわかっているので、本当に面白いと思うところは時間たっぷりと。
それほど面白くないところには寄らずに、思い切り楽しみます。
やはり、一通り見てからまた流れるプールに戻ります。
でも、流れるプールは水温低め。たっぷり遊んでいたら、次女が寒がりはじめた。
すぐ近くに40度の浴槽があるので、そこで温まります。
温まっていたら「お腹空いた」と言いだします。時間もそろそろお昼。コインロッカーに戻り、お金を取ってきます。
ウォーターパークの軽食コーナーへ。
…すごく混んでます。妻も風邪気味で温かいもの食べたいというので、ラーメンを出しているローマ風呂横の食堂を目指します。
すると、こちらは非常にすいている。
食堂としては、施設の一番奥に位置するので穴場になっているのですね。
フライドポテトが食べたいという次女、食べながら「眠い」と言って、ポテトを握ったまま机に突っ伏してしまいます。
時間はすでに1時近く。9時から遊んで4時間、疲れたのでしょう。
長男・長女はまだ遊びたいというので、目の前のスパガーデンで遊ぶのを許可。
妻に次女を見てもらっといて、僕は荷物を引き出しに戻ります。
食堂のすぐ下にローマ風呂の更衣室があります。もう、帰り支度をしてしまいましょう。
食堂の座席は空いていたので、そのまま次女は寝かせて置き、1時半ごろ、妻と長女で着替えに行きます。
10分ほどで戻ってきたので、今度は僕と長男。
戻ってきたら、妻と長女で、次女を寝かせたままうまく着替えさせてました。
というか、着替えさせられて次女もちょうど起きたところ。
時間は2時前。2時半にはバスに向かわねばなりません。
長女と次女が「おみやげ買いたい」と言っていたので、お土産物屋さんへ。
長女も次女も、アクリル製のキラキラ詰め放題をやりたいと言っていたのですが、買うつもりで見に行ったら次女はかわいい髪ゴムに心変わり。
ハワイらしい大きな花(プルメリア)の造花がついた髪ゴムです。
長男は1000円の安物ウクレレを興味深く見ていました。
長女・次女の買い物が決まったところで、長男に「千円なら買ってあげるよ」というと、別にいらないとのこと。
最初は興味があってみていたのですが、構造が理解できたところで興味が無くなったそうです。
#置いてあるすべてのウクレレでチューニングが全然違う、というのも興味が失せた理由。
どれが正しい音かわからないので、音楽をやってみようにも信頼性が無い、とのこと。
まぁ、おもちゃだからね (^^; わが子ながら的確な観察力だ。
これで時間丁度。
バス乗り場に行き、クロークから荷物を引き出し、アロハを返し終わったらちょうどバスが到着しました。
ハワイアンズを出発する際、バスが見える範囲にいるスタッフは皆、バスを見送って手を振ってくれます。
些細なことなんだけど、子供たちは手を振り返して喜び、「また来たいなー」と言ってました。
帰り道はまた渋滞。
予定を1時間オーバーし、横浜に就いたのは夜9時前。
もっとも、バスの中で寝たので子供たちは家まで寝ることなく帰りつけました。
家着いてほっとしたら、風呂も入らず寝ちゃったけど。
…というか、2日間風呂に入りっぱなしだったので、風呂入ってなくてもお肌つるつるですよ。
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申し訳ありませんが、現在意見投稿をできない状態にしています。 【りか】 明日行ってきます (2017-05-03 16:34:46)【みかん】 行ったことありますよ♪もっと楽しく遊べます! (2016-03-01 18:05:34) |
昨夜 Google DNS が 30分程度サーバーダウンしたようです。
たまたまその 30分間にネットを見ようとしていた妻が「なんだかおかしい」というので気づきましたが、30分程度なら普通は遭遇しない事例でしょう。
最初は自分の設定したサーバーがおかしいことを疑い、いろいろ調査して google DNS がおかしい、という結論に行きつきました。
すぐに通常ルートサーバを参照する設定に切り替え、速報性の高い Twitter のツイートを調べると、Google DNS が落ちてる、と騒いでいる人たちが多数いました。
2ch にもスレが立っていました。
で、その際に騒いでいた人たちの反応を大別してみると、こんな感じ。
・Google DNS 速いなんて言ってるやつは情薄。海外のサーバなんだから遅いにきまってる。
・Google DNS 使ってたけど落ちるなんて信頼できない。もう使わない。
・Google DNS 落ちてるから、ネットにつなげず、対処法を調べることもできない。(おそらくスマホからの書き込み)
・DNS 使えなくなるだけでネット出来ないなんて、インターネットって不便過ぎね?
