目次
01日 冒険遊び場
15日 さよなら遠足
21日 インフルエンザ
21日 iOS の hoverバグ回避方法
24日 アン・ワング 命日(1990)
31日 長女卒園
31日 カップヌードルミュージアム
毎年恒例、
年一回、三月の第一土曜日の開催で、今年は3月1日だった。
例年妻は保育園PTAの予定と重なって参加できないが、今年は参加できる。
子供たちも楽しみにしていた。
ところが、天気が良くない。予報では午前の早い時間に少し降ることになっていただけだが、開催時刻近くになって本降りとなった。
雨天順延だが、予報では2日は雨。開催できない場合、年に一度の楽しみが流れてしまうかもしれない。
「これは、さすがにやらないかな」と思いつつ、子供を納得させるために車で開催公園まで出かける。
「ね、今日は中止だって」と見せて、納得させるつもりで。
…現場についたらやっていた。
本来駐車場などは無いので車では来ないように、となっていたので、子供と妻を置いて家に車を置いて自転車で戻って来ようと思ったら、「車、おいちゃっていいわよ」と係員のおばちゃんにいわれた。
有難くそうさせてもらう。
その人に聞いたところでは、雨が降ってきたので中止にしようとしたけど、すでに集まっていた子供が納得しないからなし崩し的に開催になってしまったらしい。
ちなみに、雨はじきにやんだ。
毎年恒例と書いたが、実はこの公園での開催は3年前から始まったばかり。
我が家は2年前から参加している。
そして、年々準備がよくなる。
焼きマシュマロを作ろうと思って…欲しい子がいたら別けようと思って、マシュマロを3袋も買ってきてあった。
でも、今年は大量に用意されていた。
最初からの参加は初めての妻、元々たき火好きで庭でもよくやっているが、火の番を始める。
去年までは自分からうまく遊べなかった次女も、今年は勝手に走り回って遊んでいる。
僕ものんびりと楽しむことができた。
雨のせいで最初は参加する子供も少なく、僕もゆっくりとツイストパンを焼く。
(パン生地を棒に巻き付け、たき火で焼いて食う、半分遊びのおやつ)
たき火をやりたがる子供が、火にどんどん焚き木をくべる。
火の番をしている妻が静止してもやりたがるし、今日は子供が主役なので妻もある程度許容している。
その結果、火勢が強く、パンやマシュマロを焼くとすぐ焦げる。
でも、参加する子供たちも年々遊び慣れてきている。
去年は、火を怖がって大人に任せている感じだったけど、今年は火の番をしたがる子供が多い。
(だから火勢が制御できず困っているのだが)
大量のダンボールも、何時の間にやら迷路のような、トンネルのようなものができている。
最初の年は大人が作って子供が遊んでいる感じだったが、今年は子供が主体で作った。
(大人もかなり手伝ったが)
毎年長男は「山登り」をやりたがる。
今年は雨が降ったこともあって泥だらけ、滑りやすくて危険だが、年齢が上がったこともあって以前より果敢に攻める。
いつも登っている山を登り切り、別のルートから降りてきた。
一度成功すると面白がって何度もやる。
長女も付いて行って、「旅行してきた」と嬉しそうに報告。
最終的に次女がやりたがったが、さすがに危ない。
長女が「おかあさんも一緒に行こう」と誘うので、妻と子供三人で山登り。
…妻曰く、次女に危険がないように気を付けて登ったら、すごく疲れたそうだ。
公園の一角にはまだ雪も残り、次女はこれでも遊んでいた。
帰る時間までには、みんな靴も靴下も、もちろんズボンも泥だらけ。
以前は上半身も泥だらけだったが、皆バランスが良くなったのか、上半身は案外きれい。
まぁ、着替えはちゃんと持ってきてある。
着替えてから帰宅。
みな、すごく楽しかったらしい。
洗い物は大変だけど、まぁ、思い切り泥だらけになって遊ぶのも大事な経験だ。
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昨日は、子供の通う保育園のさよなら遠足だった。
まぁ、毎年恒例で、保育園から 2km 程離れた森林公園まで歩く。
引率の先生や付き添いの PTA はいるけど、基本的に子供たちだけ。親は同伴しない。
子供たちも楽しみにしていた…が、前日から雨。
さらに前日の天気予報では、夕方から降って、遠足当日の昼までふることになっていた。
遠足前日の天気予報では、昼から降って、遠足当日の朝止むことになっていた。
ところが、実際には朝から降り始めた。前倒しなら、当日は晴れるかもしれない、と望みをかけた。
…激しい嵐だった。
先生たちが、晴れても森林公園はぬかるんでいるだろう、と考え、前日時点で遠足の中止を決定していた。
