22日の話になるが、MacWorldEXPO に行った。
…つまらなかった。
MacOS X の登場以降、Mac は低迷している。
「初心者にやさしい」という当初の目標はどこかに行ってしまい、ややこしいOSになった。
「安定性が高い」といわれるが、それは今までの MacOS と比べて、という話であり、他のOSに対して高い優位性を誇るわけではない。
「UNIXのパワーを秘めている」というが、UNIXを見せるのであれば MacOS である必要は無くなる。見せないのであればこれを売りにする意味がわからない。
Apple のブースは MacOS X のデモ展示一色だった。
サードパーティのブースは、従来ソフトがやっと MacOS X に対応したことのアピールか、UNIX 用のソフトが MacOS X に対応して使いやすくなったことの宣伝かのどちらかしかなかった。
結局、目新しさがまったく無い。
毎日コミュニケーション(MacPower誌発行元)のブースで、「もう一つのマッキントッシュ伝説」という本を見つけた。
「マッキントッシュ伝説」という本は、非常に良い本だった。開発に携わった人たちのインタビュー集で、マックの話題にとどまらず「そもそもコンピューターはどうあるべきか」という問題を提起していた。
しかし、「もう一つの〜」は、黎明期・黄金期を懐かしむ業界人のインタビュー記事で構成されていた。これを見て思い出したのは、VZ editor の末期に発売されたユーザー本や、HP200LX の末期に発売されたユーザー本だ。
マックがすでに末期症状だとしたら悲しいことだ。そうではないことを望むが。
EXPO はあまりにつまらなかったので、早期に切り上げて「日本科学未来館」を見に行く。
ここは非常に良い。デジカメを持っていかなかったのが悔やまれたくらいだ。
内容を見るまでは「子供科学館」の類かと考えていた。
しかし、これは大人の科学館だった。
子供に燃料電池やらナノマシンやらフラーレンやらカーボンナノチューブやらトンネル効果やらジョセフソン素子やら磁束ピン止め効果やら量子コンピューターやら…の話をしても理解できるとは思えん (^^;;
しかし、ある程度ここに上げた単語に興味のある大人はぜひとも行くべきです。
名前は知っていてもよくわからん、ってものが理解できます。
お子様にも安心(?)なのは、インターネットの物理モデル。
ビットを白黒のボールで表し、「共通の経路」を通りながら、なぜ目的の相手にだけメッセージを届けられるのかが良くわかります。
あまりおすすめでないものは、「究極のモバイルとデジタルミュージアム」のコーナー。
展示内容がつまらない。実験的なことの意義は理解できるのだが、それが見ていて楽しい展示にまでつながっていない。
コンピューターの歴史コーナーは、自分の研究分野なので内容の薄さがあまりにも気になるところ。世界最初のコンピューターは ABC マシンということになっているし。(まぁ、それは意見の分かれるところなのでよいのだけど)
このコーナーの中核は eTRON で作られている。
TRON は大好きなのだが、こんな使い方をしていたら「TRON はダメだ」と考える人間が増えてしまうのではないだろうか、と思うほどつまらない。
5F が工事中だそうで、深海や宇宙の「フロンティア」コーナーが見られなかった。
お詫びに…と1年有効の無料券をくれたので、そのうちまた行くとしよう。
同じテーマの日記(最近の一覧)
関連ページ
別年同日の日記
申し訳ありませんが、現在意見投稿をできない状態にしています。 |