・↑IP アドレス直打ちすれば大丈夫。主要サービスの IP は覚えとけ
・Google DNS 勧めてたやつらとか、今どうしてんのか。どう責任取るのか。
さて、以前に Google DNS を勧めた僕としては、最後の意見に対して責任を取ろうかと思います。
まずは、上に書いた主要意見で、間違えている部分について解説を加えます。
まず、DNS の仕組みについておさらいです。
DNS は「情報を知っている人を探す」ことを繰り返して、目的の情報に行きつく仕組みです。
とりあえずは手近な人に聞きますが、普通はその人は情報を知りません。
でも、「あの人なら知ってんじゃない?」と教えてくれます。
次の人も、たぶん情報を知りません。でも、最初の人よりも的確に「あの人は知ってるはずだよ」と教えてくれます。
これを繰り返し、最終的に本当に知っている人に辿りつく、というのが DNS の仕組み。
仕組み上、非常に遅いです。
遅いから、一度聞いた情報は、しばらく覚えておきます。
だから、最初の問い合わせが遅くても、2度目の問い合わせは速いのが普通です。
Google DNS が「速い」というのは、最初からすべての情報を覚えているためです。
先に、「遅いからしばらく覚えておく」と書きましたが、Google DNS は永遠に忘れません。
情報が書き変わると困るので、一定時間たつと勝手に「再問合わせ」して、最新情報を取得します。
でも、これは裏で勝手にやっていることで、誰かに尋ねられてから情報を探すのではないのです。
だから、「知っているほかの人に聞く」という時間が発生せず、必ず瞬時に応答を返します。
通常は、DNS サーバーには「契約しているプロバイダの DNS サーバー」設定します。
これは、家庭に来ている回線の、すぐ向こう側にあるものです。
Google DNS サーバーは、確実にそれよりも遠いところにあります。
このため、プロバイダの DNS サーバが「情報をたまたま覚えていた」場合よりは、絶対に速度が遅くなります。
海外だから遅いと言っている人もいるけど、Google DNS 自体は世界中に分散しているし、たぶん日本にも置かれている。
遅い理由は海外だからではなくて、「プロバイダの DNS より遠いから」なのね。
でも、プロバイダの DNS が「知らなかった」場合、プロバイダの DNS はそこから情報探しを始めます。
この場合、必ず一発で答えを返す Google DNS サーバーよりも、絶対に遅いのです。
ちなみに、本当はあなたに一番近い DNS サーバーは「Windows / MacOS に内蔵しているもの」です。
よく使うホスト名などは、OS が覚えているからプロバイダの DNS に問い合わせることすらしない。
そして、ほとんど知られていないような個人サイトのホスト名(www.wizforest.comとか)などは、OS も知らないのでプロバイダの DNS に問い合わせるでしょう。
でも、そんなサイトはプロバイダも知らない可能性が高い。その際は、さらに別の DNS に問い合わせ始めます。
つまり
・よく使うサイトなら、OS が覚えているから DNS の速度は関係ない
・ほぼ知られていないサイトなら、google DNS の方が速い
これが、「Google DNS は速い」と言われる根拠です。
残りの中間層…自分はあまり使わないけど、世の中的には有名なサイトに問い合わせる場合は、プロバイダの DNS はきっと「誰かに問い合わせられた」ことがあり、覚えていた内容を返すでしょう。
この場合は、Google DNS よりもプロバイダの DNS の方が速いことになります。
次。順番変えて「DNS なければ IP 直打ち」の話から。
DNS はインターネットにとって「後から考え出された」技術で、必須ではありません。
だから、DNS 落ちただけでネット使えなくなるなんて不便すぎ、というのは確かに事実ではない。
じゃぁ、IP 直打ちでサイトが見られるか、と言うと、通常はみられません。
サーバーの効率化のため、1つの IP アドレスで複数の WEB サイトを運用する方法が現在の主流です。
もちろん、WEBサーバーのアクセスには IP アドレスが使われます。
でも、そのアクセスの際に、URL の「ドメイン名」の部分が送信され、WEBサーバーはこのドメイン名を元に、表示するサイトを切り替えます。
そのドメイン名部分を IP 直打ちにしてしまうと、サーバーはどのサイトへのアクセスか判別できなくなってしまう。
だから、DNS が使えなくなったらネット…すくなくとも、WEB サービスは使えなくなる、という前提で正しい。
でも、「DNS 落ちただけでネット使えなくなる」のは、設定したあなたのせい。
Google に限らず、すべてのサービスはいつ停止するかわかりません。無停止運用を期待してはならない。
Goole DNS が信じられないから別の Open DNS (誰でも使ってよい DNS)を設定するとか、プロバイダの DNS に戻すとかしても、それらもやはり停止する可能性があります。
だから、こちらも解決にはなりません。
#むしろ、Google DNS は停止が非常に少ない部類です。
DNS は、通常2つ以上を設定できるようになっています。非常に重要だからです。
片方が停止しても、もう片方が使えれば、自動的にそちらを使います。
計画的にメンテナンスなどで停止する場合は交互に止めるため、問題ありません。
でも、突発事故で両方止まる可能性は常にあります。
いくつか設定をメモしておいて、何かあったらすぐに交換できるようにしておくのが良いでしょうね。
#僕はそうしていたので、Google DNS がおかしい、と理解したらすぐに設定を変えておしまい、でした。
これで、上に書いたことについては、全て答え終わり。
さて、2ch では、「今後の対処」として、2つ設定できる DNS サーバーの1つを Google DNS にして、もう1つをプロバイダの DNS にする、というような設定方法を考えている人もいました。
この方法だと、どちらか片方が停止しても問題は出ないので、悪くは無さそうです。
でも、実は Google DNS の真の目的は、速度ではありません。セキュリティです。
セキュリティは常に弱いところからほころびます。
Google DNS 「以外」の DNS を併記するのは、あえて「弱い」部分を導入することになります。
まず、Google DNS のセキュリティについて書きましょう。
先に書いたように、DNS は「知っている人に聞く」仕組みです。
これ、インターネットに接続している人は皆善人だ、という前提に立っています。
DNS が最初に設計されたころは、インターネットは小さな実験ネットワークだったので、これで良かった。
でも、DNS の仕組みにたった一人の「嘘つき」が混ざるだけで世界は破綻します。
「~について教えて」と A さんが B さんに聞いたときに、聞かれてもいない C さんが、「~だよ」と横からささやくだけでいいのです。
もちろん、C さんは B さんの真似をします。すると、善人である A さんは、疑いもせず情報を信じてしまいます。
結果として、WEB ブラウザは間違ったホストに接続するでしょう。
そのホストにはウィルスなどが置いてあり、あなたのコンピューターの重要データを盗み出せるわけです。
DNS は、多数のサーバーに情報を分散させるシステムですが、この分散こそがセキュリティの穴なのです。
Google DNS は、あらかじめすべての情報を覚えておく…情報分散をやめることで、セキュリティの穴を無くします。
これが、Google DNS を使用する最大のメリットです。
さて、話を戻して DNS 設定。
2つ(もしくはそれ以上)の DNS を設定できますが、「優先」「代替」と呼ばれます。
通常は優先 DNS を使用します。そして、優先 DNS が応答しない(サービスが停止している)場合、代替 DNS が使用されます。
優先に Google DNS を設定し、代替にそれ以外の DNS を設定した場合、Google DNS が動いている限り、セキュリティは確保されます。