しかしもちろん、子供たちは楽しみにしている。もともと「最後に」やるもので、延期もできない。
先生たちは、雨の時のために室内遊びをするパターンと、晴れた場合に別の場所に(どこかは内緒のサプライズで!)遠足に行くパターンを考えていたらしい。
前日夜9時には雨は止んだ。
これなら遠足もできるかも…と思う。
ところが、夜中に次女の様子がおかしい。なんだか苦しそうにしている。
3時ごろ起きて「喉が渇いた」と言うが…抱っこすると体が熱い。
熱を測ると 38度を越えていた。
とりあえず水を飲ませ、軽く食べさせて薬を飲む。
で、「アンパンマン見たい」というのでテレビを見せていたら、眠ってしまった。
僕も少し仮眠し、早起きして子供のリクエスト通りのお弁当を作る。
…リクエストで芽キャベツ買ってきてあったのだが入れ忘れた。
(リクエストの品が多く、ほとんどを入れたので文句は出なかった)
次女は「おにぎり作りたい」とリクエストしていたのだが、風邪っぽいので寝かせておく。
長女は自分でおにぎりを握った。
7時半を過ぎて、次女を起こしてみる。
気分は良いようだし、熱も下がっている。楽しみにしていた日なので、保育園は行きたいという。
お別れ遠足の日は私服だ。
普段は制服なので、ここぞとオシャレをする子もいるが、「山登りなので動きやすい格好」と決まっているし、汚すかもしれないのであまりいい洋服は着られない。
でも、この日は「遠足には行けない」とわかっている。
長女も次女も、一番お気に入りの服を着て、かわいい髪飾りを付ける。
保育園に行くと、前日の嵐で庭の百日紅の枝が折れていた。
樹齢400年を越える木で、大切にされているのだが、大きすぎて弱いのも事実。
嵐などが来ると良く折れる。
結局、長女のクラスは我が家の近所の公園まで散歩に来たらしい。
次女のクラスは室内遊びだったけど、お弁当は庭で食べたそうだ。
日が差して空気も暖かい日だったが、夕方はまた空気が冷えていた。
お迎えに行くと、次女は室内にいたのに「寒い」という。
もしかしたら熱が出ているかな…とおもったら、家に帰ったら 39度超えていた。
夕ご飯のリクエストを聞くと「シチューがいい」というので、作っている間に寝てしまった。
その後、皆が食べ終わる頃に起きるが、調子悪そうで元気がない。
リクエストしていたシチューも、食欲がなくて食べられない。
ところが、冷蔵庫にあったゼリーを出したらよく食べる。
一口サイズのゼリーが大量にあったのだが、全部食べてしまった。
(いろいろな種類・サイズで、一口サイズが10個くらい、中くらいのカップが3個くらいあった)
これで少し元気になり、改めて薬を飲んで寝る。
今朝には微熱くらいまで下がっていた。
今年卒園の長女のクラスは、なんだかいろいろと割を食っている。
「ひなまつりおゆうぎ会」は、予約していたホールが耐震診断の結果緊急工事に入り、急遽別の場所へ。
日付も平日になってしまい、リハーサルもなし。毎年恒例の保育園 OB の参加もできなかった。
(例年、小学生~高校生の OB が集まる)
小学校への訪問も、小学校がインフルエンザが流行して学級閉鎖が多かったため中止。
そして今回、さよなら遠足も雨で予定通りにできなかった。
それでも、友達と最後の遠足は楽しかったらしい。
最後に…この日、夕方に地震がありました。
それほど大きくはなかったけど、ちょっと驚くくらいには揺れた。
3年前の震災の日は、長男が年長の時のさよなら遠足でした。
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先日書いたように、もうすぐ保育園卒園の長女は、なんだかいろいろと割を食っている。
いつも使っていた広場(非常に広い土地の持ち主が、好意で付近住民に開放していた)が、持ち主の死亡により紆余曲折あって市が買い取り、公園になった。
そのため長期工事。
年長になって「保育園最後の」と言われる各種行事に影響が出た。
工事が終わっても、今までの広場の様には使えない。
運動会も盛り上がりに欠けたし、毎年恒例の正月のお焚き上げも、凧揚げもできなかった。
年の一番最後の大行事、おゆうぎ会は毎年使っていたホールが緊急耐震工事で別のホールへ。
日程など狂い、リハーサルもなし。いろいろといつも通りとはいかず。
インフルエンザの急な流行で、小学校訪問も中止に。
先日のさよなら遠足も、雨で予定通りできなかった。
そして、今週の頭に次女がインフルエンザを発症した。
次女の話だから長女には関係ない…とはいかない。
昨年、インフルエンザは猛威を振るった、
その反省から、今年は「兄弟がインフルエンザ発症した場合、登園停止」というルールが作られていた。
残り僅かな日を、思いっきり友達と遊ぶ、と言っていた長女は大泣き。
