そういえばしばらく前の話だが、「横浜ドリームランド」の閉園が決まった。
うちの近所にある遊園地である。前から採算に合っているのか不思議に思っていたのだが、やはり大赤字だったらしい。
横浜ドリームランドまでは、大船駅からモノレールが伸びている。
もっとも、線だけ延びていて動いていない。開園の翌年に、設計ミスから安全性に問題が出て停止したままだそうだが、僕が物心つく前の出来事なので詳しくは知らない。
横浜ドリームランドは、日本では初の、「遊園地らしい」遊園地だったそうだ。
駅から遊園地までモノレールで、というのも、当時はモノレールが「未来の乗り物」という感覚だったためだ。遊園地に入る前から気持ちを盛り上げてもらおう、という配慮。
遊園地というのは長期的に見て利益を上げる商売で、開園時というのは大赤字で始まるものだ。ディズニーランドは黒字になるまで10年かかっているし、当時としては斬新だったドリームランドも例に漏れない。
そういうわけで、モノレールが故障したあと、設計した会社が「作り直すなら、お詫びに半額で作る」と申し出たにもかかわらず、作り直す金が無かった。
しかし、駅からの交通手段がなくなってしまったため、当初計画ほど客足が延びなかった。悪循環でそのままずるずると…
余談だが、今では珍しくない宙返りコースターを日本で最初に導入したのはドリームランド。「フライングパイレーツ」とか「バイキング」と呼ばれるやつを最初に導入したのもドリームランド。
今でこそ絶叫マシンといえば富士通ハイランドだが、昔はドリームランドだったわけで、その絶叫度合いは半端じゃない。
ドリームランドでは観覧車すらも油断は出来ない。ゴンドラが固定されておらず、レールにしたがって時々「自由落下」するという絶叫マシンとなっている。
しかもすべての絶叫マシンが、日本で最初の設計だけあって余裕が無いのか、やたらゆれるわ、轟音を立てるわで、安全性は大丈夫なのかと心配になるので、本気で絶叫できる。
さて、ドリームランドも客足が遠のくのを指をくわえて待っていたわけではない。
モノレールの再建計画は、ちゃんとあったのだ。線は今でも残っているので、立て直せば十分使えるのだ。
この再建計画、半端ではない。いまさらモノレールを動かして「未来の乗り物」などとはいえないので、再建計画では「日本発の、商用リニアモーターカーを通す」ことになっている。
着工は1995年。完成は1997年…って、あれ? まだ着工すらしていませんが…
僕の知っている限りでは、「97年完成」は当初計画。たしか94年頃発表。
95年には「97年着工、99年完成」に、97年には「99年着工、2001年完成」に先送りされる。
あぁ、そうだね。まぁ未来の乗り物だから、21世紀に完成するんだね…
で、いつのまにか 2001年着工に変わっていた。そして2001年、ドリームランドの閉園が決まった。
実はドリームランド周辺には、赤字のドリームランドが遊園地の拡張予定地を切り売りして作った「ドリームハイツ」という団地がある。
ドリームランドはなくなっても団地は残る。団地の人たちは、「大船まで直通の交通機関」を約束されて団地を買ったのだ。
リニアモーターカーは通るのか? ぜひ通ってほしいのだが、まだ「調整中」との事である。
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