次女、長女の誕生日を相次いで迎え、春で暖かくなったことに加え、G.W.の人混みを避けて早めにどこかに遊びに行きたい…
で、表題の通り、さがみ湖リゾート プレジャーフォレスト、という遊園地に行ってきました。
神奈川ローカルな遊園地ですね。
関東近郊ならまだしも、他の地域の方は全く知らなさそう。
僕の子供の頃は相模湖ピクニックランド、と言う名称でしたが、2008年にそれまでの運営会社から富士急グループに売却されれ、名称変更になっています。
とても楽しい遊園地でした。
ただ、遊園地としては…悪く言えば古臭い、昔ながらの遊園地です。
しかも、敷地も狭い上に、ほとんどが山の斜面です。
なぜこんなに悪い条件なのに楽しめるのか?
楽しんでいる最中から疑問に思い始め、帰り道で妻と話をしているうちに、一定の答えにたどり着きました。
まず、前提条件として、30年前の遊園地は今とはかなり違うものでした。
観覧車やカルーセル(メリーゴーランド)が目を引く派手な遊具。それも、今ほど大きくないのが普通です。
メリーゴーランドの延長として、アームにつけられた座席が上下しながら回ったり、上から長い鎖でつながれたブランコが回ったりするものもあります。
それでも、基本的にクルクル回るものが中心。
疾走感を楽しむものとしてジェットコースターがありましたが、これも今よりずっとおとなしいし、ちいさなもの。
…と、つい「大型の乗り物」を先に紹介してしまうのが、すでに現代風の遊園地の影響。
こうしたものは、昔の遊園地ではやはり花形ではあったけど、それほど多くはありません。
それよりも、巨大迷路とか、お化け屋敷とか、ビックリハウス(部屋に入って椅子に座ると、この椅子が縦にクルクル回る…ような錯覚を起こす)とか、変わり自転車とか、決して大規模ではないけれど楽しい、見世物小屋的なものが沢山ありました。
プレジャーフォレストは、こうした30年前の遊園地の雰囲気をそのまま残していました。
ジェットコースターなんてありませんし、最大の乗り物は山の頂上に建てられた観覧車。
鏡の迷路や、木造5階建て(!)の迷路などもあります。
地面にタイルで描かれた迷路模様も含め、迷路は力を入れているみたい。
園内最大のアトラクションは、一風変わったアスレチックの「ピカソのたまご」。
アスレチックなので危険を伴う、と、最初は説明を受けないと入れない決まりです。
でも、コースは少しづつ分割され、園内にちりばめられている状態。
途中で抜けて別の遊びを始めてもいいし、また途中から入ってもいい。
非常にゆるい感じで、これがアトラクションなのかどうかもわからないくらい。
事実、園内に入った人はこれを無料で楽しめます。
普通の遊園地はアトラクションは別料金なのに。
「ピカソのたまご」は過去にぐりんぱでも遊んでいるのですが、あちらはお金を取られました。
お金を取られるので、途中から入られないように、全体を柵で囲っています。
そして、以前書いたのですが、現在拡張されてコースが長くなっています。
これが…疲れたからちょっと休憩しておやつ食べにいこう、とかやりにくいために、やっていて途中から飽きはじめます。いわゆる「中だるみ」がある状態。
最初からユルイ感じに構成され、好きなように途中で抜け、途中から入れるプレジャーフォレストの方が楽しめます。
もう一つ、プレジャーフォレストでは、スタンプラリーが豊富なようです。
子供向けの簡単なものも、大人向けの難易度の高いものもあります。遊びに行ったら、是非ひとつチャレンジしてみるといいでしょう。
最初に「敷地も狭いし」と書きましたが、それは遊園地としての話。
プレジャーフォレストは、キャンプ場やバーベキュー場、屋外ステージやドッグランなどもある複合施設で、スタンプラリーの際にはそれらの敷地にスタンプが隠されることもあるようです。
広大な敷地に隠されたスタンプを探す、というのは、隠し場所がわかっていても楽しめますし、隠し場所が暗号などで隠されている場合、予想した場所に見事にあった場合など、嬉しいものです。
迷路、アスレチック、スタンプラリー…
プレジャーフォレストが力を入れているアトラクションを並べてみると、最近の遊園地との違いが見えてきます。
ジェットコースターやバイキングなど、いわゆる絶叫マシンは、「めまい」を楽しむものです。