特に、楽しみにしていた「お当番」(いわゆる日直です)の日は、次女が発症した翌日だったらしい。
実は、今日は年に3回しかない「バイキング給食」の日でした。
長女はすっかりそんなことは忘れているので言っていないけど…
特に、年度末のバイキング給食は、子供たちの好きなメニューが沢山出る豪勢なもの。
しかし、これで来週の卒園式には出られるように、と願っています。
次女からインフルエンザ感染して発症したりしないといいのだけど…
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先日、iOS の position:fixed バグについて書いた。
最初は面白がって iOS バグの回避とか、zepto の小技とか書いていたのだけど、実は書いたのは氷山の一角。
iOS はバグだらけで、回避技ばかり作っていたら面白くもなくなり、特に書こうとも思わなくなった。
しかし、iOS の position:fixed の話は参照してくださる方もいたようだ。
じゃぁ、もう少しなんか書いとくか…と思ったけど、いろいろやったはずなのに思い出せない(笑)
回避しちゃうと、バグってのは忘れちゃうもんだから、その場で書いとかないとだめだね。
で思い出したので、hover バグについて。
css で a:hover とかすると、普通はマウスカーソルが乗ったことを感知して絵を変えたりできる。
でも、iOS にはマウスがない。マウスがないけど、タップすると一応 hover は動いてくれる。
しかしこれが、いろいろと厄介な代物なのだ。
まず、お手伝いしているゲームが、「ボタンを押した」ことをユーザーがわかるように、
hover でボタンを光らせようとしたことが発端なのだ。
まぁ、いろいろ CSS を駆使すること前提で、a:hover になると光るようになっていた。
でも、iOS では思ったように動かない。動かない理由はいくつかある。
まず、iOS のバグ。
おそらく Retina ディスプレイと通常のディスプレイのドット数の違いを吸収するプログラムにバグがある。
a:hover が反応するのは、a がタップされたときではない。
a の座標の、ちょうど X Y とも半分の位置をタップされたときにも反応するのだ。
タップした位置を元にすれば、画面左上からの距離が2倍の点に a があれば、hover が反応してしまう。
ただし、反応するのは hover だけで、a がクリックされるわけではない。
また、本来の a の位置にクリックが発生する(iOS の内部処理の関係で 0.3秒後になる)と、そちらにも hover が発生する。
hover で光るボタンがいっぱい並べてあると、タップしたところと違うところが光り、その一瞬後に正しいボタンが光る感じだ。
こうして発生した hover は、指を離しても消えない。
次にどこかに触れ、別の個所に hover が発生すると消える。hover が付いているところは常に一つだけど、その一つは指が離れても付きっぱなしなのだ。
これは、バグではなくて仕様だ。
実は、iOS の hover 動作は、マウスを載せるとメニューが出る、というような、ありがちな操作法のページでも閲覧できるようにするための物なのだ。
だから、1回目のタップでメニューが開き、そのまま開きっぱなしになって欲しい。
2回目のタップでメニューを選ぶと、hover が消えてメニューも消えてよい。
しかし、指を押したときだけ光って欲しい、と言う用途では使えない。
元々 a:hover でボタンを光らせようとした人は、指を押している間だけ光ると考えていたため、先の「押してない個所が光る」問題と併せて、「動きがおかしい。どうにかならないか」と僕に相談してきた。
実は、他にも問題がある。
a タグのように、タップして画面遷移が生じる要素に「表示が変わる」ような仕掛けを付けた場合、タップと同時に hover が発生して、画像が切り替わったまま次の画面に行ってしまうのだ。
他の画面に行くのだから、どんな風になっていようといいじゃない、なんて思ってはいけない。
戻るボタンで戻ってくると、先ほどの「光った」画面のままになっているのだ。
しかも、この際 hover は外れている。
画面遷移している間に hover 状態は変わっているのに、「hover を失った」瞬間に画像を切り替えるタイミングを失ったために、ボタンが光ったままになっている。
これは、画面上に hover は1つだけ、というルールとも関係ない表示上のバグなので、他の個所をタップしても元に戻らない。
光っているボタンを押したうえで、さらに別の個所を押すと消える。
