昨日の続き、かな。
昨日の日記、「日記」であるにもかかわらず、最初に書いてから若干修正しています。
一度「正書法について」の記述を入れたのだけど、原文を見つけられないままに書いたので勘違いしていて、後で削除しました。つまりは、現在公開しているのは元に近いもの。
ただし、いろいろ調べるうちに知ったことを追記したりはしています。
1日以内の改変、ということでお許しを。
昔から、なにかの表記などについて「間違い」だと言うのが嫌いでした。
まぁ、本当に本人もタイプミスしたり、勘違いしている「間違い」はあるのだけど、そうでない場合は間違いにはそれなりの理由があるはず。
特に言葉は生きているものなので、どんどん変化します。
どこかの時点での常識を固定して、それから外れるものを「間違い」だとすることには、非常に違和感を感じます。
一時期問題にされた「ら抜き言葉」も、「こちらきつねうどんになります」も、間違いではない、と言うのが僕の考え。
どちらも論理的に考えて、おかしいところがないから。
「現代仮名遣い」では、稲妻を「いなずま」とするのを本則としながら、「いなづま」も間違いではない、としています。
同様に「世界中」は「せかいじゅう」だけど、「中(ちゅう)」が付いているのだから「せかいぢゅう」でも間違いではありません。
「ず」「づ」の「じ」「ぢ」の表記ゆれは、原則として自由なのです。
ただし、これはいずれも「ず」「じ」が本則。歴史的な意義がある場合には「づ」「ぢ」でも構わない、という解釈。
だから、歴史的に「ず」のところに「づ」を使うのは間違い、となります。
わからないときは「ず」を使ったほうが無難なようです。
さて、今回のタイトルは「こんにちわ」。
現代仮名遣いでは、「は」と「わ」の表記ゆれは、「ず」「づ」の表記ゆれほど寛容ではないようです。
「現代かなづかい」は、音をそのまま表記する、という立場を取ったにもかかわらず、助詞の「わ」の発音は、「は」と書くことに決めました。
これは、歴史的にそうしてきたからです。歴史はこの際考えず、音を表記しよう、と決めたにもかかわらず、そうなのです。
「現代仮名遣い」でも、そのまま引き継いでいます。
現代仮名遣いは、音を直接表記するのには無理があった、と認めているので、現状に即した方法を使っています。
そして、これに関しては「わ と書いても間違いではない」とはしていません。
さらに、例として「こんにちは」が挙がっています。
ということは、「こんにちわ」は完全アウト。
でも、僕としてはこの表記は許容すべきで、間違いだなどという人がいたら張り倒したくなります。
根拠の1番目として、この表記を使う人が多いこと。
言葉は生きていますから、使っている人が多い表記は、許容されるべき。
根拠の2番目として、おそらく誰よりも正しい日本語を使っている人が、この表記を使ったのを知っているため。
中学生のころ、ボーイスカウトに入隊していました。
で、1986年の日本ジャンボリーに参加しました。
ジャンボリーと言うのは、ボーイスカウトの大会…というか、お祭りです。
日本全国からスカウトが集まって、1箇所でキャンプをします。
1箇所で、といっても、すごい人数が参加するので、周りは知らない人だらけ。
一応、全体としてどんなことがあったのか、内部で配布される新聞まで作られます。
そして、現在の皇太子殿下、当時はまだ「ひろのみや様」だったけど、ジャンボリーに視察に来ました。
皇太子殿下は登山が趣味なので、ボーイスカウト関連の式典にはよく呼ばれていました。
で、当時の新聞記事。もちろんすでに持っていないので記憶で概要のみ。
とある団のキャンプサイトを訪れた皇太子。
そのキャンプサイトの入り口には、ベニヤ板でゲートが作ってあり、訪れた人がメッセージを書けるようになっていました。
だれかの「こんにちは」というメッセージの横に、皇太子も「こんにちわ」と言うメッセージを残しました。
これだけの内容の記事。
新聞には、この手書きメッセージの写真もありました。
当時の僕にとっては、これは衝撃的でした。
学校の国語で「こんにちは」が正しいと習った覚えがあるのに、非常に偉い人が「こんにちわ」と書くなんて…
逆だったら、単に「ものをわかってない奴が書いた、間違ったメッセージに対して、ちゃんとわかっている人が正しい表記で訂正した」と感じたでしょう。
しかし、誰よりも日本を、国語を愛しているであろう人が、学校では間違いだと教えている表記法を使ったのです。
キャンプ後、家に帰ってから、気になっていろいろ調べました。
当時は今みたいにインターネットなんてないし、答えは見つかりませんでしたが…
かろうじてわかったのは、「こんにちわ」も良く使われる表記で、間違いではないと言うこと。
これ以降、自分としては「こんにちわ」は非常に正しい表記となりました。
昨日調べた知識で補強するなら、「現代仮名遣い」は、公共性が高い文章での表記を定めただけのものだから、ベニア板に書かれたメッセージがどう表記されても問題はありません。
#奇しくも、「現代仮名遣い」が告示されたのは昭和61年7月1日。
皇太子が「こんにちわ」と書いたのは、昭和61年8月2~6日のどこか。
7月1日以前なら、「広く使用を薦め、徹底する」とした「現代かなづかい」から見て、間違いだったかもね。
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