もし今回のように Google DNS が停止した場合、代替の DNS が使用されます。
この切り替えは勝手に行われるため、セキュリティが甘くなっている状態であることをあなたが知ることはありません。
#DNS が代替に切り替わるのに2秒かかるので「何か遅い」くらいには感じるかもしれませんが。
もっとも、現状の Google DNS の稼働率を見ると、非常にまれなことです。
そして、通常の DNS も、セキュリティの甘さが指摘はされていますが、大きな問題なく動作しています。
#DNS サーバー全てのセキュリティが甘いのではなく、ちゃんと設定されていれば問題はないのです。
ただ、世界中に何万もある DNS サーバー全てがその設定になっている保証がなく、DNS の情報リレーの際にそこを通る可能性は常にある、というだけ。
ちゃんとリスクを認識したうえで、そのような設定を行うのであれば、悪くないと思います。
僕としては、「問題があったらすぐに切り替えられるように」準備したうえで、普段は常に Google DNS を使用します。
問題があった際にセキュリティが甘くなることは同じなのだけど、切り替える際に「セキュリティが甘くなる」と自分で認識できるからね。
2014.10.15追記
「Google DNS は CDN と相性が悪い」という指摘を頂きました。
調べてみたら、ずっと以前にすでに指摘している人がいるのですね…
恥ずかしながら不勉強で知りませんでした。
CDN (Contents Delivery Network) は、一種の WEB キャッシュサーバーです。
海外など、非常に遠い場所にある WEB に「誰か」がアクセスしたタイミングで内容を取得し、覚えておきます。
その後、別の人がアクセスしようとすると、覚えて置いた内容(キャッシュ)を返します。
海外に取得に行く必要が無くなり、非常に高速に結果を得られます。
ただ、CDN という存在は知っていたし、かなり利用されているのも知っていたのですが、その詳細な仕組みは知りませんでした。
詳細な仕組みとしては、大手の ISP (接続プロバイダ)にキャッシュサーバがあるのだそうです。
そして、 ISP の DNS を使用していると、キャッシュされている内容に関してのみ、アクセス時にキャッシュサーバを参照するように IP アドレスが送られてくる。
この場合、プロバイダ…あなたの家に来ている接続線のすぐ向こう側…の内部で、すべてが完結します。
非常に高速に動作するのですが、それだけでなくもう一つのメリットがあります。
それは、「プロバイダが通信料金を払わなくてよい」ということ。
プロバイダもまた、別のプロバイダとの通信を行う際には通信料金を支払わねばなりません。
でも、自社内部で完結していれば、料金は発生しないのです。
これによってプロバイダは、ユーザー(あなた)に対しても安い接続料金を提供できます。
ところが、もし Google DNS を使うと、プロバイダは CDN を活用できなくなり、外部のサーバーへアクセスしなくてはならなくなります。
たとえ DNS 部分は Google DNS が速かったとしても、その後のデータ取得は遅くなります。
また、プロバイダは無駄な料金支払いが発生するため、ユーザーに対して料金を値上げしなくてはならなくなります。
…というのが、CDN と相性が悪い、という話。
僕は「DNSとして」しか Google DNS を見ておらず、CDN まで含めた話では考えていませんでした。
(不勉強で、詳細な仕組みを知らなかったせいでもあります)
Google DNS はセキュリティ的には良いものなのですが、なかなか難しいものです。
もちろん、Google も CDN 業者と話し合いを持っており、Google DNS を使いながら CDN も活用できるような仕組みを策定しようとしているようです。
しかし、現状話し合いはあまり進んでいない模様。
プロバイダの DNS と Google DNS 、どちらを使うかはしばらく悩ましい状況が続きそうです。
2016.9.4追記
本文最後に書いた CDN を活用できる仕組み、RFC 7871 として 2016年 5月に発行されています。
CDN サーバーが、Google DNS のような Public サーバーに対し、特定の IP アドレス空間(プロバイダから見ると、自社提供ネットワーク内)では、DNS 問い合わせに対して CDN キャッシュサーバーのアドレスを返すよう依頼できる機能です。
僕は本文最後に「悩ましい」と書きながら、Google DNS を使ってきました。
CDN 活用の仕組みが整ったことで、今後も安心して使用を続けられます。
#なお、RFC 7871 に至るドラフト案は、本文を書いたすぐ後、2014年末には出されていたようです。
CDN 大手の akamai 社が原案を考え、そこに google も乗っかった形で RFC まで発展してきました。
google DNS は最初のドラフト案時点で実装を開始したようだ、という話(公式ではない、未確認情報)もあったので、ずっと使っていてもプロバイダに負担をかけていたわけではなかったようです。
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ポール・モカペトリスの誕生日(1946)【日記 14/11/18】
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今日は、計算機言語が生まれた日。
…というのは、非常に曖昧な言い方だな。
計算機言語っていうのは、つまりはプログラム言語のことね。
ただし、2進数で示される「機械語」は含まないものとします。
あれは、電気を ON/OFF するスイッチを制御するための信号だから。
また、機械語と1対1で対応しているアセンブラも、今は含まない。
(計算機言語に含む場合もあるけど、話の都合上含まないものとしてほしい)
つまり、プログラム言語とは、人間にわかりやすい形で示された「言語」を元に、機械を制御する「機械語」を直接生成するものです。
1950年代初頭、プログラム内蔵式のコンピューターは研究目的ではなく、実用になりつつありました。
そして、プログラムが思った以上の難題であることが明らかになってきます。
ここで、コンピューターは非常に高性能だから、コンピューターの力を使ってコンピューター自身をプログラムしよう、という構想が現れます。
自然言語(英語)を使って、おかしなところのない厳密な方法で仕様書を書くと、それをコンピューターが解釈して自分自身をプログラムする、というアイディアです。
これは「自動プログラミング」と呼ばれ、学術的な研究などが始まりました。
でも、意見は大きく二つに分かれます。
プログラムは想像力が必要なもので、機械にはできっこない、という懐疑派と、想像力が必要なのは仕様書を策定する部分で、そこから先の部分は機械でもできる、という推進派です。
IBM は推進派でした。
何よりも、主力商品となりつつあったコンピューターを売るためには、効率の良いプログラム方法が必要なのです。
懐疑派と推進派の論争を終わらせる方法はただ一つ。実際に自動プログラミングが可能なことを示せばよいのでした。
IBM は、この分野の研究開発を始めます。
1954年、IBM のジョン・バッカスは、問題を限られた範囲で解決するプログラム言語を考案します。
仕様書を理解する、と言っても、広範囲な仕様書では理解させるのも大変です。
そこで、当時のコンピューターの主要な利用目的であった、科学計算目的にターゲットを絞ります。
科学計算では、非常に複雑な式を扱う必要がありました。
しかし、それらの式は複雑すぎて、機械語に直すだけで一苦労なのです。
たとえば、 Y = X**2 + 5*X +4 …という、簡単に表せる数式があったとしましょう。
(X**2 は Xの2乗の意味です)
これを IBM 704 では次のように書く必要がありました。
LDQ X
MPY X
STQ Y
LDQ num5
MPY X
STQ tmp
CLA tmp
ADD Y
ADD num4
STO Y
数式ひとつ表すのにこんな苦労が必要。この部分の苦労だけでも解放できれば!