と、いろいろ厄介な問題が hover には多い。
これを回避するのは難しくなく :hover を使わなければよいだけのことだ。
代わりに、hover 相当の動作を javascript で作り出して、class に hover を与える。
すると、:hover の代わりに .hover と書ける。
すでに :hover で書いてしまったところも一括置換で幸せになれる。
具体的には、こういうことだ。
・body や window など、上位の要素に click イベントリスナーを付ける。
たとえ window にリスナーを付けていても、event.target で click が発生した要素がわかる。
・click した要素から parentNode で親をたどり、target.tagName で a タグを見つけたら hover クラスをつけてやる。
僕の例のように a タグではない、別の要素に必要なら、必要な要素につける。
・hover クラスを付ける際には setTimeout で、 hover クラスを一定時間後に消すようにする。
・window の pageshow イベント発生時に、hover class のついているタグを探し出し、すべて hover を消すようにする。(戻るボタンで戻ってきた時の対策)
これでいい。
ついでに、PC で確認できるように、mouseover で同じように hover を与え、mouseout で hover を奪うようなプログラムも作っておくと便利。
class の追加/削除は、jQuery の addClass、removeClass が便利。
target.tagName は大文字なので、 a ではなく A を確認するように。
サンプルコードを見せろ、と言われそうだけど、残念ながらない。
なぜなら、hover の問題と同時に、iOS の click 遅延問題も一緒に解消するようにした巨大なバグ回避ライブラリを作ってしまったから。
大きすぎて簡単に見せられないのだ。
でも、真のプログラマなら上の説明で回避プログラムを組めるはず。
言っていることの意味が全く分からないなら、プログラムだけ示されても適切な改造ができないと思うので、あきらめたほうがよい。
(上の例は a タグにだけ hover が付けばよい、と言う前提で、環境によって改造が必要)
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今日はアン・ワングの命日(1990年)。
コアメモリの発明者です。発明は 1949年。
コアメモリ…僕がその存在を知ったのは、たしか高校生の頃。もう30年以上も前になりましょうか。
UNIX で、ソフトが不具合を起こして OS が強制停止すると、その瞬間のメモリの状況をファイルにして残します。
このファイルを「コアダンプ」と言いますが、この「コア」とは、記憶素子であるコアメモリの意味です。
コアウォーズ、という、30年ほど昔に流行したゲームがあります。
このコアも、コアメモリの意味。メモリの中でプログラム同士が戦う、と言うゲームです。
今調べたら、日本語でまともにコアウォーズを説明した文書ないのね。そのうち書くか。
ともかく、僕がコアメモリを知ったのは NHK の「電子立国日本の自叙伝」だったと思う。
電卓戦争の話で、コアメモリと言うメモリ素子が出てきたのではないかな。
その後大学の頃に、ASCII でコアウォーズの連載記事があり、コアメモリの実物の写真を見るのだけど、連載の趣旨はコアメモリを伝えることではないので動作原理などはわからなかった。
電線で編んだ布のようなものに、黒いビーズが大量にちりばめられている。
コアウォーズのゲームのタイトル画面などによれば、黒いビーズには、縦横の線に加えてもう一本、斜めの線が入っている。
メモリ素子なんだから縦横の線でアドレスを決めるのは良いとして、もう一本の線は何だろう。
さらに、別の情報からビーズはフェライト(鉄粉を焼き固めたもの。フェライト磁石などの材料)と知った。
…なんでこれがメモリになるのか、やっぱりわからなかった。
もったいぶらずに、先に仕組みを書いてしまおう。
フェライトは鉄粉を焼き固めたものだが、材料の選び方でいろいろな性質を持たせることができる。
コアメモリで使用するフェライトは、ある程度の磁場にさらされた場合に、磁化するように作られている。
磁化する、と言うのはつまり磁石になるのだ。
フェライト磁石だったら家の冷蔵庫にも張り付いているよ、という人は多いと思うが、あれは永久磁石。
別の磁場に入れても、磁性が変わったりはしない。