めまいは、遊びの4分類の一つとされるもの。
これに対し、プレジャーフォレストは「競争」を目指した遊園地です。
競争もまた、遊びの4分類の一つ。
ここでの「競争」は、他の参加者相手の物ではありません。
参加者間の競争となると、身体能力の優れるものや頭の良いものが勝ってしまうだけで、誰もが楽しめるものではない。
迷路も、アスレチックも、スタンプラリーも、最初の競争相手は「設置者」です。
アスレチックを見事クリアした、迷路を抜けた、スタンプを見つけ出したなどは、設置者の挑戦に打ち勝った、ということ。これは競争です。
でも、競争はそれで終わりではありません。
たとえば木造5階建て迷路である「からくり砦」。
ぐりんぱの「ココドコ」の原型となった迷路なのですが、名前の通り、壁に見えるところがドアだったり、ドアに見えるけど壁だったりと、ただの迷路ではありません。
#問題点として、混んでいると他の参加者が見つけた仕掛けが見えてしまうと思います。
僕が行ったときはそれほど混んでいなかったために楽しめました。
ココドコにはからくりがなく、全体がアスレチックのような造りになっていますが、たぶんこの点を改良したもの。
さて、こうしたからくりは、「壁か通路か」試行錯誤で確かめるのが楽しい一方、理解してしまうと楽しみが減ってしまいます。
じゃぁ、からくり砦は一度しか楽しめないのか? といえば、そんなことはありません。
ココドコと同じように、同じ迷路の中に2つのコース(押すべきスタンプ)が用意され、2回は入るように促されています。
ここで「競争」を活かした仕掛けがあります。
1度目は、試行錯誤を含むので非常に時間がかかりますが、2度目はまっすぐゴールへ向かうことができます。
そして、「1度目の自分の速度を超えた」ことに満足できるのです。
1回目は設置者との競争、2回目は1回目の自分との競争です。
もちろん、友達と来ていれば、友人との競争も発生するでしょうし、楽しみ方は人次第。
…楽しみ方を強制されない、と言うのは非常に高度な遊びです。
参加者が、それぞれのルールで自由に楽しんでいいのです。
ここら辺が、ジェットコースターなどの「めまい」を楽しむ遊具との違い。
スタンプラリーもまた、同じような構成がみられます。
複数のスタンプラリーがあり、園内にヒントやターゲットがちりばめられています。
しかし、複数に同時に参加する人は、おそらくいないでしょう。
一つのラリーが終わって、もし別の物に参加したとして…もう一度、広い園内を走り回らないといけない。
からくり砦が2回違う楽しみ方ができたように、スタンプラリーも参加する種類によって、同じ園内をまわるだけなのに新鮮に楽しめるのです。
巨大な遊具を購入する予算がなくても、スタンプが10種類くらいあればよいだけ。非常に低予算なのに、参加者は十分楽しめます。
ただし、問題作成やコース設定にはノウハウが必要なはず。誰でも真似できる、と言うものでは無さそうです。
最初に30年前の遊園地は今とは違った…と書きだしましたが、たぶんこの流れを作り出したのは横浜ドリームランド。
開園時に世界一の観覧車を作り、しかもこの観覧車はゴンドラが固定されておらず、回転に伴ってレールを滑り落ちることがある、という「絶叫マシン」でした、
その後も、日本初の宙返りコースターや、日本初のバイキングを導入します。
大型機器を投入することで集客する、という方式を最初に出した遊園地だと思いますが、思ったように集客できず経営が悪化。後に閉園となります。
(経営悪化の根本原因は他にあるのですが、そこは割愛)
今では大型遊具が遊園地の顔となっていますが、プレジャーフォレストはそうした競争に乗らずに生き残ってきた、稀有な存在のようです。
もっとも、競争に乗らなかったというより、資金や斜面だらけと言う立地の問題で大型遊具を導入できなかっただけのようでもあります。
最初に書いたように、富士急グループに売却されたのは経営悪化していたため。
しかし、富士急ハイランドを持つ同グループの元、遊園地経営のノウハウが投入され、今のような楽しい場所になったようです。
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