先週末にやっていた NHKスペシャル、「神の数式」を、1週間遅れでやっと見た。
録画はしてあったのだけど、見る時間がなくて。
専門にやっている方から見ると、あそこがちがう、ここが違うといろいろお叱りもあるようだ。
でも、テレビと言うものは事実を伝えるものではない、と思っている。
ちゃんと興味を持った人は自分で書籍を読んでもらうことにして、その「興味」の入り口を示す。
そういう意味では成功しているように…思う?
僕はもともと好きな分野で、多少断片的な知識があったので「断片が組み合わさった」面白さがあったのだが、妻には難しかったらしい。
神の数式の話は今回の主題ではない。
ざっと説明すれば、ミクロの世界の素粒子物理を追いかけ、ヒッグス粒子を提唱した人々の話が1日目。
マクロの世界である相対性理論をミクロの世界の1日目の式を合体させようと頑張った人々の話が2日目の、2回シリーズだった。
素粒子と相対性理論をうまく統合できた理論が超弦理論。
昔、大統一理論、って概念で呼ばれていたものと同一なのかなぁ。素粒子世界と相対性理論を統合する理論を学者たちが探している、という文脈で、中学のころに聞いていたような気がする。
高校から大学くらいには超弦理論がホットトピックだった気がするので、大統一理論を探し求め、超弦理論として見出された、と言うところか。
当時は、理論としては綺麗だけど確かめようがないから似非科学だ、と言う批判もあったようだけど、現在は実験での検証方法が提唱されて確認中のようだ。
非常に難解で、常識と乖離する式を確認するために、その確認施設もやたら大掛かりになる。
で、今日の話題。CERN 発足の日。
1954年の今日、欧州原子核研究機構(フランス語の頭文字を取り、CERN)が設立されました。
神の数式でも登場していた。
素粒子物理は主に理論(数式)が先攻し、それが正しいかどうかを実験で確かめる形で発展してきた。
ただ、この実験装置、やたら巨大で金がかかる。
各国が独自にやるのは無駄も多いので、主にヨーロッパの国が集まって研究施設を作った。
それが CERN 。今でも中心は欧州の国だけど、施設は世界中の国が利用している。
近年、「最後の素粒子」と考えられていたヒッグス粒子を検出して話題になりました。
この CERN 、様々な国の集まりなので、各国の予算や方針の問題から、科学者同士のコミュニケーションが取りにくい、と言う問題がある。
別に国家機密の壁とかではなく、科学者同士はフレンドリーに活発な議論を行っている。
でも、1980年代ごろ、各国が使うコンピューターが違うため、お互いの論文を見せ合うのも大変だ、と言う事態になった。
これで WEB が作られた、と言う話は先日やった。コンピューターを問わず、すぐに論文を取り出し、閲覧できるネットワーク。
CERN は素粒子の研究ばかりやっている縁遠い存在ではなく、今の我々の生活に直接影響を与えているのだ。
素粒子物理で使う巨大な道具(大型加速器、と呼ばれる)、CERN では近年ヒッグス粒子を発見したものを作ったばかりだが、すでに「もっとパワフル」なものが求められている。
CERN は、せっかく作った機械をもう少し使って研究を続けるつもり。
世界中の科学者が、別の国に作ろうよ、と話し合いで決めている。
アメリカには、すでに別の大型加速器がある。
でも、アジアにはまだ加速器がない。
じゃぁ、日本に作ろう、と言う話が出ている。
すでに国内の学者が検討を行い、東北地方(岩手~宮城)が地盤的にも、他の諸条件的にも良い、と提案している。
もしそのとおりになれば、世界中の学者が研究のために集まり、それを支えるために超ハイテク都市が1つ東北に生まれることになる。
東北に雇用が生まれるし、外貨も獲得できるかもしれない。建設のために税金が大量につぎ込まれ、経済も回り始めるだろう。
でも、国内ではまだ全然議論が進んでいないし、こういう話が持ち上がっている、ということすら知らない人の方が多いだろう。
国としても、今後数年かけて検討することになっている。
税金をつぎ込んで、ちゃんと役立つ土木工事をやって、その経済波及効果と海外からの研究者の受け入れで落とされる外貨を見込んで、さらには日本が大きな技術を入手することを考慮して…
計算は大変そうだけど、だれかが投入コスト(税金)対入手できるものを比較し、メリットが上回るなら投資、というのが正しい手順なのだろうな。
多分、主に感情論で決定されそうな気がするけど。
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