大船からバスでないと行けないようなところ、横浜市側の田谷に、仏教洞窟がある。
修行僧が掘り進めて作られた洞窟で、全長 1km ほどあるそうだ。
(崩れたりしては入れない部分も多く、人が入れる部分は500mほど)
子供のころは、自転車で行けるほど近所に住んでいたため、夏の暑い日などに友人と遊びに行った。
中は「地底」なので、温度が通年 16度ほど。井戸の中に入るようなものなので、湧き水も多い。
(最下層には溜まって川になっている)
今年の夏の頭は非常に気温が高かった。
その際に子供に洞窟の話をして、行ってみたら面白いかもね、などと言っていた。
ただ、自分の記憶では、内部は暗くて結構怖い。次女などは怖くて嫌がるかもな、と思っていた。
昨日家族で買い物に行き、いつもと違うコースを使ったため、たまたま近くを通った。
急に「そういえば、田谷の洞窟行ってみよう」と思いだし、入る。
僕は30年ぶりくらい。家族はもちろん始めて。
怖かったら抱っこしてあげるよ…と次女に言っていたのだが、30年前と違って蛍光灯で照らされていた。
昔はすべて蝋燭の明かりだったから、影が揺らめいて怖かったのにな。
仏教の洞窟だということもあり、壁面には仏像や羅漢などが彫られている。
蝋燭明りでこれらを見ると、子供心に結構怖かったのだ。
仏教的な壁画など、子供には意味が分からないだろうが、ひとつづつ解説しながら進む。
もっとも、子供は暗い洞窟を探検するのが面白いようで、あまり聞いていない。それもまたよし。
鼓をもった天女が天井に彫られていた。羽が生えているため、最初は鶴かと思ったが、鼓に気づいたら天女と判った。
(洞内写真撮影禁止だったので、見たい人は自分で行ってください)
天女は、西洋のエンジェル・キューピッドが伝わったものだ。西洋ではトランペットを持つが、東洋では横笛などを持つ。西洋では羽で飛ぶが、東洋では霊力で飛ぶ。
今調べたところ、日本でも羽をもつ天女の絵はいたるところで見かけるようだ。ここにあるのもそうしたものの一つなのだろう。
土産として、30年前の自分が欲しかった「般若絵心経扇子」がまだ売っていた。
般若心経を、字を読めない人向けにすべて絵で描いたもの。
…といっても、絵を見て読めるかと言うと、そんなことはない。
般若心境を知らないと読めないし、知っていても横のフリガナを読まないとわからないかも。
まぁ、堅苦しいお経をふざけた絵に置き換えて、笑って楽しむためのものだ。
江戸庶民の「粋」。
30年前は、欲しいけど買ってどうするのか、と自問して買わなかった。
そして、やはり今回も買わなかった。
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