コアメモリのフェライトは、逆向きの磁場に入れると磁性を失ったり、逆向きになったりする。
つまりは、磁場の向きによって情報を記憶しているわけで、その意味ではフロッピーディスク(これもすでに見たことがない人が多そうだ)や、ハードディスクと同じようなものだ。
ただし、ハードディスクのように外部から「ヘッド」を使って読み書きをするのではない。
可動部分はなく、電気的に動作するため、物理的な動作を伴う水銀遅延管などよりはるかに高速だ。
電線に電流を通すと、周囲に弱い磁場が発生する。
コアメモリのフェライトは、この程度の磁場では磁性に変化を起こさないように作ってある。
でも、縦横の電線に同時に電流を流すと、その交点では磁場があわさり、特に強くなる。
この強い磁場では、フェライトは磁化してしまい、極性が変化する。
これによって、狙った一つにだけ情報を書き込むことができる。
磁場の向きは、電流の向きによって変わる。
だから、縦横2本の線を決定することで変化させたい素子を選び、流す電流の向きを決定することで、書き込む情報を選べる。
これで、任意の bit に任意の情報を書き込めるのだ。
ここで巧妙なのは、電線の交点、と言う考え方だ。
縦横に 16本の電線、合計で 32本の電線を用意すると、交点の数は 256にもなる。
256bit を記録するからと言って、256本の素子に、256本の配線をつなぐ必要はないのだ。
これ、今だと当たり前だけど、ものすごい大発明。
書き込みは上に書いた方法で出来る。
じゃぁ、読み出しはと言うと、ここで斜めに入れられた電線が意味を持つ。
コアメモリに書き込みが行われる際、以前そこにあった情報と同じものを書き込むときは、それ以前の状態と磁場は変わらない。…当たり前だ。
でも、逆向きの情報を書き込むと、フェライトの極性が逆になり、磁場が変化する。…これも当たり前だ。
何も電流が流れていない電線があり、その周囲で磁場を変化させると、電線の中に電流が起きる。
これは、中学生の理科で習う、初歩的な知識だ。
これらを総合して考えると、こうなる。
・ある素子に対して、新たな情報を書き込む。
・以前と同じ情報であれば、第三の線に電流は流れない。
・以前と違う情報であれば、第三の線に電流が流れる。
つまり、読み出したいときはダミーデータを書き込んでやれば、以前に書いてあった内容を知ることができる。
読み出すことで元のデータは破壊される場合があるので、後で元の情報に書き戻さないといけない。
これを発明したのが、1990年の今日が命日のアン・ワング博士。
当時のメモリは水銀遅延管が主流でしたが、これは遅くて大きく、温度変化により不安定になり、水銀の清掃、という定期メンテナンスが必要だが、水銀は人間に対して毒性がある、という厄介な代物でした。
利点は、真空管で構成されたメモリよりもはるかに安いことだけ。
当時、水銀遅延管に代わるものとしてウィリアムス管が発明されていましたが、技術的な困難が多く、理想的な性能が出せないままでした。
Whirlwind Iではウィリアムス管を採用予定でしたが技術的な困難を克服できず、数多くのメモリを手当たり次第に試します。
そして、結果として世界初のコアメモリ採用コンピューターとなりました。
2017.3.24 追記
一般にワング博士がコアメモリを発明した、とされているのですが、ちょっと違っていました。
フェライトによる 1bit の磁気記録を発明したのはワング博士ですが、「電線の交点だけ記録される」ような巧妙な方法を考案し、コンピューターメモリに応用したのは、Whirlwind I 開発チームの、ジェイ・フォレスター。
詳細は「コアメモリ特許成立」の日の記事に書いています。
コアメモリは、水銀遅延管よりも安く、ウィリアムス管よりも高速で、他のすべてのメモリよりも壊れにくいものでした。
唯一問題があるとすれば、真空管で構成されたメモリよりも速度が遅いこと。
それでも、水銀遅延管よりはるかに高速でしたし、当時高速メモリの筆頭だったウィリアムス管と同程度だったのです。
コアメモリは、あっというまにコンピューター界を席巻し、その後20年間メモリとして使用され続けました。
当初は 1bit が1ドルとされていたようですが、Whirlwind で検討されたときには 3~4bit で1ドル、日本の電卓戦争の頃(利用末期)には、1bit 1セントとも、1円とも言われていました。
当時は 1ドルおよそ360円なので、1セントと1円はずいぶん違います。
でも、実際コアメモリはアメリカより人件費の安かった日本で良く作られていましたし、アメリカよりも日本の方が安く手に入ったかもしれません。
