ゴールデンウィークのレジャーとして、住宅展示場など行ってみた。
いや、家を買う金なんてない。ただの冷やかし。
実は、いつも献血に行くために通る道に住宅展示場があるので、今年の1月に冷やかしで入ってみたことがあるのだ。
そうしたら、G.W.前に葉書が来て、「この葉書をお持ちになった方に、もれなく素敵なプレゼント!」というのでもらいに行ってみたということ。
冷やかしとはいえ、興味はあるので説明は聞いてみる。渡辺篤の番組も好きですよ、僕は。
まずは葉書をくれた、旭化成へーベルハウスの展示場へ。
「葉書もらったので来て見ました」というと、粗品はくれたがあまり相手にされず。こちらも若いし、冷やかしだと思いっきりばれたのだろう。
しかも、粗品の数が葉書に書いてあったのよりも少ない。「クレラップとジップロックのセット」を、葉書のクイズで正解した数だけくれると書いてあったのに、「クレラップとジップロックを、合計で」正解数しかくれなかった。
さらに、へーベルハウスの特徴を説明した小冊子プレゼントというのも、くれなかった。
まぁ、たしかに冷やかしですよ。でも、露骨に嫌がられているようで印象悪い。
SxL (エス・バイ・エル)の展示場へ。
こちらは、男性係員が家族相手に詳細な説明に入ってしまっていたので、女性係員しか手があいていなかった。
が、この女性係員、基本的には「お出迎え要員」で、詳しい話はできないらしい。
壁に掛けられた説明文章などを読んでいくと、結構僕の好みの機能を持っているようだ。
以前、「壁の中に空気を通すことで、断熱性がよく湿気にも強い」という住宅があることを聞いたことがあったが、それは SxL の工法だったようだ。
もっと詳しい話を聞きたいところだが、手が開いている人がいないのでは仕方がない。
勧められるままに、パンフレットだけもらって出る。
積水ハウスへ。
積水ハウスって、名前は聞くけどあまり強い印象はない。
で、いろいろと説明はきいたが、やはり強い印象は残らない。
そつなくまとめている感じだけど、とりたてて良いところも見当たらないというか…
もしかしたら、「値段が安い」とか、展示場をみるだけじゃぁわからない強みがあるのかもしれないけど。
積水ハウスは、「特殊ガラスで熱を通さない」ことを売りにしているようだ。
普通のガラス、ペアガラス、積水ハウスのガラスの3枚を通して、同じ熱源からの熱を手のひらに感じてみる。明らかに積水ハウスのガラスだけ熱くない。
光は普通に通すので部屋が暗くなることもなく、夏の冷房効率は上がるらしい。なるほど。
ここでは、イルカの形をした、かわいらしいバスジェル(お風呂に入れると泡風呂になるやつね)をくれた。
住友林業へ。
住友林業って、「住友林業」と「スミリン2x4(ツーバイフォー)」というふたつの会社があるらしい。
2x4のほうの家は、非常に気に入った。
何が気に入ったって、住宅展示場の中で広めのスペースを使い、地下1階地上3階という4層住宅を作っていたこと。さらに、ロフトや屋上テラスまである。
まさに、住宅展示場の真骨頂(?) こんな家、夢また夢という感じですな。
係員の男性は「もちろんこんな家を建てる事はないでしょうが、部分部分のアイデアを自分の家に取り入れて欲しい」と説明します。たしかに、そういう目で見ればこれだけ豪華にしてあることの意味も出てくるでしょう。
ここの係員、ずいぶん気さくな上知識豊富だったのでいろいろ聞いてみます。
さっき積水ハウスでみた窓ガラスなんかは、べつに積水ハウスの特別というわけではなく、オプション料金でどこででも入れることは可能らしい。
さらに、最近スミリン2x4 では、「外断熱工法」といって、SxL のような工法を標準にしたらしい。
なんだか、いろいろな会社のいいとこ取りという感じ。説明も丁寧だし、好感度は高い。
ちなみに、どこのメーカーもパンフレットには「阪神大震災でもうちの家は被害が少なかった」と、焼け野原に残っている家の写真を掲載している。
あとで見比べて気付いた話だが、普通のメーカーは証拠として写真が1枚載っているだけなのだが、スミリン2x4 のパンフレットだけ「阪神地区の〜〜軒中、多少の修理が必要なものはあったが、半・全壊は0軒」と具体的な数字を出していた。
このことも非常に好感度高い。
ここもお土産はなし。パンフレットのみもらって帰る。
三井ホームへ。
ここはいきなり係員がやる気を見せてくれて、「このモデルハウスの見所」の説明から入ってくれた。
ちょっと気おされて「まだ買うお金もないですし、冷やかしですよ」と言ってしまった。それでも「冷やかしでも結構です」と、丁寧な対応。
ここの係員、家に関しての知識量はすごいようだ。それも、僕好みの豆知識満載(笑) ちょっと面白いものがあって興味深く見ていると、それについて感心するような説明を加えてくれる。
