今日は、PCエンジンの発売日(1987)、クリフォード・ベリーの命日(1963年)。
ベリーは ABC の B ね。何のことやらわからない人はリンク先へ。
彼は有能だったようだけど、助手であまり重要ではなかったのか記録がなくて人物伝はよくわからない。
ABC 自体は先のリンクに書いたので、今日は PCエンジンの方を。
PCエンジンは NECから発売されたゲーム機。
ファミコンに対抗した 8bitゲーム機だけど、1年後にはメガドライブが発売されて 16bit時代に入ります。
PCエンジンの性能は、ファミコンと比較すると、非常にわかりやすいです。
1 PCエンジン イコール 4 ファミコン とお考えになると目安となるでしょう。
ファミコンと比較して、CPU は4倍速で動き、スプライトは4倍の面積で使える色数が4倍、横に4倍並べられて、キャラ定義数は4倍です。
…いや、ごめんなさい。ふざけて恣意的に書いてます。ちゃんと説明しましょう。
CPU は同じ 6502系。ファミコンの4倍のクロックに対応しているため、4倍速で動けます。
(起動時はファミコン互換の速度で、CPU を高速化する命令を実行すると4倍速になります)
スプライトですが、基本サイズがファミコンは 8x8 で PCエンジンは 16x16。面積4倍。
キャラクター内で使える色数は4色(透明含む)にたいして16色(透明含む)。4倍とも言えますが、透明を数えずに3色と15色、とすれば5倍ですね。
ファミコンはスプライトを横に8枚並べられて、PCエンジンは16枚並べられます。
単純に枚数だけでいえば2倍ですが、スプライトの「横幅」が2倍であることと、通常のゲームキャラは16x16で作られたことを考えると、4倍のキャラを並べられることになります。
キャラ定義数は、ファミコンが256種類で、PCエンジンは最大 1024種類。これは純粋に4倍かな。
ちなみに音源は、ファミコンはメイン3音+PCM音源、PCエンジンはメイン6音+低周波発生器なので、2倍と言って良いでしょう。
発色可能数はファミコン52色、PCエンジン512色で10倍近いです。
そして、メモリに至っては、ファミコンは 64Kbyte メモリ空間ですが、PCエンジンは 2MByteメモリ空間です。32倍!
ふざけて4倍、と書きましたが、実際にはもっと能力の高い機械ですね。
当時としては結構先進的な設計に思えますが、これらの設計は、ハドソンソフトによるものです。LSI の設計までこなしている。
「ゲームが作りやすいゲーム機を!」と企画したらしいのだけど、シャープなどに持ち込んでも賛同してもらえなくて、NEC と共同で開発したのだとか。
ハドソンはソフト屋なのにハードの設計もできたのですね。(まぁ、もとは無線機屋なのだけど)
メガドライブより1年先攻発売した利を活かして、実は国内ではメガドライブより多く販売されました。
(メガドライブ 358万台に対し、PCエンジン 392万台。)
にもかかわらずメガドライブよりもマイナー感が漂うのは何故でしょう (^^;;
単に、僕の周りで持っている人が少なかったから、と言うだけの理由かもしれませんが。
ちなみに、英語表記では PC Engine 。スペースなしで PCEngine でもいいけど、ハイフン入れた PC-Engine は別の物の名前になってしまいます。
PCEngine の方は先に書いたように周囲に持っている人がおらず遊んだことはないのですが、PC-Engine の方は友人が持っていて少し(体験レベルで)使ったことがあります。
ちなみに、「英語表記」と書いたけど、日本国内で英語で書く場合、と言う意味ね。
アメリカで発売した際の名前は TurboGrafx-16 です。
大学時代に、はじめてゲーム業界でバイトした会社で PCエンジンのゲーム作っていました。
僕は夏休みの間だけデータ整理などのバイトをしただけですが…
あ、検索したらこの会社まだあった。えーと、これはうかつなこと書いたらいけないな (^^;
まぁ、会社名がばれないように話をしましょう。
バイトしてた時に、社員の人たちが「○○発売になったよー」と、PCエンジンのゲームを起動していました。
話をまとめると、下請けで作って別のメーカーから発売になったゲームで、当時人気のあったキャラクタを使った版権ゲーム。
発注した会社が、発売日に合わせて宅急便で送ってくれたようで、パッケージなどを見るのは社員の人もこの時が初めてだったようです。
で、ゲームスタート。
この会社で作ったゲームなのだから、当然上手いです。どんどん進む社員の人。黙々とプレイします。
が、急に「あ、すごいバグ発見。」と、プレイしながら言います。「○○を××したら△△になった」。
すると隣の人が「おーすごい。禁断の秘技におくらなきゃ」。
…「見なかったことにしよ」と電源オフ。以上。
このゲーム、今検索したらクソゲー評価にすらなっていないようです。