#上のプログラム、IBM704 を使ったことがあるわけではないので、自信なし。
一応マニュアル参照しているので大きく間違っては無いと思います。
なお、掛け算は結果を 70bit で返しますが、上のプログラムでは下位 35bit のみ使用しています。
数式を英語で FORMULA と呼びます。ここを変換、TRANSLATE する。
この言語は、FORTRAN と名付けられます。
FORTRAN は、IBM 704 をターゲットとして開発されました。
科学計算では、繰り返しもよく使われましたので、繰り返しを簡単に記述できる命令があります。
でも、数式と繰り返しを除けば、命令はほぼ IBM704 の機械語と同じです。
見た目こそ「高級命令」に見えるのですが、機械語と1対1対応なのです。
実現可能性を確かめながら、FORTRAN の文法を完成するまでに2年が費やされ、1956年に文法などを記した「Programmer's Reference Manual」が先に完成します。
実際に動作する言語処理系が完成するのは翌 1957年。
さて、このマニュアルの発行日が、1956年の今日、10月15日となっています。
(3ページ目の右上に書かれています)
FORTRAN で「自動プログラミング」が可能であることが示された後、翌1958年にはより便利な命令を増やした FORTRAN II が作られます。
FORTRAN の成功に続いて、研究目的の LISP(1958)、ビジネス向けの COBOL(1959) も作られ、さらに 、学生の勉強用に BASIC(1964) など、多くの言語が考案されています。
#余談になりますが、3D プリンタの元祖となるモデル記述言語、APTも 1958年に完成しています。
しかし、これらの言語は、今から見ると「いきあたりばったり」な文法体系です。
たしかに目的は達成できるのですが、命令の組み合わせ方が制限されていたり、論理が記述しにくかったりするのです。
FORTRAN を作り出したジョン・バッカスは、言語を作る研究をさらに続けていました。
そして、「より良い言語」を作ろうとしていた国際的なグループに参加します。
この時に作られた言語が ALGOL です。言語仕様は 1958年に作られていますが、実際に動作する処理系が出来たのは 1960年でした。
ALGOL の文法記述方法は、「バッカス・ナウア記法」(Backus-Naur form:BNF)と呼ばれます。
ピーター・ナウアは、ALGOL 開発者の一人。
BNF は、非常にすっきりと文法を記述できます。インターネットのプロトコル仕様などは BNF で表現されることが多く、RFC (インターネットで守られるべき取り決めのこと)を読むうえで、BNF を知っていることは非常に重要です。
最初の FORTRAN の記述方法などは「スパゲティプログラム」と呼ばれて忌み嫌われ、ALGOL の記述方法は良いものとされるのですが、作者は両方同じなのですね。
#FORTRAN の反省に立って ALGOL を設計した、とも言えます。
さて、FORTRAN が無ければその後の言語はありませんし、ALGOL が無ければ現在の C言語や、Java / PHP / Perl などの多くの言語もありません。
これらすべての元…FORTRAN の仕様がが世に示されたのが、1956年の今日なのですね。
そういうわけで「計算機言語が生まれた日」と書いたのです。
…発行日って恣意的な部分もあるから、本当に今日が生まれた日かわからないのですけど (^^;
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ジョン・バッカスの誕生日(1924)【日記 14/12/03】
別年同日の日記
申し訳ありませんが、現在意見投稿をできない状態にしています。 |
FORTRAN の誕生日ついでにもう一つ。
時々 FAQ のように「なんでループ変数に I とか J とか使うの?」という話を聞きます。
これ、知っている人は知ってますね。FORTRAN がそうだったから、というのが答えです。
でも、こないだ Twitter で見た疑問は「なんで FORTRAN は I から N が整数なの?」でした。
…そうきたか。そこを疑問に思ったことはなかった。
一応、疑問の主は「Integer とか Number なのだろうけど」と言う部分まで理解しています。
先に書いた FORTRAN の誕生日は、実はこの疑問が面白いと思ったために調べていて気付いたのでした。
最初のマニュアルを調べていたら、日付が近かったので「あ、これ記念日ネタだ」と。
で、答えを先に書けば、マニュアルには「I~N が整数」となっているだけで、理由は書かれていませんでした。
策定に2年かけているから、当初は何か理由があったのだろうけど、マニュアルに書く必要は感じられなかったのでしょうね。
FORTRAN が完成した 1957年には、PRIMER …つまり、FORTRAN プログラミング初心者向けの教則本が作られています。
こちらも理由は無しで「I~N が整数」というだけ。
IBM 650 にも FORTRAN があって…というか、IBM は作ってないのにカーネギー工科大学(現在のカーネギーメロン大学)が勝手に移植したようで、IBM が再配布しています。
勝手に作ったものなので一部互換性が無いようで FOR TRANSIT という名前です。
でも、再配布に際して IBM が作ったマニュアルは、704 の物とほぼ同じ。
つまり、ここでも理由は書かれていません。