冷やかしのつもりが、ついつい自分の仕事がら、家に求める機能などを話し始めてしまう。とりあえず、家中にネットワークを張り巡らせて、常時稼動のサーバーは狭い部屋に押し込めておきたい…とかね。
そんな話で盛り上がっていたら、女性係員が応接室に飲み物を用意してくれた。非常に丁寧な対応。
意味もなく、家の話ではなくコンピューターの話で盛り上がり、予定以上に長居してしまった。
三井ホームに時間を取られすぎて日が暮れてしまったのだが、ちょっと気になる建物があったので最後にそこへ。
スウェーデンハウス。
僕はあまり知らなかったメーカーなのだが、家の外観がちょっといい感じなのにひかれて入ったら…
ものすごい重装備。
北欧住宅の輸入販売をしている会社だそうで、断熱材が北欧仕様。グラスファイバーを、通常の 1.5 倍入れてあるらしい。1.5倍入れるためには壁を厚くしないといけないので、柱も通常よりもずっと太いとか。
(ところで、断熱材にはロックウールというのもある。三井ホーム係員の豆知識によれば、ロックウールはグラスファイバーの 0.6倍の厚みで同じ効果があるとか。とすると、グラスファイバーを 1.5 倍にするより、同じ厚みでロックウールにしても同等の効果があるのでは…)
窓は日本のように横にスライドするものではなく、上に向かって押し上げるような形式。
ガラスはペアガラスどころか、3枚ガラス。窓枠がアルミだと熱伝導性が高くて熱が逃げるそうで、窓枠はすべて木。
窓や扉にスライドするものはなく、すべて向こうに押してあける形式。枠が木でできているためちょっと重みがあって、指を挟んだらえらいことになりそうだと想像するとちょっと怖い。
窓のヘリにはゴムのシール材がついていて、窓を閉めたときには「完全密閉」が実現する。実際、開け閉めすると「ぷしゅっ」と音がする。
窓枠が木なので乾燥状態によってそってしまうことがあるらしい…。多少はシール材によって何とかなるが、あまり隙間が開くようだと困る。そんなときのために、ヘリの側はボルトを緩めると位置調整ができるようになっている。
完全防備だ…日本ではこれはオーバースペックではないだろうか…と思いながら、ふと床を見ると、床下収納があった。なにげなく「開けていいですか?」と蓋を持ち上げると…そこには、非常に分厚い発泡スチロールの中蓋が。
通常、床下収納に中蓋なんてないのだが、冷気は下から来るので発砲スチロールで防いでいるのだという。とにかく、この家は執拗なまでに気密性にこだわっている。
ここまで気密性をあげると換気が問題になってしまうそうで、排気システムがちゃんと作られていた。ファンをまわして室内の空気を外に追い出し、代わりに外の空気を取り込む。
しかし、そのままでは部屋の温度が一定しないので…わざわざ熱交換フィルタまで作ってあるらしい。これによって、空気は交換しても熱は 60% が残るという。
さらに、エアコンのダクトなども、壁に穴をあけてしまうと「熱が逃げる」というので、建築時にあらかじめ壁の中に通してしまうらしい。なので、エアコンはすべて壁や天井への埋め込み型。
とにかく、執拗なまでに「熱を逃がさない」ことにこだわった住宅。
まるで要塞のようで圧倒されたが、最後に家を出るときに気付いた。玄関の扉も、犯罪に強いらしい。
ピッキングしにくい鍵を使うのは基本だが、通常より分厚い板で作ってあるので、ドリルで穴を開けるのにも時間がかかりすぎてしまうらしい。
窓ガラスのほうも、3枚ガラスなので割ることがそもそも難しいとか。
…この家を出たら外はもう暗く、住宅展示場を後にしたが、ちょうど話の「オチ」として最適な家でした。
北海道では人気があるそうで、それも納得。
ちなみに、その他のおみやげ。(書いた以外にも多少回ったので)
・石鍋シェフの蓋付ホーローボール5点セット
・花2鉢
・ミルクシェイカー (超安物…100円ショップで売っているんじゃないか?)
・へーベル君植木鉢と像のジョウロのセット
いろいろ工夫された興味深い展示を見学して、これだけのお土産をもらって「無料」というのは、実はなかなかすごいところなんじゃないだろうか。
住宅展示場っていうのは、ちょっとしたテーマパークの気がする。
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申し訳ありませんが、現在意見投稿をできない状態にしています。 【あきよし】 その通りです。指摘ありがとうございます。誤字修正しました。 (2005-10-29 09:29:08)【masaya】 「断熱材が北欧使用」は、北欧仕様の間違いでは? (2005-10-29 05:13:45) 【BlueSky】 SWHの記事は面白いです。 (2004-08-07 13:02:45) |