ちなみに、今では 16GB の SD カードが千円で買えます。だいたい、100万ビットで1円、と言う計算。
スペースシャトルが1990年代途中までコアメモリを使用していたのは有名な話です。
静電気で記録を行う半導体 D-RAM では、宇宙線の影響で記憶が不安定になる可能性が考えられたためです。
コアメモリはアポロ計画の頃から宇宙で使われていましたから、宇宙でも使用に耐えうる、と言う信頼性があったのですね。
スペースシャトルのコアメモリに関しては、「プログラミング HAL/S」が詳しいです。
プログラム言語の教則本…の形をかりて、プログラム言語の歴史の闇を掘り起こす、非常に面白い読み物。
コンピューターの歴史に興味がある人は、是非ご一読を。
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3月25日に長女の保育園の卒園式が行われた。
…まぁ、式次第はどうでもいい話。
次女は、長女と保育園で一緒に遊べるのがものすごく楽しみだったので、卒園してしまうというので泣いていた。
「わたし、寂しくて泣いちゃうかも」と前日に心配そうに話していた長女は、ものすごくはしゃいで元気だった。
子供たちの通う保育園、結構歴史がある。
保育園としては、長女で65期目の卒園生。…これ、児童福祉法で保育園が制定されたときに、すぐに保育園が開設されたことを意味する。
実は、その前は一瞬だけ幼稚園だったそうだ。さらにその前は、認可など受けずに子供を預かっていた。
幼稚園を定める学校教育法は、昭和22年の3月制定。4月1日施行。
保育園を定める児童福祉法は、同年12月制定。翌年4月1日施行。
共に終戦直後だ。
戦前は、お寺が近所の子供を預かる、というのは当たり前のことだった。
その頃から、近所の子供を預かっていたお寺が、学校教育法の制定を機に、幼稚園を開設した。
でも、幼稚園の目的は子供を預かることではなく、勉強させることだ。
これは違う、と思った矢先に児童福祉法が制定される。
それで、保育園に移行。今でも幼稚園だった頃の名残で、保育園なのに制服を着て通うし、一応9時から午後3時で一区切り。
でも、保育園なので朝8時から午後7時まで預かってもらうことができる。
余談が長くなった。
そんな歴史のある保育園で、書いた通りに経営母体はお寺だ。
園庭はすなわち境内で、墓地に隣接している。
おさんぽでお墓の中を歩くことも多い。
で、卒園式前の恒例行事として、先代(初代)園長のお墓参りをする。
これで思い出した。
お彼岸だし、子供たちを父の墓参りに連れて行きたい、と思っていたのだった。
お彼岸は少し前の日曜日だったが、次女がインフルエンザにかかってしまい外出できなかった。
少し過ぎてしまったが、どうだろう?
卒園式は火曜日だったが、出席のために仕事は休みにした。
式自体は午前中で終わるので、午後は墓参りでも行くか。
墓地の方向には、時々行く科学館がある。
実は、先日行った際に半年間のパスポートを作成したので、無料で入れる。
そして、3月末まで公開しているプラネタリウム映画を、妻がみたがっていた。
じゃぁ、ついでに行くか。
でも、それだと日程が忙しいし、実は墓参りするにも最低限の準備すらない。
…なので、墓参りは後日に回して、「ついでに」行く予定だった科学館だけに行くことにする(笑)
昼ご飯も回転ずし行こう。
次女のインフルエンザで長女も強制的に休みになってしまった間に、楽しみにしていた「バイキング給食」があった。
それに気づいた長女は大泣きしたが、自由にものを取って食べられる…回転寿司に連れて行ってあげる、ということで話は付いていた。
卒園のお祝いで、少しくらい外食をしてもいいのではないか。
というわけで、帰宅してすぐ(すでに午後1時を過ぎていた)、やはり小学校が終業式で先に帰宅し「腹減った」と言っている長男も連れて外出。
まずは回転ずし。バイキングの代わりだし、お祝いだから好きに食べていいよ、なんて言ったら、食べる食べる…家族5人で40皿。
それから科学館。
もう夕方だったので、ほとんど目当ての映画を見るだけで終わってしまい、あまり遊べなかった。
でも、平日だから、何時も込んでいる人気コーナーを少しだけ自由に遊べた。
もっと遊びたかった、と言う子供たちに、パスポートあるからまたこよう、と帰宅。
ちょっと物足りないけど、十分楽しめたらしい。
墓参りは後日また行きたいので、その際にはまた科学館に寄ろう。
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27日の木曜日、横浜にあるカップヌードルミュージアムに遊びに行ってきました。
長男の所属する子供会の、6年生を送る会の企画。
