10時45分頃、府中に入ります。ここは昔からの城下町で、いまも商店街などがずいぶん賑わっています。
雑貨屋でトイレットペーパーを売っているのをみて…妻は店内にトイレットペーパーを探しに行きました (^^; 僕はその間に上着を脱ぎ、デイバッグに詰め込みます。雨も予期していたのに、暑いくらいの天気!
府中の町中は碁盤目状に道が走っていて、今となってはどこが「旧街道」だったのかよくわかりません。下調べした地図を頼りに町を抜けます。
町を抜けて、安倍川にたどりついたのは11時30分。安倍川の手前には「安倍川餅」の店が3軒ほど並びます。
基本的に持ち帰りのお土産ですが、「石部屋」はその場で食べることもできるので有名な店。実は、今回のコースでよりたかったところの一つ。
店の中は狭く、ちゃぶ台が二つ並ぶだけです。しかし、平日の昼前ということもあってお客さんは他にいません。
店の中では女性店員が電話をしていました。知り合いと長電話中らしく…お客さんの顔を見ても電話を止めようとはせず、奥に声をかけると若い男性が出てきて応対してくれました。あべ川もち(500円)と、からみもち(500円)を注文します。
女性店員は、この後も電話で話しつづけ、5分くらい後に電話を切りました。男性店員が奥に戻ると、しばらくたって面倒くさそうに店の主人登場。この顔は東海道歩きの本で見たことがあります。
主人は手際よく餅をちぎり、お茶と一緒にこちらの席に持ってきてくれると、また店の奥にひっこんでしまいました。
あべ川もちは、きな粉とあんこのセット、からみもちはわさび醤油で食べるお餅です。
味はおいしいです。ここでなきゃ食べられないというほどでもないけど、まぁ名物だし…。しかし、店の対応は上に書いたようなもので、あまりよくないです。店内で食べられる店はここ一軒で、競争が無いので「客商売」という重要なことを忘れてしまっているようです。
石部屋を出れば、すぐ目の前に安倍川があります。広重が描いた「府中」は、安倍川の川越風景でした。もちろん今ではこの光景は見られないので、誰もいない川原だけを写真に撮ります。
この後にある大井川ほどではないですが、安倍川も増水すると渡れなかったようです。そこで、川をはさんですぐに府中と丸子の宿があり、宿の間の距離も5.6kmと、非常に近くなっています。
川を渡ればすぐに丸子宿です。