「5時になったら仕事終えて迎えに行くから、5時前には現在位置を連絡してね」…と、友人から言われていました。
ちょうど藤枝あたりなら会社から家に帰る途中になるので、車で拾ってくれるというのです。17時すこし前「そろそろ藤枝宿に入ります」とメールを送っておきます。
…その3分後には、藤枝の木戸跡を発見。藤枝宿に入りました。友人からはまだ連絡がありません。とりあえず、連絡があるまでは歩きつづけていよう。
10分ほどたって、携帯電話が鳴りました。
友人:「今会社出たところだけど、どこにいるでよ」
僕 :「いま、藤枝の商店街歩いてるよ」
友人:「それじゃわからんよ。なんか、目印になるようなものない?」
えーと、なにかないか…周囲を見渡します。
僕 :「藤枝だるまって店あるけど?」
友人:(笑い声)「…すまん、そりゃぁわからんわ」
僕 :「えーと、商店街だから目印になるような大きな店ないんだよな…。あ、この先に静岡銀行があるみたい」
友人:「静岡銀行…あー、なんとなくわかった気がする」
僕 :「この辺でまってたほうがいいかな?」
友人:「いや、歩いていていいよ。そのあたりまでいったら又連絡するから」
歩いてていい、ってことなんで歩きつづけます。予定通りJR藤枝駅まで、とはいかないだろうけど、この際だから距離を稼いでおこう。駅をめざしていたのは、それなりの理由はあったのだけどね…
で、歩いていて商店街の中で広重の絵のポイントを発見。
え? ぜんぜん同じ風景じゃないって?
そりゃそうです。広重の絵は「問屋場」(といやば)といって、荷物を担ぐ人足や馬が用意されているところでした。絵に描かれているのは、隣の宿から届いた荷物が、ここで次の人たちに受け渡されている図です。
これは江戸時代の宿駅制度ならではの光景なので、現在問屋場が残っているわけがありません。
では、なぜ上の写真が広重の絵のポイントだといえるのか。それは、この写真に写っている交番の前の地面に、こんなタイルがはめ込まれていたからです。
これを見て、まだなにか疑問がありますか?
…っていうか、問屋場なんてどこにでもあっただろうに、これを「藤枝」とした広重の考えが良くわかりません。広重先生、どうもこのあたりでネタ切れしてるんじゃないかと思います (^^;
さらに進み、最初の連絡から20分くらいたったときにまた連絡がありました。
「いまどこ?」と聞かれたので、「まっすぐ行って橋を渡って…さっきファミリーマートがあったよ」と答えます。「ずいぶん進んだね…じゃぁ、そこまでいくわ」と友人。その間もまた歩きます。
僕:「これで、あいつがさっきの地点について連絡するとするでしょ?」
妻:「うん?」
僕:「それで今度はここの地点を伝えて、あいつがここに来るまでの間に僕らはさらに歩くわけだ。」
妻:「それで?」
僕:「あいつは僕らに永遠に追いつけない」
妻:(笑)
まもなく、もういちど電話。「どうも場所がよくわからない」とのこと。どうも友人が見ているのは自動車地図、こちらが見ているのは住宅地図なので、書いてある情報が違っていて話が噛み合いません。
「この先に青木交差点ってあるけど」と僕。「今、そこで車とめて電話してる」と友人。そこで、探してもらうよりもこちらから歩いていくことにしました。この先、といっても1kmくらいあるので、15分ほどかかります。
15分後、ラーメン屋の駐車場に停まっている友人の車を発見。今日の旅行はここまでです。
このあと、一旦友人宅に行ってから、奥さん(こちらも僕とは大学時代からの友達)と合流して、近所の居酒屋で夕ご飯としました。
冗談で「おごってくれるの?」といったら本当におごってくれまして…いやいや、泊めて貰った上に食事まで。その節はお世話になりました (^^;
今回の旅(1日目)のデータ
旅行日時 | 2003/4/9 4:30〜18:00 |
歩いた時間 | 10時間30分 (うち、休憩1時間ちょっと) |
歩数(万歩計) | 約50430歩 |
歩いた距離 | およそ31km |
交通費 | 大船〜清水 3834円 (ヤフオク購入の青春18切符2枚分) |
食費 | 朝飯(弁当) 745円 アチアチバンズ2個 210円 安倍川餅 1050円 昼飯(とろろ汁) 3549円 ペットボトル茶 200円 |
そのほか費用 | 追分羊羹2本 1690円 日焼け止め 661円 スルガエレガント 10円 |
費用合計 | 11949円 |