僕は6年生をよく知らないが、面白そうなので家族で参加。
(長男はちゃんと6年生の名前などもわかっているようだ)
例年ボーリング大会なのだけど、今年は事前予約してカップヌードルミュージアムに行ってみよう、となったらしい。
子供たちには事前学習をさせて置く。
全く知らないと楽しめないからね。
何をしたかと言うと、カップヌードルを買ってきて、家族で食べた(笑)
長男は9歳だけど、生まれて初めて食べたカップヌードル。
いや、いわゆるカップ麺は食べたことあるよ。
でも、「カップヌードル」は食べたこと無かった。
買ってきたのは、近所のスーパーで売っていた5種。
普通のカップヌードル、カレー風味、シーフード、チリトマト。
それと、普通の味だけど特大サイズ。
味が5種類あればよかったんだけど、なかったので「特大」はギャグのつもりでいれた。
そしたら、長女と次女(仲良し)が、二人で同じ奴がいい、と言い出したので、慌ててノーマルを1つだけ買いに走る。
さて、それで家族みんなで味をわけあいながら、どんな感じか試食。
「おいしいからまた食べたい」と大好評。
チリトマトは辛い、と思っていたら、カレーの方が辛くて、チリトマトは案外辛くなかった、など、食べ比べてみないとわからないことも判る。
ちなみに、場所は横浜みなとみらい地区。
ちょうど、先日 CATV でやっていたプリキュア映画2本(DX と New Stage)の舞台は、ともにこのあたりだった。
興味を持たせるべく、プリキュア映画のあらすじをおさらいしておく。
そして当日。
駅からミュージアムに向かう最中も、「あの観覧車がプリキュアが上に立っていたやつ」とか「ここら辺の道が、メロディとエコーが追いかけっこしてたとこ」とか教えると、次女と長女にはそれなりにウケる。
実は、駅から歩くのが遠いので、そのままでは次女は飽きてしまい「抱っこ」と言い出すのだ。
興味を持ちながら歩かせることで、自分で歩いてもらおうという策(笑)
そうこうするうちに、ミュージアムに到着。
4~6年生は、チキンラーメンを作る。これは事前予約が必要だし、時間がかかるので、到着してすぐに開始。
1~3年生(長男は3年)は、カップヌードルを作る。
到着してから団体で予約を入れたので、30分ほど待たなくてはならない。
待っている間にミュージアム見学。
「チリトマト」は結構新しい味だと思ったら、ノーマル発売直後に発売となり、その後も何度か終了しては復活する、というのを繰り返していると知る。
焼きそば UFO は長男は食べたことがあるのだけど、昔は丸かった、と知って驚いている。
まるかったから UFO って名前だったんだよ、と教えたら妙に納得していたが、そもそも UFO ブームとか、ピンクレディがブームに乗じて歌っていたりとかということは教えていない。
2000年にミレニアム記念で発売された透明カップのカップヌードルを見て、作っている最中が見えるなら食べてみたい、と言っていた。
あれ、たしか iMac に始まる「スケルトンブーム」に乗じて発売されたのだよね。
…UFO といい、スケルトンと言い、結構時代のブームにかぶせてくるな。
いろいろ楽しんでいる間に時間が来たので、まだ見てないところもあるけど集合。
カップラーメン作りにチャレンジ。
作ると言っても、工程は難しくない。
1) カップを自販機で購入。300円。今回は団体で申し込んだので配布された。
2) テーブル(自由席)に座って、好きなデザインをカップに描く。ここが一番時間がかかる。
3) 中身を詰めてもらうコーナーへ。並んでいる間にレシピシートが配られるので、スープの味と具材を決める。
4) 中身を注文して詰めてもらう。部分的に自分で作業するが、主にやってもらうかたち。
5) カップが割れないように特別な緩衝材バッグに詰めて持ち帰り。
長男、「特別なもの」と気負いすぎて、なんの絵を書こうか迷い続ける。
長女と次女はまだ複雑に考えらるほどの知恵がないので、気軽にお絵かきを楽しんでいる。
たった300円だから、別に特別じゃないよ、と言ったら急に気が楽になったのか、長男もお絵かきを開始する。
最近長男はお菓子などの「成分表」を見るのが好きなので、自分が作りたい味の構成を絵の端に書き込む。
で、中身詰めコーナーへ。
みんな中身を係員に注文するのだけど、長男は「カップに書いたよ」と一言。
そういう子はあまりいないようで、おねぇさん笑いながら読み上げ、対応してくれる。
ここで選べるのは、スープが4種類(先日食べた味だ。この4種類が現在の定番商品らしい)、具材が12種類の中から4種類。
組み合わせは全部で5460通り、と書いてあるのだけど、列に並んでいる間にどう計算してもそんなに多くならない。