クソゲーっていうのは、遊んだ人が「難しすぎる」とかで悔しがるゲームだからね。悔しさすらわかないで、あそばないでいいや、って思えるゲームらしい。
別の日。
この会社、実力のある下請け会社で、いろんな企業から仕事を請けていました。
馴染みらしい会社の営業の人がやってきて、あるパソコンゲームを見せます。
非常に単純なゲームで…後によく知られるゲームなのですが、この時は誰も見たことがありませんでした。
「このゲーム、単純だけど面白いから、ゲーム機用につくらない?」という相談。
いや、いくらなんでもお金出して買う人がいないくらい単純すぎるでしょう、という社員の人に対し、「GT 用を考えてるのよ」と言う答え。
当時、PCエンジンの関連で GT という「携帯用」が発売されたばかりでした。
ゲームボーイやゲームギアはすでにありましたが、据え置き機の性能をそのまま携帯用にした、というすごい機械でした。
先の営業さんは「単純なゲームだから、携帯機用には良いのではないか」と考えていたようです。
…でも、GT は全然売れなかったんだよね。
携帯機と据え置きでは求められるゲームが違うので、据え置きのゲームがそのまま動く、と言われても魅力がなかった。
その意味では「携帯機らしいゲーム」を作ろうとした先の営業さんはなかなか良い発想でした。
この後は僕はバイトを辞めた後なので何があったのか知りませんが…
1年ほどたってから、CD-ROMで発売されました。
今検索したら、こんな単純な内容のゲームを CD-ROM で出す意味が分からん、と酷評されていました。
#多分、GTは売れなかったので諦めて、単純なゲームだから値段を安くしないと売れない、と考えて、少しでも安く供給できる CD-ROM にしたんじゃないかな、と思います。
でも、単純な暇つぶしゲームで起動に時間がかかるのは致命的だよ…
他の思い出としては、大学の先輩が、大学祭に PCエンジン用のゲームを出展していたことかなぁ。
大学のマイコンクラブは大学祭で「活動成果」の発表をしていたのだけど(大半が自作ゲームの発表)、その先輩は PCエンジンの内部構造を自力で解析し、MSX2 で PCエンジンの ROMカードをエミュレートする機器を自作、単純なゲームを開発していたのです。
#後に「でべろ」という、個人で PCエンジンのソフトを開発できるキットが発売されるのですが、それ以前の話です。
ちなみに、PCエンジンマウスという、これも珍しい周辺機器を接続した、マウスで遊ぶゲームでした。
大学祭の展示では、ダンボールで「壁」をつくり、パソコンモニタの部分にだけ穴を開け、パソコンなどを見えないようにしていました。
これは、お客さんがパソコン本体やキーボードに悪戯するのを防ぐためです。
しかし、この先輩の場合、「PCエンジンで動いている」ことが最大の驚きで、単にゲームを遊んでいるとそれがわからない。(ゲーム自体は非常に面白いものでした)
そこで、パソコンがわかっていそうなお客さんに対しては、「ちょっと見てみます?」と声をかけて、壁の裏を覗かせるのでした。
PC エンジンと MSX2 が接続されて、そこで動いているとわかると、大抵の人が驚きの声を上げていましたね。
しかも、この先輩の PC エンジンがスーパーグラフィックスだったのが、禍々しさを倍増させていてよかった!(笑)
マウスと言えば、入力機器がいろいろ出たのも、PCエンジンが最初だったように思います。
ファミコンもいろんな周辺機器は出たけどサードパーティの製品にすぎなかったし、「ジョイスティック」も1本しか接続できなかった。
#本体についている2つとあわせて、3人用のゲームはあった。
PCエンジンの、最大4本までジョイスティックが接続できる、というのは結構革命だったと思う。
そのあとメガドライブも真似してましたし、ゲームキューブの時には拡張機器なしに4つつなげられるようになった。
1人で遊べるのもテレビゲームの良さだけど、みんなでわいわい楽しむ対戦ボンバーマンとか、あたらしいゲーム世界を拓いたように思います。
#しつこいが、当時僕は遊んでいない。
対戦ボンバーマンの楽しさはゲームキューブ版で知った。
#パソコンでは ATARI800 で4本ジョイスティックがつなげたから M.U.L.E. が作られた…というのを今思い出した。4人くらいの人数で駆け引きが重要な対戦、ってやっぱ昔から面白いのだと思う。
というわけで、今日は以上。
昨日のメガドラと違い、ゲームの思い出とかありません。遊んだことないもの。
…あ、でも家に貰い物のゲームだけあった。「改造町人シュビビンマン3」。どこかにあるはず…
そうそう、気になる人のために書いておくと、PC-Engine のほうは、PC-8801VA の OS です。
なかなか面白い環境だったけど、その話はまた機会があれば。
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