FORTRAN のマニュアルなどには記述が無いので、以降は推測にすぎません。
まず、FORTRAN は科学計算用であったことに留意が必要です。
科学者が使う「変数名規則」をそのまま使う場合、特に説明はいらないのです。
適当な変数を使って式を立てる際、整数を I とするのはよくあることです。
Integer (整数、という意味の英語)の先頭の文字ね。
#通常、式を立てる際は変数は小文字筆記体で書かれるが、IBM 704 は 6bit で文字を表現するため、大文字しか使えなかった。
整数が複数必要なら、 I J K …とアルファベットを後ろにずらして順番に使います。
アルファベットの成立の歴史の中で、元々 J は存在せず、I から派生したものでした。
この点でも、I と J を同じように使うのに、それほど違和感はありません。
また、科学者は「自然数」の意味で、N を使います。
自然数っていうのは「1以上の整数」の意味ね。
こちらは、Nature number(自然数の意味の英語)の N です。
複数必要な場合、N M L …とアルファベットを前にずらして順番に使います。
なぜ前にずらすのかと言えば、おそらく理由は2つ。
1つ目は、後ろにずらした O よりも、 M の方が N に似ている感じがするから。
「同じ意味である」ことを示すのは重要なので、似ている気がするというのは大事です。
それに、NuMber (数値) という単語のイメージともあいます。
2つ目は、後ろにずらした O (オー) には、「原点」という別の意味があるのです。
O (オー)は数字の 0 (ゼロ) とよく似ています。
複数の数値をまとめて扱う場合、それらの数値すべてが 0(ゼロ) の点を O(オー)で示して特別視することがあります。
以上の理由で、科学者は整数に I J K ... を、自然数に N M L ... を使うのです。
ところで、FORTRAN の変数は、実数型と整数型しかありません。
自然数を表現したいなら、整数型を使うことになります。
FORTRAN のプログラムに於いて、自然数と整数は区別されないのです。
そこで、変数名の最初の1文字が I J K L M N で始まる変数は整数型、それ以外は実数型、と決め打ちになります。
これが、科学者にとって使いやすい言語仕様なのです。
型が変数名によって決まるので、変数の宣言などは不要で、いつでも使いたいときに変数を使えばよい、という形式でした。
#最初の FORTRAN では、変数名は6文字までの長さが許されていました。
…これ、思わぬバグの原因でした。
非常に有名な例を挙げましょう。
FORTRAN では、ループに「DO」と言う命令を使います。次みたいな感じ。
DO 100 I=1,10
WRITE (*,*) I
100 CONTINUE
行番号 100 に書かれた CONTINUE までの間を、I が 1 から始め 10 になるまで(増分1で)繰り返せ、という命令です。
(WRITE …は、変数 I を印字する命令ですが、ここでは気にする必要はありません)
当時、プログラマー(アルゴリズムを考案する人)と、コーダー(FORTRAN でアルゴリズムを記述する人)、パンチャー(コーダーの記述をパンチカードに打ち込む人)は別でした。
そして、上のプログラムをパンチャーがこう打ち込むのです。
DO100I=1.10
WRITE(*,*)I
100 CONTINUE
空白が無くなったことは問題ではありません。
FORTRAN の仕様で、空白は全く無視されました。パンチカードを無駄にしないように、詰め込んで書けるのです。
でも、空白以外に変わった場所があります。最初の行で、カンマ (,) がピリオド (.) に打ち間違えているのです。
すると、DO100I という、6文字以内の規定に正しく従った変数名に、1.10 という、変数の型に正しく沿った実数を代入してしまいます。
規定どおりなので、動作としては全くおかしくありません。
100 行目には CONTINUE という命令が書かれています。ループの終わりです。
「ループが始まってないのに終わりを書いてあればエラーになってくれるのでは」…と、今のプログラマーなら期待してしまいますが、そうはなりません。
実は、CONTINUE という命令は「明示的に行番号を作り出す」ためだけに存在する命令で、「何もしない」と決まっているのです。
だから、DO 命令が存在しないのに CONTINUE がある、という点でもエラーは出ません。
結果として、プログラマーが考えたアルゴリズムは、 カンマ (,) とピリオド (.) を間違えるというミスにより、全く違う動作に変換されてしまい、エラーとして検出されません。
この話、昔は「NASA がこれで金星探査機を失った」とされていたのですが、今は否定されていますね。
(NASA でこのバグが出たのは事実らしい。…NASA に限らず、このバグは良くあったみたいだけど)
上のバグがなぜ出るかと言えば、2つあって
1) 宣言もせずに変数が使えるのが良くない。
2) ループの「はじめ」と「おわり」をセットにしていないので、おかしくなったことに気付けない。
の2つです。
この反省から、ALGOL 以降の言語では、「はじめ」から「おわり」までのブロックを示すことと、変数を宣言することが重視されています。
ブロックは、まぁいいです。実際便利なので。
でも、変数をわざわざ宣言しないと使えないって、面倒くさいようにも思います。
で、今の言語では、変数の宣言が不要、というのも流行しています。面倒がなくていいね!