これ、同じのを重複して選んでもよい、と言う前提らしい。
「12種類から4つ」という言葉で、重複してはいけないものだと思っていた。
なるほど、重複可能として後で計算してみたら、ちゃんとその数になった。
どうでもよいが、5460 の計算がわからない、と言う話題はQ&Aサイトにいっぱい上がっていたが、解説している人の多くが計算式を間違えているし、尋ねた人はそれで納得している。
どうも、どこかのサイトで間違えた計算式が掲載されていて、みなそれを意味も分からずコピペして、あたかも自分が計算したように振る舞っているようだ。
答えるなら、せめて妥当性くらい検証しようよ。
2015.3.6追記
計算がどうなるのか、と悩んでいる人をツイッターで見た。
その人はちゃんと自分で理解できたようだけど、計算方法をちゃんと示しておこう。
12種類の具材から、異なる4種類を取り出す組み合わせの数を、数学では 12C4と書く。
#中学校で習う。義務教育なので、実際の計算方法は忘れていても構わないが、「組み合わせを計算する式があった」ことは覚えておいていただきたい。
12C4 は 12*11*10*9 / (4*3*2*1) の意味だ。計算するとわかるが、答えは 495。
具材は重複が許されるので、「3種類」「2種類」「1種類」を選び出す組み合わせの数も必要だ。
12C3 = 12*11*10 / (3*2*1) = 220。
12C2 = 12*11 / (2*1) = 66。
12C1 = 12 / (1) = 12。
3種類の組み合わせでは、3つのうちどれかが重複する。どれが重複するかで、3通りの組み合わせがある。
2種類の場合も、2種類を組み合わせて4種類にする組み合わせが、3通りある。(ABBB AABB AAAB の3つ)
そのため、具材の全組み合わせは 495 + 220*3 + 66*3 + 12 = 1365 通りになる。
ちなみに、最初から「重複を許して」12種類から4種類選ぶ、という書き方もある。12H4と書く。
nHr = n+r-1Cr と変換できるので、12H4は15C4と同じ計算になる。
これは 15*14*13*12 / (4*3*2*1) の意味で、計算してみると 1365。
nHrは中学では習わないが、知っていればより簡単。
具材の組み合わせ、1365通りにスープの4種類と組み合わせると、1365 * 4 = 5460 通りの組み合わせになる。
Q&Aで間違えているのが多い、と書いたけど、いま確認したらあまり見当たらない。
1年で google の精度が非常に向上した…とはあまり思えないので、僕の勘違いだったと思う。
計算手順は僕と違うが、間違えではない計算式を示しているサイトはいくつか発見した。
間違えている、と書いて申し訳なかった。謝ります。
(追記終り)
カップヌードル作りは、次女がゆっくりやっていたのに合わせていたせいで、ずいぶん時間がかかった。
終わったら、子供会一行はすでにミュージアムを出て、昼食のレストランに向かっていたので追いかける。
横浜インターコンチネンタルホテルの経営する海上レストラン、ピア21。
ここで、6年生を送る会を行いつつ、ちょっと遅めの昼食。そして解散。
ミュージアムは、当日券なので退出後も再入場可能。
まだ見ていないところもあってみたかったので、終了後に戻る。
カップヌードルミュージアム、という「愛称」があるが、実際の名前は安藤百福発明記念館だ。
日清食品の創始者、安藤百福がチキンラーメン・カップラーメンを発明した過程をテーマとして、「発明」という一般的なテーマを伝えようとしている。
だから、日清食品の宣伝色は、実はそれほどない。
もちろんあるのだけど、控えめにしている。
そして、アートワークのセンスが非常に良い。
日清食品は CM などで時々話題作を作るが、館内がすべてあのような「ちょっと斜に構えた」感じで統一されていると思って良い。
なにせ、トータルデザインが佐藤可士和なのだ。
お昼ごはんは外で食べたので、世界の麺を食べられるレストランを楽しめなかったのが少し残念。
そして、子供が遊べるアスレチック…自分が麺になったつもりで、カップヌードルの製造工程を体験できるらしい…なにを言っているかわからんが…が遊べなかったのが、子供たちとしては心残りだったようだ。
というわけで、ここは家族全員の一致で「また来たい施設」となった。
それくらい楽しい場所だったのだ。
今度来るときはチキンラーメン作りたいな、と思うけど、実はいろいろ制限があってややこしいんだよね。
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