すでに昨日の話だが、北野武監督の「座頭市」を見に行ってきた。
内容については何も言うまい。映画館で見るだけの価値がある作品だ、とだけ書いておこう。
最後の方、ストーリー的にはつながりが無いとは思うのだが、何故か感動があるのはなんなのだろう。
後で調べて知ったのだが、「座頭」って盲人の意味なのね。
「座」はグループの意味を持つので、座頭はグループ・リーダーなんだと思っていたよ。
(「ざとう」は盲人で、「ざがしら」だとグループ・リーダーらしい)
映画を見たのは、桜木町のワーナーマイカルみなとみらいだった。
行く前に、昼ご飯を関内のカレーミュージアムで食べる。
ここに行くのは2回目。結構カレー好きなので、いろいろと食べられてうまかったっす。
始めて行ったのは出来た直後。この時はどの店も「一人前」の量でしか出してくれなかったが、今は半分の量を「お試し」と称して出してくれる。
いろいろな味を食べたいと思っているので、割高でもうれしいサービスだ。
一昨日、使っていた鞄の肩掛け紐の留め金が壊れてしまった。
ビジネスバッグなので手持ちでも使えるのだが、歩くときは両手が空いている方が好きなのでちょっと不便。
映画を見る前の開き時間と、見終わってから鞄を探す。
が、なかなか良いものというのは見つかるもんじゃない。そういえば、今使っている(壊れた)鞄を買ったときも、2ヶ月くらい探したっけ。
気長に探すことにしよう。
妻がしばらく前から、小型犬用の服をニットで編もうとしている。
といっても、うちに犬はいない。妻は手芸が趣味だが、人間用のニットは「大きいから完成に時間がかかってイライラする」そうで、いろいろ考えた結果犬くらいのサイズが楽しむのにいいと思ったのだそうだ。
で、趣味は「つくること」なので、作品を取って置こうとは思わない。犬用のニットを編んで、どんどんヤフオクで売りたいという(笑)
ついては、実物大のかわいい犬のぬいぐるみを探していた。服を着せて写真をとるための、いわばマネキン人形だ。
これが、なかなか無い。おもちゃ屋に売っているぬいぐるみはかわいくデフォルメされているし、ペットショップではマネキンは置いてあるが売り物ではない。
ところが、ワーナーマイカルにあったキャラクターグッズ屋さんで、ちょうどいいぬいぐるみを発見。
半分キャラクターグッズ、半分ペットグッズを売るという不思議な構成の店だったので、こういう中間的な商品も扱っていたのだ。
もう半年前の話になるが、妻は秋葉原の路地裏でかわいい鞄を買った。
幼稚園鞄みたいな黄色い小さな肩掛けバッグで、かわいいヒヨコの絵がかかれている。秋葉原の路地裏にありがちな「バッタもの」(倒産会社の商品などを安く売る)で、たしか400円だった。
この鞄、ちいさくてあまり物が入らないので普段は使っていないのだが、かわいいので妻は気に入っている。
名前のわからないヒヨコのキャラクターには、勝手に「ぴよちゃん」と名前を付けているし。
昨日は映画を見るだけだったので、この鞄を持っていった。
ところが、先に書いた犬のぬいぐるみを買うさい、レジの店員に話し掛けられた。
「ぴよちゃんのバッグ使ってくださってるんですね。かわいかったですよね。」
一瞬の混乱。いま、ぴよちゃんって言ったような。
妻も僕も、どう返してよいかわからずに声が出ない。
かろうじて思ったのが、この店で以前似たような商品を売っていたのではないか、ということ。
名前は聞き間違いかもしれないし、この店で買ったバッグだと思われているだけではないか。
こちらの混乱をよそに、店員は商品の入った袋をこちらに渡しながら
「また来てくださいね」
と言ってくれた。
店を出てから、妻が気付く。
この鞄には「MOTHER GOOSE NO MORI」というブランド名が入っていた。
店の看板には「MOTHER GOOSE NO MORI」と書かれていた。まさに、このキャラクター商品の取扱店だったのだ。
家に帰ってからさらに調べる。
MOTHER GOOSE NO MORI は、クリエイティブ・ヨーコという会社のブランドだった。
ひよこの名前はたしかに「ぴよちゃん」だが、このキャラクターのデザイナーさん、現在は独立して、キャラクターの製造・販売権も買い取っている。そのため、MOTHER GOOSE NO MORI では現在ぴよちゃんを扱っていない。
どうやら、販売権が譲渡されたのは今年に入ってからだ。
秋葉原で鞄を買ったのは半年ほど前だったので、販売権が無くなって販売が出来なくなった在庫が秋葉原に流れたのだろう。
店員さんが「かわいかったですよね」と過去形で話したのも、以前は扱っていたこの商品が扱えなくなったことを惜しんでいたのかもしれない。
そうとわかっていたら、もっと店員さんと話をしても良かったのに。
普段持たない鞄を持って、犬のマネキン人形なんて変なものを探していたら、思いもよらない言葉を掛けられた。
ただそれだけのことだが、裏にはこれだけの話が隠れていたのだ。
世の中、どこでどう繋がっているかわからない。ちょっと面白い体験だった。
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