…そしてまたバグが出る。
変数の宣言が不要、というのは大抵は軽量言語 (Lightweight Language : 略称 LL) と呼ばれるものの特徴で、変数に「型」がありません。
整数型なんて知らない。全部実数でいいじゃん。
文字列型はあるけど、必要に応じて文字と数値は自動変換するよ。変数には気にせず突っ込んじゃえ。
特に型が無いんだから変数宣言なんていらないじゃん。好きな時に使えばいいよ。
…これ、非常に楽なんですよね。実際僕も現在は主に PHP / Javascript プログラマです。
#昔は Perl が好きだったし、そもそもゲームプログラマ時代はCもアセンブラも使ってましたよ。
今でも使えると思うけど、易きに流れて楽している感じ。
さて、LL の始祖ともいえる awk は、フィルタを「言語的に拡張したもの」だったので、バグが出るほど大きなプログラムを作るのも苦手でした。
でも、awk を拡張した perl では、かなり大きなプログラムを作れる。
にもかかわらず、変数を宣言しないでも良いので、うっかり変数名を間違えた時に気付かない。
ところで、C言語では、変数は「大域変数」と「局所変数」に別れていました。
大域と言うのは、大きなプログラムの全体、どこからでも参照できるもの。
プログラムと言うのは、内部では小さなプログラムの寄せ集めになっているのだけど、「局所変数」は、この小さなプログラムの中でしか参照できないもの。
小さなプログラムの中で変数を宣言すると、局所変数になるようになっていました。
そして、perl も同じ方法です。
小さなプログラムの中で宣言すれば、局所変数になります。
逆に言えば、うっかり間違えた変数名は、宣言されていないので「大域変数」になります。
うっかりミスがプログラム全体に影響を及ぼしてしまう、ということ。
…やっぱ問題があると思ったようで、Perl 5 以降では、変数を宣言しないとエラーになる、というモードが追加され、そのモードを使うことが推奨されています。
あぁ、やっぱ変数の宣言って、面倒でもした方がよかったね、という流れ。
ところが、perl 以降に現れた Javascript でまた、変数の宣言が不要になります。
局所変数の定義方法など、perl と同じ構造。問題の再発です。
こちらも、同じ問題は同じ対処で…と、変数を宣言しないとエラーになるモードが追加されます。
なんと、このモード切替方法まで perl とほぼ同じ。
さらに後に作られた PHP 。
同じ轍は踏まないけど、面倒な変数宣言はやっぱ使いたくない、と思ったのか、「宣言しない限り局所変数」となりました。
小さなプログラムの中で「これは大域変数だよ」と宣言したものだけが、大域変数として使えます。
なるほど、これなら、うっかりミスしても影響は局所的です。
根本的な解決方法にはなっていませんが、perl や Javascript よりは良さそう。
でも、変数宣言したくないものだから、「URL で変数を渡したら、自動的に大域変数になる」なんて機能もあったのですね。
これが大問題で、PHP の最大のセキュリティホールとして、大きな仕様変更を伴いながら、現在では基本的に機能が無くなりました。
…過去との互換性を考えて、まだこの機能を「使おうと思ったら使える」のですけどね。
セキュリティ的には良くないのだけど、過去にやっちゃったので、今更やめにくい。
(近い将来廃止する、とずっとアナウンスしていますが)
今では、やはり「変数の宣言必須モード」にするのが推奨です。
でも、あまり使われているように思いません。
#デフォルトでそのモードなのだけど、「解除方法」が書かれた BLOG が山ほどある。
みんなこのモード嫌がっているみたい。
ところで、PHP は WEB サーバー用として、Javascript は WEB ブラウザ用として、それぞれ人気のある言語です。
セットで勉強中、という人も多いようなのだけど、この二つで変数の「宣言しなかった時の挙動」が正反対。
言語を学ぼうとする人に、思わぬ障害になっているようです。
最後の方、FORTRAN の話からどんどん離れていきました。
まぁ、FORTRAN から始まる「変数の話」ということで。
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別年同日の日記
申し訳ありませんが、現在意見投稿をできない状態にしています。 |
ちょっと思うことがあったので、政治思想的な(?)ことをつらつらと。
多分、読んで嫌悪する人もいるとは思いますが、「臭いものにふた」で済む問題ではないので、深く考えないといけない。
僕の主張と違う意見を持っても構いません。というか、むしろどんどん違う意見が世に出たほうがよい。
「世の中がもっと多様性を持つこと」が重要だと思っています。
▼第1。LGBTについて。
もう10年以上前、2003年に、「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」というものが作られています。
性同一性障害、つまり、生物学的には男だけど心は女性、生物学的には女だけど心は男性、というような方に対する法律。
おかま、おなべ、ニューハーフ…などなどの言葉で呼ばれることもありますが、ここではあえて「第三の性」と書かせてもらいます。
さて、日本の憲法では、男女平等の権利が認められています。
しかし、これは「男女」という2つの性についてのみで、「第三の性」を想定していませんでした。
法律制定上の「穴」であり、第三の性は平等の権利を有さないのです。
一方、法律は男女のみでなく「すべての国民が」平等の権利を持っていることも謳っています。
第三の性が平等の権利を持たない、というのは憲法違反の状態でした。
そこで作られたのが前述の法律です。
男女のいずれかしか想定していないことによる不都合があった際、この法律による権利が発動し、「特例」を生じさせることができるようになっています。
ここでは、「性同一性障害」としています。
先に書いたように、生物学的な性と自認する性が一致しない状態。
ただ、実際には「男・第三の性・女」だけでなく、この間は無段階のグラデーションです。
この際、「生物学的な性と、自己認識する性」だけの問題ではなく、さらに「恋愛対象とする性」という要素が加わります。
最初に、一般的と思われる定義を挙げておきましょう。
生物学的な男は、自分を「男」と認識し、恋愛対象に「女」を選ぶ。
生物学的な女は、自分を「女」と認識し、恋愛対象に「男」を選ぶ。
これが世間一般の「男と女」の認識です。
でも、「 」の部分は、実は自由に入れ替え可能で、入れ替えると様々な「第三の性」が作りだせます。
まず、恋愛対象はさておき、「自己認識が生物学的な性と異なる」場合。
先に書いた「性同一性障害」ですが、トランスジェンダー(性を超えたもの、の意味)と呼ばれます。
次に、生物学的な性と自己認識する性が同じ場合。
男だけど、恋愛対象に男を選ぶ人はゲイと呼ばれます。
女だけど、恋愛対象に女を選ぶと、レズビアン。
ゲイとレズをまとめて「ホモセクシャル」と呼びます。
日本ではホモと言う言葉が誤用されてきた歴史がありますが、今は詳しく扱いません。
恋愛対象の枠は実は「男も女も」というのもありです。この場合、バイセクシャルと呼ばれます。
これ、「性癖」だと思っている人も多いのですが、性癖とは違うので注意。
性をどのように自己認識しているか、という問題、つまりは性別の一つです。
「男だけど心は女性で、女性なので当然男が好き」の場合は、どう扱うのでしょう。
すみません。僕がこの分野にそれほど詳しくはないので、あまり細かなことになるとわかりません。
先に書いた通り、生物学的な性と自己認識が異なるので、トランスジェンダーではあるのですが、この中の区分もさまざま、ということ。
性別って、単純に分離できるものではないのです。
レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー。
この四つをまとめた言葉が、LGBTです。
先の法律では「性同一性障害」、つまりTの部分のみを扱っています。
しかし、先に書いた通り性別は単純に男女にのみ分けられるものではありません。最近は「男女に単純に分けられない人々」をLGBTと総称するようです。
LGBTは、人口比にして 5% 程度はいるという調査があります。
人口比 5% ということは、学校でいえば「クラスに1人は必ずいる」ということです。
4種まとめて5%ですから、細かな分類をすれば圧倒的少数ですが、無視できない数だと言えるでしょう。
実際、いじめや不登校の理由としてLGBTが報告されているケースがあります。
文部科学省も問題意識を持っており、学校の現場でLGBTについての教育がなされることが望ましい、と考えています。
2013年には法律が作られて10年目ということもあり、大規模な調査が行われたようです。
この結果が2014年夏ごろにはまとまり、報じられていたようですが、僕は最近知りました。
結果は、残念ながらほとんどの学校でLGBTに対する取り組みは行われていない、とのこと。
…まぁ、ここはわからないでもない。僕が先生の立場なら、急にLGBTに対する意識を啓蒙するような授業は行いにくいでしょう。
でも、「LGBTへの差別を助長するような」教育が行われているような例が非常に多く見つかっている、というのは問題です。
そして、その問題の原因としては、教師側の理解不足が挙げられています。
勘違いしないでほしいのですが、教師が悪い、というのではないです。
教師だって僕らと同じ、普通の大人。先生だから何でも知っていろ、なんて無理な話。
つまり、解決方法は教師の意識改革ではなく、「すべての人が、もっとこの問題を考えること」なのです。
これが、今日の日記を書き起こした理由。
前置きだけでずいぶん長くなりましたが、ここからやっと本題に入れます。
▼第2。ティム・クック Apple CEO
ティム・クック Apple CEO が、ゲイであることをカミングアウト(秘密の告白、の意味)して話題になっています。
先にLGBTの話を書きましたが「G」ですね。
日本ではLGBTへの理解が低いことを書きましたが、実は世界的にみるとLGBTへの理解が「ある方」です。
日本では、LGBTの人がテレビに出ても…嘲笑の対象とする、という浅ましい部分はありますが、その程度です。
(いや、これで悩んでいる人は多いので、その程度、なんて軽く言ってはならないのですが)
美輪明宏さんとか、池畑慎之介☆さんあたり、笑われるわけでもなく、十分な「自分のポジション」を持っておられる。
それに対し、欧米…ユダヤ教・キリスト教・イスラム教(この3つは共に、旧約聖書を原典とします)の支配権では、LGBTは「絶対悪」です。
神は世界を作る6日目に男と女を作り「産めよ増やせよ地に満ちよ」と命じたのです。
ということは、男女以外の性であるLGBTは、神の命令に背くもの。悪魔の所業です。
日本では「嘲笑」程度で済みますが、欧米圏では激しく嫌悪され、社会から排斥されます。
もちろん、欧米にもLGBTへの支援団体はいます。
しかし、個人レベルでは支援が可能だとしても、社会的になると、難しいのが現状。
LGBTの人間を雇うような企業があれば、保守系の消費者が反発し、不買運動を起こします。
これは、LGBTをカミングアウトすれば、もうどこで働くことも出来ず、貧困層におとされ、生活もままならないということを意味します。
ティム・クックは、数年前からゲイであることを隠してはおらず、同性愛者向けの雑誌などでは「重要人物」として、3年連続で表彰されていたようです。
とはいえ、正式なカミングアウトとなると、社会的な影響は別。
これにより、LGBTへの差別が少しでも減れば、と考えているようです。
僕が見た限りでは、国内のネット上の反応で、次のようなものがありました。
「性癖は個人の問題なのだから、わざわざ公表することに疑問を感じる」
「スカトロマニアやSMマニアの公表でも勇気があると讃えるのか」
その意見、非常に良くわかります。
この3年間、隠すこともせず、しかし公表もしていなかったティム・クックも同じ気持ちだったのではないかと思います。
ただ、ティム・クックは今回のカミングアウトで、「性癖」の話をしているわけではない。
先に書いたように、LGBTは、自己の性別をどう認識しているかという部分の問題です。
「性別」であって、「性癖」ではない。
ゲイと公表したのは「自分は男だけど、男しか恋愛対象に見られない」と言っているのであって、実際にセックスまで行うかどうかは別問題。
そんなもの、それこそ個人的な問題なので、わざわざ言う必要もないでしょう。
もちろん、ゲイの人間だって「男を恋愛対象とする」だけで、無理やり犯すような犯罪はしない。
つまり、恋人にでもならない限り、普通に接していて構いません。社長がゲイだからと言って会社が何か変わるわけではない。
…とはいえ、ティム・クックは用意周到に「社長がゲイであることで何かを変えよう」としている節もありますね。
LGBTであることがばれて働けなくなった人でも、優秀な人材であれば採用すべきだ、という考えがあるようです。
そうすれば、会社にとって利益となります。
一方、キリスト教保守派が反発してアップル製品の不買運動でも起きれば、会社に損害を与えた人物として株主訴訟になるかもしれません。
非常に危険な賭けに出た形ですが、そうしてでもLGBTに対する現状を変えたい、という気持ちが勝ったのでしょう。
▼第3。SMバー。
閣僚の一人がSMバーに出資していた、という問題で世間を騒がしています。
閣僚の問題は、この際おいておきます。
当初は政治資金の一部で出資を行う「投資」を行っていたのではないかと疑われたのですが、この疑惑は晴れたようです。
また、当人は単純に出資を行っただけで、そういう性癖は無い、とのこと。まぁ、性癖があっても構いませんが。
問題は、この問題を追及した側の議員の言動でした。
SMバーを「口にするのもけがらわしい場所」と表現したことが、少し問題となっています。
性癖は個人の自由です。
公衆の面前でセックスするようなことがあれば問題がありますが(公衆猥褻なので、閣僚の順法精神としても責任を問えるでしょう)、そうでない限り、夜の密室でどのような行為を営もうと許容されるべきでしょう。
しかし、追及する側の議員は、論理を超えて「口にするのもけがらわしい」という言葉で表現しました。
自分の理解できないものは許せない、という態度でした。これが問題視されています。
これ、LGBTの問題と別物ではない、と思うのです。
一般的な認識としての「男女」の性を超えた人々を、理解できないからと排除しようとする。
もっといえば、LGBTに限らないですね。自分が理解できないものは排除する。いじめ問題です。
「理解しよう」なんてきれいごとは言いません。
僕だって、最初にLGBTの説明する中で、「詳しくないので知らない」ってあっさり書きました。
当事者じゃないから理解なんてできてません。
でも、「理解できないから排除しよう」とは思わない。
…いや、この言い方は正確ではないです。非常に微妙な問題なので詳細に書きます。
残念ながら、身近にLGBTの方はいません。
もしかしたらカミングアウトできないだけかもしれませんが、実際に近くにいないので「思わない」とは軽々しく言えません。
「思いたくない」が正確な表現です。
僕は、男女平等論者です。平等論者にもいろんな人がいますが、僕は「性差で差別があってはならない」と考えています。
ならば、LGBTという第三の性であっても、差別があってはならない。自分が差別するようなことはしたくない、と強く思います。
(もし、僕に対して本当にカミングアウトされたとしたら、驚くかもしれません。
その驚きで傷つけてしまうのではないか、という心配はありますが、それでも差別はしたくないのです)
▼第4。女性の権利。
さて、男女平等論者、という話を出したところで。
現実問題として、現在の日本では女性は差別されていると思います。
差別されているから、その対価として「優遇」しないといけない場合がある。誤差補正として逆方向に強く振れさせるのですね。
でも、これをやると男が「逆差別だ」と言い出すことがある。
僕は、これは許容しています。
実際問題として女性に不便があるのだから、一部が逆差別になったとしてもまだ女性不利。
女性の権利がもっと認められたときには、もちろん逆差別部分は無くさねばなりません。
でも、それはもっと先に考えればよいこと。目の前の「当面の対処」としての逆差別は許容する、という意見です。
現代社会は男を中心に回るように構築されました。
数百年かけて男中心に作ったものを、女性にも門戸を開こう、と始めてからまだ数十年しかたっていない。
男と同じように女を働かせる、というのが平等なのではないです。
女は男よりも一般的に筋力が弱く、背が低い…格闘に向いていない、という事実がある。
この事実を元にすれば、夜遅くまで女性を働かせるのは危険で、早く家に帰さないといけない。
すると「女だけずるい」という話になる。
でも、実は女でも「もっと働きたいのに、男だけ残業が認められてずるい」と思っている人もいます。
そして、夫婦共働きの場合、女が先に帰ることになるので家事を全部任される、なんて話にもなる。
女だから家事をするというのは困った偏見で、男だって家事をする方がいい。
#この部分については「男が全部やるべき」と思っています。先に書いた逆差別なのだけど。
実は、現状では「女がやるべき」と言う教育があって、男は家事のやり方もわからない部分がある。
全部やるつもりでも最終的に女に頼らねばならない部分が出てきて、やっと半分分担できる、ということになりやすい。
(一応、兼業主夫のつもりでやっている経験談)
さて、男も平等に家事を、となると、女性だけ「残業しない」のではなく、男性も残業しないが当然です。
…実のところ、残業が常態化している状況っておかしいよね。
普通は帰る、という前提があるから「残」なのです。みんな夕方5時で終わりにしようよ。
▼まとめ。
最近の時事ネタ3つ+αで話をしましたが、すべて問題は繋がっていると考えています。
男女平等だ、と思うのであれば、性別の延長としてのLGBTも認めないといけない。
LGBTを嫌悪する人は、男女平等とLGBTの整合性をどうとるか、自分でも考えてみてください。
まぁ、見直した結果、男女平等に懐疑的になったりしても、僕は構いません。
僕は男女平等論者ですが、それ以上に「多様性を認めたい」と思っています。
男と女とL・G・B・T…さらに「それは許せん」と主張する人も、全部許容できる社会がいいと思う。
言っていること矛盾しているかもしれないけど、世の中なんて矛盾だらけ。
皆が「許容できる」落としどころがあるといいな、と思っています。
思った以上の反響だったので、翌日に追記を書きました。
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